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読丸電視行

本に遭っては本を読む活字中毒系プログラマー 読丸 の読書感想文日記です。    [総目次]    この日記をアンテナに追加    rss

2009/02/26 アクセルワールド - 黒い爪のイベリコ豚を溶かす彼女の体温

[][][][] アクセルワールド 1 黒雪姫の帰還  アクセルワールド 1 黒雪姫の帰還を含むブックマーク

黒い爪のイベリコ豚を溶かす彼女の体温
著:川原轢 画:HIMA 電撃文庫*1

いじめられデブ中学生ハルユキの唯一の楽しみは、速さだけを競うスカッシュゲーム。誰にも負けないと自負するスコアを塗り替えられ、ショックを受ける彼を加速の世界に誘うのは、学内一の美人の先輩《黒雪姫》――ただしイケメンに限る、とは限らないデブスピードアクション、第15回電撃小説大賞 大賞受賞作。

学園生活を描く日常篇とゲーム世界を描くブレインバースト篇が交互に現われる本作。その日常篇は、いじめられ転校生に余計なお世話をして人気者に仕立て上げる『野ブタ。をプロデュース』(白岩玄) *2を、転校生サイドから見たような状況。

男が男を助ける『野ブタ〜』では、卑屈な心を克服した相手と敵対して破局を迎えるわけですが、本作では、ハルユキと黒雪姫を異性にしたことで、大分違う展開が待っています。

二人の幼馴染み チユリとタクムがつきあっていて、しかもタクムを、成績良し体力良し見た目爽やかに設定して、ハルユキのどん底感を強調しているところも好き。男の友情を確かめるための王道儀式燃える展開です。

この状況で卑屈な性根に染まり切ったハルユキが変貌を遂げる瞬間の爽快さ。次巻では、ピンクブタアバターで活躍して欲しいお薦め

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2009/02/25 黒百合 - ♪対照する女の子 期待してる男の子

[][][] 黒百合  黒百合を含むブックマーク

♪対照する女の子 期待してる男の子
著:多島斗志之 画:牧野千穂 東京創元社*1

1952年六甲避暑地で、私は香に恋をした。昭和16年、神戸学院専用の各駅停車で、日登美は私に恋をした――実る恋、実らぬ恋の嵌め込みミステリ

はじめて日常ミステリを読んだときには、犯罪が起きなくても探偵役が謎を解けばミステリになるんだな、と思ったものですが、本作はそれとは逆。2つの殺人事件という犯罪は起きるのですが、謎を解く探偵役は登場しません。

ひと夏の初恋にドギマギの少年少女たちには、身近に起きた殺人事件の真相を暴く、なんて無粋なことをしている暇はなし。抜け駆けするかされるか、自分達のことだけで精一杯。そもそも、登場人物は誰も《謎》に気付いていません。

リドル・ストーリーのように謎を提示しておきながら解決は読者に委ねたり、『夏と冬の奏鳴曲』(麻耶雄嵩) *2のように解答*3が異常に難しかったり、ということがありません。すっと結論が頭に入ってくるところが凄い。

探偵が出てきちゃうと瑞々しい青春初恋モノの匂いが消えてしまいがちですが、本作では、日常の中に巧妙に謎解きを忍び込ませています。こういう見せ方もあり、のお薦め

2009/02/18 リインカーネイション 恋愛輪廻 - 実はどれも「な、なんだってー!」

[][][] リインカーネイション 恋愛輪廻  リインカーネイション 恋愛輪廻を含むブックマーク

実はどれも「な、なんだってー!」なネタ

役者になる夢を諦めかけた明良の元に、三年前に出て行った妙子が戻ってきた。漫画家になるのが夢だった彼女の口癖は、今も変わらず「怒ったら負けだよ」で――「愛し合ったのは、過ちじゃなかった」を含む再会譚四篇、『MMRマガジンミステリー調査班』(石垣ゆうき) *2キバヤシ隊長による短篇集。

雑誌小説宝石」に掲載された「愛し〜」以外の3篇は、雑誌女性自身」に掲載されたものなんですが、各篇に仕込まれたネタに、読者層の差がはっきり出ているところが面白い。

女性自身」掲載作では、エルメスバーキンパテック・フィリップ腕時計といったブランド商品群に、退行催眠過去回帰でちょっとスピリチュアル。一方、「小説宝石」掲載作は、売れない役者に井の頭公園、閉店する焼き鳥屋。何ともわかりやすい書き分け。

そして最大の違いは、《都合の良い男》が出てくるかどうか、なんですが、「愛し〜」は、そこに一捻りあるところが好み。

普通流通している固有名詞を具体的に出す度合に、何となく漫画原作者らしさを感じました。

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2009/02/17 パララバ - 葬式は遺された人の心を癒やすための儀式

