YAMDAS現更新履歴

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2006-12-29

はてなブックマークでは振り返れないYAMDAS Projectの2006年 はてなブックマークでは振り返れないYAMDAS Projectの2006年を含むブックマーク

昨年と同じ企画で2006年を締めたいと思う。

YAMDAS Project とこの YAMDAS現更新履歴で今年2006年公開された文章における被ブックマーク件数トップ10は以下の通り(2006年12月29日午前0時0分時点)。

  1. The Goog Life:グーグルが従業員を子供扱いすることでつなぎとめている件 419 users
  2. YAMDAS現更新履歴 - 日本版がある著名な海外ブログをまとめてみた 268 users
  3. バイオニック・ソフトウェア 105 users
  4. YAMDAS現更新履歴 - Joel Spolsky選定のマネージメントトレーニング用課題読書リストの邦訳版を作ってみた 103 users
  5. Web 2.0についてのインタビュー 91 users
  6. 明日近藤さんが見る空は 89 users
  7. YAMDAS現更新履歴 - これからブログを始める人達への重要なアドバイス:無難なペンネームをおさえ、それをプロフィールに書いておけ 77 users
  8. YAMDAS現更新履歴 - ポール・グレアムが語る「スタートアップ企業を殺す18のあやまち」 76 users
  9. The Beaten Generation 67 users
  10. YAMDAS現更新履歴 - サイボウズ株式会社経営企画室によるWikiの分析 64 users

本当は昨年同様トップ20を掲載しようかなと思ったのだが、傾向が読めてしまったのでこれだけで十分である。はてなブックマーク数だけを指標にすれば、いわゆるまとめエントリや「○○に役立つ10の××」的なお役立ち記事、特に海外記事の紹介、それらの組み合わせが「ウケる」ことが分かる。ワタシ自身そうしたエントリを楽しんで書いてはいるが、こうしてみると偏りを感じてしまう。あと今年はオレンジニュース効果も何度か体験したな。

ワタシの場合、サイトの柱の一つに翻訳記事がある。翻訳首狩人を自称する当方だが、今年はワールドワイドウェブの父 Tim Berners-Lee、若き天才 Aaron Swartz、SNS 研究者 danah boyd、そして(意外にもこれまで訳したことがなかった)サイバー法学の第一人者 Lawrence Lessig 教授といった人たちの首を狩らせてもらった。上のリストには Paul Graham の翻訳が5位に入っているが、これはワタシでなく八木の野郎が訳したものである。奴の翻訳がワタシが心血注いだ文章を押しのけてトップ5入りしているのは遺憾である。

とはいえ、6、7、9位とワタシ自身愛着のある文章が入っているのでよしとしよう。The Beaten Generation は、世代論のタイトルとして一年以上前から温めていたもので、実は一度対談でやろうとしたが相方が煮え切らなくて頓挫していた。ほりえもんの逮捕(後の報道)を契機に、憤懣をぶちまけるようにして一気に形になった。

「明日近藤さんが見る空は」は、同時に公開した「明日はてなに吹く風は」とともに今年サイトに書いた文章の中でもっとも思い出深いものである。Seahorses の "Love Me And Leave Me" の歌詞を枕にはてなについての文章を書くことは、これまた一年以上前から決めていたのだが、近藤さんの渡米がそのタイミングとなった。

その渡米からおよそ半年、今のところ成果は影も形もない。当方はその状況に同情する気はさらさらない。勝手に好きなだけ苦しめばよいだろう。もっとも現状を見かねてか会長自らが現場に乗り込みてこ入れをはかっているようなので新展開も近いのかもしれない。

今年2006年の YAMDAS Project、というか当方の活動はブックマーク数では計れない仕事が多かったとつくづく思う。昨年末刊行された『デジタル音楽の行方』の余得のおかげで今年はいろんな方に出会うことができ、そしてそれが新たな仕事につながった。

詳しくは「yomoyomoの訳書・執筆記事」を参照いただきたいが、昨年から続いた Software Design の「Wikiつまみぐい」連載、ロージナ大茶会でお目にかかったソフトバンククリエイティブの編集者から依頼を受けた週刊ビジスタニュース原稿、オライリー・ジャパンの『Make: Technology on Your Time』の記事翻訳(日本版 Vol.2 は来年1月に出るはず)、そして山形浩生をはじめとする豪華執筆陣に名前を連ねることができた『あたらしい教科書 <9>コンピュータ』(asin:4903267458)と今年は本当にたくさん仕事をすることができた。

確実に言えるのは、こうした仕事は今年がピークであるということ。これは当方の能力的な問題もあるし、個人的な事情にもよる。いずれにしても今年お目にかかれた方々には、楽しい時間を過ごせたことに心から感謝する。

最後に再びトップ10に戻ると、やはり公開一週間足らずで過去のどの記事をもこえるブックマーク数を叩き出した The Goog Life:グーグルが従業員を子供扱いすることでつなぎとめている件が圧倒的だっただった。最後の最後にすべてをぶっとばしてくれたと感じである。

ただクリスマスイブの夜に一人しこしこ翻訳するのは寂しい人生ではないかという向きもあるだろう。これに対してははっきり書いておきたい。確かに当方は一人ぼっちだし、間違いなく寂しい人生を送っている。

お前ら岡田有花にだまされてますよ? お前ら岡田有花にだまされてますよ?を含むブックマーク

この記事に喜んでブックマークコメントをつけている連中はだまされてるね。この記事のカメラマンが岡田有花とデキているのでは、とどうして誰も考えないんだ?

そういうアングルで見ると、この記事の印象は一変する。何のことはない、岡田有花の部屋で始まり、また彼女の部屋で終わる単なるデートのついでの余興じゃないか。二次元彼氏なんて移動中は丸めてかばんにでも詰めこんでおけば、物理的にも心理的にも苦にならない。デートがてらに非モテ達が大喜びする記事が一本できるんだからちょろいもんよ。

で、最後は彼女の部屋ですよ。ちゃちゃっと写真を撮ってやっつけ、さっさとケーキとチキンを二人でたいらげたら、後はやることはひとつですよ。二次元彼氏の目の前で、イヴの夜に激しいセックルですよ。

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 セックル!セックル!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J


……と某所に書いたところ、「貴様はけがれている」、「非モテの妄想乙!」、「一人ぼっちだと、人生って長いよね」とけちょんけちょんにされてしまったのだが、もちろん上の文章はネタというか単なる邪推なので本気にしないように(というか、これ岡田さんの部屋で撮影したものじゃないんじゃない?)。岡田有花記者とカメラマン氏に浅くお詫びします。

余談ながら岡田有花に対する評価を書いておくと、昨年までは端的に言って「氏ね」と専ら思っていたが、今年になって中身のある記事を量産するようになり、名実ともに ITmedia を代表する人気記者になったように思う。

個人的には岡田有花の擬似体当たり記事よりも、お面姿で飯を食ってまわるZiddyちゃんの「私を社食に連れてって」により倒錯的なものを感じるのだがどうだろう。

性風俗産業が失われたとき、金塚貞文の『オナニスト宣言』の正しさが立証される! ……のか? 性風俗産業が失われたとき、金塚貞文の『オナニスト宣言』の正しさが立証される! ……のか?を含むブックマーク

Rauru Blog の「性風俗産業が無くなったら何が起きるか」は、ここが日本最強のブログだった今年のはじめ頃を思い出させる良エントリだが、これに通じる話を以前読んだことあったような、と記憶を辿り、それが金塚貞文の『オナニスト宣言』であることに思い当たった。

といってもワタシはこの本自体は読んだことがない。ワタシが覚えていたのは、今読んでも楽しい山形浩生の書評である。

Rauru Blog のエントリに『オナニスト宣言』を短絡的につなげれば、性風俗産業が失われる→オナニー→文明世界の終焉、というすごい三段論法(?)になってしまうのだが、それは適当でないにしても、性欲が実は本能でもなんでもなく、「かきたてる」面が大きいというのは言えるだろう。そして Rauru Blog のエントリで説かれる「男性の自信」の話は、金塚貞文の議論をうまく補うものではないか(著作を実際に読んだこともないのに!)。

最近いただいた書籍、雑誌の紹介 最近いただいた書籍、雑誌の紹介を含むブックマーク

なんか今日はヘンなネタが多いので、お口直しに最近献本いただいた書籍、雑誌を紹介させてもらう。しばらく読書記録も書けそうにないので。

事件の真相!

事件の真相!

