YAMDAS現更新履歴

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2014-12-31

はてなブックマークで振り返るYAMDAS Projectの2014年 はてなブックマークで振り返るYAMDAS Projectの2014年を含むブックマーク

毎年恒例なので説明は省略。YAMDAS Project 本家、はてなダイアリーのYAMDAS現更新履歴、そして WirelessWire 連載DMM.make 連載など、2014年に公開した雑文、翻訳の被ブックマーク数トップ20は以下の通り(2014年12月31日正午時点)。

  1. 米アマゾン選定「一生のうちに読むべき100冊」邦訳リスト - YAMDAS現更新履歴 961users
  2. 死ぬまでに聞くべきジャズのアルバム10枚 - YAMDAS現更新履歴 912users
  3. 英アマゾン編集者選定「一生のうちに読むべき100冊」邦訳リスト - YAMDAS現更新履歴 561users
  4. 遂に『ファインマン物理学』全巻がHTML5でオンライン公開されていた - YAMDAS現更新履歴 402users
  5. 邪悪なものが勝利する世界において - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 301users
  6. ブライアン・イーノが選ぶ、文明の維持を考える上で欠かせない20冊の読書リスト - YAMDAS現更新履歴 260users
  7. 早すぎたHyperCardの上昇と下降、そしてモバイルから来たカードの群 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 158users
  8. 「quality」という単語の意味は日本と韓国と中国で変わる? - YAMDAS現更新履歴 121users
  9. 夏休み自由研究:はてなダイアリーの先住民の今、もしくははてなダイアリーという名の墓標 - YAMDAS現更新履歴 119users
  10. 我々は皆英語を話せなきゃいけないのか? Stack Overflowがポルトガル語版を開始した理由 - YAMDAS現更新履歴 110users
  11. Adobeのスパイウェアが(またしても)DRMの代償を明らかに:プライバシーとセキュリティ 96users
  12. 男だけの世界──Oculus Riftは性差別的か? - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 88users
  13. 個人ブログ回帰と「大きなインターネット」への忌避感、もしくは、まだTwitterで消耗してるの? - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 85users
  14. ビッグデータの不都合な真実 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 83users
  15. BBC News Magazine「世界を変えた20曲」に寄せられた坂本九「上を向いて歩こう」についてのコメント - YAMDAS現更新履歴 77users
  16. NME誌がアルバム・レビューで10点満点をつけた90年代の21枚のアルバム - YAMDAS現更新履歴 74users
  17. 2014年はビットコインの年になるか?(別にならんでいい) - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース) 70users
  18. 岩谷宏のクソ訳はどうでもいいとして、Aaron Swartzの伝記映画が公開されている - YAMDAS現更新履歴 64users
  19. 来月よりオライリーからSwiftプログラミング本が刊行ラッシュ - YAMDAS現更新履歴 62users
  20. 「報道メディアがなくなったらみんな困る」はほんとうか - YAMDAS現更新履歴 58users

今年はサイト開設15周年を迎えたが、ネット活動的には比較的穏当な年だった。マガジン航には貢献できなかったが、DMM.make 連載があったり(来年どうするかは未定)、上のランキングにも WirelessWire に書いた文章がいくつも入ったのは素直に嬉しいことである。特に書くのに個人的な苦痛を要した「邪悪なものが勝利する世界において」は、連載における一つのハイライトになったかもしれない。

ただ今年は本業の多忙に追われた一年で、とにかく時間が取れなかったり寝不足に苦しめられた年だった。そして、それは来年以降も変わらないのだろう。一方で、文章を書く体力は加齢とともに失われていく。そうやってネット活動にかけられる余地は少なくなり、必然的にそうした意味でのプレゼンスをこれまで以上に失うことになる。

もう自分はウェブで大した仕事はできない、と考えるのは分かってはいても正直寂しいものである。今年の最後になって新しい連載の話を受けて準備を始めていたのが、結局話が流れてしまい(これも当方の力不足と考えている)気落ちしているのもあるだろう。

毎年年の暮れに鈴木謙介さんのブログ記事を見て、そこに必ず書かれる「七味五悦三会」を少し考えてみるも、大抵の場合、前日の酒が残っていたりで記憶が曖昧模糊としてすっきり挙げることができないのだが、今年もそうだった。

