- 全7巻
┃あらすじ
麻雀で生きている若者(ニート)・沢渡大介。メチャクチャに強いわけではないが、凌いでゆける強さは持っている。さて、今日はどこで打つのかな?
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吉祥寺を根城にしている時点でどうしようもなさが漂っている主人公、進歩もなく後退もない、情痴小説の世界。まさに日常漫画。私は読書的に読んだ。主人公は実に青臭いおっさんだなと思っていたら、20代だったりして驚き。
┃あらすじ
点5の麻雀を打つ大学生と彼等の前に現れる様々な人との麻雀を通した交流。千点50円でも、いっしょうけんめいやればそれがかっこいい。
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死ぬほど恥ずかしいサブタイトル通り、すっごい青春青春している主人公たちが甘酸っぱい…。そこまで点5に固執するのは、そこに彼等のアイデンティティがあるから(或いはそこにしか見い出せないから)?ところで、なんでそんなに学歴を披露する必要があるのかがわからないのは、自分が馬鹿だからなのだろう。ただ、どんなに高学歴であれ麻雀狂いなのは間違いなく社会的に「がっ…駄目…!」の部類。地引氏の絵が今よりも少女漫画風でカワイイ。
→参考:全8話完全解説 「50円の青春」牌姿&思想研究 マンセンゴ.net
┃あらすじ
往年の雀ゴロ・江渡辰巳(54歳)と彼の弟子・鎧敬一(31歳)。ふたりは麻雀に対する考え方の違いから次第に距離をおきはじめ、敬一は新たな師を得て江渡に挑戦することとなる。
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はじめはあまりおもしろくないと思って読んでいたが、師弟の心の距離が決定的に離れてゆくあたりから加速度的に面白くなっていった。江渡は細く長く客を食って行くことを考えているが、敬一は勝負として麻雀がやりたい。普通は敬一のほうがカッコイイという解釈になってしまいそうだが、敬一だけに視点が片寄っていないのがとてもいい。旦那衆を真綿で絞め殺すように食っている江渡も大人でかっこいいと思う。こういうのはベタな展開なのかも知れないが、ジェネレーションギャップがおもしろい。あと、江渡のお客さん・ミネソタさんがおもしろい。ミネソタってアアタ。名前は忘れてしまったが、敬一の新たなる師もかっこいい。
┃あらすじ
大学の同級生である高井理一郎とガンジーは同じ会社の内定を取っていたものの、入社直前にその内定を取り消される。そこでふたりは麻雀で稼ぐ会社「ザンク」をつくり、ふたりで生きて行くことを決意する。高井は競技麻雀や大会麻雀、ガンジーは裏麻雀でそれぞれベストを尽くし、ザンクを支えてゆくが、次第にふたりの心は離れてゆくことになる…。(※読了していません)
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輝け青少年!な麻雀漫画。少年漫画っぽい漫画でとても読みやすいし、対極的な親友同士のふたりの信頼関係や心のすれ違いはとてもよかった。(漫画的に)若い男の子!ってかんじで。ガンジー独自の麻雀理論や高井くんの麻雀講座もおもしろい。ジャンプあたりに載っていればよかったのに。ただ、個人的な趣向により絵が好みではないため、あの女の子をどう捉えたらよいかがわかんない。途中で原作者が亡くなったため、急遽まとめに入ってしまってちょっと最後がドタバタぎみ。
┃あらすじ
雀荘で知り合った示談交渉人・真島によって、人質び解放を賭けた麻雀勝負に同席させられることになった坂本。真島はその勝負に敗北し、坂本は真島を殺すか自分が殺されるかを選ばされるという境遇に陥る。どうしようもなくどうしようもない駄目人間だった坂本の運命はここから変わってゆく。
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示談交渉人というモチーフがおもしろそうだったが、いつのまにかそのモチーフはなくなっていた。あまり説明的でない唐突な展開がよい。というかんじで漫画としてはおもしろかったのだが、これ、人の生死を決めるゲームが麻雀である必要はあったのだろうかとは思う。テーマが「命ってなんだ?」なのに「それなら麻雀で勝負だ!」でいいのか。でもそれくらいで、それぐらいがいいのだろう。あと、自分の経歴上、こういう絵を見るといろいろなことが思い出され、胃が痛くなる。
┃あらすじ
麻雀好きの主人公は故郷・九州を離れ、東京で中国マフィアと麻雀を命がけで打つ。しかし彼はその勝負に負けてしまう。絶体絶命の危機に現われる主人公の親父。ぐうたらだと思っていた父親は実は希代の麻雀打ちだった。