ソフトバンククリエイティブの編集者よりいただいた。宮崎哲弥と元「噂の真相」副編集長による連載をまとめたもので、まだ少ししか読んでないが、このままだと期待外れとコメントすることになりそう。

翔泳社の編集者よりいただいた。実はこれの前著にあたる『スタイルシート スタイルブック』を当方は購入していたのに結局読む時間が取れなかったのでありがたかった。

そして毎度ながらの Software Design だが、今年は Unix 方面雑誌の休刊という名の廃刊がいくつかあった。この雑誌にはこれからも充実した内容を期待します。

YAMDAS対談、並びに当サイトの行方 YAMDAS対談、並びに当サイトの行方を含むブックマーク

本サイトにおいて、読者から定期的に「新作はいつですか?」と尋ねられる唯一の人気コーナーがYAMDAS対談である。

2006年は結局一本も公開できなかったのだが、実は10月のはじめにベンジャミンと「YAMDAS Projectの10年」という仮題で一本収録済だったりする。

内容は、かつて泥酔状態でベンジャミンの言葉に激怒して彼にマジ蹴りをかませた話や、泥酔状態で(そればっかり…)絡むベンジャミンに翌日になって激怒して『ウェブログ・ハンドブック』訳者謝辞から名前を外しそうになった話や、当方の家族を全員知るベンジャミンが語るインサイドストーリーといった、毎度ながら当人達のみが楽しい与太話である。

なぜそれが公開されなかったかというと、その中でも当方が毎度口走ることを口走っているのだが、対談収録からまもなくしてそれがいきなり現実的な問題になり、当方がこの上なく動揺してしまったというのがある。

このとき痛感したのは、自分に強い言霊信仰があること(このエントリに婉曲的な表現が多いのもそのため)、そして自分が何度もそれに言及してきたのは、いずれ来る事態を飲み込みが遅い自分に納得させるためだけでなく、一種の「厄落とし」の意味もあったということ。

この動揺は当方の今後の活動にも影を落とすことになるだろうし、それを考えると気持ちが冷えるのも確かである。今自分に書けることは、2007年も YAMDAS Project は続くということ。少なくとも終わるまでは続きます。そして、ベンジャミンも元気にしてるので、いずれまた対談の新作も公開する日もくるだろうということである。

みなさん、よいお年を。

2006-12-27

The Goog Lifeの舞台裏 The Goog Lifeの舞台裏を含むブックマーク

本サイト今年最後の更新は、Read/WriteWeb の 2007 Web Predictions を訳し、仕事が遅い CNET Japan のハナをあかしてやるつもりだった(このエントリの内容は「どうなる2007年のウェブ動向」で読めるが、元エントリにリンクぐらいしろよ)。

しかし、さあ訳そうという段になって、Read/WriteWeb が CC ライセンス指定でないことに気づいた(なぜか思い出せないが、そう勘違いしていた)。そこで第二候補の Aaron Swartz の The Goog Life を訳すことにした。

なぜこれが第一候補でなかったかというと、この文章に対する「センセーショナル狙い」という批判があったこと、要は「煽り入ってる」よなぁということだが、一方で悪評も含めこれが激しい反応を呼ぶ、つまりは「ウケる」ことは分かっていた。

でも、実際訳してみたら二日ではてなブックマーク数が400に達しようかという事態は想定外だったな。

ただそのはてブコメントが案外冷静だったのはありがたかった。まぁ、大局的に見れば巨大企業になったベンチャーがどうイノベーションを継続していくかという普遍的な話なわけで、同じ問題はマイクロソフトも経験したわけである。

果たして Google は Shiro Kawai さんが書く Netscape のジレンマを回避できるのだろうか。

Googleについて、ここ2〜3年の興味は、jwzが語ったNetscapeのジレンマ---「会社を成功させるために働く人でなく、成功した会社で働きたいという人が集まるようになった」---をどうやって回避するのだろうかということだった。やっぱり苦労してるみたいだなあ。

あと公平を期すために、この文章を「クリエイティブのなんたるかがわかってない人がなんかいってる」と批判されている方の意見も紹介しておく。

全員がそうではないと思うけど、googleというのはワークする場ではない。クリエイティブする場である。もっともそれは外野から見た幻想なのかもしれないけど、とにかくそう見えるんだからそうなのだ。

バカボンのパパなのだ。

Aaron Swartz がクリエイティブのなんたるかがわかってないかどうかは、彼の「生産的になろう(HOWTO: Be more productive)」、そして Aquarian's Memorandum の「早熟・天才児の Aaron Swartz に注目する」あたりを読んで彼がどういう人間でどういう実績を挙げてきたか判断してもらうしかないが、確かに彼は「ワークする場で」なく「クリエイティブする場」なんて言葉に興味ないかもね(というか「クリエイティブする」って何?)。

ワタシが彼の名前を知ったのは RSS 1.0 について調べていたときで、てっきりワタシより年上だろうと思っていたら、一回り下であるのに倒れそうになったものだ。彼は Google 社員が子供扱いされていると書くが、その彼が現時点でその大学生の年齢なわけで、今回の文章に寄せられた批判に対して一歩も引かず応戦する彼も、例えば五年後に同じ題材を書くなら表現を変えるかも、とは思った。

あと「ニート養成所」はあんまりだと思いました!(笑)

[] マントショーをもう一度 〜 ジェームス・ブラウンを偲ぶ  マントショーをもう一度 〜 ジェームス・ブラウンを偲ぶを含むブックマーク

岸田今日子の訃報に接したときも少し似たことを感じたが、ジェームス・ブラウンですら死ぬんだな。そりゃそうだけど、やはりショックに違いない。

彼のショーに行ったのは、1993年の大阪城ホール一度だけである。かのマントショーに狂ったように盛り上がる当方を見た友人が、「よう分からんわ」と呆れていたっけ。当時だってこれが最後の来日かもしれないということで行ったのだが、それから何回も来日したため、最近ではまだ彼を観れるチャンスはあると思うようになっていたのは失敗だった。

彼の長いキャリアから一枚選ぶなんてできないが、ぱっと頭に浮かんだのは、ライブ盤『Love Power Peace』である。

Love Power Peace Live At The Olympia Paris 1971(ジャケットは2種類あります)

Love Power Peace Live At The Olympia Paris 1971(ジャケットは2種類あります)

タイトルからしてもうどうにでもしてくれな感じだが、ステージ上で服を脱いだ女性客が踊りだしたが、JB's のメンバー全員演奏に集中していたため誰も取り乱さなかったという逸話のある70年代初頭の演奏が詰まっている(ベースがブーツィー・コリンズなのもお得)。

これを機に彼の自伝を読む人も多いだろうが、激動を絵に描いたような人なので逸話満載の面白い本であるのはワタシが請け合う。が、政治との係わりについての話の途中に「俺は一度たりとも投票したことはないぜ」、税金問題の苦労話の途中に「俺は学校で税金を学べなかったんだから税金なんか払う必要はないぜ」みたいな記述があって腰砕けになりそうになるファンキーな本ではあったな(参考:gotanda6 さんの「JB伝説」)。

それはともかくタミー・テレルとの関係とか、"Say It Loud - I'm Black and I'm Proud"の子供コーラスは白人とアジア系の子供たちによるものとかこの本で知った話は多かった。個人的に興味深かったのは、JB がブルースは好きでないと書いていたことで、このあたりを基点に読書記録を書こうと思いながら今まで書けていない。

すごいのは、激動がなんとか一息ついて明るく終わるこの本の後に、服役することになるドラッグ問題、家庭内暴力問題が起こることで、後者に関しては数年前にも逮捕されたりした。それはともかく、この人は死ぬまで安息など似合わないエネルギーの塊のような人であった。

ソウル・ブラザー・ナンバーワンよ、永遠なれ。

[] 紹介せずにはいられないルー・リードのライブ音源とヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドキュメンタリー番組  紹介せずにはいられないルー・リードのライブ音源とヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドキュメンタリー番組を含むブックマーク

12月29日追記:予告通り本エントリは削除しました。

[] 40人が1本のギターを回し弾くライブイベント……って何じゃそりゃ  40人が1本のギターを回し弾くライブイベント……って何じゃそりゃを含むブックマーク

まず「40人ギター回し弾き忘年会」という名前が受けた。

そして、「普段はバンドでエアギターやドラムなどを担当している人や、ソロでの活動をしていないボーカリストの弾き語りが聴けるのが特徴」って、おい、バンドでエアギター担当って何だよ!

これで思い出したのは1990年の U2 の東京ドーム公演。ボノが客の男をステージに上げて、「オレノギターヲヒイテクレ!」とギターを渡すという場面があり、そのとき男はちゃんとギターを弾いてみせたそうだ。

こんなことをいまさら書くのはアレだけど……やっぱり仕込みだったのかな?

