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このページは YAMDAS Project の更新履歴ページです。
Amazon で980円以下で売っている CD を取り上げる「Amazon980円劇場」だが、こないだパティ・スミスについて書いた関係で Television のアルバムを取り上げておく。
このバンドのリーダーであるトム・ヴァーラインがパティ・スミスの元彼ということだが、そんな情報とは関係なく、このアルバムはロック史に残る傑作である。
何よりヴァーラインとリチャード・ロイドの2本のギターの絡みがとても官能的で、また同時に「ストップ&ゴー・ギター」と言われたギクっとくる感覚、神経を波立たせる不穏さも持ち合わせており、タイトル曲をはじめとして何度聴いても素晴らしい。
これが35年前の作品と考えると少し不思議な気分になる。
ボイジャーの新しい読書システム BinB をつかって、「マガジン航」の過去記事200本以上から7本を選んで編んだアンソロジー『本は、ひろがる』が刊行された。
その中にワタシが訳した「ブリュースター・ケール氏に聞く本の未来」が収録されているのでここでも取り上げておく。
テリー・ジョーンズの新作映画にパイソンズが参加する話は2010年の9月に書いている話なのだが、本当に実現するのか。残るエリックの参加だが、彼と他のパイソンズの間がしっくりきてないようなので難しいかもね。
あとエリックを除くパイソンズの参加というと、故グレアム・チャップマンの自伝の3Dアニメ化でも実現しているのは忘れないでほしいところ。
うだつのあがらない、何の特筆すべき能力のない男がスーパーヒーローになろうとするという筋書きが『キック・アス』との類似性を指摘され、でもこっちのほうが結構ヒドいよ、という評判を聞いていて、映画館で観るつもりが福岡では北九州でしか上映してなかったため DVD での鑑賞となった。
面白かったし、それなりに楽しんだ。しかし、やはり保守派のへなちょこヒーローものをテレビで啓示を受けるという設定、主人公が列を割り込んだ奴に振るう容赦ない暴力など、ワタシにはあまり喜べない映画であった。正直、本作にケヴィン・ベーコンが出てなければ、もっと印象が悪かったろう。ケヴィン・ベーコンは偉大だ。
あとエレン・ペイジが主人公とはまた別の意味でキレた役を演じていて、あなた『インセプション』の直後になんちゅう映画に出てるのよ、と驚いた。彼女を「カナダの蒼井優」と言うのは、彼女に失礼だね。
まぁ、ラストのモノローグが非モテ男の悲哀を表現していて、そこはグッときた。
『情報共有の未来』に対する反応を紹介するシリーズだが、今回はまさかの紙媒体での紹介である。
達人出版会のツイートで知ったのだが、なんとミュージック・マガジン2012年2月号の「新刊ひとくちメモ」(ほぼ一番最後のページです)に取り上げられているのだ。
MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 02月号 [雑誌]
まさかミュージック・マガジンで取り上げられるとは思わなかった。著者は長年ロキノン読者だった人間なのにいいのだろうか(笑)。とにかく嬉しい。
最初ツイートに添えられた画像を見て、誰が書いたか分かった気になったが、実際に読んでみると勘違いをしていた。どなたか知りませんが、本当にありがとうございます。
しかし、いくら電子書籍とはいえ、昨年末に公開された本をこないだ出たばかりの雑誌で取り上げるって結構すごいことではないか。一層恐縮してしまう。
もちろんミュージック・マガジンでも過去電子書籍が取り上げられたことはあったろう。しかし、こんなフラットに新刊紹介で取り上げられるってかなり珍しいのではないか?