来年は、少し note を使うなり目先を変えたこともしてみたい。オライリーとの仕事も復活するかもしれない。しかし、それよりなにより私生活の充実を目指したい。どうせ去るのなら、晴れやかに去りたいから。

2014年の更新はこれで終わりです。どうか皆さんよいお年を。

2014-12-29

[] ゆく年くる年2015プレゼントキャンペーンに応募する  ゆく年くる年2015プレゼントキャンペーンに応募するを含むブックマーク

ちょうど欲しい商品があったので、ダメ元で応募させてもらう。

Olasonic USBスピーカー バスパワー 10W+10W TW-S7(B)

Olasonic USBスピーカー バスパワー 10W+10W TW-S7(B)

実はパソコンにつないで10年以上使ってきたスピーカーがそろそろ寿命なようで、果たして何を買ったものかと周りに聞いてみたら、Olasonic のスピーカーを勧める人が複数おり、ワタシの環境では USB タイプがよいかなと思ったので、今これが当たるととても嬉しいわけである。

以上でエントリを終わらせてもよいのだが、もう少し「ゆく年くる年」について書こうかと思ったが、毎年最後の更新でそれをやってるので、それはそちらに譲るとして、今年このブログに書いたエントリの中で、ほとんど反響がなかった(基準として、被はてなブックマークが5未満)けれど、個人的には面白いと思う、要は少し横道にそれた非主流的エントリを以下、どどっと並べてちょっと光を当てたい。

[] オライリーがビットコインをテーマとするカンファレンスを来年1月に主催する  オライリーがビットコインをテーマとするカンファレンスを来年1月に主催するを含むブックマーク

最近、オライリーのブログ O'Reilly Radar でやたらと Bitcoin が文章タイトルに入るなと思っていたら、Bitcoin & the Blockchain というイベントを開催するのか。

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ワタシが訳した初心者向けBitcoinガイドの著者による決定版となる Bitcoin 解説書もオライリーから出たばかりで、それに合わせてというのもあるのか。

Mastering Bitcoin

Mastering Bitcoin

Bitcoin については、ワタシも今年のはじめ「2014年はビットコインの年になるか?(別にならんでいい)」という文章を書いたが、散々な投資とこき下ろされながらも、支払いの受け入れ先は増える一方という毀誉褒貶の激しい一年だった。

Bitcoin そのものの浮沈とは別に、暗号通貨、デジタル資産としての Bitcoin がインスピレーションとなった動きは、今後もいろいろ出てくるだろう(参考:シリコンバレー101)。

[][] ウィキペディア編集をリアルタイムに見れるWikiwash  ウィキペディア編集をリアルタイムに見れるWikiwashを含むブックマーク

誰もがブラウザでWikipedia の編集の歴史をリアルタイムにたどることができるオープンソースツール WikiWash が紹介されているのだが、これはすごいね。

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これも Wikipedia が API を公開しているからなのだが、WikiWash のサイトにおいても Wikipedia の URL を入力することで、それがリアルタイムに体感できる。

これだけ巨大なデータセットにアクセスできるサービスなんてそうそうないわけで、Wikipedia から生まれるウェブサービスもまだ余地がありそうだ。

カズオ・イシグロはいかにして『日の名残り』を4週間で書き上げたのか カズオ・イシグロはいかにして『日の名残り』を4週間で書き上げたのかを含むブックマーク

ブッカー賞を受賞し、映画化もされたカズオ・イシグロの代表作『日の名残り』だが、彼はこの小説を1987年に4週間で書き上げたという。

その5年前に専業作家になって以来、合理的な執筆スタイルでやってきたが、二番目の小説(『浮世の画家』のことか?)が成功してからいろんな社交や雑事に追われるようになり、新作の最初の章を書いてからずっと進展がなかっていたため、妻と相談し、月曜から土曜の週6日、午前9時から午後10時半という執筆体制を自らに課し、その間は一切郵便に目を通さず、電話にも近づかなかったという。