小笠原陽介さんの連載が終わってしまった 小笠原陽介さんの連載が終わってしまったを含むブックマーク

RBB TODAY で連載されていた小笠原陽介さんの連載「浅慮も言っとく」187回という大変きりの良いタイミングで終了を迎えていた。

このコラムはここでも何度か取り上げたことがあるが、「ネット有名人の悲喜劇(上)(中)(下)」でファンになって以来ずっと読んでいたので残念でならない。

こんなことを書いても迷惑に思われるだろうが、当方は小笠原陽介さんに(アイドルなどの趣味を除き)資質的に近いものを感じていたようだ。その氏が、

こういうコラムが存在することを許される場や機会は、残念ながらあまり多くない。また私個人も、19年ほどパソコンやネットについての物書きをして来たが、もう続けていられなくなりそうだ。これまでご愛読いただいた読者に感謝しつつ、締めくくりとしたい。

という文章で連載を終わらせるのは、他人事に思えないところがある。

N0MURAN0MURA 2006/12/27 02:54 わたしの某プロダクト終了時に、小笠原さんと同様、絶筆宣言をされた著者がおりました。
あまりにも申し訳ないので、しばらく呆けることにしました。いまも呆けております。

yomoyomoyomoyomo 2006/12/27 08:25 うむむむ……

2006-12-25

[] YAMDAS更新、もしくはグーグルが従業員を子供扱いすることでつなぎとめている件について  YAMDAS更新、もしくはグーグルが従業員を子供扱いすることでつなぎとめている件についてを含むブックマーク

Technical KnockoutThe Goog Life:グーグルが従業員を子供扱いすることでつなぎとめている件を追加。Aaron Swartz の文章の日本語訳です。

まだ20歳の若き天才 Aaron Swartz の文章を訳すのは「Wikipediaにおけるコード、並びにその他の法」以来二度目になる。

2006年最後の本サイト更新は、公開されるや digg などで大変話題になった文章の翻訳である。原文に寄せられたコメント数もすごく、社員を名乗る人からの異論反論もあるのでそちらも参照いただきたい。

この文章に活写される Google 従業員の描写を日本企業に置き換えるとなかなか面白いというか示唆的というか。今年も Google にいろんな動きがあった年で、また Google を扱う本もいろいろ出たけど、ろくに内部のことも調べずにしたり顔で Google 礼賛を書き飛ばすのはもう勘弁いただきたいところだ。

[] 『デジタル音楽の行方』への反応 その45(たぶん最終回)  『デジタル音楽の行方』への反応 その45(たぶん最終回)を含むブックマーク

デジタル音楽の行方

デジタル音楽の行方

『デジタル音楽の行方』刊行から一年が経っており、販促目的のレビュー紹介も今年末をもって終わりにしようかと思うが、面白いレビューがあれば懲りずに取り上げるかもね!

さて、最後に紹介するのはソーシャル・ネットワーキングサイト mixi におけるレビューである。招待制 SNS 内のページをリンクするのはどうかとも思うが、mixi ぐらいメジャーなら許してもらえるだろう。

これを書いている時点でレビュー数は19件、満足度平均は4.05点(5点満点)ということで、これだけ数が揃うと Amazon あたりと大体同じ感じになるようだ。

訳者として嬉しいのは、現在までずっと着実にレビュー数が増えていることである。『デジタル音楽の行方』もカルトクラシックと呼べるのかも、と訳者バカにも考えたりする。

カルトクラシックとは何か。いろいろ言うことはできるが、突き詰めれば「売れなかった本」なのだろう。

Lingrへの賞賛と個人的な懸念、もしくはARTIFACT部屋で知った驚愕の事実 Lingrへの賞賛と個人的な懸念、もしくはARTIFACT部屋で知った驚愕の事実を含むブックマーク

先週の金曜夜、忘年会から帰ったところでタイミング良くARTIFACT@ハテナ系の告知を見たので、加野瀬部屋でのチャットに参加した。中に入ったら既に yomoyomo がいてやんの。コラ id:otsune や、今度やったらコロスぞ。

さて、Lingr(リンガー)のことは当然前から知っていたものの、ワタシはチャットというもの自体ひどく不得手なため、これまで使ったことがなかった。触ってみた感想を端的に言うと、Lingr は優れたウェブアプリで、もっともっと広く使われる可能性があると思う。

開発者の江島健太郎さんは、「チャットが検索と同じぐらいウェブのコア・ライフスタイルのひとつになる」と書いている。ワタシ自身は、「次のキラーアプリがあるならば、それはビデオだ」という Cisco のジョン・チェンバースの意見に与する者だが、「チャット」が Next Big Thing になる可能性も多いにあるだろう。ただ上に書いたように、ワタシは頭の回転が遅く、キー入力も遅い、つまりは鈍くさいためにリアルタイムなやり取りがひどく苦手なので、そうなるとちょっとツライなと思ったりもする。

さて、実は本題はこれからである。加野瀬部屋(相撲かよ)のアーカイブを眺めていて、文字通り椅子から転げ落ちそうになる事実を知った。「堀薫ファンサイト」を作っていたのは id:rna さんだった!

えーっと、誰も分からないと思うので少し背景解説をしておく。ワタシが大学で卒業研究をしていた1995年末、メールはもちろん日常的に使っていたが、WWW はそうでもなかった。Yahoo! JAPAN ができるのはワタシが社会人になるのと同じ翌96年の4月1日で、もちろん Google などない。日本語表示される検索エンジンもポータルもない(少なくともワタシは知らなかった)世界を想像できるだろうか。ワタシのようなボンクラ学生にとって当時の WWW は「からっぽの洞窟」に近く、ワタシなど偶然アイドルの(画像)ページのリンク集を見つけ、研究室の先輩らから「ええもん見つけたな」と誉められたのを覚えている。牧歌的な時代だった。

件のリンク集の中でなぜか当方にとってインパクトがあったのが、この堀薫ファンサイトなのである。こんな関西ローカルの女子アナの情報があるなんて! 英語の学術情報ばかりなく、こんなマニアックなことにも使えるってくだらなくてすごく楽しいじゃない! と WWW の可能性に開眼した……というのは大げさにしても、個人的に意味があったサイトなのである。

それを作っていたのがなんばりょうすけさんだったなんて……今のワタシの気持ちをうまく表現する文章を「PowerPoint 絶対主義」から引用させてもらう。

なんだか妙な話だった。ホッチキスの発明者はレーニンだ、と聞かされたような感じだ。

その後もなんばさんとチャットしていろいろ合点がいったのだが、氏とキャンパスですれ違っていたのかも、と思うと不思議な気持ちになる。

洋書の邦訳について私が知っている二、三の事柄(『Beyond Fear』、『Founders at Work』) 洋書の邦訳について私が知っている二、三の事柄(『Beyond Fear』、『Founders at Work』)を含むブックマーク

ここでも何度も取り上げてきた Bruce Shneier の『Beyond Fear』(asin:0387026207)だが、今年のはじめ日本語版についての情報をいただいたのだけど、結局今年中には出なかったようだ。残念。

一方で、ワタシも少し前に取り上げた『Founders at Work』だが、なんと版権をめぐって十社が競合したそうな。こちらはそう遠くなく日本語訳が出るだろう。

実はワタシも某社の編集者に命じられて一部を読ませてもらったのだが、インタビューイがバラエティに富んでいるだけでなく話の内容もなかなか面白かった。日本の読者からすれば不親切なところもあるし、何より分量がとんでもないなどの問題もあるが、「本場アメリカでのIT企業の起業」というテーマには需要があるには違いない。

Wii+猫ちゃん=WiiKitty.com Wii+猫ちゃん=WiiKitty.comを含むブックマーク

Boing Boing で Wii と猫ちゃんを組み合わせた画像がいっぱいの WiiKitty.com を知る。

はっきり言って意味不明というか、よくこんなことを思いつくなと思うが、かわいい猫ちゃん画像に癒されながら年末を乗り切りましょう(けっ)。

[] カイロの紫のバラ  カイロの紫のバラを含むブックマーク

カイロの紫のバラ [DVD]

カイロの紫のバラ [DVD]

『マッチポイント』発表時、ウディ・アレンは自分が作った良い作品として『マッチポイント』、『夫たち、妻たち』、そして本作の三つの映画を挙げている。当時の新作を入れているのはリップサービスとして、残りがミア・ファロー時代のものであるのに当方は唸った。

本作は一言でいえば映画のための映画である。スクリーンの向こう側の登場人物が現実世界のさえないヒロインの前にあらわれるという筋書きは多くの映画ファンが夢見るものであり、同趣向の映画は他にもある。が、そこはウディ・アレン、映画のキャラクターとは別にその俳優本人が登場し、彼もまたヒロインに好意を持つところが変わっている。

ありがちな設定にして必然的な苦い結末と言えるだろうが、この映画で一番美しいのは劇中のスクリーンの中であるところにウディ・アレンならではの映画への愛情が伝わる。しかし、それだからそのままこの映画が優れている、とならないところが惜しいところ。ちょっと薄味に感じた。

ところで彼の映画で感心するのは、一部を除けばどれも90分±10分の尺にきっちり編集されていることで、テレビで放映するのにぴったりだと思うのだが、実際には日本のテレビで彼の作品が放映されることは少ない。残念なことだ。

nobusatonobusato 2006/12/29 21:38 佐藤信彦です。ご無沙汰してます、というか、この話題でしか来ませんね:-)