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表紙の絵はギャグなのかと思った。単行本がヘンなところでブチ切れているせいで、ものすごいアクロバチックで不条理漫画のような印象が残っている。しかし、単行本未収録部分は読まないで、単行本のラストで「劇終」と思ったほうがよい、と聞いて複雑な気分になった。検索しても感想が全然出てこないので、主人公の名前とかその親父のふたつ名とかがわからない。覚えているのは、敵が「毒蛇」という名前だったことだけなのがちょっと悲しい(自分が)。
┃あらすじ
麻雀好きだがいまいち(麻雀の腕が)冴えない主人公は、山崎(確か)という麻雀打ちに出会い、少しずつ成長してゆく。
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阿佐田哲也の小説をモチーフにしている麻雀漫画。はじめは困った顔の主人公がずっと悶々としつづけ、彼の無限地獄のようなどうしようもなさをひたすら描き続ける漫画なのかと思ったのだが、山崎さん(確か)の教えにより少しずつ勝てるようになっていったので、少し安心した。ショートショートが連続しているような構成なので読みやすい。ところで、『天牌』で、智美が菊多に「麻雀は?」と聞かれ、「少しならべられるくらいです」と言ったのがとても可愛くて印象に残っており、参考にしようと思っていたのだが、この漫画で主人公が山崎さん(確か)に「麻雀はできるか?」と聞かれ、「ならべるくらいなら」と答えたら、「じゃあお前生卵積めるのか!?積んでみろ!!ホラ!!」みたいなことを言われるくだりを読んで以来、「麻雀はできる?」と聞かれても「ならべるくらいなら」とは答えないようにしている。
→主人公の師の名前は山崎ではないのでは?とのご指摘を頂きました。が結局本当は何て名前なのか不明です。
┃あらすじ
下っ端ヤクザの年男は雀荘で顔面に妖艶な刺青を持つ男・亮に出会う。年男の組織と対向組織との不動産を賭けた麻雀勝負の場で亮は鮮やかなアガリを見せ、物件をものにした。これを機に、年男は亮に魅入られるように行動を共にするようになる。やがて年男と亮は福生で高純度の麻薬を捌く男・ジョージと麻薬中毒で牌が透けて見える男・三斬と出会う…。
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主人公の亮のアガリはほぼ清一色であることに途中で気付いた。どうしてチンイツなのか、このあたりに注目して読んでいくとおもしろかった。途中から牌が透けて見える(透けて見えているように読める?)者同士の闘いになるが、それもまたおもしろい。ここでのヤク中キャラ側からの心理描写がよい。主人公がなぜタトゥーをしているのかの説明はないが、なかなかカッコイイね、チミ。
┃あらすじ
出版社の新入社員・橘省吾は麻雀雑誌の編集部に配属される。麻雀ができなかった翔吾は本で勉強し、1ヶ月が経つ頃には麻雀を「知的で完成度の高いゲーム」だと思うようになっていた。2ヶ月五、省吾は編集長に誘われ、初めて「レート」がある麻雀を打つことになる。
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競技麻雀の研究会のメンバーが昼は渋いルールでドMに打っているのに、夜は博打で打っているシーンが印象的。この漫画では、麻雀の技巧やそれに伴うドラマというよりも、金がかかっている麻雀とそうでない麻雀、或いはそのレートや金に絡んだルールで打ち方が変わる事自体が主題。自分は基本的に賭けないので、このあたりは完全客観視で読む事になった。単行本がいいところで終わってしまっているため、結末は謎。
┃あらすじ
時は大正時代、この頃麻雀が日本に初めて持ち込まれた。文学少年の大岡新作は上海帰りの詩人・富村が持ち帰った麻雀牌と、麻雀という遊戯に魅了される。大岡はやがて麻雀を通じて様々な人々と知り合うことになるが、その中のひとり、平田雄三郎は彼の運命を大きく変えることになる。
