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読丸電視行

本に遭っては本を読む活字中毒系プログラマー 読丸 の読書感想文日記です。    [総目次]    この日記をアンテナに追加    rss

2009/12/01 ラノサイ杯 vs. このラノ2010 - SUGÎ包囲網の呪縛

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ラ管連合国による S U G Î 包囲網を突破せよ

同じウェブ投票でも、匿名投票の『このラノランキングに対して、誰が何に投票したのかはっきりわかるのが、ライトノベルサイト杯ラノサイ杯は、感想サイトを持っている人が投票の中心になっています。

このラノ編集部が「作家評論家ライターライトノベルイベント関係者大学サークルインターネットでのライトノベル情報信者などライトノベル精通している」と考えて投票を依頼した協力者や、『このラノ』の匿名ウェブ投票者と、ラノサイ杯投票者の関係は、一体どうなっているんだろう、と考えてちょっと試してみました。

やったことは単純。昨日の分析結果グラフに対して、2008年下半期・2009年上半期のラノサイ杯投票数が多かった作品の題名に、橙色で色をつけてみました。

グラフを見ればわかる通り、橙色になったのは、昨日先物ラ管連と名付けた領域およびその周縁の作品ばかりで、『このラノ編集部による「インターネットでのライトノベル情報信者」という判断は結構当たっている感じ。

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)

それからラノサイ杯投票者層と、『このラノ』のウェブ投票者は、かなり乖離していると考えられます。

もう一つ気付くのは、『神様のメモ帳』の位置! 完全に先物ラ管連ラノサイ杯ゾーンの中心。S U G Î 包囲網がここまで敷かれているとは!

杉井光作品がこのゾーンを抜け出して、ネットで多数の信者を得たり、広く一般に支持されたり、という時代が果たしてやってくるのか。

GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (2)下 (電撃文庫)

杉井光の新作が、おさんどん得意な男のコのところに美少年が突然やってきてドギマギ――の微BLストーリーで、今までの支持層を捨てて一旦揺籃ゾーンに戻ってから女性読者を獲得する、とか、そんな冒険展開があると面白いんですが。

もっとも私だって、こういう微BLストーリーは結構好きだし、以前のシリーズで雌雄同体ヒロインを登場させた川上稔の『境界線上のホライゾン』もゾーンに入っているぐらいなので、こんな冒険をしたとしても、その呪縛からは抜けられないかも?

2009/11/30 このラノ2010分析 - ラ管連がヒットを作るという幻想

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ラ管連がヒットを作るだなんて、まずはその幻想をぶち殺す!!

このライトノベルがすごい!』が創刊されてから6年、今の投票レギュレーション採用されてから、5回目となった今回。大賞は、『バカとテストと召喚獣』が受賞しました。

そんな『このラノランキングは、編集部が依頼した協力者と、ウェブ投票者や一般人から選んだモニターで、違う重みの票を集計して決められます。

協力者は1位10点〜5位6点、ウェブモニターは1位5点〜5位1点の、傾斜配点が採用されています。

このため得点と得票でグラフを描いてみると、いくらかバラつきはありますが、正の相関がある分布になります。

グラフの横軸は得点、縦軸は得票です。書店(コミックとらのあなくまざわ書店)での売行き好調作は、水色の丸で、それ以外は白丸○で、プロットしています。

また、協力者ウェブ投票者、モニターごとのランキングの上位作の題名を、それぞれで描いています。

この分布、広がりの得点軸(横軸)寄りは『蒼穹のカルマ』、得票軸(縦軸)寄りは『狼と香辛料』のようです(図中灰色の線)。

以前から分析の際に利用している「このラノ値 = 得点÷得票」(2ちゃんねるの分析では「イチ押し度」と呼ばれています。)は、このグラフの傾きに対応するものです。このラノ値は、『カルマ』が一番高くて、『狼と香辛料』はかなり低い、ということになります。

閉じた扇を開いてみると

でも、上のグラフは、やっぱりバラつきが細過ぎて、詳細が良くわかりません。

そこで、この細長いグラフを《扇》に見立てて、『カルマ』と原点を結ぶ灰色の《骨》と、『狼と香辛料』と原点を結ぶ灰色の《骨》を、ぐぐぐっと開いてみます。こんな処理に使えるのが、以前から分析に利用している独立成分分析です。結果は以下の通り。