『Beyond Fear』の日本語版はどうなってしまったのだろうと僕も気になりだしていたところ、たまたま別件でやり取りしていた担当翻訳者から「年明けに出版される」という情報をもらいました。昨日再校ゲラが届いたとのことです。楽しみー

yomoyomoyomoyomo 2006/12/29 22:18 ご無沙汰しております。
年明け出版されるのですね! 素晴らしい。楽しみにして待ってます

nobusatonobusato 2007/01/22 15:55 またまた佐藤信彦の『Beyond Fear』情報です:-)
邦題は「セキュリティはなぜやぶられたのか?」(日経BP社、978-4-8222-8310-0)で、3月15日発売のようです。裏情報だともう少し早く発売されるような話なのですが、出版社が安全を見越したのかなぁ。

yomoyomoyomoyomo 2007/01/22 16:08 おおっ、遂に確定ですね。『Beyond Fear』は単なるセキュリティ本でない社会的な広がりのあるものだと思うので、それを活かした邦題にしてほしかったようにも思いますが、何はともあれ邦訳が出ることを喜びたいと思います。
情報いただきありがとうございます。

nobusatonobusato 2007/01/22 21:39 佐藤信彦です。
確かに邦題は『Beyond Fear』というタイトルに込められた思いを表せていませんね。「9/11テロやその後のテロの恐怖を克服して、冷静にセキュリティを考えよう」ということが伝わってこない。
あと「技術や締め付け強化なんかじゃセキュリティは確立できない。それに、テロ対策だけがセキュリティではなくて、もっと広い意味でセキュリティをとらえよう」という主題は帯か何かで伝えるしかないでしょうね。
非常によい本なのだけど、地味だから心配です。一般にアピールできるような人が読んで勉強してくれると良いな。

2006-12-21

そもそもどうして「識者コメント」に応じるのだろう、もしくはワタシがモヒカンだったあの日 そもそもどうして「識者コメント」に応じるのだろう、もしくはワタシがモヒカンだったあの日を含むブックマーク

オリコンが烏賀陽弘道氏に対して高額訴訟を起こした件が話題になっている。とりあえずまとめエントリをリンクしておくので、まだご存知なかった方はリンクを辿っていただきたい。

まったくひどい話で、オリコン自身この訴訟が「訴権の濫用」であるのを半ば認めているのがなんとも。何度も書いているように、ワタシ自身烏賀陽さんの『Jポップとは何か―巨大化する音楽産業』(asin:400430945X)にはいろいろお世話になったので、カンパとかやるなら協力するつもりだ。

さて……ここまではよいとして、他の多くの人と同じことを書いても仕方ない。以前から疑問に思っていることをこの件で再認識したのでちょっと書いておきたい。

それはどうして「識者コメント」なんかに応じるのだろうという根本的な疑問である。

今回のサイゾーの記事にしても、烏賀陽弘道氏は掲載されたコメントの内容が、「烏賀陽の原義とはかなり隔たってい」ることを認めている。そして、そういう話って昔からずーーーっと続いてるよね? 専門家だから、この問題に詳しいからと記者にコメントを求められて答えたら、内容が歪められて新聞や雑誌に掲載されたとか、ひどいのになると言ってもいないことを掲載されたという奴である。記者がちゃんと記事にしてもデスクの解釈で捏造されるという裏技(?)もあるらしいし。

そういうのを身近に聞くとひどい話だなぁと思うのだが、その人にしても過去にいくらでもそういう例があることを知っていたはずである。それなのにどうしてコメント依頼を受けるのだろう。

昔の筒井康隆のエッセイで「コメント料」の話を読んだ覚えがあるが、それがものすごく高額なわけもなかろう(多分)。一方で論旨を歪められて損をするのはその「識者」自身なのだ(高額訴訟を起こされる可能性もある!)。物書きの場合は記事に協力することで、その媒体と友好関係を保つというのが一番の理由ではないかと推測するが、それ以外の職業だと何でだろう。自己顕示欲と書くと怒られそうなので、専門家としての使命感に違いない! と書いておきますが。

もうみんな「識者コメント」とか拒否して、代わりに短くてもいいから直接記事を書かせろと言えばいいのに。もちろんこれが無茶な話なのは承知しているが。

さて、「識者コメント」ではないが、実は場末の雑文書きであるワタシにも大通信社から話を聞かせてくれという依頼が来たことが一度ある。

その件をネタにさせてもらったのが「実例に学ぶビジネスメールの注意点」という文章である。

いわゆるモヒカン族の中に当方も含められることがたまさかある。ワタシ自身は自分のことをそうした種類の人間だとはまったく思わないが、この文章は例外的にそういうテイストが出ていると思う。

[] Wiki小話/Vol.7はPodcastle Night  Wiki小話/Vol.7はPodcastle Nightを含むブックマーク

久方ぶりに開かれるWiki小話/Vol.7Podcastle のプロジェクトメンバー登場とのことで、これはすごくタイミングが良い。

Podcastle についてはアンカテ(Uncategorizable Blog)で労働集約型人工知能あるいは「半労半算」というエントリがちょうど公開されている。労働集約というのはまさに Wiki なわけで、「半労半算」とのことで Amazon Mechanical Turk を例に出しているのだからバイオニック・ソフトウェアの名前も出してほしかった(笑)

それはともかく Podcastle はすごく可能性のあるウェブアプリケーションなので、開発者に直に話が聞けるなんてとても貴重なチャンスに違いない。ワタシはもちろん参加しません。

[][] レッシグの『Code v2』だけではない、Wiki上で執筆された/ている書籍  レッシグの『Code v2』だけではない、Wiki上で執筆された/ている書籍を含むブックマーク

以前から何度か取り上げてきたローレンス・レッシグの『Code v2』が遂に発売された

Code: And Other Laws of Cyberspace, Version 2.0

Code: And Other Laws of Cyberspace, Version 2.0

名著『Code』をバージョンアップするにあたり、改版作業が Wiki サイトを舞台に行われたのは知られているが、Angela Beesley がこの本以外にも Wiki を舞台に執筆された/されている本を紹介している。

以前紹介した Yochai Benkler の『Wealth of Networks』以外にもいろいろあるんだね。そしてそれらの多くにクリエイティブ・コモンズのライセンスが適用されている。

[][] ボブ・ディランは映画の差し止めを求め、ルー・リードは反日映画(?)に音楽を提供する  ボブ・ディランは映画の差し止めを求め、ルー・リードは反日映画(?)に音楽を提供するを含むブックマーク

ボブ・ディランがシエナ・ミラー主演映画の公開差し止めを要求! とのことで、『ファクトリー・ガール』という映画でのディランをモデルにした人物の描写にお怒りのようだ。

この映画以前紹介したような……Amazon980円劇場のジョン・ケールの『Slow Dazzle』の回で触れてますな。でも、この映画ウォーホルはガイ・ピアースが演じるのか。

ウォーホルのファクトリーというと、ルー・リード先生の名前も欠かせないわけだが、彼もこの映画の脚本を読み、「ここしばらくお目にかかったことの無い、最低でむかつく代物」と罵倒している。

そしてそのルー・リード先生だが、「レイプ・オブ・南京」下敷き 米で反日史観映画 年明け発表というニュースで名前を見かけるとは……

音楽はグラミー賞を受賞したロック界の大御所ルー・リードが担当するという。

あれ、彼グラミー賞とったことあったっけ? というのはよいとして、あの本が下敷きですかー。もう勘弁してくれよ。調べてみたが、Mercury News の最新インタビュー記事で確かにこの映画について触れている。

``I just wrote two songs for an HBO thing called `The Good Man of Nanking,' about the invasion of Nanking by the Japanese,'' Reed says, ``and these two songs are amazing, if I do say so myself.''

Web 2.0 Summit のときと同様に AOL つながりだと思うが、このニュースを知ったときは正直気持ちが塞いだよ。

遂に新装版『百年の孤独』が刊行された! ……のだが 遂に新装版『百年の孤独』が刊行された! ……のだがを含むブックマーク

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

当方とガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』とのすれ違いの歴史(?)については、かつて「百年のちゅうちょ」というエントリに書いたが、そのとき『百年の孤独』の新版が出ることを教えていただいた。

そしてそれのページが Amazon.co.jp にできていることを知り、注文しようと早速アクセスしてみたのだが……在庫切れだった。

まぁ、大きな本屋に出向けばよいのだが、ワタシがこの本を読み始めるのは2007年に入ってからになりそうだ。

2006-12-18

[] YAMDAS更新、もしくは著作権保護期間の延長問題を考える国民会議第1回シンポジウムを受けての簡単な備忘録  YAMDAS更新、もしくは著作権保護期間の延長問題を考える国民会議第1回シンポジウムを受けての簡単な備忘録を含むブックマーク

Technical Knockout著作権保護期間の延長問題を考える国民会議第1回シンポジウムを受けての簡単な備忘録を追加。

2006年二本目にして最後の技術コラム。何だ、俺だってまだ書けるじゃないか、という以上の意味は特にない。

「シンポジウムの反応はたくさんあるが、言葉遣いが悪いものが多く、それはそれで困る」という苦言があったので(はっはっはっ、またリンクしたぞ!)、「夜郎自大」、「権威主義者」、「差別的」、「単なる強欲」といった表現が入る文章はばっさり削除させてもらった。オイラも大人になったものだ。

が、一箇所一部の人だけ分かる皮肉をこっそり入れ込んでいる。

[] Six Apartにつきまとう"asshole"の呪い  Six Apartにつきまとう"asshole"の呪いを含むブックマーク

Rauru Blog にエントリがあがらないのが謎だが、フランスで Six Apart などが開催した Web 2.0 系イベント Le Web 3 は成功とはいいがたかったようだ。

その結果いろんなブロガーにイベント主催者が叩かれただけにとどまらず、その余波で TechCrunch UK の Sam Sethi が解雇されるという騒動も勃発している。

ただこれは金曜までの話で、それ以後は当方もバタバタしていた上に Rauru Bookmark にも新ネタがあがらず情報をまったく追えていない。誰か最新情報をまとめて!

