YAMDAS現更新履歴

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2011-01-31

2011年のモバイル分野の10個のトレンド 2011年のモバイル分野の10個のトレンドを含むブックマーク

1月も終わろうとしているこの時期に2011年のトレンド予測記事はもはや食傷だが、ReadWriteWeb が Forrester のトレンド予測について書いてる記事が注意をひいたのでざっと紹介。

  1. モバイル/ソーシャル/ローカルの組み合わせが爆発的に盛り上がるが、ほとんど収益を生まない
  2. 2011年は「頭が悪い」スマートフォンユーザの年になる
  3. モバイル分野の断片化問題は続く
  4. 「アプリ vs. インターネット」論争も続く……が的外れだ
  5. モバイル分野のマーケティング費が10億ドルを超える
  6. モバイルはますますユーザにその環境との相互作用を促す
  7. 4G への注目は 4G ネットワークのインパクトをはるかに上回る
  8. 企業はまず消費者向けの便利サービスに投資する
  9. カジュアルゲームのブームが続く
  10. 「モバイル」という言葉が携帯電話以上の意味になる

2番目の「頭が悪い」というのは "dumb" で、ダム端末の "dumb" ね……といっても分かってもらえないか。日本ではずっとガラケーを使ってたユーザ層のことかな。

6番目は具体的には NFCQR コードが例として挙げられていて、これに関しては日本のほうが進んでいる。

あと9番目だけど、ここでの「カジュアルゲーム」って Facebook のソーシャルゲームみたいなものを指してるのかな。

まぁ、気になる項目があったら原文をあたってくだされ。

[] Wikiの父ウォード・カニンガムが語るWiki道、Wikipedia、そしてWikileaks  Wikiの父ウォード・カニンガムが語るWiki道、Wikipedia、そしてWikileaksを含むブックマーク

Twitter の鍵つきユーザがリンクしていて知った記事だが、これは貴重である。

Wiki の父ウォード・カニンガムへのインタビュー記事なのだが(インタビュー動画も見れる)、冒頭の「ウェブで最も濫用される――しかも最も理解されていない――言葉」という見出しは Wiki を指しており、Wiki とは結局何なんだという疑問をウォード・カニンガムにぶつけるもので、「Wikiについて語るときに我々の語ること」を書いたワタシにとってとても興味深い文章だった。

Wiki が「quick」を意味するハワイ語からとられたこと、究極的に Wiki は有用でなければならず、ユーザの貢献は重要であるが必須ではないと考えていること、彼が真の Wiki と考える Wikipedia、そして一番気になるのは Wikileaks の評価である。

Wikileaks は Wiki 的(wiki-ish)な何かがあることは認めつつも、Wiki としては足らないものがある、というのがカニンガムの評価である。Wikileaks に足らないものは何か? それは信頼性(trust)であり、さらに書けば透明性(transparency)と正確性(accuracy)とのことである。

ICCのトークイベントで知った濱野智史さんの新刊 ICCのトークイベントで知った濱野智史さんの新刊を含むブックマーク

先日 Twitter のタイムラインを見ていて、ICC のトークイベント「ソーシャル・ネットワーク〈進化〉論――ガラパゴス化なのか,それとも……」を知り、楽しく見させてもらった。途中からでなく、最初から見ればよかった。

このトークイベントの中で、濱野智史さん(id:shamano)の新刊が出ることを知った。

日本的ソーシャルメディアの未来 (PCポケットカルチャー)

日本的ソーシャルメディアの未来 (PCポケットカルチャー)

以前、ある飲みの席で情報技術と社会の関わりについての本で必読の定番本は結局何なんだという話題になり、レッシグの『CODE』と濱野さんの『アーキテクチャの生態系』が挙がった後思わず腕組みして考え込んでしまうことがあったっけ。

[] 6人が5日間で書き上げた本「An Open Web」  6人が5日間で書き上げた本「An Open Web」を含むブックマーク

LWN.net 経由で An Open Web なる本を知る。

screenshot

この本の執筆作業が興味深くて、Book Sprint なる手法で6人が5日間で一気呵成に書き上げたものらしい。FLOSS Manuals などの支援を受けているようだが、共同でとはいえ一からそんな短期間に本が書けるのか。

この本はクリエイティブコモンズの表示 3.0ライセンスが適用されており、HTML 版に加え、ePub 版もウェブ公開されており、Lulu.com紙の本を購入もできる。

問題の本の内容だが、明らかに WIRED のクリス・アンダーソンThe Web Is Dead. Long Live the Internet に刺激を受けた本のようだ。

[] キース・リチャーズがニューヨーク公共図書館で自伝『Life』を語る動画  キース・リチャーズがニューヨーク公共図書館で自伝『Life』を語る動画を含むブックマーク

最近また図書館のあり方について一部で議論が盛り上がっているが、New York Public Library の著者を呼んで講演会を行う取り組みなど参考になると思うがね。

さて、以前パティ・スミスのライブパフォーマンス動画を紹介したが、自伝『Life』を発表したキース・リチャーズの講演の模様が NYPL の YouTube チャンネルにあがっていたのではりつけておく。

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脅威の生命力を誇るキースもさすがに老けたなというのが正直な感想である。

Life

Life

Life

Life

ちなみに『Life』のオーディオブックは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の第四作目でもキースと共演してるらしいジョニー・デップが読んでるよん。邦訳はいつ出るのだろう。

ところで『Life』にあわせて彼のソロワークのベスト盤も出た。思えば彼のソロアルバムは持ってなかったのでこれ幸いと買ったが、話には聞いていたがライブ盤の演奏がズタボロで、この人はストーンズにいないとどうしようもないなと呆れた。

Vintage Vinos

Vintage Vinos

2011-01-27

「2010年 私のBEST BUY」に寄稿 「2010年 私のBEST BUY」に寄稿を含むブックマーク

昨年は忙しくて書けなかった実験4号さん(id:yurusu)の恒例企画に寄稿させてもらった。

今年はアームレスヘッドフォンで、いくつも試したわけではないのでこれが「BEST BUY」かと言われると自信はないが、ワタシとしては、まぁ、満足して使っています。

ハーバード大学バークマン・センターのYouTubeチャンネルでワタシ的に注目の著者講演を見る ハーバード大学バークマン・センターのYouTubeチャンネルでワタシ的に注目の著者講演を見るを含むブックマーク

