群像 2007年12月号

群像 2007年 12月号 [雑誌]
掲:笙野頼子・十文字実香・石牟礼道子講談社*1

先月号*2のコラム「侃侃諤諤」が「キャラクターズ」(東浩紀+桜坂洋) *3のパロディだったことと、巻頭作が「だいにっほん、ろりりべしんでけ録」(笙野頼子)だったことから、手にとってみました。
その300枚書下し「だいにっほん〜」では、いきなり冒頭で「キャラクターズ」への言及があったりして驚き。元々あった原稿にわざわざ手を加えたのか。文章から感じとれる勢いを見ると、この2箇月でこの原稿を全部書いたのかもしれませんが、そのパワーはやはり凄い。
今回の「侃侃諤諤」は、ヒロシです口調に乗せた業界ゴシップネタでした。『ホームレス中学生』(麒麟・田村裕) *4人気への嫉妬に、地元図書館の予約が69人待ちだったことを思い出したり、島本理生は『生まれる森』*5のころが好きとの話に、なるほどうんうん、と、妙に納得したり。「キャラクターズ」が桜庭一樹を激怒させた、との話には、桜坂妄想パートにそんなこと書いてあったかなあ、ともう一度読み返してみたり。
いずれにせよ、「新潮」矢野編集長が目論む問題提起*6の《壮大な釣り》は、今でも着々と成果をあげているようです。

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