Six Apart がヨーロッパで主催したイベントというと、昨年の Les Blogs 2.0 においてメナ・トロットが、よりにもよってブロガーに礼節の必要性を訴えるスピーチの最中に、IRC での反応にブチ切れてブロガーを名指しで asshole と罵倒するという身体を張った大ネタを披露した事件を思い出すが、Naked Conversations のエントリによると、今回も Le Web 3 の主催者が Sam Sethi に対して asshole と罵ったようで、勝手に「Six Apartにつきまとう"asshole"の呪い」と命名させてもらう。

Six Apart にとっては笑いごとじゃないだろうが、少し前の Web 2.0 Summit もそうだが、こうした Web 2.0 系イベント自体がぼちぼち飽きられつつあるんじゃないだろうか。

[追記]:海外速報部ログの「TechCrunch UKが休止に」が参考になる

ネット上に長い将棋観戦記を、という梅田望夫氏の提案に賛同する ネット上に長い将棋観戦記を、という梅田望夫氏の提案に賛同するを含むブックマーク

これは良いエントリですな。梅田さんの以前の『永久保存版 羽生vs佐藤全局集』についてのエントリにおける「将棋を鑑賞する」という概念の話も、将棋となれば指すことばかり考えてしまう当方は唸ったが、それを具体化した提案になっている。

梅田さんは金子金五郎が将棋誌に書いた観戦記を例に出しているが、新聞の観戦記も昔(少なくとも戦前戦後の頃)は今よりずっとスペースが大きかった。名人戦ともなれば、それを当時の有名作家が執筆していたわけである(坂口安吾のように将棋を指せない人が書く対局者の心理を洞察した観戦記もあった)。

あと金子金五郎の観戦記の素晴らしさは梅田さんや当方のような古くからの将棋ファンなら自明だが、若い将棋ファンには伝わらないだろう。河口俊彦の『将棋界 奇々快々』(asin:4140840412)からの孫引きであるが、エントリの補足の意味で一つ引用しておこう。

世間は新しいものを価値として要求する。百番指したといわれる大山、升田戦が棋技としていかに至宝のごとき内容を持つものであっても、その人としての限界を越えることは出来ない。そこで世間はちがった"人"を要求し、その限界を破ろうとする。これが歴史とか生命とかいうものの命令なのだろう。加藤一二三君はこの要求に応えねばならない位置に押し出されてしまったのである。追われる大山名人も辛いだろうが、ちがった意味での重圧感を加藤君は感じているにちがいないと想像していた。

これは昭和35年、神武以来の天才と言われた加藤一二三が初挑戦した名人戦の第一局の観戦記である。

将棋界に次の真の天才があらわれたとき、誰かがこの金子金五郎のような文章で、その前途を祝福できればなと思う。

YouTubeで話題になっている武道の達人はラストニンジャだった YouTubeで話題になっている武道の達人はラストニンジャだったを含むブックマーク

はてなブックマークの注目の動画に Budo Masters: Ninpo Hatsuumi というのがあがっていたのだが、どの名前どこかで見たような……と記憶を辿り、「ラストサムライならぬラストニンジャの教えとは?」で取り上げた初見良昭氏であるのを思い出した。

やはり著名な武道家だったんですな。

[] 天国から来たチャンピオン  天国から来たチャンピオンを含むブックマーク

小学生のときテレビで観て、「なんて面白い映画なんだ!」と感動し、以後ワタシのオールタイムベストのひとつである。が、小学生のときの感動を壊すのが怖くて以後観ないようにしていた映画である。

今回気まぐれで観てみたのだが……うーん、記憶は美化されるものなんだね(笑)

でも、良い映画には違いない。コメディとして要所で笑わせてくれ、設定の張りぼて感にもかかわらずただ都合良いばかりのハッピーエンドでない苦さがあり、そしてほろりとさせながら後味の良い終わり方をする。デイヴ・グルーシンの音楽も美しく哀しい。

昔観たときには気づいてなかったが、主演のウォーレン・ビーティ以外も良い演技をしている。ヒロインはジュリー・クリスティだが、『華氏451』のときとは随分違ったな。あとこれも大好きな映画のひとつである『ミッドナイト・ラン』(asin:B000E6GB5S)のチャールズ・グローディンも出てたんだね。

あとコーチ役で良い味を出していたジャック・ウォーデンは今年お亡くなりになっていた。合掌。

elvenelven 2006/12/18 11:42 「著作権保護期間の延長問題を考える〜(以下略)」の「まがいなりにも〜」は「まがりなりにも」の間違いではないでしょうか。

shiranuishiranui 2006/12/18 18:55 私は「まがい(もの)なりにも」と補完して読みました。どちらでも意味が通じるのが面白いです。

yomoyomoyomoyomo 2006/12/18 20:27 はい、elvenさんのご指摘通り間違いですので修正させていただきました。そう間違ったのはshiranuiさんが書かれているようにそれでも何となく意味が通じるからで、そのあたりについては以下のページが参考になります

誤字等の館:まがいなりにも
http://www.tt.rim.or.jp/~rudyard/torii026.html

2006-12-13

ハンドル変更のお知らせ ハンドル変更のお知らせを含むブックマーク

重要なお知らせです。

ご存知の方も多いと思いますが、新潮社が「新潮文庫から新しい雑誌」とのことで yomyom(ヨムヨム)を創刊しました。

当方はこの新雑誌に何の関係もありませんが、yomoyomo(よもよも)というハンドルを使うことで誤認が生じ、新潮社にご迷惑をかける可能性を心苦しく思います。

そこで心機一転、しかも初心にかえるという意味で、当方はハンドルを somosomo(そもそも)に変更したいと思います。






……というネタはすべってますかね?

著作権保護期間の延長問題を考える国民会議第1回シンポジウムに参加(してません) 著作権保護期間の延長問題を考える国民会議第1回シンポジウムに参加(してません)を含むブックマーク

著作権保護期間の延長問題を考える国民会議主催の第一回シンポジウムだが、例によって遅刻したため二階席に陣取った某氏(朝の NHK ニュースにビシッと映っていた)は、後方の男女による以下のような会話を耳にしたという。

「で、あの一番前の列にいるのが、○○で、そのとなりが○○で、あとyomoyomoじゃね?」

誰ですか、センセイ怒りませんからこれを言った人は名乗り出てください(笑)

ワタシは田舎で隠遁生活を送っているので、平日に開かれたシンポジウムには参加できず、津田大介さんらの尽力により実現したネット中継を聞いて、チャットでくだを巻いておりました。もし会場にいたら、終了後デジハリの福冨忠和に「非モテを差別するなぁ!」と泣きながら殴りかかったかもしれないので、現場にいなくてよかったと思います。いや、ウソですけど。

思ったことを書き出すと長くなるので割愛するが、やはりフラストレーションがたまったな。感想としては青月にじむさんに近いだろうか。

シンポジウムの詳しい模様は、ITmedia岡田有花ありと思わせる適確なレポートが公開されているのでご一読いただきたい。

個人的には、平田オリザさんがレトリックも含めよくここまで語ってくれたという予想を越える活躍だった。山形浩生は語る論点はバッチリなれども、この人にははっちゃけ役も期待されていたはずで、そのあたり普段のネット上での中年厨房ぶりを発揮できなかったのは残念……というのは言いがかりですね、すいません。

[] ジェフ・エメリックがビートルズサウンドの秘密を語る本が面白そうだ  ジェフ・エメリックがビートルズサウンドの秘密を語る本が面白そうだを含むブックマーク

「ニューアルバム」も発売され今更ながら活気付くビートルズ界隈だが、ちょうどタイミング良くビートルズのエンジニアを手がけたジェフ・エメリックの本が邦訳された模様。560ページというかなりの大著だが、こういうのを出版するのはやはり白夜書房ですね。

ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実

ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実

自分達のサウンドに自覚的になった中期以降のビートルズサウンドの秘密を語れるのは、当人達をのぞけばプロデューサのジョージ・マーティンとエンジニアのジェフ・エメリックしかいないわけで、しかもジョージ・マーティン御大の回想とはまた違った位相の話が読めるようだ。

この本の序文をエルビス・コステロが書いているが、これはエメリックがコステロの『Imperial Bedroom』(asin:B0000787FH)のプロデュースを手がけたつながりか。