[][][][] パララバ ― Parallel Lovers パララバ ― Parallel Lovers ―を含むブックマーク

葬式は遺された人の心を癒やすための儀式
著:静月遠火 画:越島はぐ 電撃文庫*1

事故死した一哉の通夜の晩、綾にかかってきた電話の主は一哉だった。死んだ綾からの着信履歴を見て電話した、という一哉の言葉――私たちを殺したのは誰?のパラレルサスペンス、第15回電撃小説大賞金賞受賞作。

電話友達の間から一歩抜け出すことができない綾と一哉の二人の仲が、一方の死によって急変するかと思いきや、電話で話すことができる状況になると、また同じ仲に戻ってしまうところに、妙に納得させられます。

たとえば、『ほしのこえ』(新海誠) *2では、時間の経過に差を持たせることで別離を予感させて切なさを演出するんですが、本作は方向性がまったく逆。二人の距離は以前と変わりません。

むしろ、別れの予感を消し去り、あざとい切なさストーリーをあえて避けたことが本作のキモ喧嘩して電話がかかってこない、とか、突然電話が通じなくなる、とか、普通の日常でもありそうなイベントなのに、会話が断絶して始めて気付くこの状況、その衝撃度が強いのはこの構成のおかげ。

突然の別れに後悔したにもかかわらず、また同じことを繰り返してしまう愚かさを味わいたい方に是非。お薦め

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2009/02/16 戦乱学園! - 勝ち戦のお祝いは栗ご飯で

[][][][] 戦乱学園! 合戦の第一法則 弱い武将はよく攻める  戦乱学園! 合戦の第一法則 弱い武将はよく攻めるを含むブックマーク

勝ち戦のお祝いは栗ご飯で

寮生の食費その他生活費の額が模擬戦の結果で決まる晴嵐学園。新設された不破寮121名の胃袋をあずかる初代寮主 涼子は、隣地 犬上寮の敵対行動に――先に動いた方が負ける兵站国盗物語

たとえば、殺人事件の真相と聖徳太子の正体を探る『カンナ 飛鳥の光臨』(高田崇史) *2を読んだりすると、歴史研究にはまったミステリー作家研究成果を発表するために書いた作品なのかな、なんて思うことがあります。

一方、本作で語られる歴史の謎には、戦国時代の兵站の問題であったり、信長の三段撃ちの真相であったり、と、その道に興味のある人ならば、ある意味で《常識》とも言えるものもかなり含まれていて、「研究成果の発表」といった感じはあんまりありません。

本作の凄いところは、その謎を実践(実戦)に絡めて綴るところ。新米寮主 涼子に、他の寮主に対する知略能力上のコンプレックスを抱かせたところも凄い。他の寮主はみんなわかっているのに何故私にはわからない、こんなことで勝てるのか――と悩ませることで、歴史上の謎と寮生活とがぴったり重なり合い、本作でその謎を語ることの必然性が強く感じられます。

同じく学校同士の模擬戦をテーマにした『会長の切札』(鷹見一幸) *3では油断を狙った奇策も見処ですが、本作は、王道戦術戦略が見処かも。何回も読み返して自分地図キャラ一覧表を作ったりしたくなるような、噛みごたえのある作品が好きな方にお薦め

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2009/02/15 ウェスタディアの双星 4 - 有能な将軍は帝王の座に退屈しそう

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有能な将軍帝王の座に退屈しそう

王国滅亡の危機を乗り越え、ローゼの祖父が治めるジェントルーデ領に行幸することとなったルシリア。だが、そこには敵前逃亡した兄コルネリオの姿が――国王の手腕と誠意が問われる治安ストーリー

将軍バドエルと参謀アルファーニの双星を軸に進んできた前巻までとはちょっと雰囲気が変わって、今巻では、女王シリアが国をまとめられるか、が問われます。『十二国記』でいうと、『風の万里 黎明の空』(小野不由美) *2 *3あたりの状況。

『風の〜』のボスキャラ昇紘と同じく、コルネリオ派につくヴァローナ伯もいわゆる小悪党なんですが、内乱を仕掛ける真のラスボスは、父と三人の兄を退けて帝国の頂点を目指す王子リアス。前巻までは単なるやられ役に留まっていたのですが、ロアキア統星帝国側の内情がはっきりした今巻では、反抗するものを殲滅しつつ銀河を統一せんとする《魔王信長》モノの風情。

次巻では、帝国を手中におさめたオリアスが内政でどのような手腕を見せるのか、『銀河英雄伝説』(田中芳樹) *4ラインハルトと比べられるような展開を希望

ぶちかまし お嬢ローゼは今巻でも大活躍。お薦め

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2009/02/13 無貌伝〜双児の子ら〜 - 変装し過ぎで本当の顔を忘れた怪人二十面相