調べものをしていて、かのローレンス・レッシグがジャック・エイブラモフ(アブラモフ)にインタビューしている動画を見つけた。
ジャックなんとかって誰? という人が大半だろう。彼については Wikipedia のページが大変充実しているが、何よりワシントンで強い影響力を持つロビイストとして活躍し、政府高官などへの収賄やカジノ関連詐欺の疑いがスキャンダル化し、しまいには詐欺罪で逮捕され、懲役5年10か月の判決を受けた人物なのである。彼については JMM に掲載された村上博美の文章、春具の文章(その1、その2)が詳しい。
彼が面白いのは、80年代映画プロデューサーをやってた過去で、これについては「『レッド・スコルピオン』の秘密」が詳しくて、何とも可笑しい。そう、『レッド・スコルピオン』のプロデューサーだったのね。そして、彼のスキャンダルは『カジノ・ジャック〜史上最悪のロビイスト〜』として映画化されている(参考:ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記)。
レッシグ教授が彼を招いたのは、現在の研究テーマである「腐敗」についての証言をとるためで、実際エイブラモフは昨年秋にそれについて本を書いている。
エイブラモフは仮釈放後ピザ店でバイトしてるのがニュースになったが、今はさすがに違うのだろうね。
「荒野に向かって、吼えない…」でパティ・スミス『Just Kids』の書評を読み、ところで邦訳はいつ出るのだろうと思った。
半年以上前に邦訳の刊行が期待される洋書30冊を紹介しまくったとき、某氏から翻訳が進んでいることを教えていたいたのだが、まだ刊行の話を聞かない。もちろん、刊行が遅れて古くなるような本ではないのだが、出たら買うつもりでいる当方としては気になるところだ。
『Just Kids』は佐藤太郎さんの書評を読むだけでも目眩がしそうなくらい面白そうだが、60年代のヴェルヴェッツ〜ファクトリー人脈から説き起こすニューヨークパンクシーンの栄枯盛衰については、ここでも何度も紹介しているレッグス・マクニール&ジリアン・マッケイン『プリーズ・キル・ミー』という優れた本があるのでオススメよ。
プリーズ・キル・ミー (Garageland Jam Books)
そうそう、今度ジェームズ・フランコがロバート・メイプルソープを演じるんだってね。
なんだか毎月書いてるみたいだが、実際献本いただきながら読書記録がおいついていないのだから仕方がない。ひとまずこちらで紹介させてもらう。
トム・スタンデージの本との出会いについては以前書いたが、その関係で両者の訳者である服部桂さんから献本いただいた。こういうジャーナリストの本って好きなので楽しみである。
グーグル化の見えざる代償 ウェブ・書籍・知識・記憶の変容 (インプレス選書)
昨年秋に原書を取り上げた関係だと思うが、邦訳をインプレスの編集者から献本いただいた。原書刊行から一年足らずで邦訳とは早いね。ちょうど今『グーグル ネット覇者の真実』を読んでるところだが、当然それとは違った位相の Google 論なのであわせて読みたい。
Software Design (ソフトウェア デザイン) 2012年 02月号 [雑誌]
そして例によって毎度おなじみ Software Design である。先月の Android 受注の特集といい、今月の「IT市場の転換期を生き抜く」にしろ、いろんな難しさを見据えた上で雑誌にしかできない特集を模索しているのが伝わってくる。
yomoyomoの読書記録にデイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』を追加。
いろいろ入れ損ねた話がある感じだが仕方ない。この本のプロモーションは成功したと言えるだろうが、一緒にデッド初心者がはじめに聞くべきアルバム数枚も一緒にレコメンドしてほしかったな。
先週 iBooks 2 と iBooks Author が発表され、例によって大騒ぎになったが、その見方としてはこの EBook2.0 Magazine の記事が一番妥当なように思った。
ワタシ自身はまだ触ってないが、iBooks Author がすこぶる優秀なこと、一方で使用許諾契約の厚かましさが異常というのは間違いなさそうだ。
出版関係の話題では、TechCrunch 離脱メンバーによる PandoDaily に載ったアメリカの某出版社の編集者による「我々は Amazon に狙いをつけられており、奴らは我々を殺そうとしている」という悲痛な訴えがなかなかだった。大原ケイさんの「ガクブル米書籍事情:アマゾンが出版社になった」も参考になる。
関係ないが、もし PandoDaily が大成功したら、某社はサラ・レイシーの本を出さなかったことを後悔するのかも。昨年出た彼女の本もやはり邦訳は出ないのかな。
Brilliant, Crazy, Cocky: How the Top 1% of Entrepreneurs Profit from Global Chaos
ピューリッツァー賞などを受賞したジャレド・ダイアモンドの代表作『銃、病原菌、鉄』の文庫版が来月出る。
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
こういう本は文庫落ちしないと思い込んでいたので、話を知ったときは驚いた。
