アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃

少女は鞘、少年は刃

かつて姉に失踪された景介、かつて親友に失踪された吉乃、初めて二人が電話番号を交換したその日に、枯葉と名乗る少女が現れて――首に添えるは冷たい手か刃か、現代伝綺ファンタジー
本作の第一印象は、ほのぼの×ダークな学園アクション『レジンキャストミルク』(藤原祐) *2からコメディパートを除去した感じ。本作主人公の景介は少々醒めたところはあるものの、今のところ、いつまでも結論を先送りにして事態を悪化させる『レジン〜』の晶とは違って、しかるべきときにしかるべき行動をきちんと取るひねくれヒーロータイプです。
人に失踪されるのと、人に死なれるのと、果たしてどちらが心に残るのか、それが本作の隠されたテーマかも。「死」によって決着が着けば、前に進めるのに、「失踪」だと結論が先送りになっていつまでも堂々巡り。
こう考えると、晶の先送り性を主人公の性格から切り離して、「結論が未確定のふらふらした状態」をとらざるをえない状況に景介を追い込んだところに、本作の妙があるような気がします。
枯葉に仕える棺奈の設定が『レジン〜』の硝子にも似て自動人形的。彼女が枯葉に対してどういう役回りで動くのか、次巻が気になります。

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