調べものをしていて、ハーバード大学の Berkman Center For Internet & SocietyYouTube チャンネルに、ワタシが最近取り上げた新刊の著者講演動画がいくつもあがっていたのでざっと紹介しておく。

考えてみれば不思議なことじゃなくて、Berkman Center というとディレクターやフェローにローレンス・レッシグやデヴィッド・ワインバーガーをはじめとしてインターネット研究者の梁山泊と言える面子が揃っているところだからだ。

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参考:Wikipediaを支えるコミュニティ文化を考察する『Good Faith Collaboration』が面白そうだ

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参考:ネット政策における最重要本? Barbara van Schewickの『Internet Architecture and Innovation』

前説をジョナサン・ジットレインがやっているが、彼も Berkman Center のディレクターの一人である。

Internet Architecture and Innovation (MIT Press)

Internet Architecture and Innovation (MIT Press)

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参考:自由の彼方の変わることなき独占? ティム・ウーの新刊『The Master Switch』

The Master Switch: The Rise and Fall of Information Empires (Borzoi Books)

The Master Switch: The Rise and Fall of Information Empires (Borzoi Books)

とりあえず最近のだけ選んだが、もっと前のになるとそれこそレッシグなどいろんな人の講演動画が見れるので、それを辿ってみるのもよいだろう。あと上に挙げた三冊で、邦訳が出るのはあるのかな?

IT業界のゲームチェンジャーはおよそ10年ごとに生まれている IT業界のゲームチェンジャーはおよそ10年ごとに生まれているを含むブックマーク

これは半ばこじつけなのであまり真剣にとらないでいただきたいのだが、エリック・シュミットにかわりラリー・ペイジが Google の CEO になるというニュースを見てふとそんなことを思ったりした。

これだけで「インターネットOS」に一番近い企業の半数以上の創業者が入っている。

こう考えると、Facebook の次のゲームチェンジャーは、日本でいえばうめけんさんの世代ということになる(もちろん、彼がそうだ、という意味ではない)。

[] モンティ・パイソンマイケル・ペイリンが『英国王のスピーチ』の宣伝に関わっている理由  モンティ・パイソンのマイケル・ペイリンが『英国王のスピーチ』の宣伝に関わっている理由を含むブックマーク

第83回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。『英国王のスピーチ』が12部門にノミネートされており、少なくともコリン・ファースの主演男優賞はかたそうだ。彼は昨年の『シングルマン』もよかったが、もちろん『英国王のスピーチ』も観に行くつもり。

この映画のプロモーションにモンティ・パイソンの、今ではコメディアンや俳優というより旅行番組の人気プレゼンターとして著名なマイケル・ペイリンが顔を出していてニヤリとしてしまった。

何故映画に出演していない彼が宣伝に参加するのか。それは『英国王のスピーチ』が「どもり」の克服が重要な要素の映画だからで、マイケルは吃音症の子供を支援する Michael Palin Centre for Stammering Children の設立者なのだ。

何故吃音症でないマイケルが吃音症の子供たちに関わるのか。それは彼が英国アカデミー賞の助演男優賞を受賞した『ワンダとダイヤと優しい奴ら』で吃音症の動物飼育係を演じ、その後ある吃音症の子供から抗議を受け(だったと思う)、その子供との交流から本格的にこの分野に関わるようになったからである。

以下に『英国王のスピーチ』と吃音症についてマイケルがインタビューを受けるつい最近の動画をはっておく。番組名にピンときた人もいるだろうが、司会者はデヴィッド・フロスト卿である。

そう、『フロスト×ニクソン』の片方の主役にして、マイケルなどパイソンズの先輩格(にして彼らが成功するとみるやパイソンへの加入をもくろんだ)デヴィッド・フロストだ。

その彼とマイケルが2011年になってテレビで語り合い、しかもその動画をインターネットで見るという現実、しかもそれを配信しているのがアルジャジーラ……なんかちょっとシュールだ。

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2011-01-24

[] キック・アス  キック・アスを含むブックマーク

キック・アス DVD

キック・アス DVD

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

ワタシの住んでるとこでも封切られたので公開初日に観に行った。客席は満席に近かった。

期待通りの痛快作で満足した。コミックのスーパーヒーローにあこがれるオタク少年の主人公の成長物語としても、スーパーヒーローについての映画としても全然深くはないけど楽しめる作品になっている。ヒットガールのキュートさもその父親役のニコラス・ケイジもイカれた感じも良かった(やはり彼はこういう役がいいんだなぁ)。

本作は細かいところも気が利いていて、たとえば主人公が美少女のお近づきになるきっかけとか、ヒットガールの映像を見た主人公の友人たちのやりとりとかそうしたところもちゃんと映画の面白さに貢献していた。あと曲のチョイスもよかったね。特にスパークス。

ヒットガール役のクロエ・グレース・モレッツはこの先が楽しみであり、怖くもある。彼女は『ぼくのエリ 200歳の少女』の英語リメイク版で吸血鬼の少女を演じてるが、そっちはどうだろう。

しかしねぇ、これを書くと野暮だと言われるのだろうが、ここまで暴力的でなければならないか? と根本的に疑問を感じるところが多々あったのも確かである。

Facebookに対する極めて単純で重大な疑問 〜 最初に登録した漢字表記を修正できない? Facebookに対する極めて単純で重大な疑問 〜 最初に登録した漢字表記を修正できない?を含むブックマーク

インプレスジャパン、Facebook解説書の一部を電子書籍として無料配布! とのことで、『できるポケット Facebookをスマートに使いこなす基本&活用ワザ150』の第1章の PDF が無料ダウンロードできる。

ちょうどよい機会なので、『できるポケット Facebookをスマートに使いこなす基本&活用ワザ150』から少し引用させてもらい、ワタシが以前から疑問に思っていることをちょっとここに書いて、読者のお知恵を拝借したい。

現在、Facebook はアカウント新規登録の際に登録者の姓名についてローマ字、漢字、そしてその読み仮名を登録するよう要求する。

f:id:yomoyomo:20110123221708j:image

まず、最初にローマ字を登録させる。

f:id:yomoyomo:20110123221709j:image

そして、その後漢字と読み仮名を登録させる。

これはワタシ自身が指摘されて気付いたのだが、(少なくとも言語設定を日本語にしている場合)このローマ字表記と漢字表記が混在されて表示されるのである。

それがどのように使い分けられているかよく分からないというのも不満なのだが、これはワタシというユーザの特殊事情なのでここでは問わない。とにかくそのあたりを統一したくて設定をいじるうち、根本的な疑問にいきあたった。

最初に登録した漢字の姓名を変更できない?