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大正時代が舞台というわけで、作中の麻雀のルールは当時のもの。鳴いた牌のさらしかたや嶺上牌の置かれる位置、点数の数え方が現在のルールとは異なっている。のだが、途中からそれが崩れてきているらしい。私にはよくわからないが、やりきり度が低いとのこと。連載当時、その設定に読者がついてこなかったようだ。しかしそんなことは二の次、文学青年(というにはまだ少年ですね)な主人公がはいからさんな女の子・たまき(しかも憧れの人の妹←重要)にLOVEなところが実にいい。お互いモジモジしているところだとか、ミルクホールでデート?(←この「?」が重要)とか、婚約者と麻雀で勝負だとか、サンドイッチ作ったげるとか、憧れすぎる。片山まさゆき『打姫オバカミーコ』を押さえ、堂々のトキメキ麻雀漫画グランプリです(私の中で)。これ以外にも舞台が大正時代であることを活かした作品の雰囲気がとてもいい。文学青年が主人公なだけあって菊池寛、谷崎潤一郎、夢野久作など、文学アイドルが多く登場するのも嬉しい。そんな主人公達は関東大震災が起こっても意外とケロッとして麻雀を打っていたりする。さすが高等遊民。さて、この漫画の麻雀漫画としての主題は「雀品」なのか?さすが文学青年。『耳をすませば』麻雀版?(残念ながら相手の女の子は麻雀は打たない。)
┃あらすじ
脱サラしてギャル雀「おままごと」をはじめた幸田俊夫(28歳)。ギャルに囲まれウハウハかと思われたが、自由奔放なロシア娘・ナスチャーと気の滅法強い女性・カオリの板挟みに会い、ギャルたちに気を使ってばかりの毎日。さて、そんな「おままごと」には頻繁に珍客が訪れるのだが…
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絵がカワイくて話がポップでおもしろいので、楽しく読めた。女の子の個性が立っていて、とてもカワイイ。私もあのような女の子とキャッキャキャッキャ麻雀が打ちたい。しかし、ナスチャーの男性の好みのタイプ→チェ・ゲバラというのがすごい。大方の男性が圏外ではないか。ところで、おおつぼマキさんの描くどうぶつは、本当にみんなスケベそうな顔をしていて、最高だと思う。パンダ尊師とか、キモくていい。
┃あらすじ
川北大学の学生寮・竹丸寮に入ってきた新入生・矢鴨浩二は、のっけから謎の先輩・一汁四太に絡まれ、麻雀でかっぱがれてしまう。ここでは新入生はカモとしておいしくいただかれてしまう慣習。竹丸寮では、今日も元気に奇想天外なルールで矢鴨くんは一汁先輩にかっぱがれるのであった。
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「リーチ帽」が気に入った。奇想天外ルールがおもしろい。すでに別のゲームになりかけているものもあるが、実際にやるとおもしろそうなものばかり。すごい。でも、「ピンズの海の荒波」ルールは私は死んでも無理…頭がついていかない…。でも、寮だった人って、とても羨ましいな。
昭和30年代の博多。花島タケオは仲間内での麻雀に飽き、街の麻雀荘に顔を出す。ここでの大阪のケン師・堂島との出会いが、タケオの長い麻雀人生のはじまりとなった。やがて東京に出たタケオは、作家の朝倉徹也率いる麻雀新撰組の一員となり、豪快な打ち筋で日本中を席巻する。
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さきごろ完結した復刻版で読みました。個人的には、実話をもとにした〜といった類いのものを好んで読むことはないのですが、これはそんなことを考えることもなく、とてもおもしろい。そしてかわぐちかいじの絵がっとてもすばらしい。最終巻を電車の中で読んでいて、危うく降車駅を乗り過ごしそうになりました。最後のタケオと蟹江しゃんの闘いはとてもドラマチック!蟹江しゃんもタケオもかっこいいね。
┃あらすじ
平凡なOLだった山瀬絵里は、「すきなことを仕事にしよう」と思いたち、会社を退職して雀荘勤めをはじめる。めちゃくちゃな新人バイト・唐木、となりの雀荘のスカウトマン、娘を心配して上京してきた父、プロを目指す同僚、正体不明の店長…、そのほかいろいろあって、落ち込むことも多いけど(?)、私は元気です。
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かなり乙女な漫画。よい意味で少女漫画っぽい雰囲気がある。自分の好きなことをやり続けられるというのはとてもすばらしい。私は現在山瀬と同じ歳。山瀬が言っているいろいろなことは、とてもよくわかる。でも、山瀬のようなおしゃれな生活はできていません。
┃概要
『ぎゅわんぶらあ自己中心派』『スーパーヅガン』のキャラクターたちが学園もの風に麻雀を教えてくれるという入門書。
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私は正しいさいころのふりかたをこの本から学びました。というわけで、片山まさゆきキャラが麻雀のゲームとしての進め方を教えてくれるという入門書。ドラ夫ちゃんとミエちゃんが先生役。欄外に待ちや点数計算のミニドリルがついているのだが、このミニドリル、「★何点ですか? 子供、出アガリ ロン」という問題がポンやチーやカンのしかたより先に出てくるのが摩訶不思議だと思った。確かに面前ですが、この時点ではテンパネどころか点数計算自体教えてもらっていなかったりなどしちゃって。