この本のことを知ったのは、2000年に山形浩生が CUT の連載で原書の書評を書いていたからだが、邦訳は日本でもかなり評判となったし、売れたはずだ。
しかし、実はワタシ自身はちゃんと読んでなかったのね。そうした意味で文庫化はありがたいのだけど、もう読まない言い訳はできなくなるね……
「音楽インターネットサービス20事例と共に考える、共有時代における音楽との触れ合い方」という記事が話題になった。Spotify や Pandora など日本からは利用できない良質サービスがいくつもある現状が悲しくなったが、ここに取り上げられていない他にも成功してる音楽サービスがあるよ、と紹介する意味で NoiseTrade についての少し前の記事を取り上げることにする。
NoiseTrade は無料でアルバムをダウンロードさせる(毎月30万枚以上ダウンロードされている!)合法音楽サービスなのだが、「tip jar」という形でユーザはお金を払うことも可能。
コミュニティ重視とか支払いは強制でなく選択とかは他のソーシャル音楽サービスにも当てはまる話だが、NoiseTrade の場合創業者の Derek Webb が元々コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック分野というちょっと主流から外れたミュージシャンなのがポイントのようだ。
彼は「生計を立てるのに100万枚レコードを売る必要はない。2000から10000の範囲が生計を立てるのにベストで、商業的なプレッシャーが少なくて芸術面でも最も満足度が高いのではないか」と語っている。「千人の忠実なファン」ではちょっと足らないかな?(笑)
以前から観ようと思いながら観てなかった映画である。
この映画は邦訳がダメよね。人から勧められなければ絶対観ようと思わない種類の邦題だ。しかも、内容を反映してない。これだと DQN な囚人が人殺して脱獄する映画みたいじゃないか。
本作の主人公ルークを演じるポール・ニューマンはとても魅力的だ。粗暴だが悪いヤツじゃないジャイアン的キャラクターのジョージ・ケネディもいいけど、ニューマンの魅力、哀しくなるほど素敵な笑顔の魅力で成り立っている映画である。
主人公の非服従、不屈、不信の姿勢、彼に託されたキリスト教的暗喩といった要素と、卵を50個食ったり、セクシーな美女の洗車に囚人たちがムラムラムラムラ! となる楽しい場面が共存する良作ですね。
観た後に調べてデニス・ホッパーやハリー・ディーン・スタントンが出てるのを知り驚いた。
『情報共有の未来』の更新版 v.0.9.1 が達人出版会において公開されたので、既に購入済の方はダウンロードしてください。まだ購入されてない方は、これを機にいかがですか?
さて、今回ピックアップする『情報共有の未来』をお読みいただいた方の感想は編集者の小林祐一郎さん。
個人的にこれらのキーワードはあまり身近なものと考えていなかったのですが、改めて考えてみれば、近年の「ネットはフロンティアとしての魅力を失ってしまった」的な話の次に来るのは「(ひととおり開拓され尽くした)ネットでいかにしてsustainableな(個人)活動をしていくか?」という課題なんだろうな、というところに辿り着きました。
Nothing found for Archives 2012 01 Post_637
sustainable という単語は連載の最後のほうで辿りついた言葉で、でもインターネットがもう「フロンティア」ではなくなり、昔のように「ネットで○○が見れる」だけで盛り上がれなくなった現状避けることはできないポイントだと思うのよね。
小林祐一郎さんの文章では、この前に書かれた「電子書籍」はもっとモバイルOSやWebに食い込んでもいいも電子書籍論として面白いね。
マジック、奇術というのは、何よりそのタネを秘密にするものだが、マルコ・テンペスト(彼のウェブサイトにアクセスしたら、いきなり日本語が表示されて驚いた)は自分のマジックをオープンソースマジックと称していて、マジックのタネを明かしながら、オンラインでフィードバックを求めており、良いアイデアを提供してくれた人がいたら、それをクレジットしてるそうな。
実は少し前に彼のマジックを見たばかりで、それは例によって TED の「拡張現実的テクノマジック」である。
この動画の最初でも自身のオープンな姿勢について語っているね。そうそう、彼は2010年の TEDxTokyo のときに来日していて、それについては Fumi's Travelblog に詳しい。
ネタ元は opensource.com。
先週は65歳の誕生日を迎えたデヴィッド・ボウイについていろいろ記事が出ていたが、その中で個人的に感慨深かったのは The Next Web の記事で、それはボウイが今から10年前に受けた New York Times のインタビュー記事 David Bowie, 21st-Century Entrepreneur を引用していたからだ。
このインタビューは拙訳『デジタル音楽の行方』でも重要なインスピレーションとして引用されているが、引用出典一覧を作ったときはオンライン公開されてなかったんだよな(というわけで反映させてもらった)。
10年前のインタビューでボウイは以下のように語っていたんだよね。