そんなわけはなかろうと思うのだが、[アカウント設定]→[名前]から変更しようにもそこに表示される「フルネーム表示」、「名」、「姓」とも最初に登録したローマ字が表示される(上の画像でいうと「Fujinuma」と「Takahiro」)。これは言語設定が日本語でも英語でも同じである。「ミドルネーム」は関係ないだろうし、「旧姓、改名前の名前、または他の言語で表記した名前などを入力できます」という説明が一番それっぽい「別名」にも最初登録した漢字が出てこないので違うようだ。

Facebook の実名主義についてはいろいろ言われるが、ここではそれについては論じない。ワタシはただ、最初登録した情報の変更方法を知りたいだけなのだ。

これは特殊な話ではない。現在独身の人が結婚などにより姓が変わる可能性を考えた場合、最初に登録した漢字の姓名(上の画像でいうと「藤沼 貴宏」)の変更の選択肢がないとおかしいのだが、ワタシが探した限りではどうしても見つけることができなかった。件の Facebook 本の共著者の方もいくつかアドバイスをくれたが、やはり求める設定画面は見つからなかった。

こんな単純なことができないわけがないはずなので、ワタシが単純に見落としているだけだと思う。ご存知の方は是非コメントなりメールなりで変更方法をご教授いただけないだろうか。

できるポケット Facebookをスマートに使いこなす基本&活用ワザ150

できるポケット Facebookをスマートに使いこなす基本&活用ワザ150

[2011年2月10日追記]:おそらくこれが決定的な情報だと思うが、実践!SixDegreeによると特定のページから公的書類を添付することで名前の変更を申請できるようだ。

[] 電子フロンティア財団からの警告「モバイル機器でセキュリティを犠牲にするな」  電子フロンティア財団からの警告「モバイル機器でセキュリティを犠牲にするな」を含むブックマーク

LWN.netBoing Boing でも取り上げられているが、この電子フロンティア財団の指摘はもっともだ。

スマートフォンは機能も利用法ももはや普通のパソコンと変わりがなくなり、ということはパソコンと同じくらいセキュリティには気をかけないといけないのに、実際はなんとなくパソコンよりも甘い基準をあてはめてしまっている。

例えば Androidオープンソースだが、その携帯電話に載る Android のバージョンが古ければ、それは脆弱性を抱えている可能性が高いわけで、そのバージョンアップができないならさらに危険度は増す。

[] 『宇宙船レッド・ドワーフ号』新シリーズ開始とTwitter時代の難しさ  『宇宙船レッド・ドワーフ号』新シリーズ開始とTwitter時代の難しさを含むブックマーク

Slashdot で知ったのだが、『宇宙船レッド・ドワーフ号』の10年以上ぶりに新シリーズが始まるらしい。

レッド・ドワーフ号というと、2009年に新作が放映されたが、これが好評で新シリーズにつながったらしい。

ただ Slashdot がリンクしている記事にはクライテン役のロバート・ルウェリンによるこの時代に大勢のオーディエンスの前で撮影をやることの難しさを語っていて、要は誰かが放映前に Twitter でネタばらしをしたり、Facebook に画像をあげたり、もっとひどいのになると YouTube に動画をあげられてしまうことを恐れているようだ。ふーむ。

宇宙船レッド・ドワーフ号 DVD-BOX[日本版]

宇宙船レッド・ドワーフ号 DVD-BOX[日本版]

2011-01-20

[][] YAMDAS更新(ロングテールなプログラミングの質問のWikipedia)  YAMDAS更新(ロングテールなプログラミングの質問のWikipedia)を含むブックマーク

Technical Knockoutロングテールなプログラミングの質問のWikipediaを追加。Joel Spolsky の文章の日本語訳です。

ジョエル先生の文章を訳すのは「プラットフォームベンダ」以来である。誤記、誤訳を見つけたらメールなりコメントなりでお知らせくだされ。

ここでも何度も取り上げている Stack Overflow の好調さについては、TechCrunch の記事が参考になる。

ちょうど「Wikiについて語るときに我々の語ること」を書いているときに読んだ文章で、Stack Overflow に CC-Wiki ライセンスを適用するところを見ても、ジョエル先生は Stack Overflow を単なる Q&A サイトというよりより共同編集的、要は Wiki 的サイトと考えているようだが、果たして現在の Stack Overflow は Wiki と呼べるのか……とか考えていたわけだ。

Wintelの時代は終わり、Armdroidがそれにとってかわる? Wintelの時代は終わり、Armdroidがそれにとってかわる?を含むブックマーク

90年代以降パソコンの世界はマイクロソフトの OS とインテルの CPU の組み合わせが隆盛を極め、Wintel 支配と言われたわけだが、これからは Android OS と ARM アーキテクチャの組み合わせがこれにとってかわるとみる記事。Android と ARM の組み合わせを Armdroid と呼んでいるのが目を引いた。

言われてみるとなかなかうまいネーミングだ。マイクロソフトもARM プロセッサ対応の次期 Windows を CES で披露したが、Armdroid が次代の Wintel になるのに待ったをかけられるだろうか。

ネタ元は Slashdot

ジェフ・ジャーヴィスの新刊『Public Parts』は「プライバシーの終焉」を宣告する ジェフ・ジャーヴィスの新刊『Public Parts』は「プライバシーの終焉」を宣告するを含むブックマーク

2009年夏に前立腺癌であることを公表した後も精力的に活動しているジェフ・ジャーヴィスだが、今年の夏には新刊が出るようだ。

Public Parts

Public Parts

彼のブログの新刊タイトルと同名のエントリにおいて、この本のテーマを「プライバシーの終焉と公共性の恩恵」と宣言している。

また彼は「プライバシーを擁護する人はたくさんいる。自分は公共性を擁護したい」と語っているが、本当にそうだろうか?