[][][][] 無貌伝〜双児の子ら〜  無貌伝〜双児の子ら〜を含むブックマーク

変装し過ぎで本当の顔を忘れた怪人二十面相

人ならざるもの《ヒトデナシ》が跋扈する日本、怪盗 無貌に顔を奪われ失意の日々を送る探偵 秋津を訪れた少年 望は、鉄道王の娘 芹を狙う無貌の犯行予告――猫のヒトデナシ、犬のヒトデナシ、そして、人のヒトデナシの怪異、第40回メフィスト賞受賞作。

鉄道王一家に何組も登場する双子、ということで、当然その顔はそっくり。その上、人の顔を奪う能力がある無貌まで出てきて、事件が起きたときの目撃証言がどこまで役に立つのか、まったく想像がつかない展開。『犬神家の一族』(横溝正史) *2佐清仮面があまりにもたくさん、な感じ。ゴム仮面ではなく包袋仮面ですが。

デビルマン』(永井豪) *3 *4に登場するジンメンは、人を食ってはその顔を体表に浮き上がらせ、嘆き悲しむ姿を喜ぶデーモンですが、本作の無貌は、『怪人二十面相』(江戸川乱歩) *5自分変装用の仮面と対話して楽しむような、少し歪んだ美的センスの持ち主。無貌が次に集めようとするのは、美少女 芹の《舌》、ということで、なんとも耽美的です。

少年 望に過去自分を見つつも一歩踏み出せない探偵 秋津の腐り具合もたまりません。

今巻では、無貌に顔を奪われた者とその関係者に生じる現象が謎解きの肝の一つになっていますが、この設定は他のトリックにも使えそう。秋発売の次巻に期待のお薦め

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2009/02/12 ロウきゅーぶ! - 好きな娘に素直になれない子供時代

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好きな娘に素直になれない子供時代

バスケ特待生で入学したのに、憧れの部長は自主退学、部活動は1年間停止。学校生活に倦んだ昴をみかねた従姉ミホは、彼に女子小学生バスケ部コーチを命じ――歳の差4歳のさわやかスポ根コメディ、第15回電撃小説大賞銀賞受賞作。

女子高校野球部に訳有りの男子教師がやってきて、の『無敵のビーナス』(池田恵) *2 *3と同じ構成の本作。登場人物の年齢が数段若くなってはいますが、鍵となる女の子が、背が高いことにコンプレックスを抱いているところも共通しています。

『無敵〜』で187センチ長身から時速150キロの速球をくりだすピッチャー 光の役割を、本作では、美しいシュートを放つヒロイン 智香と、引込み思案な長身 愛莉に分割。これが恋?の鞘当てのスパイスに。

バスケットボールの練習シーンも、秘密の作戦も、感動のラストも、王道展開。これぞ女子○○モノの境地。

プリンセスナイン 如月女子高野球部』*4監督 木戸の視点から見た気分でどうぞ。お薦め

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2009/02/05 空ろの箱と零のマリア - ♪このポリループ ああ空箱 みたいな教室だ

[][][][] 空ろの箱と零のマリア  空ろの箱と零のマリアを含むブックマーク

♪このポリループ ああ空箱 みたいな教室だ

初めて会うはずの転校生、聞いたこともない彼女名前を知ってる僕。星野一輝は、転校生 音無彩矢の敵意溢れる宣戦布告――僕らをこの日に閉じ込めたのは誰サスペンス

同じループものでも、登場人物が繰返し記憶を共有しているかどうかで考えると、共有されない『All You Need Is Kill』(桜坂洋) *2よりは、共有度の高い『原点回帰ウォーカーズ』(森田季節) *3とに近い本作。記憶が共有されていると、繰り返しの原因となった犯人探しの方向に向かうのかも。

デビュー以来初めて挿絵がついた御影瑛路ですが、後書きで「自分キャラクターが、自分だけのものでなくなる感覚自分の支配下から逃れる感覚……このキャラクター独立自分作品に影響を与えるでしょう」と書いています。

忘れた頃にやってくるライトノベル定義論からすると、「キャラクターイラストがつくことを作者が織り込み済みで書いた小説」がライトノベルである、といえるのかもしれません。この定義だと、ラノベレーベル新人賞の投稿段階とか、まだ出版されていなくても、作者の考え方ひとつでライトノベルか否かが決まりますね。