これまでの我々の音楽についての考えはすべて、十年以内に完全に変わってしまうだろうし、何もそれを止めることはできない。それが起こらないふりをするなんて僕にはまったく理解できない。例えば、著作権はこの十年のうちになくなってしまうと僕は確信しているし、今でも著作権や知的所有権は相当攻撃されている。
音楽自体が、水や電気のようなものになりつつあるんだ。(中略)つまり、このどれも二度とは起きないことなんだから、この数年間をうまく利用しないといけないわけだ。たくさんツアーをする準備をしておいたほうがいいだろう。だってそれが残される唯一のユニークな場なんだから。すごくエキサイティングだよ。でも一方では、それをエキサイティングと思うか思わないかなんて関係ない。だって、いずれそうなるんだから。
Spotify や Rdio がボウイが言う「水のような音楽」を実現したじゃないかと The Next Web は続けているわけだ。それについては異論もあるが、そういえば Rdio については一年半前に取り上げているが、jay kogami's posterous のエントリがすごく良いまとめになってるね。
昨年末、翔泳社の担当編集者とこの本の話をしたら、書名をすっかり忘れられててショックでトイレで泣き崩れてしまったのだが、『デジタル音楽の行方』は早すぎる本だったのかしら。
およそ一年半前に「たぬきちなんて糞くらえ。これこそ地方在住ロスジェネのリアルリストラ戦記だ」というほとんどいいがかりのような文章で紹介させてもらった @35_de_kubi さんが再度の転職体験記をまとめられている(途中のようだ)。
前回はリストラという名の首切りを受けた転職活動というとてもツラい状況に加え、氏の奥さんの発言の辛辣さが尋常でなく、これを読んだときばかりは(氏には大変失礼ながら)心底「結婚してなくてよかった……」と陰嚢が縮み上がるほど恐怖を感じたものである。
今回も薄給の中での転職活動で読んでて胃が痛くなる内容だが、職歴をプラスに転じて満足行く転職を果たされたとのことで、過去の辛い体験を血肉にした結果なのだと思う。本当におめでとうございます。
で、個人的には嫁暴言特集に期待してしまうわけですが……
『情報共有の未来』サポートページに正誤表を作成したことはお伝えしているが、今週中には更新版(ベータ版でない正式版?)が出るはずなので、そのときにはまたお伝えさせてもらう。
さて、今日取り上げる反応は、グスタフとドーラの飼い主であるただただしさん。
期間は2007年から2011年の足かけ5年。インターネットにおける情報のありようを時事ネタをからめつつ語るというスタイルなので、とうぜん2012年現在からみると古びている。だからこの話を聞いたときは書籍にまとめるには向かないのではないかと思ったが、ほとんど各章すべてに現時点からの振り返りとなる「あとがき」が付けられて、これがけっこう面白い。もちろんこれはアーカイブでは読めない書籍だけの特典である。
情報共有の未来 (yomoyomo) - ただのにっき(2012-01-12)
実は評としてはこの後からが面白いので、是非読んでほしい。正直ワタシは読んで感激してしまった。tDiary の作者にこう書いていただいてとても光栄である。
クリエイティブ・コモンズがデータに関する FAQ を公開したよという話で、要は「データ」にも「データベース」にも CC ライセンスは(もちろん条件を満たした上で)適用可能だよ、ということである。
やはり、こういう表明にも(ビッグ)データの時代なんやねと感じるわけである。
面白いのは Creative Commons の Wiki で公開されているデータに CC が適用されている事例とデータに CC0 が適用された事例(CC0 とは簡単に言えばパブリックドメイン相当の CC ライセンス)。
いずれも非常にオーストラリア、イタリア、英国など各国の政府関係機関を含む貴重なデータ、データベースがいっぱいで目をみはる。Creative Commons がライセンスのデータへの適用について本腰になる契機となった一つに OpenStreetMap があったと思うし、現に OSM も前者の事例に入っているのだが、Open Database License (ODbL) へのライセンス移行はまだなのだろうか。
『アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)』、『イノベーションの神話』、『パブリックスピーカーの告白 ―効果的な講演、プレゼンテーション、講義への心構えと話し方』といった書籍でおなじみの Scott Berkun(現在は Wordpress の Automattic で働いてるのね)だが、新刊『Mindfire』はこれまで通りオライリーとは組まず、なんと自費出版で出したそうだ。
Mindfire: Big Ideas for Curious Minds
Amazon のページの出版社をみると、確かに Berkun Media になってるな。
著者にとってオライリーは良い出版社だと思うのだが、自費出版をやって学んだことについてオライリーの TOC ポッドキャストのインタビューに答えている。
Berkun にとって自費出版は大変な学びの機会だったようで、テクノロジーにより自費出版自体はかなり容易になっているが、編集やデザインやマーケティングや宣伝まで自分でこなさなければならず、それはかなり大変とのこと。