プライバシーの不変の価値を正面から語る人は少なくなり、公開されたんだからがたがた抜かすな、長いものには巻かれろよという大味な議論がますます大手を振っているように思うのだが。

前作は原書刊行からまもなく邦訳『グーグル的思考』が出たが、今度はどうだろうね。

グーグル的思考

グーグル的思考

[] イエスメン 〜大資本と闘うお笑いテロリスト〜  イエスメン 〜大資本と闘うお笑いテロリスト〜を含むブックマーク

「松嶋×町山 未公開映画祭」においてレンタルした(予告編)。

思えばイエスメンの映画を通して観たことがなかったので、これ幸いと観てみた。

彼らのような活動を「カルチャー・ジャミング」と言うらしい。映画の冒頭イエスメンの基本理念が「正体の暴露」であると宣言されるが、この映画におけるその暴露の対象は WTO(世界貿易機関)だ。

イエスメンの二人が WTO になりすまして講演やテレビ出演をやらかすわけだが、シエスタの廃止などを盛り込んだパロディ講演がすんなり受けてしまった話が象徴的で、彼らのやり口はかなりスマートでないとできないのだが、それだけでは笑えない。

それを自覚する二人は、途上国の労働者をどんなときでもチェックできるという触れ込みの「ボスの休日用スーツ」を講演の途中に披露するのだが、明らかにこのおバカな衣装が(困惑含みとはいえ)やはり受け入れられてしまう。権威主義というのは恐ろしい。

続いての学生相手の講演では、最初にハンバーガーを配って食わせておいて、画期的なエネルギー再生食を提案するが、その悪趣味さにうげっとなった後さすがに怒り出す客席の学生の反応が楽しい。

そして、最後に WTO おちょくりの完結編として行った二人の最後のいたずらとは……もちろんここには書かないが、講演後に笑顔でインタビューを受ける観客たちの発言をもってこれは見事に完成した。

観ているほうがハラハラするサシャ・バロン・コーエンなんかの後ではイエスメンのいたずらはやはりスマートすぎるのだがその行動力はやはりすごいし、またその仕掛けの裏側の手作り感覚も見れるのは面白かった。

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2011-01-17

[] ソーシャル・ネットワーク  ソーシャル・ネットワークを含むブックマーク

公開初日一回目の上映を吹き替え版で観てきた。個人的にはハーバード流の早口を生の音で堪能したかったが、それを聞いて理解できるかはかなり怪しいものだし、字幕が取りこぼす情報もあるだろうし、まぁそれはよいとする。

結論を書くと、新年一発目の劇場鑑賞をこんな良い映画から始められて嬉しい。

本作は現在世界最大の SNS である Facebook の創業期を、創業者であるマーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サベリンを中心に描く映画で、事実を基にしたフィクションである(以下は純粋に映画についての感想で、現実との相違は考慮しない)。

脚本はアーロン・ソーキンで、彼自身はテッキーではないが、MySpace など有力な SNS が既にいくつもあったところに何故 Facebook がここまでユーザを惹きつけることができたかその力学をうまく描いていてさすがだと思った。そうでなくても、wget という単語がハリウッドメジャーの映画に登場する日が来るとは思わなかったな!

本作は二件の訴訟の被告となったマーク・ザッカーバーグが回想する形でストーリーが展開するが、これをみてザッカーバーグと友達になろうという人間はあまりいないだろう(金目当ては別として)。しかし、彼がウィンクルボス兄弟のアイデアを盗み、共同創業者の友人をまんまと会社から追い出した人間であったとしても、彼をただ罵る気になれなかった。

Facebook と他の SNS(例えば MySpace)のユーザ層の違いについては danah boyd の研究がよく知られており、小山エミ「Facebookの普及に見る米国の社会階層性と、『米国=実名文化論』の間違い」が参考になるが、ハーバード大学の社交クラブの排他性と特権意識が Facebook が生まれた背景にあり、マーク・ザッカーバーグはそのハーバード大学の学生の行動原理、彼らが真に欲しいものを認識していた。そこが Facebook は他の SNS の焼き直しでなかった。

ザッカーバーグはその傲慢さでハーバード大学生らしさを体現するが、紳士性でハーバード大学生らしくありたいと考えるウィンクルボス兄弟がすがったものが学生ハンドブックだったというしょぼさ、そしてすがった先のローレンス・サマーズ学長がザッカーバーグとも相通じる傲慢さで二人をあしらう場面は良くできている。

ザッカーバーグが Napster の共同創業者だったショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイクが好演)に惹かれ、彼の手引きで投資を受ける一方で、早くから Facebook の収益化に心を砕きながら、東海岸でその道を見出せずにもがくエドゥアルド・サベリンとの対比も、Facebook が西海岸に本拠地を移した理由をスマートに表現している。

本作を『市民ケーン』になぞらえるのは言いすぎかもしれない。しかし、成功の道半ばにあるマーク・ザッカーバーグという『市民ケーン』におけるウィリアム・ランドルフ・ハースト以上にトリッキーな題材を、登場人物たちの気概や傲慢さとその裏腹の虚ろさを含め、見事に映画にしていると思う。

デヴィッド・フィンチャーが監督ということで、予告編の印象からもっと冷たく無機質な映像を予想していたのだが意外にそうでもなくて、凝った映像処理はそれほどないが、双子のウィンクルボス兄弟を一人二役でごく自然に画面に出しているようにワタシなんかが気付いてないところであったのかも。トレント・レズナーの音楽も、以前坂本龍一が映画音楽について書いていた「画が弱いところに音楽をつける」を思い起こさせるベーシックな感じだった。

Wikileaksのジュリアン・アサンジの自伝が既にAmazonで予約可能になっている! Wikileaksのジュリアン・アサンジの自伝が既にAmazonで予約可能になっている!を含むブックマーク

ジュリアン・アサンジュが裁判費用と Wikileaks の存続のため複数の出版社と自伝出版契約を結んだことは知っていたが、何せ当人は現在勾留中の身なので、刊行はまだ先の話だと思っていた。

しかし、調べものをしていて、それらしきページが既に Amazon にできているのに気付いた。

Wikileaks Versus the World: My Story

Wikileaks Versus the World: My Story

Wikileaks Versus the World: My Story

Wikileaks Versus the World: My Story

タイトルが『Wikileaks対世界』とそれっぽいし、報道された Canongate から出るので間違いないだろうが、発売日が今年4月になっていて驚いた。もう数ヶ月しかないで! 間に合うのか?