それで4週間で『日の名残り』を書き上げることができたというわけだが、すごいねぇ。あと、その間インスピレーション元となったものとして、フランシス・フォード・コッポラの映画『カンバセーション…盗聴…』と、トム・ウェイツの曲 "Ruby's Arm" を挙げているのが興味深い。

ネタ元は Boing Boing

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

そういえば書き忘れていたが、カズオ・イシグロは、『わたしを離さないで』以来となる約10年ぶりの長編小説を来年発売するそうだ。

The Buried Giant

The Buried Giant

The Buried Giant (English Edition)

The Buried Giant (English Edition)

[] 日本が世界で一番映画公開が遅い国なのはなんとかならないのか?(テリー・ギリアム新作、『泰平ヨンの未来学会議』映画化、ジェームス・ブラウン伝記映画)  日本が世界で一番映画公開が遅い国なのはなんとかならないのか?(テリー・ギリアム新作、『泰平ヨンの未来学会議』映画化、ジェームス・ブラウン伝記映画)を含むブックマーク

これは後で見返して確認するための自分向けエントリである。しかし、タイトルに書いたことは(ちょっと煽り入ってるけど)もう少しなんとかならんのかと思うよ、まったく。

ここでも何度か紹介してきたテリー・ギリアムの新作が来年5月(ため息)にようやく公開である。正直評判はさほどではないが、ギリアムの新作となれば観に行くよりあるまい。

『戦場でワルツを』が衝撃的だったアリ・フォルマンの新作は、『泰平ヨンの未来学会議』(!)の映画化ということでどんな映画かと思ったら、かなり自由な発想の映画らしい。

ロビン・ライトは、『ハウス・オブ・カード』を見てすごい女優さんだと再認識したところなので楽しみである。柳下毅一郎さんが字幕監修とのことで、その点は安心できる。公開は6月とな(ため息)。

ミック・ジャガーもプロデュースに名前を連ねるジェームス・ブラウンの伝記映画とのことで、評判も上々なので楽しみである。公開は5月とな(ため息)。

2014-12-25

[] WirelessWire Newsブログ第26回公開(空がまた暗くなる――鬱と惑いと老害のはざまで)  WirelessWire Newsブログ第26回公開(空がまた暗くなる――鬱と惑いと老害のはざまで)を含むブックマーク

WirelessWire Newsブログに「空がまた暗くなる――鬱と惑いと老害のはざまで」を公開。

今回は技術系の文章ですらない! タイトルは言うまでもなく、RCサクセションのラストアルバムの収録曲から。この曲の発表時、忌野清志郎は40歳くらいだったのだ。

Baby a Go Go

Baby a Go Go

この文章の着想を得たのは、現在はいろいろデザインのテクニカルディレクターを務め、今年毎日新聞に夫婦ゲンカ(ほとんどワンサイドゲーム)の模様を取材されたことでも知られる長山武史さん(id:nagayama)にある写真を見せられたときである。

これだけ見ても意味が分からないと思うが、話は今からおよそ10年前にさかのぼる。確かWikiばなの後に開かれた宴席の終わり頃、当時まだはてな入社前の長山さんから拙訳『ウェブログ・ハンドブック』を差し出され、サインを求められた。「署名は『結城浩』でいいですか?」と毎度の確認をした後にサインしたが、「座右の銘もお願いします」ともリクエストされた。

そのときになって、ワタシは自分が何の確固たるポリシーを持たない人間であることを気付かされ、しばし呆然とした後、ぶるぶる震えながら、近くにいたただただしさんに「たださん、座右の銘なんすか?」と助けを求めたところ、たださんは即座に「継続は力なり」と答えたのである。

このときただただしさんの言葉をただ受け売りするだけでなく(余談だが、「JAVAなんてウンコ!」はワタシが書いたものではない。喜多淳一郎さんの仕業である)、たださんが「継続は力なり」という座右の銘で「情熱の持続」「好奇心の持続」を表現していることに気付いていれば、ワタシのこの10年はもう少しマシなものになったかもしれない、と今さら思ったわけである。

その後、最近になってどうにも文章を書けない時期があり、自分が気分的に落ち込んでいることに気付き、この文章を書くのに適した時期なのだと判断した次第である。

大山康晴の晩節 (ちくま文庫)