同様の話は少し前に読んだ Daniel Markham の E-books Are Not That Easy にもあって、こちらは電子書籍の話だけど、これも現状自費出版に近いということだね。
こないだ紹介した28C3におけるコリィ・ドクトロウの基調講演「汎用コンピュータを巡る来るべき戦い」とリチャード・ストールマンの言う通りだった、のか? で取り上げたブツの日本語訳が公開されているので紹介させてもらう。
なお、前者について柏野雄太氏は「訳がイマイチすぎる。誤訳も含めてこういう不完全な和訳をお節介的というか啓蒙的に提示するのは僕はあまり感心しない」と書かれているが、それなら改善点を訳者に指摘すればよいと思う(既にやってるだろうが)。
あとコリィ・ドクトロウは、この講演の内容を基にした Lockdown: The coming war on general-purpose computing という文章を Boing Boing に公開している。
yomoyomoの読書記録に小田嶋隆『その「正義」があぶない。』を追加。
そういえばもうすぐ『情報共有の未来』の更新版が公開されると思う。そのときはここでも告知するが、それを機にまだ買われてない方は購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
こないだもReadWriteWebによる2011年のTED講演10選を紹介したが、こちらは技術スタートアップを元気付ける講演ということで、同じく2011年に公開されたものから選んでいるもののほとんど重複がなかったので日本語字幕版を紹介しておく。原文ではトップ10だが、実際には12本の動画が選ばれている。
これだけ上記エントリと重複していたので以下省略。
経済記者のティム・ハルフォードは複雑なシステムを研究して、成功しているシステムにおいて驚くべき相関を見いだしました。それらは試行錯誤から生まれたものなのです。2011 年の TEDGlobal で行われたこの際立った講演で、ティムは我々に、ランダムさを受け入れてより良い間違いを目指すよう訴えます。
ティム・ハルフォード:試行、錯誤、そして全能感ゆえの固定観念 | TED Talk
世界中の電球からデータを発信できたらどうでしょうか?TEDGlobal でハラルド・ハースは、それを実現させる機器の初のデモンストレーションを行います。人間の眼では認知できない速度でLEDライトを点滅させることで、セルラー方式の電波を使うよりも遥かに多いデータを送ることができます。さらに効率性・安全性・有用性でも従来のものより優れています。
ハラルド・ハース 「電球からのデータ発信」 | TED Talk
大学院生の頃 シンシア・ブリジールはなぜ火星ではロボットを使っているのに 私たちのリビングルームにはいないのか考えました。彼女が気づいた鍵は、人々と交流できるようにロボットを学習させようとするものでした。今彼女は、そのような考えのもとで、人に教えたり、学習し、一緒に遊べるようなロボットを作っています。子供達のための新しいインタラクティブ・ゲームの驚くべきデモをご覧ください。
シンシア・ブリジール:パーソナル・ロボットの台頭 | TED Talk
所得格差の大きい社会はどういうわけか悪化していると私たちは直観的に感じています。リチャード・ウィルキンソンは信頼できる経済格差のデータを図表にし、格差が広がりすぎると健康や寿命、さらには信用のような非常に基本的な価値観などに対する実質的な影響が悪化するのだと説きます。
リチャード・ウィルキンソン 「いかに経済格差が社会に支障をきたすか」 | TED Talk
格差社会の衝撃―不健康な格差社会を健康にする法 (社会科学の冒険 2-6)
Lee Cronin のほうは日本語字幕がまだ付いてなかった。
MIT研究者のスカイラー・ティビッツは自己組織化と呼ばれる、DNA鎖が自身を結合するように、何かをつくる(椅子や、超高層ビル)代わりに物が自身をつくるというアイディアに取り組んでいます。これは初期段階における大きなコンセプトです。ティビッツは3つの研究室内のプロジェクトを通して自己組織化の未来の展望を紹介します。
スカイラー・ティビッツ:自己構築する物をつくる事は可能か? | TED Talk
映画制作者のモーガン・スパーロックが、目につきにくいが影響力のあるブランドマーケティングの世界に飛び込み、粘り強さとユーモアを発揮してスポンサーシップについての映画をスポンサーの資金提供だけで制作しようと試みます。(もちろんこのトークのステージ題名のスポンサーも獲得。誰がいくら支払ってスポンサーになったかはお楽しみに。)
モーガン・スパーロック:究極のTEDトークを売る企画について | TED Talk
ビン・ラディンを探せ! ?スパーロックがテロ最前線に突撃!? : 松嶋×町山 未公開映画を観るTV [DVD]
これも日本語字幕がまだ付いてなかった。
これも日本語字幕がまだ付いてないが、これは音楽が主軸なので、英語字幕でなんとかなる。
インドのラジャスタンに、驚くべき学校があります。大半は読み書きもできない地元の女性や男性を訓練して、村で働く太陽光発電の技術者や職人、歯科医や医者にするのです。「裸足の大学」と呼ばれるその学校の創始者であるバンカー・ロイが、その仕組みを語ります。
バンカー・ロイ:「裸足の大学」から学べること | TED Talk