平成元年・横浜。水谷紅一は麻雀が大好きな高校三年生男子。今日は月に一度の麻雀デイ!だが面子が集まらない!悲しみに暮れながらとぼとぼ帰宅する途中、持っていた麻雀牌セットをひっくりかえして牌が散らばってしまう。それを拾ってくれた通りすがりの美少女に麻雀に誘われて…!?!?麻雀からはじめるラブコメディ(と書いてしまうと意味不明ですがそういう話です)。
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本の山を抱えながら神保町を走っていたところ、玉英堂のとこの曲がり角で人にぶつかってコケて本を取り落としてしまったら、ぶつかった相手の方がそれを拾ってくれまして、それがまた渋くて超ダンディなおじさまで、お詫びにお茶でもと誘………………………と、こういう妄想を抱く者としてはこのようなラブコメを馬鹿にすることはできないわけです。『きまぐれ☆オレンジロード』のパロディというわけで、絵もそういう系統(装丁もジャンプコミックス風)。個人的にはこういう絵が苦手なのですが、この絵柄でなぜか有名な麻雀漫画のパロディをやっています。ポップでライトで読みやすい内容で、ほんと昔の漫画だなあ、という印象でした(悪い意味ではなく)。
┃あらすじ
昭和37年。大学を卒業したあともその懶惰な生活から抜けきれず、新宿を根城に麻雀ばかり打って暮らしていたフリーの代打ち・池谷。彼はとあるヤクザたちと打っている最中に迷い込んできたひとりの女学生を救うため、普段の営業的打ち方をやめて本気の勝負に出る。しかしその女学生は……
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小池一夫の若き日をモデルにした池谷という人物の法学生(?)時代から雀荘の店長に至る現在までの麻雀を通しての出会いや出来事を描いている。タイトル通り「勝負だけでなく、物事の真実や行方は、下駄を履くまでわからない」という話だが、途中からそうでなくなる。しかし、主人公、はじめはキリッとした美青年!といった顔をしているが、途中から顔がやたらダサくなってゆくのはなぜなのだろう。話のカットビ具合では『牌鬼無頼』のほうがすごい。
※私は未読ですが、本作は同じく小池一夫原作の『黒い雀たちの神話』(画・芳谷圭児)と主人公が同じだそうです。
┃あらすじ
伊豆のしがない民宿「春風」。長男・春海勇介は、長女・白雪、次女・紅子、三女・みどり、住み込み使用人の天野寒三さんとともに「春風」を切り盛りしている。彼は、数少ない宿泊客に麻雀を通してあたたかな風を吹かせる。
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ブックオフの100円棚によくある麻雀漫画。ラスト2話の白雪の言動に一貫性がないことが気になるが、なんにせよタンピン三色イーペーコーはうれしいと思う。寒三さんはなかなかのヤリ手と見た。そういうわけで、麻雀漫画というより、ほのぼの人情漫画。
※追加情報 ラストが異様にはしょっているのは、連載誌「麻雀ゴラク」休刊にあわせたためだと推測される。
┃あらすじ
雀ゴロ・武上が麻雀を通して出会う様々な人々。高級クラブのママ、彼女に惚れる雀ゴロ、かつての売れっ子役者の映画監督、元公務員の雀ゴロ……。それぞれにそれぞれの麻雀があり、武上もそれに応えてゆく。
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一貫したストーリーのない、1話完結の短編形式。雀荘やそれをめぐる人々に出会ってゆくというエピソードの形式はごく普通だが、武上がただのクールな麻雀打ちではなく、なかなかプリティな人物であることが物語をしみじみとおもしろくさせている。物語を彩る女性登場人物も魅力的。麻雀漫画において「その女性キャラは出てくることに意味がないのではなかろうか」と思うことがあるが、この作品ではそれがない。しかもみんな美人で可愛い。そして武ちゃんはモテすぎである。『よんぶんのさん』のときもそう思ったが、この作者の漫画は雰囲気がいい。背景の絵が細かくてリアルだからなのだろうか。
志村裕次+みやぞえ郁雄 グリーンアロー出版社(1984)
┃あらすじ
中国で修行を積んでいた榊雀吾が久々の帰郷で目にしたのは、何者かによって(麻雀で)虫の息にされた父・白翁斎の姿だった! 奪い去られたのは父が若き日に極めた(麻雀の)十二の雀技! 雀吾の前に次々と現れる謎の(麻雀)刺客・雀戦鬼たち! 雀吾を狙う者の正体と真意とは!? そして、雀吾が最後に見るものとは!?