一目見れば、売行き好調作モニター支持作がぴったり重なっていることがわかります。モニターは、一般購買層からランダムサンプリングした層ですから、これは当たり前といえば当たり前。

次に驚くのは、協力者ウェブモニターで、それぞれ支持作品が群をなしていることがはっきりわかること。分布領域の場所の違いも、ここまで明確になるとは思いませんでした。

協力者モニター・売行き好調作は、隣り合っているのにほとんど重なっていないのも凄い。協力者ウェブもあまり重なっていません。

やっぱり協力者は、既にヒットしている作品とか、もう評判になっている作品には、あえて投票しよう、とは思わないんですね。

化物語(下) (講談社BOX)“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)

人気投票ランキングを作ると、「売上ランキングだけで十分、こんな順位は客観的じゃない」って意見が良く出るんですが、これだけ境界がはっきりしていると、売上ランキングとは違った、《価値観》が確かに存在していることがわかります。

今度はこの色に合わせて領域を分割してしてみました。ざっと分布を見てみましょう。

とある魔術の禁書目録(インデックス)〈19〉 (電撃文庫)灼眼のシャナ〈19〉 (電撃文庫)ゼロの使い魔 17 黎明の修道女〈スール〉 (MF文庫J)これはゾンビですか?3  いえ、それは爆発します (富士見ファンタジア文庫)

ウェブ支持の中心地帯には、『化物語』『文学少女』があります。確かに、手間暇のかかる投票をあえて行う熱心なファンが多そうな作品。

一方、モニターや売行き好調作の中心地帯には、『とある魔術の禁書目録』『灼眼のシャナ』『ゼロの使い魔』といった、メディアミックスの進んだ作品が目立ちます。『これはゾンビですか?』の不思議立ち位置は、ちょっと気になります。

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)ソードアート・オンライン (2) アインクラッド (電撃文庫)アクセル・ワールド〈3〉夕闇の略奪者 (電撃文庫)

協力者は、といえば、『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』と、杉井光作品を囲んでいるのが目につきます。

同じ川原礫作品でも、『ソードアート・オンライン』が協力者地帯なのに、『アクセル・ワールド』がモニター地帯なのも興味深い。過去ウェブで公表されていた作品か、電撃小説大賞受賞作か、の差でしょうか。

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿 (ファミ通文庫)円環少女  10 運命の螺旋 (角川スニーカー文庫)アンゲルゼ―永遠の君に誓う (コバルト文庫)BLACK BLOOD BROTHERS11  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (富士見ファンタジア文庫)蒼穹のカルマ3 (富士見ファンタジア文庫)

横軸に沿って並ぶのは、『耳刈ネルリ』『円環少女』『アンゲルゼ』『BLACK BLOOD BROTHERS』『蒼穹のカルマ』。なるほど、好きな人は熱烈に好き、な作品。

そんなわけで、目立っている作品の題名、支持層の様子などから、独断と偏見で領域に名前をつけてみました。

揺籃 … まだどんな層に支持されるかはっきりしていない、生まれたての作品が住む領域。

一般マス一般人にも名が知れ、売行き好調、マンガ化やアニメ化も進んでいるヒット作の領域。

信者マニア … 面倒な投票も厭わないネット系ファンが多数、信者もたくさんの領域。

先物ラ管連 … 一般でもネットでもメジャーになり切れない作品が先物買い的に拾い上げられる領域。

熱狂ニッチ … 過激に熱狂的なファンが、多くはないけど確実に存在する作品の領域。

当たらずと言えども遠からず、じゃないでしょうか。自分が好きな作品が一体どのゾーンにいるのか見直してみるのも良いかも。

ラ管連がヒットを作るだなんて、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!

