昨夜ベンジャミンから電話があった。忌野清志郎の訃報を聞き、びっくりして電話したとのこと。ワタシは先にネットで情報を得ていたが、中年男二人してしばし呆然としてしまった。
転移となれば容易でないのは分かっていたつもりだが、最近も楽曲提供とかしていて、もしかしたらまだまだ大丈夫なのかな、と安易に考えていたようだ。
彼の場合、これまでなした仕事が大きいというだけでなく、一貫して現役の表現者だったのでやりきれない気持ちになる。昨夜は YouTube で彼の動画を検索した人が多かったようで、実際ワタシも昨年の武道館復活祭のときの衰えのない歌を聴くと、八田さんも書いているが、彼はウェットなところがない人で、ファンが湿っぽくなっちゃいけないよと思うが、やはり悲しい。
ワタシにとって清志郎は、やはりRCサクセションの清志郎なのだが、実はRC以降のほうが楽曲のクオリティ的には上回っていると思う。そうした意味で、90年代以降RCにこだわる気持ちから清志郎のアルバムをちゃんと買わなかったことを後悔している。
ストーンズのような王道感と、(ファンをも不安にさせるくらいに)いとも簡単に安定を捨ててしまうパンキッシュな破壊性の両方を体現した人だと思う。
ワタシがRCの曲で好きな曲を3つ挙げるなら、以下のようになる。
- 空がまた暗くなる
- 指輪をはめたい
- Naughty Boy
これからワタシは彼のRC以降のソロワークに向かい合うつもりである。
凄くエモーショナルで、センチメンタルな心を持った男だったけれど、同時にハードで前向きな姿勢を常に崩さなかった。そのファンクラブの会報で、宗教関係の本を送ってくれる人がいるけれど、そうしたものは必要ないので送らないでいい、というコメントを出しているのが、いかにも清志郎らしかった。
渋谷陽一の「社長はつらいよ」|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)
ネガティブなことを考えがちだった若いときの自分に、この世界に対する肯定的な見方を、くりかえし、くりかえし教えてくれたのが、彼の音楽と偉大なパフォーマンスだった。救われた、なんていう簡単な言葉では言い尽くせない。
http://d.hatena.ne.jp/solar/20090503
「愛し合ってるかい」といえば、もちろん忌野清志郎の有名な台詞で。あまりにもキャッチーな言葉だから、キヨシローのライブを見たことない人は、もしかすると脳天気な煽り文句みたいに思ってるかもしれない。でもちょっと違うんだ。違うよね。
愛し合ってるかい - TAKUYAONLINE