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レトロ少年漫画のムチャぶりと麻雀漫画のムチャぶりが悪魔合体した麻雀少年漫画。なんというか、スーパービックリマン。『兎』や『天牌』に向かって超能力麻雀と言うのは甘いと思わせられる。本物の超能力で麻雀を打っている。牌を持っている人が消えるとか、配牌が全部白に見えるようになるとか、超能力で自動卓のように山を積み上げられるとか。ムチャぶりのあまり話に辻褄があわない展開もあるが、そういったときは登場人物達がセルフつっこみを入れている。欠点を補ってあまりあるほどノリがよく、楽し読める。バカ漫画と思われているようだが、敵役の麻雀への思いは『理想雀士ドトッパー』の羊飼牧雄に通じるところもある。しかし、主人公は麻雀に別に思い入れなどなかったりする。一部でネタ的に扱われているのが悔しい良作。これがネタなら天牌とかアカギは毎回ネタ爆発です……。
井出洋介+鳴島生 芳文社(1985)
┃あらすじ
東京大学の文科1年生の青年・秋山純は、麻雀好きの同級生・野村明男と意気投合し、ルールを知らない同級生たちに麻雀を教えて麻雀を通した友人関係を築く。友人たちと打つときはもちろん、寮の麻雀大会、そこで出会ったライバルがバイトする雀荘でも、彼はいついかなるときも麻雀を真剣に楽しむことを忘れない。彼は社会学部に進んで卒業論文の題目に「麻雀の社会学」を選び、卒業後も就職することなく麻雀プロを目指し、雀荘メンバーをしながら研鑽の日々を過ごす……。
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この漫画でいうところの「麻雀プロ」とは、麻雀で生活しているとか、なんらかの団体に所属しているという意味ではない。社会的意義のある活動をする誇り高い麻雀を打つ人、というニュアンスのようだ。主人公はとてもいい子で自分の信念を持っており、なにより楽しそうに麻雀を打っている『ミリオンシャンテンさだめだ』な青春。井出プロの青春はこんなにもキラキラしていたのでしょうか……。途中、ヒロインの美保さんの髪型がリーゼントにしか見えなくなって困った。
┃あらすじ
とある吹きだまりの雀荘でメンバーをして毎日を過ごしている須田。須田の視点から、彼の務める店に来る客とのエピソード、学生時代の思い出などが語られる。
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現代を舞台に主人公が社会的に認められにくい停滞した状況に身を置き、なおかつそこから抜け出そうとしない話は堀江敏幸の小説『いつか王子駅で』『河岸忘日抄』にもある。しかし、両者は全く性質が違う。大きな違いは、主人公(語り手)が自分に酔っているか酔っていないか。前者に対して、自分に酔ってる男ってキモイと思ってしまうし、だからどうしたって思ってしまう。別に須田プロ自身は自分に酔ってるわけではないと思うんだけどね。自分は麻雀はとんとわからないので、純粋に文章・漫画としてしか評価できない。比べちゃいけないとわかってても既存の文学・漫画と比べてしまう。主人公がグネグネする暗い話を語るには圧倒的な文才が必要。もしくは他者を圧倒するほどの強烈な情念か。そうなると、私はこの作品を評価できません。完全に好みの問題で申し訳ないですが、絵が微妙なのが最大のネックです。ただ、福山さんのイケメンぶりには笑うとこじゃないのに笑ってしまった。
┃概要
レトロ有名漫画の麻雀パロディ集。
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延々↓のようなノリのパロディ漫画がつづく。
装丁が祖父江慎で無駄にしゃれている。mahjongの文字がかなり小さいので、これを見落として買ってしまった麻雀に関心のないキクニファンは可哀想。モチーフが往年の漫画すぎてついていけないものも多いが、雰囲気として使用しているだけだし、単純にギャグ漫画としておもしろいのであまり問題なく、退色が少ない。お気に入りは「ドラ右衛エ門」。あと、柱の四コマ「クイズ王・竜」。鯉の好きな食べ物はなんでしょう。ふっ。正解じゃ〜っ。
元ネタ
