人間皆死ぬ……ことは分かっているのだが、情けない話ワタシの場合、死の恐怖はそれを認識した日から現在まで遁減する気配もない。これから、自らの死まで家族や友人達の死を見つめていくことになるというのに。
死者のカレンダー
と書くとおどろおどろしいが、追悼つながりということで。
はてなグループに導入されたカレンダー機能をモーリさんがうまく使われている。
もちろん本編のほうも更新されており、秋山智俊氏へのエントリは特に力の入ったものになっている。
グループウェアは悪、なのか?
Novell によるグループウェア Hula Server のオープンソースプロジェクトとしての立ち上げのニュースは、思ったほど話題にならなかった印象があるが、jwz こと Jamie Zawinski が痛烈な文章 Groupware Bad を書いていて面白かった。jwz について知らない人は、Hacking the City 日本語訳を参照くだされ。*1
この文章は元々彼のブログに公開されたものだが、反響が大きくなったので静的 HTML 化したのだと思われる。
蛇足ながら登場人物について解説しておくと、Nat とは、Miguel de Icaza とともに Helix Code(後の Ximian)を創業し、現在は買収先の Novell で Linux デスクトップ部門の Vice President を務めている Nat Friedman のこと。彼の Dashboard については以前取り上げたことがありましたな。
jwz が書く Netscape が死んだ理由として、マイクロソフトの攻撃については誰でも知っているが、経営陣が「エンタープライズ」部門に色気を出して Collabra という会社を買収したはいいが、どういうわけかあべこべに Collabra に Netscape が支配されることになり、Collabra 主導の開発が遅れに遅れ、Netscape 4.0 がしょうもない製品になってしまったという話は知らなかった。jwz は書く。
世界を変えるようなことを何かしたいなら、一般の人たちが使いたいと思うソフトウェアを作ることだ。管理職が買いたくなるようなソフトウェアじゃなくね。
そうして「グループウェア」や「エンタープライズ」といった言葉がそれとかけ離れたものであるということを力説しているのだが、Hula Server のすべてを否定しているわけじゃないので後は彼の文章をどうぞ。
メディアミックスならざる安直な「ウェブ本」は本当に売れるのか?――附:「自費出版」と「文筆業」の違い
またしても松永さんが長尺の読み応えのある文章を書いている。はじめはどうして自費出版本の話が出てくるのかよく分からなかったのだが、読んでいくにつれ、ウェブというメディアの特性の話、出版業界の話、文筆業者の話などがつながってくる。「文筆業はサービス業」というのは正にその通りで、それができないのでワタシは物書きにはなれないのである。
献本いただきながらちゃんと読書記録が書けなくて申し訳なく思うが、松永さんの『ウェブログ超入門!』を本文と照らし合わせると、ウェブログという紛れもなくウェブというメディア特有のものについて、実際ウェブリソースの内容を引きながらも、単なるサイト内容の焼き直しでない縦書きの書籍に落とし込まれているのに唸らされる。
ただそれより何より、この長尺のエントリの後半に、
『電車男』は例外中の例外だ。そもそも、2ちゃんねるに「すまん。俺も裏ぐった」「めしどこか たのむ」の投稿があった段階ですでに打ち合わせ済みのシナリオがプロたちの手によって最後まで完成していたようなものを、ごく普通の人がごく普通に書いたブログの書籍化と同列に扱ってはならないのである。
なんて文をさりげなく忍び込ませているところに松永さんの人の悪さを強く感じるのである(笑)。
Crazy Hacks
「世界中のギークによるクレイジーなソフトウェア、ハードウェアプロジェクト」についての Wiki ということで、iPod Shuffle RAID とか確かにけったいなプロジェクトについての情報が集まっている。
クリエイティブ・コモンズ デジタル時代の知的財産権
辺境から戯れ言で知ったが、NTT 出版よりクリエイティブ・コモンズについての本が出る模様。
執筆陣の顔ぶれを見てもしっかりした内容の本であるのは間違いなさそうだが、あまりアカデミック寄りでない解説、並びにもっと CC のダイナミックな利用を示すような文章こそ必要だと思うのだが、『萌えるCC』はどうなったのだろうか。西田氏は CNET に華麗に転職されたようだが。
『Wiki Way』著者によるセマンティック・ウェブ本
『Wiki Way』の共著者 Bo Leuf(というか、『Wiki Way』はほぼ彼が書いたようなものなのだが)のサイトに、次作『The Semantic Web』のページができている……のだが、元々2003年に一度書きあがっていたものの出版社の判断で刊行が延びたりといろいろ苦労があるようだ。
どうやら今年の夏には新たに書き直したものが刊行されるようだが、果たしてセマンティック・ウェブ本への需要は高まっているのだろうか。
既に第一章の PDF ファイルが公開されているので、興味のある方は読んでみるとよいだろう。
セマンティック・ウェブとWiki
安易な連想で、Wiki とセマンティック・ウェブの関係はどうなっているのだろうと調べてみた。c2.com に SemanticWikiWikiWeb というページは出来ているが、特に盛り上がるとか議論が深まっているような感じではない。Wiki と RSS の噛みの悪さの問題と同様の難しさがあるのか。
更に調べてみて Platypus Wiki に行き当たった。このプロジェクトの主催者は対外的な発表も結構やっているようで、検索するといくつか発表の PDF ファイルが見つかる。