JRは半匿名のフランスのストリート・アーティストです。彼はカメラを使って世界の真の顔を、人々の顔写真を巨大なキャンバス上に貼ることによって表現します。TED2011において、彼は「アートを通して、世界をひっくり返す」という大胆なTED Prize Wishについて話します。彼の作品をもっと知って、insideoutproject.netを通してどのように彼の活動に参加するか知りましょう。
JRのTED Prize wish:アートを通して世界をひっくり返す | TED Talk
今回は前回と違い、ほとんどが10分を超える長さなので、時間があるときにどうぞ。
それにしても TED は見るべき講演の宝庫やね。ネタ元は Hacker News。
ワタシは故郷長崎に帰ると、大抵長崎シティFMをかけっぱなしにするのだが、そこで放送されている唐川真さんの番組「サウンド見聞録」で放送された高浪慶太郎さんのインタビューが文字お越しされ、高浪慶太郎 feat.PIZZICATO FIVE としてウェブ公開されている。
ワタシは唐川さんのご好意により番組の音声ファイルを聞かせていただいているのだが、改めて文字化されたのを見ると、これはすごく貴重なインタビューだと再認識した。
のっけから面白い逸話が多いし、唐川さんも(自身はにわかと謙遜されるが)ミュージシャンならではというか、音楽的語彙に対応でき、質問をそれを踏まえたものになっている。
ワタシもそうだが、ピチカート・ファイヴというと小西・野宮体制になってからのイメージが多くの人にとって強いだろう。しかし、そこにいたるまでの話もとても面白いし、何より高浪慶太郎さん(当時は高浪敬太郎)は優れた曲を書かれてたんですね。
で、最後になんとワタシの名前がクレジットされている。ワタシが書いたはっぴいえんどとシュガー・ベイブとピチカート・ファイヴと長崎を結ぶ文章がこのインタビューのきっかけとなったとのことで恐縮しきりである。
唐川さんとワタシの接点は長崎という土地やお互い『文學ト云フ事』のファンであること以外にも実は以前やりとりしたことがあって、それを唐川さんから教えていただいたときはびっくりしながら、人の縁は分からんものだなぁと苦笑いしたものである。
あと実はワタシは、昨年あるパーティで高浪慶太郎さんにご挨拶する機会に恵まれたのだが(もちろん相手はワタシが yomoyomo であることなど知るわけがない)、人間どこでどのように接点を持つか分からないものである。
yomoyomoの読書記録に雨宮まみ『女子をこじらせて』を追加。
昨年末著者にお目にかかったとき、ワタシもエネスレを読むよう勧められたが、「久保先生もちょっと2ちゃんねるとか読んだほうがいいよ」とか創作者に2ちゃんねるを勧めるのはどうよ(笑)。
『情報共有の未来』への反応だが、今日は zorio さん。
epub版をダウンロードした。paypal経由で800円。PCでmobi形式に変換、kindleで読んでいる。
PDFもダウンロードできるんだが、正直PDFを選ぶメリットは感じられない。
情報共有の未来(達人出版会) - zorioの電子書籍購入履歴
Amazon Kindle でワタシの本を読んでくださってる。PDF より epub を mobi に変換したほうがよいのはフォントサイズを変えられるからだろうか。
さて、zunda さんを中心にいろいろ誤記誤植を指摘いただいているので、サポートページで正誤表を公開させてもらった。いずれ本体にも取り込まれるだろう。
リンクが数字になる問題は URL にコンマが入る CNET のページで起きる現象で、一度総指摘したはずなのにその後また URL 変更が起こったか。
更新版がリリースされたらまたここでも告知させてもらうが、紙と違ってすぐに訂正版がダウンロードできるのはポイントが高いよな。
昨年の SOPA そして最近の NDAA(これについては山崎富美さんの文章が必読)を受け、これまで自分たちはリチャード・ストールマンの警告を極端だ、パラノイアだと時に笑ってきたが、結局彼の言っていた通りではないか、という文章。
さらにはこないだ取り上げたコリィ・ドクトロウの「汎用コンピュータを巡る来るべき戦い」についても触れられており、我々は2012年フリーソフトウェア/オープンソースソフトウェアをかつてないほど必要とするようになる、汎用コンピュータのユーザによるコントロールが権力側にとって脅威になると話をつなげている。
ただし、Hacker News のスレッドで、ポール・グレアムは、この文章はストールマンが正しかったという具体的な予言を何も挙げてないじゃないかと批判している。ふーむ。
ネタ元は Slashdot。
『ケヴィン・ケリー著作選集 1』には序文を書いたり、『ケヴィン・ケリー著作選集』電子書籍化の意義について書かせてもらったりした。紹介するのが遅れたが、実は昨年末アメリカでもケヴィン・ケリーの電子書籍が刊行されていたんだよね。
それはやはり彼のブログ Cool Tools の書籍化『Cool Tools in the Kitchen』だ。書名を見る限り、台所用品にフォーカスして編集されたようだ。ホント、ケヴィン・ケリーという人は多才だなぁ。
こういうのをフットワーク軽く出すところがオライリーらしいが、100ページで値段はおよそ6ドル。それと比べると『ケヴィン・ケリー著作選集 1』は安いね!