予告しておくと、次回の「ロック問はず語り」は、ポール・マッカートニーのインタビューを取り上げる予定。

"Nevermore"の所以と創作の不可思議さ "Nevermore"の所以と創作の不可思議さを含むブックマーク

ENDING ENDLESS 雑記帖エドガー・アラン・ポーの "Raven" にインスパイアされた文学、音楽作品について書かれている。

面白いのは、このポーの代表作である傑作長編詩は、彼の「内面の真実」(出典:サルまん)などを描いたものではなく、「大衆と批評家双方の好みに適うような詩を一篇書いてみたい」というポーのある意味不純な動機の元、極めて緻密、かつ技巧的に作り上げられた作品であるということだ。

しかし、だからといって "Raven" の価値が下がるわけでもないし、それにインスパイアされた作品についても同様である。

人間の営みというのはそうした気まぐれを内包したものであり、そして優れた芸術作品は、作者の意図から離れたところで独立した生命を持つものなのだろう。まただからこそ面白いと言えるのではないか。

[][] 『永遠のモータウン』制作チームの次回作は南部ソウルの殿堂マッスル・ショールズが舞台  『永遠のモータウン』制作チームの次回作は南部ソウルの殿堂マッスル・ショールズが舞台を含むブックマーク

Hotwire News(12月12日)によると、「米マッスル・ショールズがドキュメンタリー映画に」とのこと。

大人気ドキュメンタリー映画『スタンディング・イン・ザ・シャドウズ・オブ・モータウン』を制作したチームが、1960年代70代にアレサ・フランクリンウィルソン・ピケット、ジェームス&ボビー・ピューリファイ、ローリング・ストーンズ、エタ・ジェームス、ボブ・ディランオーティス・レディングらなどによる数多くの音楽を世界に送り出した米アラバマ州の小さな町(人口1万2千人)を舞台にした『スタンディング・イン・ザ・シャドウズ・オブ・マッスル・ショールズ』を発表する。

『スタンディング・イン・ザ・シャドウズ・オブ・モータウン』というのは『永遠のモータウン』のことですね。あれは素晴らしい映画だった。しかし……(その訳はリンク先で)

アラバマ州マッスル・ショールズ(の FAME スタジオ)といえば、スタックスがあったテネシー州メンフィスと並ぶ南部ソウルの殿堂なわけで、『永遠のモータウン』のスタッフが手がけるなら期待してよいだろう。しかし、『スタンディング・イン・ザ・シャドウズ・オブ・マッスル・ショールズ』というタイトルは二番煎じ過ぎないか?(笑)

モータウン、スタックス、そしてマッスル・ショールズを舞台とする60年代ソウルの入門書として最適な良書にピーター・バラカンの『魂のゆくえ』(asin:4101157219)があるが、既に絶版なのが残念でならない。

nijimunijimu 2006/12/13 02:21 署名が岡田さんになってますよ、ITmedia

yomoyomoyomoyomo 2006/12/13 07:56 それを踏まえてそう書いたつもりですが。

mthtnmthtn 2006/12/13 13:07 「某氏」とは「H氏」ですよね?であれば、おそらく私が「広報の男女」の片割れでしょう。yomoyomoさんとは全く面識のない者です。
「○列の○番目が○○さん」といった会話はしていましたが、yomoyomoさんの名前が出たのはその流れではなく、チャットの画面を見ていたとき。「yomoyomoさんって、○○(あるブログの名称)の人だっけ?」という会話をしました(全くの勘違いでしたが)。ちなみに、チャットでmtと名乗っていたのが私です。それでは。

yomoyomoyomoyomo 2006/12/13 20:26 ああ、チャットにもおられたのですね。
悪いのは八田真行ですが、代わってお詫びします。コメントの労をとらせて申し訳ありませんでした。

mhattamhatta 2006/12/13 21:09 そもそも人がmixiで書いた話を自分の日記に嬉々として転載するyomoyomoが悪いんですが、私からも深くお詫びいたします。しかし俺の地獄耳もまんざら捨てたもんじゃないなあ(すべて空耳だと思っていた)。

yomoyomoyomoyomo 2006/12/13 21:14 ワタシも書き方に年長者に対する敬意が欠けていました。八田さん、すいません。しかし、

>すべて空耳だと思っていた
ゴルァ!(笑)

2006-12-11

[] YAMDAS更新  YAMDAS更新を含むブックマーク

yomoyomoの読書記録平林純『理系のためのプレゼンのアイディア』を追加。本サイトの更新が読書記録ばかりになったが、それもこれでひとまず打ち止めである(のはず)。

全然関係ないのだが、最近のしなもん日記を見ていると、手術明けの冬にフローリングは寒くないか? 絨毯買ったらどうや? とまったく大きなお世話なレベルで気を揉んだりする。

[] 『デジタル音楽の行方』への反応 その44、そして刊行から一年経ち…  『デジタル音楽の行方』への反応 その44、そして刊行から一年経ち…を含むブックマーク

デジタル音楽の行方

デジタル音楽の行方

気がつくと『デジタル音楽の行方』刊行から一年が経っていた。書籍の寿命が短くなる一方だが、最近でもこの本を紹介してくれるブログをいくつかも見つける。訳者としてただひたすら嬉しく思う。

今、音楽業界は『デジタル音楽の行方』に書かれた通りに動きつつある……と強弁するつもりはさすがにないが、この本に書かれたヴィジョンに向かって進む動きが多いぐらいは自信を持って言える。

「訳者あとがき」で具体例として挙げたタワーレコードは、「水道の蛇口のように音楽を」という本書で掲げる「水のような音楽」に呼応する宣伝文句でナップスタージャパンとしてデジタル音楽配信を始めており、その主張は夢想レベルではなくなっている

マイクロソフトも Zune で携帯音楽デバイス分野に本格参入し、iPod と競争できるレベルになれば、本書に未来のデバイスとして描かれる「ユニバーサルモバイルデバイス」への道に向かうだろう。

そして『デジタル音楽の行方』において「デジタル貞操帯」と揶揄された DRM については次のエントリの通り。

[] 今年一年の音楽DRMの衰退を振り返る  今年一年の音楽DRMの衰退を振り返るを含むブックマーク

EMI がノラ・ジョーンズの新曲を DRM なしの MP3 ファイルで販売開始したことを受け、電子フロンティア財団の弁護士 Fred von Lohmann が、ほーら、オイラが一年前書いた「音楽DRMの終わりのはじまり」は正しかったろうという自負とともに、この一年にあった(DRM なしの)デジタル音楽販売の動きをまとめている。

ワタシも「音楽DRMの終わりのはじまり」を訳した自負があるが、今読み直してアレっと思ったのはは、SONY BMGrootkit 問題は昨年の話だったのな。あれが加速したものは多いと思うね。

[][] タネンバウム教授らが研究する「RFIDパーソナルファイアウォール」  タネンバウム教授らが研究する「RFIDパーソナルファイアウォール」を含むブックマーク

MINIX の作者として知られるアンドリュー・タネンバウム教授が最近 RFID を研究対象としており、RFID をターゲットとするウィルスやワームについての論文を書いている話は以前読んだ覚えがあるが、とりあげ損ねていた。

Boing BoingSlashdot で知ったのだが、タネンバウム教授とその生徒(こういう場合、主は生徒のほうだろうが)らが、RFID Guardian という RFID のファイアウォールについての論文を発表し、USENIX Lisa 2006 において最優秀論文賞を受賞したとのこと。

これからは「RFID にもファイアウォール」が当たり前の時代になるのだろうか。

[] 「ボットネット」に焦点をあてた論文や書籍の情報  「ボットネット」に焦点をあてた論文や書籍の情報を含むブックマーク

昨年あたりから広義のコンピュータウィルスの「ボット」がよく語られるようになった印象があるが、今年は一歩進んで「ボットネット」という言葉が広く使われるようになった。

ボットネット」も Wikipedia の説明を読んで大まかなイメージは掴めるが、どうも言葉先行というか具体的に何がどうなって

ボットネットがどういうもので、具体的にどういう脅威があるのか説明してくれる論文というと Know your Enemy: Tracking Botnets の日本語訳ぐらいしか知らないのだが、ズバリこれを題名に掲げた書籍が刊行されるのを知る。

狙いどころが良いし、「ウェブのキラーアプリ」という副題も皮肉がきいててうまいのだけど、値段が張るのが難。

英国現代美術作家に贈られるターナー賞のあれこれ 英国現代美術作家に贈られるターナー賞のあれこれを含むブックマーク

ターナー賞はイギリスの美術館グループ(といってよいのかしら)テート・ギャラリーが主催する賞である。Wikipedia の「テート・ギャラリー」の項目から引用させてもらう。

テート・ギャラリーは、1984年よりイギリス在住で重要な活動をした現代美術作家に対して授与される「ターナー賞」を主催している。外部の選考委員も交えて候補者を数名まで絞り、テート・ブリテンで彼らのグループ展を開催する。その場で最終選考を行い、俳優など各界のセレブリティを集めたパーティーで受賞者を発表する。その模様はゴールデンタイムにチャンネル4で生中継され、選考結果は美術関係者からタブロイド紙まで様々な人々の異論・反論などを呼んでいる。

実はそこまで伝統のある賞ではないのだが、現代美術作家に対する賞がゴールデンタイムにテレビ放映され、その選考結果は美術関係者からタブロイド紙まで議論になるなんて素直にすごいことだと思う。賞金も2万5ポンドだし。