[][][] デンマークのポストロックバンドEfterklangの映画『An Island』がCCライセンスで公開  デンマークのポストロックバンドEfterklangの映画『An Island』がCCライセンスで公開を含むブックマーク

デンマークのポストロックバンド EfterklangVincent Moon が撮った映画 An Islandクリエイティブコモンズの表示 - 非営利 - 継承 3.0ライセンスで公開されるみたい。

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恥ずかしながら、ワタシは Creative Commons のブログを見るまで Efterklang のことを知らなかったので試しに YouTube を検索してみたら、彼らが所属するレーベル Rumraket がビデオをいっぱい公開していて、それを見て彼らの音もさることながら、ビジュアル感覚にも優れているのに感心した。試しに以下の2曲を見てちょうだいな。

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これは映画のほうも期待できるのではないか。

Tripper

Tripper

Parades

Parades

Magic Chairs (Dig)

Magic Chairs (Dig)

[] 無制限音楽ストリーミングサービスのSpotifyが遂にアメリカでもサービス開始か  無制限音楽ストリーミングサービスのSpotifyが遂にアメリカでもサービス開始かを含むブックマーク

この記事 Spotify が何たるか、そしてそのアメリカ進出の状況をすごく的確に解説しているのでご一読をお勧めする。

しかし、そのアメリカ進出に「あの」ショーン・パーカーが噛んでるとはな!

ReadWriteWeb は Too Little, Too Late? と書いているが、それなら日本なんてどうなるね。ナップスタージャパン亡き今、定額で音楽が聞き放題な、しかも日本から普通に、そして当然ながら合法的に契約できるサービスが早く現れてほしいよ。

[] ジャック・ケルアックマーロン・ブランドに『路上』映画化を望む手紙を出していた  ジャック・ケルアックがマーロン・ブランドに『路上』映画化を望む手紙を出していたを含むブックマーク

1957年にジャック・ケルアックマーロン・ブランドに出した手紙がオークションで33600ドルの値をつけたそうだが、問題はその中身で、彼の代表作『路上』の映画化をブランドに希望するもので、「君がディーン(・モリアーティ)をやってくれたら、僕はサル(・パラダイス)をやる」と書いているのに驚いた。これが実現していたらすごかったろうね!

そういえば『路上』は今年ウォルター・サレスによって映画化されるんだよね(参考:WikipediaIMDb)。

ネタ元は Boing Boing

オン・ザ・ロード (河出文庫)

オン・ザ・ロード (河出文庫)

2011-01-13

[][] WIRED VISIONブログ第82回公開(Wikiについて語るときに我々の語ること)  WIRED VISIONブログ第82回公開(Wikiについて語るときに我々の語ること)を含むブックマーク

WIRED VISION ブログに「Wikiについて語るときに我々の語ること」を公開。

タイトルは言うまでもなくレイモンド・カーヴァーからいただいたものだが、別にふざけたわけではなく、本当にタイトル通りの内容になっていると思う。

最初は『Wikibrands』の話がもう少し大目で「Wikiなブランド、Wikiというブランド」というタイトルを考えていた。

昨年秋江渡浩一郎さんにお会いしたとき、『Wiki Way』はワタシの意思で絶版になっているのかという趣旨の質問をされ、それはないっすよ! と答えたとき(実際、訳者にそんな権限はない)今回の文章の着想が浮かんだ。

ウィキノミクス

ウィキノミクス

Macrowikinomics: Rebooting Business and the World

Macrowikinomics: Rebooting Business and the World

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

思想地図β vol.1

思想地図β vol.1

これだけ本文中 Amazon リンクを入れ忘れてしまった。

さて、「WIRED VISION」サイト運営事業の移管と、WIREDオフィシャル日本版サイト「WIRED.JP」開始に関するお知らせには(事前に何も知らされてなかったので)大層驚いたが、本家筋の所有者を鑑みれば、コンデナスト・グループに移管されることは何の不思議もない。

当然、現在の連載を含むコンテンツにも見直しは入るはずだが、それもおいおい分かってくるだろう。ワタシとしては心の準備をしておこうと思う。

ザ・サーチ』のジョン・バッテルの2011年予想 『ザ・サーチ』のジョン・バッテルの2011年予想を含むブックマーク

ザ・サーチ』でおなじみ……といってもあの本からも大分経つが、ジョン・バッテルが毎年年頭恒例の予想をやっているのでざっと紹介しておく。

彼の予言は以下の14個。

  1. モバイルとappが我々の知るウェブを殺すという意見があるが、今年は「ウェブの再生」が起こる(「Web 2.0」の根本原理の復活)
  2. 声が重要なインタフェースになる(モバイルアプリで特に)
  3. DSPs(Demand Side Platforms)はもっと大きなマーケティングプラットフォームに取り込まれて消える。
  4. それに関連して、MediaBank がマーケティング業界におけるメジャーな独立系プレイヤーとして浮上する。
  5. Mac App Store はビッグヒットとなり、Mac のセールスを予想以上にあげるだろう。
  6. それと関連して、Apple はソーシャルネットワーキングでうまくやろうとし、失敗し、Facebook と契約を結ぶ。
  7. またそれに関連して、Apple は巨大化により、90年代中盤のマイクロソフト、ここ数年の Google を苦しめたのと同じ問題の兆候を示し始めるだろう。
  8. マイクロソフトは経営陣に大きな変化がある。
  9. プライベートIPO」が盛り上がり、IPO のプロセスは壊れたという考えが広がっているが、公開市場はメジャーな新興インターネット企業の取引に驚くほどオープンになる。
  10. タブレット市場は散乱の年となる。Apple が iPad で優勢で、Google は Android で明快で一貫したユーザ体験を提供するのに注力する。
  11. 「ソーシャルな取引」がすべてのビジネスで標準販路に変わり、今年の終わりまでにマーケターのメディアミックスの標準部品として見られるようになる。
  12. それに関連して、グルーポンはメジャーなキャリア(多分 AT&T か Verizon)による買収を回避する。
  13. Facebook はインターネット界における力を低下させる。報道機関にはビッグブラザーとみなされ続け、成長に伴う内部の問題と格闘することになる。
  14. それに関連して、アメリカでプライバシー関連法案が議会に持ち込まれるが、合意を十分得られず通過はしない。しかしそれは、我々の業界の構築している世界との関係を我々の文化が理解する形に著しい変化をもたらすだろうし、それは良いことである。

予測を全部訳したわけではないので、気になる項目があった人は是非原文をあたってくだされ。

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

[] マッド・ムービーズ 〜オーストラリア映画大暴走〜  マッド・ムービーズ 〜オーストラリア映画大暴走〜を含むブックマーク

「松嶋×町山 未公開映画祭」においてレンタルした(予告編)。

オーストラリアで量産されたB級映画にスポットライトをあてるドキュメンタリーで、話には聞いていたが、ゲロ、カンガルー、裸、流血、裸、絶叫、裸、火だるま、切株、カークラッシュ、爆発、カンフー、バイククラッシュ、人体破壊のオンパレードでとんでもないものだった。