大山康晴の晩節 (ちくま文庫)

インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press)

インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press)

ナタリーってこうなってたのか YOUR BOOKS

ナタリーってこうなってたのか YOUR BOOKS

ニコラス・カーの新刊の邦訳が早くも出る! しかし、邦題が例によって…… ニコラス・カーの新刊の邦訳が早くも出る! しかし、邦題が例によって……を含むブックマーク

少し前に「自動化は我々をバカにする? ニコラス・カーの新刊が再び突く現代人の不安」でニコラス・カーの新刊を取り上げたのだが、その最後で以下のように書いている。

さて、本国アメリカで刊行されたばかりの『The Glass Cage』ですが、前作と同じく青土社から邦訳が出ることが著者によって告知されており、年明けには出るのではないかと予想します。個人的には、その邦訳に前作のような知性を疑いたくなる邦題がつかないことを願うばかりです。

no title

予想よりも早く、なんと今日発売のようだ。これはすごいと称えたいのだが、邦題が例によって……

あのさ、これを決めた青土社の編集者ってバカじゃねーの? 『ネット・バカ』の二番煎じの邦題をつけることで、本の品位を下げている。青土社から出る限り、ニコラス・カーの邦題は『○○○・バカ』になるのだろうか。このバカ。

ここまで書くと、ワタシには絶対青土社から仕事の依頼が来ないな(最初からない)。

[] 内部告発.jpよりも楽しみなデジタルコンテンツ検証ハンドブックの翻訳  内部告発.jpよりも楽しみなデジタルコンテンツ検証ハンドブックの翻訳を含むブックマーク

八田真行がウィキリークスの日本版を作るという正確でない記事がいくつか出たが、内部告発サイト Whistleblowing.jp(内部告発.jp)の構想についてのスライドが公開されている。

個人的には実はその Whistleblowing.jp にはあまり興味がないのだが(失礼)、このスライドを見ていて一つおっとなったことがあった。ワタシが今年のはじめにUGC、画像、動画などのデジタルコンテンツの真贋の検証についてのハンドブックとして紹介した Verification Handbook について翻訳予定と書いていることだ。

Whistleblowing.jp より楽しみと書くと怒られるだろうが、翻訳いただけるならありがたい。

英語圏で2014年に流行ったスラング14選 英語圏で2014年に流行ったスラング14選を含むブックマーク

こういうのは面白いね。英語圏(というかアメリカに限定してよかろう)で2014年に流行ったスラング14選とな。

  1. Bae:baby や babe といった「愛称」の言い換え
  2. Budtender:アルコールの代わりにマリファナを提供するバーテンダーのこと
  3. Basic:特定の趣味嗜好の「定番」リストに合致する人を指して言う。パンプキン・スパイス・ラテを注文するのは、UGG の服を着て、テイラー・スウィフトしか聴かず、映画は『Pitch Perfect』が好きで――みたいな
  4. Vape:流行りの電子タバコの煙を吸ったり吐いたりすること
  5. On Fleek:眉毛や髪型がめっちゃキマってる状態を指す
  6. Hangry:空腹(hungry)のため荒れている(angry)状態
  7. Yeet:興奮を表現する言葉。特にバスケで3ポイントシュートを決めた人に使われる
  8. Bye, Felicia:どうでもいい相手がその場を去るときにかける言葉
  9. Normcore:超フツーなファッションがトレンドとな(これだけは日本でも通用するのでは)
  10. #blessed:すごく流行ったハッシュタグで、「○○に感謝」「○○最高」みたいに使う感じ?
  11. Get Lit:マリファナを吸ってハイになること。コーチェラフェスのときに大流行した。
  12. Zero Chill:完全に手を追えなくなったものや、興奮しすぎて手をつけられない人を指す表現
  13. Turnt:クラブやパーティで大盛り上がりなこと
  14. Slay:何かすごくうまくいってる状態
話すためのアメリカ口語表現辞典 〈普及版〉

話すためのアメリカ口語表現辞典 〈普及版〉

[] モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 〜グレアム・チャップマン自伝〜  モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 〜グレアム・チャップマン自伝〜を含むブックマーク

