当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

Twitter はてなアンテナに追加 Feedlyに登録 RSS

YAMDAS更新、もしくはアルバムの解体の話にかこつけた昔話

読んだ観た聴いたサーペンス・アルバムを追加。

タイトルが意味不明だろうから説明しておくと、80年代後半の昔話を起点にした、アルバムという単位についての文章を書くと決めたはいいが、どうしても文章の内容に合ったタイトルが浮かばない。いろいろ思いを巡らすうちに、その80年代後半にワタシがやらかした言い間違えを思い出し、一人でバカ受けしたのでそれをそのままタイトルにさせてもらった。

ここまで読めば『サーペンス・アルバス』のことだと気付く人も少しはいると思うが、こうやって書くと全然面白くないですね。すいません。でも、"サーペンス・アルバム"Google 検索するとそこそこヒットするのがちょっと切ない。

さて、今回の文章は arton さんの文章も話の軸にさせてもらっている。以前 arton さんの著書(正確には宇野るいもさんとの共著)である『Javaプログラミングの処方箋』を、arton さんの著書であることに気付かないまま Wiki 絡みで取り上げたことがあり、それを読んだ翔泳社の編集者の方から献本をいただいた。

で、やっと読める時間ができた。といってもまだ通した読んだわけではないのだが、ワタシが以前取り上げた部分も含め、すごく読者にとってフェアに、しかも(当然ながら)しっかり書かれている本だという印象を持った。なので冒頭の「Javaについて」の最後の「本書の想定する読者」を読み、当てはまると思った人には文句なくお勧めできる本と書いておく。

そうした意味で二重に arton さんに感謝しないといけない。

日米で共通していたジャーナリストによるブログの問題点

今更だが ARTIFACT の「切込隊長、木村剛氏の日本振興銀行の件でまさに切り込み」について。このエントリの本題には当方は特に興味ないのでスルーする。興味を持ったのは、加野瀬さんの以下の指摘。

 もともと、ネットでの情報発信というのは反論されるのが前提です。すべての批判に応える義務はないですけど、きちんとした批判には応えた方が信頼は形成されます。
 でも、最近Weblogブームで参入した人たちというのは、反論は大体無視。そういう人たちの傾向を眺めてみると、新聞記者など昔から情報を発信できる力を持っていた側の人たちが多いです。マスコミでは、読者投稿といっても、肯定的な意見のみ取り上げ、批判的な意見は無視してました。今回の件を見ていると、木村剛氏もそういう体質の人だというのを実感します。

具体的にはブログ時評あたりが頭に浮かぶし、実際加野瀬さんも言及しているが、ワタシが思い出したのは、『ウェブログ・ハンドブック』においてレベッカ・ブラッドが腹立たしげに書いていたことである。ウェブログに手を出すジャーナリストをレベッカ・ブラッドは「プロのブロガー(pro-blogger)」と呼び、以下のように批判する。

 あまりにも多くのプロのブロガーが、別の面でもウェブログを理解していない。連中は、しばしば自分が非難する記事やスピーチへのリンクを拒み、賛同する意見にしかリンクしないのだ。
 ウェブログは特定の主張を宣伝するのにも使えるのは確かだが、ウェブログのメソッド――オンラインで見つけられるどんなマテリアルにもリンクを求める――は、既存のメディアでは見られなかったレベルのアカウンタビリティ(説明責任)を保証している。主要なソースにリンクしない断片的な論評が、「新しいジャーナリズム」の一形態なわけはない――連中は古臭いジャーナリズムの思想が破綻した形のありがちな例に過ぎない(もちろんのこと、実際にはこれは責任あるジャーナリズムでも何でもないんだけどね)。

ウェブログ・ハンドブック』刊行から大分経ち、ジャーナリストが運営するブログの成功例も増えているのだが、日米を問わず新しい形態に自分は理解があるといった顔をして、旧態依然の体質を露にしてしまう人もいるということだろうか。

Wikinewsと増大するWikimedia帝国

こうやって日本語にすると何やらおどろおどろしいが、kuro5hin に Wikinews And The Growing Wikimedia Empire というストーリーができていた。以前取り上げた Wikinews の正式立ち上げを受けたもので、Wikimedia 財団が手がけるプロジェクトについて一通り紹介し、問題の Wikinews についての問題点・論点を解説し、そしてユーザにできることを説くという網羅的な内容になっている。すごいねぇ。

Wikipedia の特徴的なコンテンツとして OS たんのページが紹介されているのに笑ってしまった。

「数学とセックス」の関係を解き明かす専門書登場!