本作は時代に咲いた徒花というべきB級映画を通してオーストラリア映画の歴史を振り返るもので、当時活躍した映画制作者、監督、俳優らが思いを語っているが、「自分を風刺できない者に自意識など育たない」とか「B級映画の楽しみは騙されること」といった含蓄のある言葉も時折出るが、バイクのすごいスタントで全身青あざを作って失神とか、ヘルス・エンジェルスを呼んで撮影したが出演料がビールだったため大乱闘が起こり現場が血の海になったとか、デニス・ホッパーのハードな酒とドラッグをやりまくるクレイジーぶりといった強烈すぎるエピソードがてんこもりでそっちしか印象に残らない。

特にカーアクションとスタントのムチャさ加減がすごく(ひどく)て、ロケット(本物!)での加速、道路封鎖なしに公道でカーチェース、実弾の使用など見てて怖くなる。映画監督や俳優の「けが人は出てない」と強調する証言が重なるたびに、逆に背筋が寒くなる。

あと本作ではオーストラリア映画ファンのクエンティン・タランティーノが心底嬉しそうにその魅力を喋りまくっているが、『キル・ビル』でユマ・サーマンがツバを吐く場面がオーストラリアのホラー映画からのインスパイアとは知らなかった。

何というか AC/DC の音楽が良く似合う過剰な映像がここまで続くとしまいには清清しい気持ちになってくるから不思議なものだ。

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[] MacBook Air 11インチ欲しい!  MacBook Air 11インチ欲しい!を含むブックマーク

結城浩さん(id:hyuki)が Twitter で少し前からずっと Mac 導入についてツイートしていて、ワタシも以前から Mac を一台欲しかったので、今回期待をこめて「MacBook Air 11インチ欲しい!」と叫ばせてもらう。当たるといいな。

Apple MacBook Air 1.4GHz Core 2 Duo/11.6

Apple MacBook Air 1.4GHz Core 2 Duo/11.6"/2G/64G/802.11n/BT/Mini DisplayPort MC505J/A

2011-01-11

[][] YAMDAS更新(多根清史『ガンダムと日本人』)  YAMDAS更新(多根清史『ガンダムと日本人』)を含むブックマーク

yomoyomoの読書記録多根清史『ガンダムと日本人』を追加。

ガンダムと日本人 (文春新書)

ガンダムと日本人 (文春新書)

2011年一発目の本サイト更新は読書記録から。

スティーブン・レヴィの新刊『In The Plex』はGoogle経営論か スティーブン・レヴィの新刊『In The Plex』はGoogle経営論かを含むブックマーク

以前にも取り上げたことがあるが、スティーヴン・レヴィの新刊のタイトルが変わっている。

In The Plex: How Google Thinks, Works, and Shapes Our Lives

In The Plex: How Google Thinks, Works, and Shapes Our Lives

タイトルの『In The Plex』の Plex とは Googleplex、つまり Google 本社を指している。この本は Google の top management についての本のようだ。

Google 本というとジョン・バッテルザ・サーチ』(asin:4822244873)あたりからケン・オーレッタ『グーグル秘録』(asin:4163725008)までたくさん出ていて、今更平凡なものは許さされないだろう。果たしてレヴィが Google 経営陣にどこまで肉薄しているかが見ものやね。

あとレヴィというと、『ハッカーズ』の25周年記念版の邦訳が出るかも気になるが、バカ売れするような本じゃないし難しいのかな。

Hackers

Hackers

ティム・バーナーズ=リー卿曰く「データ解析こそがジャーナリズムの未来」 ティム・バーナーズ=リー卿曰く「データ解析こそがジャーナリズムの未来」を含むブックマーク

池田純一さんのツイートで知った Guardian の記事だが、ティム・バーナーズ=リーが大量のデータを解析するデータジャーナリズムこそがジャーナリズムの未来と考えているようだ。

バーナーズ=リー卿の語り口はは抑制が効いており、"The responsibility needs to be with the press" と付け加えるのも忘れていないが、当然 Wikileaks の話もあり、問題意識はデヴィッド・ワインバーガーの新プロジェクトにも通じるのではないか。

[2011年1月16日追記]そっと××で Guardian の記事の日本語訳が公開されています。

[] 収容所のラブレター  収容所のラブレターを含むブックマーク

「松嶋×町山 未公開映画祭」においてレンタルした(予告編)。

第二次世界大戦においてナチスに侵攻されたオランダからユダヤ人強制収容所に送られたヤーブとイナのカップルが本作の主人公である。

しかし、このカップルは当時夫婦ではなかった。男性のヤーブにはマーニャという妻がいたが仮面夫婦状態で、彼が愛していたのはイナだった。この三人が同じユダヤ人収容所に送られてしまい、そこでの奇妙な三角関係、特にヤーブとイナの間で交わされるラブレターに焦点をあてた作品である。

戦争は人間の運命を大きく変える。実は、イナにもルディという恋人がいた。彼はアメリカに逃げられた可能性があったのに二人が反対したことで、結果彼はアウシュビッツで殺されている。本作には生き残ったヤーブとイナの親類、友人も出演しているが、彼らの家族の多くはナチスに殺されている。ヤーブとイナも兄妹を収容所で亡くしている。

主人公の二人にしても、ヤーブは後に別の収容所に移送され、イナはアウシュビッツ送りされそうになる。が、寸前でリストから外れてヤーブと同じ収容所に移るという綱渡りのような際どい偶然を生き延びている。

収容所の待遇は掛け値なしの悲惨さで、ヤーブとイナはラブレターで交わす言葉を(そしてマーニャもヤーブと夫婦であるという事実を)生きる力にしたことが分かる。こんなことが本当にあるのだ。

生き延びた彼らの言葉は重い。ヤーブが語る非常食のパンを妹にも友人にもあげなかった話は残酷そのものだがそれが戦争で生き延びるということなのだろう。オランダから11万人が収容所に送られ、生還できたのはわずか5450人……つまり95%以上が殺されたのだ。

本作は結婚60周年を祝うヤーブとイナの姿で終わる。本作の最後に映画の冒頭で流れた曲がもう一度かかる。しかし、そこについた字幕を見て、その印象はまったく違ったものとなる。