Blu-ray が出たとき買っていたが、ようやく観る時間がとれた。

本作はグレアム・チャップマンの自伝のアニメ映画化だが、場面ごとにアニメの手法はどんどん変わっていて、それは必ずしも効果的に機能しているわけではないのだが、グレアムがアルコール依存症の禁断症状に苦しむ場面はよくできていた。あといきなりジークムント・フロイトがクレーアニメで登場して、しかも女性の声で喋り出すヘンな場面があるのだが、あの声をやってたのがキャメロン・ディアスだったのな。

グレアム・チャップマンの自伝なのでゲイセックスの場面もふんだんに出てくるし、パイソンのライブでもおなじみの69賛歌 "Sit on My Face" がフィーチャーされているが、アルコールびたりの退廃的なライフスタイルにおける女性の娼婦とのセックス、そして二人目いくの? と思わせておいて、そうじゃないと思いきや……の場面には笑ってしまった。

単純にモンティ・パイソンが好きなだけでは楽しめない作品だと思う。その他人の名声を自分のものと勘違いする有名人病がはびこるハリウッド的ライフスタイルに対して、結局グレアムがどういう対処をとったのかはっきりせず、また晩年のグレアムの姿が描かれているわけでないので最後に尻切れトンボ感があるのは否めない。

2014-12-21

[][] 今年もCreative CommonsとWikimedia財団に寄付した  今年もCreative CommonsとWikimedia財団に寄付したを含むブックマーク

ワタシはオープンソース〜フリーカルチャー関係の団体に毎年寄付を行っており、そのようなネット上の活動に密接に関係した寄付についてはブログ上で情報開示を行っている。

……という前口上もコピペで済ませているが、今年も Creative CommonsWikimedia Foundation に寄付をした。

Creative Commons のほうはこないだローレンス・レッシグからメールが来たが、立ち上がって12年になるんやね。今年はオフィスを閉鎖したとのことで、正直大丈夫なんかと思うところもあるのだが、今年は例年よりも低い額を寄付させてもらった。

一方、Wikimedia 財団に関しては、Wikipedia の寄付募集と保有現金がミスマッチなんじゃないかという話があり、こちらもなんだかなーと思うところがあったが、今年も Wikipedia にお世話になったのは間違いないので寄付させてもらった。

そういえば Wikimedia 財団が今年を振り返る動画を作っていて、これはなかなかよかったね(日本語字幕付き)。

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[] Opensource.comが選ぶ2014年を代表するオープンソースプロジェクト10選  Opensource.comが選ぶ2014年を代表するオープンソースプロジェクト10選を含むブックマーク

こういう記事は、日常的に触るフリーソフトウェアの種類が固定化し、最近のトレンドからどんどこ取り残されているワタシ自身にとっての戒めの意味で紹介させてもらう。Opensource.com が選ぶ2014年を代表するオープンソースプロジェクト10選は以下の通り。

  • Docker:アプリケーション・コンテナ・プラットフォーム
  • Kubernetes:コンテナ向け組織化システム
  • Taiga:プロジェクト管理プラットフォーム
  • Apache Mesos:クラスタ・マネージャ
  • OpenStack:クラウド・コンピューティング・プラットフォーム
  • Ansible:IT 自動化ツール
  • ownCloud:クラウド・ストレージ・ツール
  • Apache Hadoop:ビッグデータ向けフレームワーク
  • Drupal:コンテンツ管理システム(CMS
  • OpenDaylight:ソフトウェア・デファインド・ネットワーキング基盤

恥ずかしながら、この記事で初めて名前を知ったものもあった。こうしてみると、単体のソフトウェアというより、プラットフォームやフレームワークといった包括的な存在が多い印象がある。

未だ献本いただいている Software Design も二号続けてそんな感じだし。

パテントトロールから特許を守り、イノベーションを保護する防御的特許ライセンス パテントトロールから特許を守り、イノベーションを保護する防御的特許ライセンスを含むブックマーク

紹介するのが遅れたが、"Troll Proofed. Innovation Protected." をスローガンとする Defensive Patent License なるものができていた。