さて今年のターナー賞に関しては、「奇抜な作品とはサヨナラ?――2006年のターナー賞受賞作品は、「普通」の抽象画!」という記事が受けた。「普通」で話題になるとはこれ如何に。

過去の受賞者などについての情報は Wikipedia 英語版の Turner Prize の項目を参照いただきたいが、そういえばペット・ショップ・ボーイズニール・テナントもかつて選考委員を務めていたりするのはちょっとしたトリビアか。

彼が選考委員だったのはいつだったかと調べてみたら、「1998年度ターナー賞/南條史生」というページにいきあたったのだが、そこでは「コレクターのニール・テナント」と書かれていて苦笑してしまった。しかし、ニール・テナントが実際コレクターとして知られ、そうした見識を持ち合わせた人物であるのは確かである。

そういえば今年のターナー賞の候補の中に「フィル・コリンズさんの映像作品」があり、ええっ、あのフィル・コリンズ? と調べてみたら同姓同名の別人だった。

しかし、ホント Wikipedia は情報が早くて読んでて飽きないな(ただし英語版)。

2006-12-08

[][] 児島由紀子に「生涯一ゴスの貞節を守り抜くことをここに誓う」と言わしめたシスターズ・オブ・マーシーのインタビュー  児島由紀子に「生涯一ゴスの貞節を守り抜くことをここに誓う」と言わしめたシスターズ・オブ・マーシーのインタビューを含むブックマーク

インサイターの「シスターズ・オブ・マーシーが新譜を制作中?」を読み、現時点で彼らのラストアルバムである『Vision Thing』発表時のインタビューを思い出した。

ワタシは特別 The Sister of Mercy のファンではないのだが、とにかくアンドリュー・エルドリッジの発言がひたすら楽しいし、インタビュワーの児島由紀子も「やはりゴスは正しい。私は、生涯一ゴスの貞節を守り抜くことをここに誓う」と感極まっているのに気圧されて破いてもってきていた。

それではロッキング・オン1991年2月号から引用させてもらう。インタビューはバンドの人事異動の話題から始まる。

●最初にパトリシア・モリスンの件について、お聞きしたいんですが、彼女の脱退の理由は何だったんですか。

「訳の解んない事ばかり言い始めたんだ。ミュージシャンってのは大体あまり知的でない連中が多いんだよ。だからそれ相応の扱いをしてやったんだ。俺は世間で誰ともつき合っていけない極悪非道人みたく言われているけど本当はただバカな連中が耐えられない性格なだけで、愚鈍な連中を見るとイライラしてくるんだ」

のっけからかつての同僚を容赦なく罵倒ですよ。一方で自分のパブリックイメージに対して冷静にコメントするあたりは、さすが元オックスフォード大生にして四ヶ国語を自由に操る秀才である。

●……えー、新メンバーもかなり問題ものの顔ぶれが揃いましたね。元ジグジグ・スパトニックのトニー・ジェイムスとは。貴方に負けないくらいエゴ・マニアックで独裁的なタイプだと聞いているんですが、円満にやっていけるものなんでしょうか。

「勿論さ。だって俺のほうがもっとエゴ・マニアックで、もっと独裁的だから。奴は俺に牙をむいたって所詮ブチのめされるだけだってのをよおく承知しているからね。賢い男だよ。勝てない勝負は最初からしないんだ」

ふと思ったのだが、今こういうキャラのブロガーとかどうでしょうか。ワタシにはムリですが。

しかし、80年代の徒花ジグ・ジグ・スパトニックの名前をこんなところで見るとは(笑)。近年なぜかロマンポルシェと共演してますね。

●そうですか。それに元オール・アバウト・イヴのティム・ブリチェノがギター。彼は確かミッションに加入する筈だったんじゃないですか。それを横取りしたりして、またウェイン・ハッセイに憎まれますよ。

「あんなのが何を言おうが野垂れ死にしようが知ったこっちゃない。奴は俺の悪口を言えば言うほど自分の首を締めているのにも気付かないほどのバカなんだから。(中略)しかしアイツ昔から少々足りないと思ってたけど、未だに救いようのない白痴だな」

当時からゴスな人なら知らない人はいないが、シスターズ・オブ・マーシーの初期のメンバーだったウェイン・ハッセイらは、脱退後ミッションを結成した。しかし、その前後アンドリューとバンド名や楽曲の利用でかなり揉めて訴訟沙汰になり、ウェイン・ハッセイはアンドリューに対して恨み骨髄に達したとな。

ミッションの初来日公演のとき、最前列でアンドリューの写真を掲げる女性客にウェイン・ハッセイが激怒したという話を何かで読んだときは、「ゴスって怖い…」と慄いたものである。

さて、アンドリューの罵倒はインタビュワーにも及ぶ。

●何て事を……。ところで新作にはびっくりしました。ちょっと聴いた分には「へヴィ・メタじゃないか」と言われそうな音なんですけど。

「へヴィ・メタ!! これが君にはへヴィ・メタに聴こえるのかい? ひょっとして聴覚テスト受けたほうがいいんじゃないの? 職業にさしつかえるぜ」

●そんな事ありませんって。ひょっとして共同プロデューサーのジム・スタインマンに操られたんじゃ?

「プロデューサーに操られるなんてのはよっぽどバカなバンドで自分達の作品を他人に操作させる隙や油断を与える連中だけであって。利用されちゃダメなんだよ他人に。他人ってのは利用する為にあるものなんだから」

「他人ってのは利用する為にあるもの」って良いフレーズだな。オイラもこういう言葉を堂々と言えるような人間になれたらよい……のかな?

しかし、「ミート・ローフからバリー・マニロウまで」がキャッチフレーズのジム・スタインマンとはこれまた80年代濃度の高い人選だ。

さて、児島由紀子もただアンドリューの毒舌にヤラれっぱなしではない。

●……はあ。そんな訳で今作はいやらしいくらい音に厚みが出てきてレコードを聴いただけじゃ誰もこのバンドのドラマーが機械だとは気付かないと思うんですが。この際、思いきって生身の人間を入れたらどうですか。どうせへヴィ・メタになっちゃったんですから。

「よけいなお世話だ。大体、生身のドラマーほど無能なものはないんだよ。本来ドラマーなんてのは常にバンド内で最も役立たずな人間がやる仕事って相場が決まってるんだ。リズム感のみ発達した能無しさ。だから機械で充分」

●昔は自分だってドラマーだったくせに。

「げっ知ってたのか。くそっ! 覚えてろよ。実は俺は、ヘタクソなドラマーだったんだあ」

●ほほほほほ。(以下略)

えーっと……これってゴス流のボケツッコミなんでしょうか(笑)。このバンドの機械のドラマーは Doktor Avalanche という名前を与えられており、こんなのにまで項目がある Wikipedia には呆れるね!

ここからアンドリューが「人生で唯一心を許せる愛人」と語る音楽との出会いなどについて語る良い話が続くのだが、ワタシも性格が悪いのでそういうのはばっさりスルーさせてもらう。

しかし、インサイターの真実一郎さんにとって、人生を狂わされた一枚が彼らのファーストアルバム『First and Last and Always』だったんですな。ワタシの場合、キング・クリムゾンの『太陽と戦慄』がそれにあたるだろう。「プログレなんか聴くと性格が暗くなるぞ。まともな社会人になれなくなるぞ」と警告する兄を振り切り、フリップ真理教に入信した高二の夏。兄は正しかった……

ところで、『First and Last and Always』が日本で再発される場合、邦題はやはり『マーシーの合言葉』のままなのだろうか。

First Last & Always

First Last & Always

insighterinsighter 2006/12/09 20:54 真実一郎です。アンドリューの貴重なインタビュー資料、どうもありがとうございます。確か僕もコレ読んだことありました。アンドリューは現在ツルツルのスキンヘッドで、当時のルックスとのギャップに驚かされます。

yomoyomoyomoyomo 2006/12/09 21:27 いえいえ、こちらこそ。ロックミュージシャンたるものこうでないとと思わせる言葉を読み返すことができました。
ワタシもWikipediaの彼の項目を見て、サングラスはともかくスキンヘッドに誰かと間違えたかなと驚きました。知らない話がいろいろありましたし、ホント便利ですね、あれは。

2006-12-07

近藤淳也君、それは『スルー力』ではなく『選別』の問題だ」とポール・グレアムが言っている(わけはない) 「近藤淳也君、それは『スルー力』ではなく『選別』の問題だ」とポール・グレアムが言っている(わけはない)を含むブックマーク

近藤淳也さんが「スルー力なんて無くていい」というエントリを書いている。

はてなブックマークでの反応は大体好意的なようだ。その中の「言い出したのは梅田さんじゃないか」というアレなコメントを見てなんとも言えないわびしい気持ちになったりもするが、そういうのもひっくるめて造語提唱者の高林哲氏の狙い通りの展開なのだろうか。