友人のベンジャミンが DVD を貸してくれた。思えば昔『マイ・レフト・フット』も貸してもらったが、ジム・シェリダンの映画が好きなのだろう。こないだ観た『ブラディ・サンデー』も彼が製作総指揮だったが、自らのルーツであるアイルランドについての映画が多い人である。
本作はタイトルからアメリカに移り住むアイルランド移民の話なのは予想できるわけだが、ワタシは勝手に昔の話だと思っていた。これはジム・シェリダンの半自伝的な物語なのね。脚本も彼と2人の娘さんで、最後の献辞を見る限り、生後間もなくこの世を去った息子さんも実在するのだろう。
つまり、この映画はシェリダンの家族の物語なのだが、この家族を演じるキャストがみんなよい。特に2人の娘さん役の演技が自然なのに感心したが実際の姉妹とのこと。姉が歌う "Desperado" は物語上必要なのかは分からないが確かによかった。
派手な見所のある映画ではなく、お父さんがニューヨークの街中を中古のエアコンを引っ張り歩き、露店の ET 人形(およそ30年前が舞台なので)をとるのに有り金全部をつぎこんだりといった家族のドラマが楽しめるかにかかっている。個人的には、お父さんとマテオが対峙し、やりとりからマテオがまもなく死ぬことを悟る場面にハッとした。
本作の副題は「三つの小さな願いごと」で、姉娘が行う三つの願い事、普通に考えれば母親の出産の場面でするはずだが、この映画ではそうしない。最後の願い事はある意味とても残酷なものなのだが、それゆえに涙してしまったね。
yomoyomoの読書記録に東野圭吾『容疑者Xの献身』を追加。
遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今更この本かよと言われそうだが、今更この本なのである。読んだのは一月以上前で、他にも読んだのに読書記録を書いてない本がたまっている……
これから『情報共有の未来』を購入いただいた方々の声を紹介していきたいと思う。こちらでは Twitter よりもブログでの反応を中心に取り上げたい。
まずはワタシの大学の同級生(笑)kitaj さんから。
特に面白いのが,yomoyomo氏自信が各章のあとがきとして追記しているふりかえりの文章で,連載当時と現在の状況についてyomoyomo氏が思うところを同時に読めるのである.そんなあとがきが約80編も読めて800円ははっきり言ってお買い得であろう. 1あとがきたったの10円だよっ!
情報共有の未来 - 今日のなんでやねん(2011-12-30)
それでも高いと思われるのを懸念していたのだが、id:eto さんの文章込みなら絶対高くないよね!
続いて dRuby でおなじみ咳さん。
うまく言えないんだけど、外向けの文章のせいかyomoyomo臭が抑えめで、却ってyomoyomoさんが強調されるような感じする。< なに言ってんだ私。
2011-12-31
これはやはり一貫して敬体で書かれているからだろうか。ワタシも最初敬体でいくと決めたのに、ほっておくと常体で文章を書いてしまいそうになり、途中まで書いたところで気づいて呆然となったりしたこともあったっけ。
最後は版元達人出版会の高橋さん。
そもそもyomoyomoさんの本を出したいなあと思ったのは一昨年くらいのことで、最初の本を販売する前からyomoyomoさんの書かれたネット記事を勝手にコピってyomoyomoさんに見せたら嫌がられた(最初のページが「I can't blog」だったこともあって)、みたいな経緯もあったのですが、1年以上かかってようやく出せたので感慨深いです。
エンジニアじゃない方でも新年に読むのをお勧めしたい2冊 - 思っているよりもずっとずっと人生は短い。
ぐは、懐かしい! そう、あのとき「I can't blog」を見せられて、一気に酔いが醒めたっけ(笑)。『情報共有の未来』が電子書籍に向いているというのは著者も思うことなので、皆さん買ってください!