ちょっとした台詞犯人の決め手になるところは、ちょっとミステリちっくで好き。『CROSS†CHANNEL』(田中ロミオ) *4的な歪みもきちんとあるお薦め

2009/02/04 しないの。 - バンドを組んでもひとり

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バンドを組んでもひとり

幼馴染みの杏子バンドライブキーボードの綾に一目惚れした僕は、秘かにギターの練習をするが――身持ちが堅くて嫉妬深い彼女ラブストーリー

女の子ばかりのバンド男の子一人と、『さよならピアノソナタ』(杉井光) *2にも通じるバンドものの本作、好きな相手に好きと最初から言ってるだけ、本作の主人公 祐介の方が、『さよなら〜』のナオよりも漢かも。

フェロモン薬「モテルゼZ」で女の子メロメロに、という本作の設定には、叩き付けられるような説得力があります。もっとも、鈍感なナオが何故モテモテ?の『さよなら〜』を見れば、この設定なしでも、普通ラブコメとして成立するような気も。

鯨晴久はドラマー杉井光ベース、と、担当する楽器性格の差が、こんなところに出ているのかもしれません。

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2009/02/03 ナナヲ♥チートイツ - ラノベの後書きで牌活字を使ったのは誰

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ラノベの後書きで牌活字を使ったのは誰?
著:森橋ビンゴ 画:しろ メガミ文庫*1

父に裏切られてヤクザ 初音に売り飛ばされた麻雀打ち 中也は、賭博麻雀界を牛耳る闇の組織 十三不搭が主催するコンビ打ち麻雀大会の優勝賞金獲得を目指し、麻雀打ちの母に捨てられた少女 七緒と組むことに――麻雀闘牌ラブストーリー

麻雀小説漫画がほかのギャンブル小説漫画と一番違うところは、本文でルールの説明をしないこと、と思っているのですが、本作もまさにその、素人お断わりの熱いスタイル。帯の「この表紙は詐欺です。中身はかなりハードボイルドな闘牌小説となっております」の言葉に偽りなし。

中谷を囲う初音、初音の家政婦 雪花、クラスメイトののろまな一ノ瀬、一ノ瀬に辛く当たる萩原、と、癖がありすぎて、とてもヒロインとは呼べないヒロイン達も最高です。

状況をアガリ役の名前に絡めたクライマックスも定番通り。いつもニコニコチートイツの「奈々ちゃんスクランブル」/『デスパイ』(島本和彦) *2と一緒にお薦め

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2009/02/02 宇宙創成 - メイドが率いる世界一の天体画像分析チーム

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メイドが率いる世界一天体画像分析チーム

無限に広がる大宇宙。この無数の星々のきらめきの中に、様々な研究者が満ちあふれている。死にゆく学者、生まれ来る研究者。命から命に受け継がれる大宇宙の謎解きは、永遠に終わることはない――傑作科学ノンフィクション

大学教養課程の授業でよくある「概説」って大体面白くないんですが、本作の場合、SFとか講談社ブルーバックスで慣れ親しんだ宇宙の「設定」と、それにまつわる人の生き様が適度な分量でちりばめられていて、途中で飽きてしまうようなことはありません。

コペルニクスの『天体の回転について De revolutionibus orbium cœlestim』が「革命的な revolutionary」の語源である、という説がある、との一節には目から鱗。なるほど。

学者というものの俗っぽさ、天才といえども人間だ、ということが、まざまざとわかる2冊。お薦め

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2009/02/01 運命の女に気をつけろ - 俺だけは今までの奴らと違うと信じたい男心

[][][][] 運命の女に気をつけろ 劇団・北多摩モリブデッツ、怒涛の36日間  運命の女に気をつけろ 劇団・北多摩モリブデッツ、怒涛の36日間を含むブックマーク

俺だけは今までの奴らと違うと信じたい男心
著:沢村鐵 画:宮尾和孝 ジャイブ*1

気立の良い美人女優 安藤夏姫を客演に迎え、初の恋愛劇に挑む小劇団の面々は、彼女には男優を手玉にとっては再起不能にするという噂を前に――サークルクラッシャー運命の女の微妙な差ストーリー

総勢6名、女は一人のむさ苦しい大学劇団、北多摩モリブデッツに襲来するのは、彼らのファンだと感激する夏姫。いわゆるサークラものだと、劇団ボロボロバラバラになっていく過程をじめっと暗く楽しむことになるのですが、本作の場合、あっけらかんと男女関係が進み、からっと晴れわたった失恋劇が繰り広げられます。

彼らの演目は恋愛劇で、彼らの怒涛の経験はすべて、「I got it!」的に舞台に役立ちます。四人のドロドロの恋愛劇がロミジュリ舞台と並行する『ロミオの災難』(来楽零) *2とは違った意味で素敵。

そして、男達を手玉にとった夏姫の本当の目的が明かされる衝撃のラスト。これには度肝を抜かれました。お薦め

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