その高林氏に敬意を表し、またスルー力の足らないワタシとしては権威に頼りたいので、ポール・グレアム論法を使わせてもらおう。

ポール・グレアムは、「知っておきたかったこと --- What You'll Wish You'd Known」注釈部でこう書いている。

二番目に大きな後悔は、重要でないことを気にしすぎていたことだ。特に、他の人にどう思われているかってことだね。

より正確に言えば、ランダムな人々にどう思われているかを気にするってことだ。大人だって人にどう思われるかを気にするけれど、誰に思われるかって点ではより選別していることが多い。

ぼくはだいたい30人くらい、意見を気にする友人がいる。残りの世界の意見はぼくにとってはどうでもいい。高校の問題は、まわりに居る人間が、自分の判断ではなくて年齢と地域がたまたま一緒だったというだけで決まることだ。

スルー力には二種類あるが、前者の「人」の話に絞ると、スルー力とは「ランダムな人々にどう思われているかを気に」しない力と言えそうだ。近藤さんがはじめに書いているミュージシャンの話もこれにあたるだろう。しかしそれに続けて「他の人に言われたことをとりあえず言われたままにやってみる」みたいな話を書かれると、違和感がある。

「他人が自分に対して意見を言うのは、他人が自分に対して興味を持っている証拠」だからといって、それを重んじる義理などないのに。だから何? ってなものだ。

そうではなく、ポール・グレアムが書く「だいたい30人くらい、意見を気にする友人」、近藤さんが書く「「その意見はくだらないよ」と言ってくれるような信頼できる人間」の「選別(フィルタリング)」、そしてその彼らと、何より自分自身による意見の「選別(フィルタリング)」の結果により、その指摘をスルーしない方向に倒れたというだけの話ではないか。

疲れたので寝ます。

2006-12-04

Three different Dielectric interface

[] 最近のモンティ・パイソン関連の話題  最近のモンティ・パイソン関連の話題を含むブックマーク

今週末もばたばたで本サイトの更新はなし。今日の画像も例によって Wikimedia Commons より。

週末 del.icio.us59 amazing sketches of the Monty Python というエントリがクリップされまくったのだが、なんのことはない YouTube で観られるパイソンのスケッチのリンク集である。

ただこれは書いておかないといけない。Monty Python's Flying Circus は、30分ノンストップの番組が一つの単位として機能しているので、個別のスケッチだけ取り出しても十分は楽しめず……といった能書きを忘れて観てしまうね(笑)

YouTube だと字幕がないので、やはり言葉より動きで笑いを取るマイケル・ペイリン−テリー・ジョーンズのコンビの作品のほうが楽しめるだろう。定番なのは「魚のビンタダンス」だが、パイソニアンの意地にかけて上の59のリストにないその種のスケッチを二つ紹介しよう。

これは一連のスケッチの一部なのだが、このパートが一番笑える。兵士達の細かい動きが泣かせる。

そして、腸癌からの奇跡的な回復を祝し、テリー・ジョーンズの大臣演説スケッチをば。

日本の芸人だと、こういうネタの途中で絶対笑ってしまうと思うのだが、乱れることなく演説をしながら飽くまで真面目な顔でやりきるところに彼らの真骨頂がある。

あとパイソン関係のニュースとしては、マイケル・ペイリンが旅行番組以外のテレビ、映画からの引退を表明したのはちょっとショックだった。

マイケル・ペイリンというと、パイソン時代の日記が刊行され(日本の某社が早々に版権を押さえ)たばかりだが、新刊にあわせた講演会にジョン・クリーズがただの客としてあらわれたという話は受けた。

さすがかつてインタビューで「無人島に何か一つ持っていくとしたら?」と問われ、「マイケル・ペイリン」と答えただけはある。愛してるのやね。

Python作者のGoogleでの初成果はウェブベースのコードレビューシステム Python作者のGoogleでの初成果はウェブベースのコードレビューシステムを含むブックマーク

さて、パイソンはパイソンでもこっちはプログラミング言語のほうで、Python の作者 Guido van Rossum が Google にいることは知られているが、彼の Google での仕事の成果が講演で明かされた模様。

それは Mondrian という PerforceBigTable の上に Python によるフロンドエンドのついたウェブベースのコードレビューシステムである。

正直 Perforce も BigTable も知らんのでワタシにはあまりイメージが湧かない。詳しい話は件のエントリを参照してほしいが、既に Google 社内で使われているみたい。

でもさ、Mondrian って名前は Ruby の IDE でも既に使われてるね(笑)

[] Wikiの書式標準化プロジェクトWikiCreoleが始動  Wikiの書式標準化プロジェクトWikiCreoleが始動を含むブックマーク

江渡浩一郎さんからのメールで知ったのだが、Wiki の書式標準化プロジェクト WikiCreole が始まっている。

トップページにプロジェクトの狙いが書かれているが、WikiSym 2006 での議論を契機に生まれたもののようで、関わっている人たちの影響力も大きいし、Wiki の書式標準化というなかなか実現しなかった懸案の突破口になるかもしれない。既に Creole 0.2 が公開されておる。

このプロジェクトでは Wiki エンジンの人気度の基準に Google での検索件数を採用しているようで、そのランキングではなんと PukiWiki が第4位につけている! しかし、PukiWiki については情報不足みたいなので、PukiWiki 開発チームから誰か代表して書き込むとよいのではないだろうか。

そういえば PukiWiki というと、以前書いた Wiki の UI についての話に、開発日記で言及いただいた。

[] ニコラス・カーの2007年予測とデイブ・ワイナーの「バブル2.0の崩壊」予測  ニコラス・カーの2007年予測とデイブ・ワイナーの「バブル2.0の崩壊」予測を含むブックマーク

年末になると海外のブロガーはよく来年の予測みたいなエントリを公開する。こういうのを見ると今年も終わり近いのやねと思うが、ワタシの知る範囲で先陣を切ったのは逆張り大王ニコラス・カー先生。

  1. Meg Whitman が eBay を退社する
  2. マイクロソフトの株価は Google を凌ぐ
  3. オラクルが SaaS の分野に本格的に乗り出す
  4. 非営利の検索エンジンが登場し、賞賛とともに市場シェアを獲得
  5. ブロゴスフィアは賄賂スキャンダルで混乱
  6. Dave Winer がファンファーレでもってブロゴスフィアを引退するが、二ヵ月後には再開

ニコラス・カーは SaaS 好きなので、オラクルの話は期待をこめているのかな。

デイブ・ワイナーのくだりは笑ってしまったが、そういえば彼も Google の株価暴落とともにバブル2.0は崩壊すると予測しているね。Google を脅かす非営利の検索エンジンは登場するのだろうか。

賄賂スキャンダルの話は次エントリにまわす。

[] 女子大生ブログ炎上を機に、今一度問いたい(今更宣伝したい)「ブロガーの倫理」  女子大生ブログ炎上を機に、今一度問いたい(今更宣伝したい)「ブロガーの倫理」を含むブックマーク

ニコラス・カーは2007年ブロゴスフィアが賄賂スキャンダルで混乱すると予測しているが、ご存知のようにこの点で日本は先取りしていたといえるのかな?

「知らぬい」でも紹介されているが、そうした意味で『ウェブログ・ハンドブック』は今も古びてはいない。

「知らぬい」にコメントしているように、ワタシは一年前にもこの問題についてのエントリを書いている。ワタシの仕事など世間一般、いやブロゴスフィアにおいてさえもほとんど誰にも知られておらず、相手にされず、何のインパクトももちえていないことは分かってはいるが……

最近ではブログで炎上しないためのアドバイスも見かけるが、『ウェブログ・ハンドブック』における「ウェブログの倫理」を実践すればよいだけなのにとワタシは思う(と言っても、ワタシにしても全部守れているかは疑わしいが)。

もう今更本を買ってくれとは言わないから、せめて「ウェブログの倫理」だけでも読んでくれよ。いや、もちろん買ってくれても嬉しいです!

[] ブリタニカ百科事典の公式ブログが登場  ブリタニカ百科事典の公式ブログが登場を含むブックマーク

Rebecca Blood さんのところで知ったが、ブリタニカ百科事典の公式ブログができている。

こうした取り組みは、やはり、何かにつけ Wikipedia と比較され旧メディアとみなされることへの危機感によるものだろうか。"smart, lively conversations about a broad range of topics" と対話性を打ち出しているしね。

ヘンな表現になるが浮かれたところのないすごくオーソドックスなつくり、内容になっている。それもよしあしで、例えば Wikipedia の項目をあげつらって dis りまくって炎上したりすると現在の百倍は話題になるのだろうが、それはプライドが許さないか。

ブログも作ったなら Wiki も設けてはどうだろう。名前は Wiki+百科事典で……あれ?

[][] クラシック音楽のパブリックドメイン音源の集積所Musopen  クラシック音楽のパブリックドメイン音源の集積所Musopenを含むブックマーク

Boing Boing で、クラシック音楽のパブリックドメイン音源の集積所である Musopen を知る。

どうやら音大生が運営しているみたいで、About ページを見る限り、別にクラシック音楽限定というわけでもないようだ。音源のクオリティにも配慮しているようで、いずれにしてもこうした取り組みは好ましいと思う。

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