Slashdot を見ていたら、『Mathematics and Sex』という本のブックレビューがあって、タイトルに笑ってしまった。

本の表紙に写っているのは、ニューサウスウェールズ大学で教鞭をとる著者 Clio Cresswell その人のようで再度びっくり。結構テレビにも出ているみたい。

「数学とセックス」といっても、日経新聞で連載中の渡辺淳一愛の流刑地』において、洋服を脱がせ始めてから射精まで12日間かかったといった話ではなく(そりゃ数学でなく算数やがな。出展:やくごよみ2004年12月13日)、章タイトルも本当に数学の話かいなと感じだが、ブックレビューを読む限り、そこそこ面白く仕上がっているようだ。

おれカネゴンさん、訳してみませんか?(笑)

鉤屋衛生博覧会

鉤猫がずらりと並んだジャケットからしてちゃんと作られた DVD になっている……という書き方は失礼か。売り物なのだから当たり前と言われるかもしれないが、そねさんが身体と心を砕いて作ったであろうことが想像できる。本当にお疲れ様です。

実は少し不安だった。当方は鉤屋のイベントには残念ながら参加しておらず、本 DVD に収録されたライブは観ていない。この DVD を観て、怒るなんてことはないにしても、感覚的についていけなかったら、あんまり楽しめなかったらどうしようと思わないでもなかった。結果から言えば、それは杞憂に過ぎなかったわけだが。

ほぼ第一声からピーが入る元気いいぞう先生、喋り出してまもなく北野ファンクラブ状態になる立川談笑師匠、モザイクがかかりっぱなしの女、坂本頼光のアニメに前置きされる「連帯責任」の文字……こうやって書いていくと何か非常に危険なもののようだが、確かに万人が楽しめるコンテンツかと言われると分からない。

元気いいぞう先生の一曲目「世の中狂ってる」。ワタシはなぜかこの曲の歌詞を何かの雑誌で読んでいて知っていたのだが、いきなり会場でこの曲の歌詞を聞いていたら、その破壊性に大笑いしながらもかなり動揺しただろう。個人的には元気いいぞうさんには全部この調子でぶっ飛ばしてほしかったのだが、さすがに創立記念イベントでそれは無理だったか。結果的に、全体的にぎりぎり広く受け入れられるエンターテイメント足りえていると思う。

さて、本 DVD のベストアクトは、ワタシ的には小林万里子&専属ギタリスト・鷲尾悠持郎。もう圧巻としか表現のしようのないパワフルな歌と横で哄笑し続けながらブルーズを刻み続けるギター。ワタシは恥ずかしながら、小林万里子さんのことを存じ上げなかったのだが、ジャケットにある紹介から引用させてもらうと、

1979年フォーライフレコードより「朝起きたら…」でデビュー。大ヒットを記録するも二枚目シングル「レイプフィーリング」は放送禁止。(後略)

……そりゃ、放送禁止になるがな(笑)。見たところ普通のおばさんといった風采の彼女がステージが登場し、ひとたび歌いだすや発生する強力な磁場と笑い。あー、会場で「一人悦び組!」に笑い死にしたかった。

という具合に日ごろ味わえない体験をさせてくれた芸人さんたち、そしてそれを紹介してくださった鉤屋をワタシは支持します。

[YAMDAS Projectトップページ]


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
YAMDAS現更新履歴のテキストは、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

Copyright (c) 2003-2023 yomoyomo (E-mail: ymgrtq at yamdas dot org)