『あかつき戦闘隊』、『鉄腕アトム』&『エイトマン』、『忍者武芸帳』、バレエもの少女マンガ(作品名特定不能)、『おそ松くん』+大友克洋、『ハリスの旋風』、『哭きの竜』、『ハレンチ学園』、『サイボーグ009』、楳図かずお&ホラーマンガ、時代劇劇画+『ドラえもん』、『秘密探偵JJ』、『包丁人味平』、『火の鳥』、『同棲時代』+『子連れ狼』など。ほかはわかりません。
板坂康弘+森義一 日本文芸社(1979)
全1巻
┃あらすじ
少年を連れて大阪を放浪する麻雀打ち・鉄砲のダン。殺されたふたりの親友の恨みを晴らすべく、彼は今日も牌を握る。
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恐ろしく絵がバタくさい。しばしば出てくる大阪の風景や主人公のエセ関西弁がそのバタくささに合っている。戦前のアルシャルルールでよろしいかな等、ローカルルールで展開するエピソードもあり、雰囲気はなかなか(天然の成せる技かもしれないが)。主人公がたまにウィンクしているのは何かの伏線かと思っていたのだが、そうではなかった様子。漫画家の問題や時代性かもしれないが、この漫画は闘牌シーンが紙芝居のようで迫力がない。こういうのを読むと、いまの麻雀漫画って、見せ方がすごくうまくなっているんだなと感じた。
┃あらすじ
雀荘にさっそうと現われたイイ女……彼女の賭けるモノはなんと「自分の体」! と言っても腎臓肝臓じゃないよ! 本当は豪腕なのにイッパツやりたいがために体を賭け、ぬるい牌を打つ本末転倒した彼女(実は高校教師)は果たして今夜こそ「負ける」ことができるのか!?
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アタシが賭けるのは体よっ! という女雀士もののセオリー(実在するかは不明)を逆手に取ったギャグ漫画。絵もギャグの雰囲気もちょっと昔の少女漫画風でおもしろい。とくに主人公のお母さんのレクチャーによる「麻雀ができないふりをして男をひっかけまくる方法」は非常に勉強になりました。「すごぉ〜い(*>▽<*)♪」と褒めまくるだけでなく、「出待ち」をするのが勝負師。これでいつ中釜さんが現われてもバッチリです。
てらおかみちお 竹書房(1988)
┃あらすじ
祐天寺進(20) 早稲穂大学教育学部在学中。雀荘がある下宿、白楽館に引っ越してきてからは毎日が麻雀びたり。けして強くはないけれど菊名真夜子、麻美子姉妹とともにケッコー楽しく打っております。性格は明石家さんま、ルックスはとんねるず石橋、持ちまえのちゃらんぽらんがうまく時代に乗って、意外や意外モテまくっているウラヤマシイ男です。(カバー折り返しより)
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驚異的につまらない。上記のあらすじ以外に申し上げることはございません。時代を感じさせる絵と話は今読むにはキビシすぎます。なにより女の子がみんな死んだ魚というかダ●チワ●フみたいなツラしているのが……。ダサすぎるファッションをはじめ、ぬいぐるみをだっこする女子やスリッパがトマト柄等、ある意味見るべきところは多い。
備忘録として、ナンバー付き感想を記していない麻雀漫画の感想を順次書いていきます。基本的に、読んだ麻雀漫画はすべて書いてゆきたいと、そういう思いでございます。
読んだ後忘れる前に感想を書きたいところですが、人様にお借りして読んだもの(貴重な漫画を貸して下さる皆様、いつもありがとうございます。)は既に記憶があやふやだったり、私物でもどこにしまったか忘れて二度と出てこなくなっている漫画も多いため、ストーリー概要や登場人物の名前などに間違いがあるかもしれません。お気付きの点がございましたら、コメントやメッセージフォームでご指摘を頂ければと思います。
大阪に降り立った瞬ちゃん、2ヶ月かかってやっと繁華街まで到着したご様子。一方その頃、艶雄卓(@智美/解説・菊多)では津神さんが星野さんと入星さんに余計なお世話を焼いているのであった。しかし入星さんのあの肩の弾痕は乳首に見えるので嶺岸は以後アップで描くときは細心の注意を払うように。初めて見たときは「星野さんてば男の乳首を凝視するとはやっぱりホ…」と思ったものです。それ以前にあの入星星野サウナ見開きについては、来賀嶺岸ちょっと頭がおかしいのではと思いました。