あるライトノベルが年月をかけてランキング内を辿るパターンには、3通りありそうな感じがしています。

第1は、いきなり大ヒットになる 揺籃一般マス パターン

第2は、ネットでの支持がじわじわ広がる 揺籃先物ラ管連信者マニア パターン

第3は、ネットで続刊熱望・打切り反対運動が起きちゃう 揺籃熱狂ニッチ パターン

バカとテストと召喚獣 6.5 (ファミ通文庫)生徒会の月末  碧陽学園生徒会黙示録2 (富士見ファンタジア文庫)ロウきゅーぶ!〈3〉 (電撃文庫)

個人的な印象では、先物ラ管連一般マスや、信者マニア一般マスって、あまりないような気がしています。

果たしてこの勘は正しいのか。信者マニア一般マスの境界にいる『バカとテストと召喚獣』や『生徒会の一存』は、これからどちらに進むのか。

杉井光作品や『ロウきゅーぶ!』が一般マスに支持される、なんて時代は、果たしてやって来るのか。

特異な立ち位置の『これはゾンビですか?』『蒼穹のカルマ』は今後どうなるのか。

来年ランキングも楽しみなんですが、過去を振り返ることも重要かな、と思って、作品ランキングの経年変化を詳しく調べて始めています。2006以前はレギュレーションが違ったり投票層別ランキングがなかったり、で比較が難しいので、2007〜2010を中心に色々試みています。

結論が発表できるまでには、しばらく時間がかかるかもしれませんが、お楽しみに。

2009/11/25 予告! このラノ2010分析 - 遠子先輩と一緒にウェブ投票から卒業

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遠子先輩と一緒にウェブ投票から卒業

匿名ダイアリーにまで2ちゃんねるのまとめ記事が載ったこのラノ2010。

例年通り、このラノ値(イチ押し度)や独立成分分析を使って、色々な解析を試しています。

このラノ値だけだと一次元的な見方しかできないのですが、独立成分分析だと、二次元的に見られるので、結構面白いことがわかったような気がしています。

予告的に、分布グラフだけご紹介。話題になっている作品がどこに配置されているのか、是非見つめてみてください。

このバラつき具合が意味するものは――詳細な記事まで、もう少々お待ちください。

2009/11/20 このライトノベルがすごい! 2010 - ♪百人で入れたいな

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♪百人で入れたいな

編集部が依頼した協力者と、ウェブ投票者や一般人から選んだモニターで、票の重みが違うライトノベルランキング宝島社が開催するようになって、もう6回目。この日記では、以前から種々の分析を試みています(→2005年版2006年版2007年版2008年版2009年版)。

ウェブ投票の限界か

今回最も気になったのは、投票者の変遷。このラノ2010は、協力者57人(持ち点1位10点〜5位6点)、ウェブ投票者1115人(〃1位5点〜6位1点)、モニター103人(〃1位5点〜5位1点)の構成。これまで6回の投票者数分布は、こんな感じ。

2005年版69  120+219
2006年版56  103+343
2007年版50  103+321
2008年46  102+656
2009年56  103+1457
2010年版57  103+1115

『フルメタル・パニック!』(賀東招二)受賞(589点/128票)の2008年、『文学少女シリーズ』(野村美月)受賞(1530点/379票)の2009年と、倍々に増えたウェブ投票者も、ついに頭打ちに。というか、見方によっては、これって激減と言えるかもしれません。

忘れたころにやってくる「ライトノベル危機論」が現実のものとなったのか、携帯にTwitterが華やかなりし今、ウェブ投票という手法が、もはや人を集められなくなったのか――来年も目が離せません。

カルマネルリのイチオシ度

ちなみに、「このラノ値 = 点数÷票数」による分析は、すでに2ちゃんねるでなされています(呼び名は「イチオシ度」に変わっています)。

328 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2009/11/20(金) 20:45:55 ID:5rl1MHJI
点数÷票数を「イチオシ度」と勝手に定義してみた。
Top60中86/27で「耳刈ネルリ」が5超のダントツ。5超ということは、協力者のプッシュがおおきい。
一番下は2.48の「これはゾンビですか」。2.5を下回ったのはこれだけ。

Top10中ではカルマが4.80(イチオシ度2位)、黄昏色が4.14、みーまー3.72、化物3.67、弁当3.66、文学少女3.47、とらドラ3.41、生存3.30、バカテス3.19、禁書3.13。
ちなみに円環は3番目の4.77。これも協力者ランキング3位。
つーか、カルマすげえ。協力者ランキングにのってないのに、この数値。
【ライトノベル】- このライトノベルがすごい2010予想スレ★2

ちょっと作業して気付いたことは、全部これに書いてあるので、この連休では、いつもの独立成分分析による分析を試みる予定。

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