鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五章

遺恨なり輝鉄一球を投じ、流星光底長蛇を逸す

最後の要塞がヴェルンスト軍に包囲され、国王を喪い混乱に陥ったままのラゲーネン王国。王位継承権を放棄してしまった第一王女エミリーが取る計略は――鉄塊が唸りをあげる重装甲ファンタジー完結編。
ヴェルンストを率いる血風姫ヴィルヘルミーネは、あまりに優秀過ぎて何でも自分でやろうとしちゃうタイプ。一方のエミリーは、腹心の部下が少ないこともあって、大胆に人任せにしたり。性格が曲がり度合は両者に共通しているんですが、ミーネが一騎駆けする信長なら、エミリーは実力本位で家臣をとる信長、という感じ。
一時ヴェルンスト寄りの態度をとっていた猿騎士エルネストの態度が前半の見処。前巻までは、単なるイヤな奴で終わっていた彼ですが、今巻では秀吉っぽい?活躍を見せてくれます。
となると、エミリーに仕えるグレンは、幼い頃に信長と誼を結び、同盟を結んで最後まで家臣であり続けた家康、ということになるのかも。
剛腕で場を和ませる伯爵令嬢ヘーゼルと、かつてエミリー達を襲い今では味方となった元亡霊騎士リカードのやりとり等、最終決戦を前に死亡フラグ満載ですが、こういうエンディングも素敵。

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