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読丸電視行

本に遭っては本を読む活字中毒系プログラマー 読丸 の読書感想文日記です。    [総目次]    この日記をアンテナに追加    rss

2009/08/31 “文学少女”と恋する挿話集 - 痰がからんだら〜♪

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痰がからんだら〜♪

親友ななせと一緒にいると、少年反町の視線を感じる森ちゃんは、彼がななせに恋してると思い込み――破局の未来が確定した彼女の恋日記短篇集。

反町の森ちゃんに対するちぐはぐな恋模様は、かつてのティーンズハート少年レーベル向けに構成し直したかようなの展開。恋する反町文学少女 天野先輩の薦めでハイネ*2バイロン*3に耽溺しちゃう姿は、男のコの自己陶酔を女性にも受け入れやすい形にした感じなのか、恰好つける方向性が読んでいて超恥ずかしい。

ななせが井上にふられることは決定済みの未来で、彼女の秘めた思いを甘く描く挿話、ちょっと悪趣味だなと思いながら読み始めたんですが、だんだん「このまま続けばななせエンド」な、ギャルゲーをやっている気分になったのか、切なさほろ苦さが薄れてきてしまいました。

これもゲーム的リアリズムの悪しき影響かもしれません。

2009/05/09 “文学少女”見習いの、の初戀。- お初天神に散る露は、菅原道真の悔

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お初天神に散る露は、菅原道真の悔し涙

文芸部部長 心葉に一目惚れした新入生 菜乃は、本好きと偽って入部するのだが、すぐに見破られてしまい――本読みの高校デビューは可能か心中ミステリー

子供の頃に『デミアン』(ヘッセ) *2と『オーメン*3ダミアンに因縁を感じていた私としては、菜乃に共感しないわけにはいきません。その『デミアン』、中高時代に何とか読了した記憶だけが残る一方で、今回の本作のモチーフ『曾根崎心中』(近松門左衛門) *4は、途中で挫折した苦い思い出があります。

今までに本はあまり読んだことがない、という設定の菜乃なんですが、その割には『曽根崎〜』がかなり読み込めているようで、何だかちょっと差をつけられた気分。たとえば『円紫師匠シリーズ』(北村薫) *5ヒロインに負けるのは当たり前に思えるんですが、自分より本読みじゃない相手に負けるのは、ちょっと悔やしい。

近松に馴染めなかった理由は、心中に対して、やるせなさ美しさよりも、『ゼウスガーデン衰亡史』(小林恭二) *6的な滑稽さ、『宇田川心中』(小林恭二) *7的な軽さを感じ取ってしまうちょっとひねくれた私の性格のせいかも、なんてことを思いました。

2006/12/28 “文学少女”と繋がれた愚者

yomimaru2006-12-28

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図書館の本の見処ページを狙って切り取る犯人を探す先輩 遠子に、いつものように無理矢理付き合わされた心葉は、なぜか級友芥川と演劇をやることになり――縛られた過去を解き放つ憑き物落としストーリー。

前巻までと同様に、ゴシックで掲載された犯人らしき人物の書簡と、小説 友情・愛と死(武者小路実篤) *2をベースにはしているんですが、今巻では、この古典を劇中劇としてさらに取り込んでいて、ミルフィーユのような、甘くて切ない多層構造が見事。

文学に対する遠子先輩の偏愛ぶりも好調。現実にこういう語りの人がいたら……と考えたときのある種の《鬱陶しさ》は、形容詞過多な 赤毛のアン(モンゴメリー) *3の台詞に似てるんだな、と、今巻でやっと気付きました。

巻を追うごとに心葉の過去が明らかになっていく展開ですが、今巻の最後の一文は鬼の引き。次巻が待ち遠しいお薦め。

2006/04/26 “文学少女”と死にたがりの道化

yomimaru2006-04-26

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食べちゃうくらいに物語を愛する自称“文学少女 ”遠子と、彼女のために物語を書き続ける小葉の、二人だけの文芸部に、ラブレターの代筆の依頼が持ち込まれ――口溶け軽めなミステリアス学園コメディ。

何故か殺人ピエロの孤島同窓会(水田美意子) *2を感じた題名なんですが、読んでみると、今巻は太宰治に対する《愛》に満ち満ちています。もちろん、眼鏡っ娘短篇 女生徒*3に対する言及も! 方向性は、本読みHP*4や六の宮の姫君(北村薫) *5に近いかも。

複数の話がパラレルに進み、どこまでが虚構でどこまでが現実か酩酊させられる構成、本を食べちゃう本読み妖怪遠子先輩の愛らしさと、魅力満載です。熱い文学少女好きな人は是非。続刊が楽しみ。

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文中、作家・評論家等の公人については敬称を略します。
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