なお、これは実行委員会のミスだと思うが、最初の5分ほどの映像に字幕が入ってなかった。そこは映画本編でないので飛ばしてもよい。

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2011-01-07

2011年に注目すべきクラウド分野のスタートアップ5社 2011年に注目すべきクラウド分野のスタートアップ5社を含むブックマーク

新年一発目のエントリが大変な数ブックマークされて驚いたが、本来はそれと一緒に紹介しようと思っていた、ReadWriteWeb の「2011年に注目すべきクラウド分野のスタートアップ5社」を取り上げたい。

気になるスタートアップがあったら紹介記事の原文やそのサービスのサイトに飛んでくださいな。

no title

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ClearDB はクラウドホスト型の MySQL データベースサービスで、Salesforce の Database.com や CouchOne と競合している。

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Netuitive はクラウドベースの自動 IT 監視システムで、仮想化環境にも対応する。問題を事前に察知する予測解析、行動学習技術がポイント。既に Citi や FedEx も顧客。

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Loggly はシステム管理者向けのクラウドベースのログ管理システムで Logging as a Service が売り文句。もはや必要なログをすべて監視できなくなっている IT 環境の簡素化を目指す。現在はベータ版で無料だが、いずれ月99ドルの有料コースを導入予定。

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RethinkDB は SSD に最適化されたMySQL データストアを提供する。Y Combinator が資金提供している。TechCrunch の以下の記事も参考になる。

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Tropo はクラウドベースのテレフォニープラットフォームで、アプリケーションに音声、SMS、Twitter、IM を追加する API を提供する。Voxeo のインフラ上で稼動している。競合企業に Twilio がある。Nathan McMinn が選ぶ2011年に学ぶべき10のことにも入っている。

[] パブリックドメイン入りした作家、作品を再評価するThe Public Domain Review  パブリックドメイン入りした作家、作品を再評価するThe Public Domain Reviewを含むブックマーク

新年があけたということは新たにパブリックドメイン入りした作家、作品が増えたということであり、日本ではおなじみ青空文庫そらもようでそれについて触れられているし、「今年元日にパブリックドメイン入りした作者たち」の Togetter まとめでその具体的なリストを知ることができる。

ちょうど今年の正月に The Public Domain Review というブログが始まっている。このブログ作成の背景については電子書籍、ヴォーカロイド、そしてコンピュータ将棋に詳しいが、こういうパブリックドメイン入りした作家、作品を紹介して再評価するブログってとても有意義だと思うのだけど、日本にそうしたブログはないのかな?

件のブログではまずナサニエル・ウェスト(Nathanael West)が取り上げられている

彼は日本では無名に近いが、『真夜中のカーボーイ』のジョン・シュレシンジャーが映画化した非常に後味の悪い力作として知られる『イナゴの日』の原作者というのが一番有名かな。

200の国の200年の歴史を視覚化するテレビ番組「The Joy of Stats」がオンライン公開されている! 200の国の200年の歴史を視覚化するテレビ番組「The Joy of Stats」がオンライン公開されている!を含むブックマーク

およそ一月前に BBC4 で放送された、ハンス・ロスリングが200の国の200年の歴史を視覚化するという触れ込みの The Joy of Stats のことを取り上げたが、ハンス・ロスリングが設立したギャップマインダー財団が番組のビデオをオンライン公開しているではないか!

元々は YouTube に限定公開動画として公開されていたので動画をはれたのだが、現在では非公開となってしまったので、上のリンクを辿って Vimeo の動画を見ていただきたい。

いずれにしても約一時間の番組丸ごとオンライン公開とは思わなかったな。

[] レリジュラス 〜世界宗教おちょくりツアー〜  レリジュラス 〜世界宗教おちょくりツアー〜を含むブックマーク

「松嶋×町山 未公開映画祭」においてレンタルした(予告編)。

アメリカのコメディアンのビル・マーが、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教といった宗教の信仰者にインタビューして回るドキュメンタリー映画で、監督は『ボラット』の ラリー・チャールズ

本作におけるビル・マーは「宗教は有害」という立場に立ち、宗教家が確信を売り込むのに対し、自分が人々に売り込みたいのは疑念だと彼は宣言する。

ビル・マーは飽くまでにこやかに、しかし、宗教の教義、教典の矛盾を突き、信仰者を阿呆のように見せることに成功している。それは例えば「議員に知能は必要ないよ」とほがらかに語った数秒後にしまったという顔をする福音派の民主党上院議員などだが、そういえば『ジーザス・キャンプ』にも出演していたハガード牧師が、男娼とドラッグをやりながらセックスをした聖職者として引き合いに出されていて笑った。

映画本編の後で町山智浩さんが、その宗教の原点から離れてしまったことがいけないと解説していたが、ビル・マーはその原点(教典)そのものが非科学的でナンセンスだと本編で何度も指摘しているのだから端的に的外れだと思う。その点において彼の手法はケン・スミス『誰も教えてくれない聖書の読み方』を思わせるが、ワタシは劇中出てくる教典が作られた時代と近代科学が始まるまでにあまりにも時代差があるのだから仕方ないと説明する学者に説得力を感じたね。

本作の背景に政教分離というアメリカ建国の理念が堂々とないがしろにされたブッシュ政権への危機感があったのは間違いないだろう。それは理解できるし、現代の目からみればナンセンスでしかない教典をそのまま信じ込むことの滑稽さもしかりで、世界の終末がじきに訪れ、自分たちだけは救われると考える原理主義者などはた迷惑以外の何者でもない。しかし、唯一ユダヤ人の話題で激していたビル・マーをみて、ちょっとなんだかなという気分になったのも確かで、人間が弱き存在であることを認め、寛容の心を忘れているのは両方ともではないかという気持ちにもなった。

D

2011-01-04

ティム・オライリーが五つの分野について語る未来の展望 ティム・オライリーが五つの分野について語る未来の展望を含むブックマーク

本日から仕事始めという人が多いだろうが、週末になれば三連休とまだいくらか余裕があるので、2010年を総括して2011年の方向性を定めるのに参考になる文章を読む時間はまだ残っている。

新年一発目の更新は、そうしたトレンドを読む文章として O'Reilly Radar に掲載されたオライリー・メディアの創始者、CEO であるティム・オライリーの What lies ahead インタビューシリーズを取り上げたい。