こないだの告知のコメント欄で id:tanakakenta さんから誤植の指摘を受け、他にもあるようなのでそのあたりの訂正情報もここでお伝えできればと思う。
あと Twitter で『情報共有の未来』についてツイートされる場合、ハッシュタグ #infoshare をつけていただけると情報の集約が楽になるのでありがたいです。
Boing Boing や ReadWriteWeb で話題になっているが、技術ブログの黄金時代は終わったそうだ。
Jeremiah Owyang が挙げる理由は以下の4点。
昨年の TechCrunch を巡る騒動を見れば上二つは分かるし、昨年末には ReadWriteWeb も買収され、こちらからも主要メンバーの離脱が起きている様子。
ただ著者は技術ブログはこれで終わりと言ってるわけではなく、新時代が到来するだろうと予測している。新しいパイオニア、スターが登場するはずだし、メディアミックスによる新たなコンテンツ形態も生まれるだろうと予測している。
この手の言説が往々にしてそうであるように、反論も多く出ているので、上のリンクから辿ってそれらを見るのも楽しいかもね。
Slashdot や LWN.net で 28C3 におけるコリィ・ドクトロウの基調講演が話題になっている。
……と知ったようなことを書いたが、正直ワタシは 28C3 って何? なレベルだったりする。第28回 Chaos Communication Congress なのね。ハッカーカンファレンスの一つでしょうか。
ただ50分以上の講演を見るのはなぁと思っていたら、Transcript が GitHub にクリエイティブコモンズの表示ライセンスの元で公開され、上の動画にもそれが字幕として取り込まれたのでかなり講演が見やすくなっている。すごいね!
問題の講演の内容は、過去20年間インターネット政策といえば著作権戦争の話題で占められていたが、これからは汎用コンピュータ(general purpose computer)が問題であり、これに全人類の自由、運命、プライバシーがかかっている。
……って大きく出たなドクトロウ! うーん、正直まだよく分かってないんだよな。そうそう、スクリプトは CC BY ライセンスだから自由に翻訳公開できるぞ!(誰かやって、の言い換え)
以前、「代表的な一発撮りビデオをざっとまとめてみる」という文章を書いたことがあり、そのときコメント欄で RIP SLYME の「黄昏サラウンド」を挙げる方がいた。
実際に Wikipedia にも以下のような記述がある(本文執筆時点)。
PVは一発撮りで、東京国立博物館で撮影された。途中、あたかもメンバーがワープしている様な演出がなされている部分があるが、CGなどは使われておらず、実際には次の撮影ポイントまでカメラの裏手を走って行って撮ったものである。ちなみに、PVの終盤で、メンバーが全力疾走するのを横目に見たPESが笑ってしまっているシーンが確認できる。
黄昏サラウンド - Wikipedia
でも……これ一発撮りじゃないよ? というか常識で分かる話で、夜始まった映像が最後朝(昼?)になってるじゃない。
それならどこでカット割りが入っているか? メンバーが画面から消えるところがそうで、具体的には2:19あたり。それを境に夜だったのが明るくなってるでしょ?
ワーナーの公式 YouTube チャンネルに RIP SLYME が入っているのを知ったので紹介させてもらった。ちなみにこの曲が入ったアルバムが Amazon で今なんと74%引き(!)で売ってるよ。
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結局、スーパーヒーロー(ヒロイン)頼みで、色々と物理法則を無視した感じのアクション満載な『キック・アス』と違って、超現実的な力は出てこないのが好感触でした。「そううまく爆発しないだろう」とか、突っ込みどころは勿論あるにしても。
でも、一応神の啓示を受けて行動する主人公に比べて、エレン・ペイジは狂気に見えないだけに不気味ですね。彼女の方が怖かったです。クールじゃんとか言って人を殺す。夢に出そう。
冒頭のエピソードをうまく回収していて、気持ちよく終わらせているのはいいですが、やはり全体としては気持ち良くはなれない映画ですね。
ケビン・ベーコンは、犯人でも刑事でも被害者でも何でもうまいですね。
ケヴィン・ベーコンは悪役をやるにもバリエーションがあって、本作では明らかに悪だけどちょっと憎めない感じでステキでした。