オライリーは5つの分野について今後の展望を語っている。ワタシが読んでおっと思った文章をざっと翻訳しておく。気になったら是非原文をあたっていただきたい。


What lies ahead: Data

やはり彼の一番の興味はこの「データ」にあるようで、来月開催されるカンファレンス Strata 2011 は注目である。

データとアルゴリズムこそが非常に多くの企業の活動の中核をなしており、それはこれから加速するだろう。

データ提携がこれからもっと多くなると思う。単体ではなしえなかったことでも、複数の企業が協業することで実現できることがある。Google 時代は、データにどれだけ価値があるか人々が分かってなかった時代だと思うわけ。多くのデータが手に取れるところにあった。それはもう通用しない。今では保護されているデータ源があるからだ。

大きなオープンデータ運動が起こるのも期待しているんだ。それは過去の政治的ないし宗教的な動機に基づくオープンデータ運動とは違う。Google と Facebook の衝突は、宗教や政治が動機でないオープンデータを巡る戦いの一例だ。そこでの動機は実用性(utility)だ。

過去の予測エンジンはビジネスインテリジェンス、つまり人間の学習による解析や報告の上に構築された。新たな予測エンジンは反射神経になる。自律的なものだ。新しいエンジンは、Google がリアルタイムのオークションを運営しながら稼動し、どの広告が最もお金をもたらすかを理解するのだ。

スマートフォンがモバイルセンサープラットフォームになるという考えこそが、私の未来についての考えの完全に中心にある。そして思うに、それがみんなの考えの中心になるはずなんだ。電話や他のデバイスに入っているセンサーをどのように利用するか学ぶことこそが、ブレイクスルーが起こる領域の一つなんだから。


What lies ahead: Publishing

何といってもオライリーは出版社としての出自を持つわけで、出版の話題は欠かせない。やはり来月 O'Reilly Tools of Change for Publishing Conference 2011 が開催される。

ハードカバー、ペーパーバック、オーディオブック、それに多くの電子書籍は、同じ作品の別形態を表現しているに過ぎない。一方で新しいフォーマットは、著者のコンテンツ展開と読者のコンテンツ消費のあり方のより深い変化を表現している。グラフィックノベルは、日本で人気になったケータイ小説がそうであるように、西欧における最近のフォーマットのイノベーションだ。

形態の変化は、新たな種類の競合をもたらしたという意味でオライリーの出版事業に大きな影響をもたらしている。今うちの最大の売れ線はチュートリアルの本だ。昔からあるリファレンスベースの本はウェブや検索に飲み込まれつつある。これこそが、我々が Safari Books Online を検索横断可能なコンテンツライブラリと定義しようとしている理由なんだ。今ではリファレンスものは検索できることが期待されている。そしてうちのチュートリアル本は、スクリーンキャストやオンラインビデオといった他の形態にますます追い込まれている。

キュレーションやアグリゲーションこそが出版の中核事業であり、未だにそれが必要とされていることは明らかだ。オンラインで手に入るコンテンツが多くなるほど、誰かがもみ殻から麦をふるい分ける切実なニーズがあるわけだ(もちろん Google もキュレーションビジネスをやってるけど、彼らはそれをアルゴリズムに従って行っている)。

本は人々に情報、娯楽、そして教育をもたらす。どうすればこれらの三つの要素がオンラインやモバイルを通じてうまく実現可能かということに出版社が注力すれば、イノベーションとビジネスモデルはその後についてくる。


What lies ahead: Net Neutrality

ネット中立性の問題は2011年の大きなトピックだろうが、この話題についてはティム・ウーの新刊の邦訳も待たれるところ。

「完全な」ネット中立性の考えは、ある時点で消え失せると思う。エリック・シュミットが、Web 2.0 Summit で重要な主張を行った。ネット中立性には二つの概念があるというものだ。一つは、いかなる特定企業、特定のアプリケーションも差別できないということ。しかし一方で、アプリケーションの種類を差別することはできる。動画を音声よりも低い優先度にしたり、大量データダウンロードをリアルタイム通信が必要なものよりも低い優先度にできるわけだ。優先順位付けは議論を呼ぶが、回線容量の制限を考えれば、それが必要なことは明らかだ。


What lies ahead: DIY and Make

日本でも Make: Tokyo Meeting は毎回盛況だが、今年はまた違った展開がある模様。今春出る『Make: Technology on Your Time』日本版 Vol.11 にはワタシも例によってちょっとだけ携わっているのでよろしく。

なんであれ人々が純粋に楽しみで何かを興じているムーブメントを目にしたら、そのムーブメントの中に隠れた深い技術トレンドが存在する。

Maker ムーブメントの次段階は、新しい種類のビジネスの出現を伴うだろう。Adafruit Industries, DIY Drones, MakerBot, Instructables, iFixit, Etsy やこの分野における他の企業がいずれも新しいビジネスモデルを引き出している。キット、ツール、パーツを売るところもあれば、発見やセールスのプラットフォームを提供するところもある。


What lies ahead: Gov 2.0

ワタシなどオバマが苦しい政権運営を強いられることでアメリカにおけるオープンガバメント、Gov 2.0 の動きに水が差されないか心配していたが、オライリーはこれがビジネスになると考えているわけで先を行ってるねぇと思った。果たして日本ではどうか。

オープンガバメントや透明性への初期の関心の集中は徐々に消えつつあり、人々は仕事にかかりつつある。Gov 2.0 スタートアップの創業者は、ビジネスモデル――広告や都市向けバックエンドサービスの提供など――を会得しつつあり、そのスタートアップの第一陣が資金提供を受けつつある。

リストにあった項目の多くが最初想像したようには実現していないから、オープンガバメントは失敗したと言うかもしれない。振り返ってみれば、オープンガバメントが単なる透明性や政府の政策決定への参加だけではなく、オープンデータを実用に落とし込むことが可能な多くの方法であることに気付くはずだ。

Web 1.0 時代の終わり頃、バナー広告やポップアップなどのあらゆるでしゃばりな広告形態がうまくいかないのでウェブは失敗だと主張する人たちがいた。その後 Google がより良いアイデアを携えてやってきたわけだ。似たことが Gov 2.0 にも起こると思うんだ。人々が「Gov 2.0」とラベル付けするものの多くは、実は「Gov 1.0」期の初期の兆候や努力なんだ。重要な変化がいずれ起こるし、それは政府機関が Wiki を立てたり Twitter を利用したりするのとは何の関係もないだろう。我々は徐々に予想もしなかった多くの成果を目の当たりにするだろう。

ティム・オライリーのビジョンに賛同する人も反発する人もいると思うが、2011年は前向きな話題を取り上げることができればと願う。そして、ワタシ自身も前向きに生きることができれば……

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