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こういう新しい法的メカニズム策定の背景には近年のパテントトロールの暗躍があるのは間違いない。これに眉をひそめる大手 IT 企業やフリーカルチャー方面が協力してできたライセンスらしい。

詳しくはライセンス本文を読んでください……って言われても読まないよな(笑)。日本語訳の動きはないのだろうか。

ライセンスのバージョン1.0ができたのがおよそ一年前で、現在は23の特許がバージョン1.1の元で公開されているとな。

パテントトロール―特許マフィアに狙われた日本企業の行方

パテントトロール―特許マフィアに狙われた日本企業の行方

[] 左利きとロバート・フリップキング・クリムゾンのライブ盤  左利きとロバート・フリップとキング・クリムゾンのライブ盤を含むブックマーク

こないだ左利きの人間は右利きの人間よりも収入が少ない話を取り上げたが、そのとき利き手のことで思い出したことがある。

それは弦楽器と利き手の問題だ。普通、右利きの人は左手で弦を押さえ、右手でピッキングを行う。しかし、前々からワタシは疑問なのだが、特にロックミュージックにおいて代表的な楽器であるギターを考えると、右手よりも左手のほうが複雑な運指が求められる印象がある。なぜそれを利き手に担わせないのか。

実際、左利きだけど右利き用のギターをそのまま弾く人がいて、ワタシが知る人でまず浮かぶのが、キング・クリムゾンロバート・フリップ先生である。

さて、昨年再始動したキング・クリムゾンだが、今年のアメリカツアーがライブアルバムになる。

当然ながら Amazon に予約を入れたが、ジャケットデザインの方向性が変わって陽の光溢れる感じで、ちょっとクリムゾンらしくないぞ(笑)。

Live at the Orpheum

Live at the Orpheum

[] 立候補  立候補を含むブックマーク

映画「立候補」 [DVD]

映画「立候補」 [DVD]

Gyao で期間限定で無料放送されているのを観た。

2011年の大阪府知事選挙を中心に、俗に言う泡沫候補と呼ばれる人たち、特にマック赤坂を追ったドキュメンタリーである。

Gyao で無料放送していたのは、当然ながら先の衆議院選挙に合わせたものだろう。だから観る側としても、選挙って一体なんなんだろうね、という感慨が、特にこないだの衆議院選挙の後ではある。そういう滑稽さと不気味さがある映画で、その滑稽さと不気味さは、日本の選挙そのものが内包しているものでもある。

出てくる人たちでは、マック赤坂の秘書というか運転手役の人と、マック赤坂の息子さんが印象に残った。特に息子さんが憮然とした感じで父親の立候補について語る前半、その彼が最終的に被り物は拒否しながらも、交通誘導役で父親の選挙に付き合う。そこでの罵声を浴びせる一般人と対峙し、怒りを露にする息子さんの姿が、この映画のクライマックスになっている。これは大阪府知事選挙でなく、前回の衆議院選挙のときの映像だと思うが、日の丸で埋め尽くされる光景の禍々しさもそれを引き立てていて、これなどドキュメンタリーが持ちうる興奮を画から感じ取ることができた。

泡沫候補がなんで300万円もの高い供託金を払って選挙に出るのか、その損得勘定は本作を観ても分からないのだが、ほとんど期待してなかった分観てよかったと思う。

2014-12-17

[] 2014年の映画をふりかえる  2014年の映画をふりかえるを含むブックマーク

毎年恒例だが、空中キャンプの「2014年の映画をふりかえる」に今年も回答させてもらった。

いずれ空中キャンプにも掲載されるだろうが、ワタシの回答は以下の通り。

2014年に公開された映画でよかったものを3つ選んでください

  1. ウルフ・オブ・ウォールストリート
  2. ビフォア・ミッドナイト
  3. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

1位と2位は文句なしだが、3位が『グランド・ブダペスト・ホテル』などいくつも候補があり、かなり迷った。『6才のボクが、大人になるまで。』にするとリチャード・リンクレイターの映画2本になってしまうこと、『ゴーン・ガール』はついこないだ観たばかりで躊躇した面がある。

選んだ3本の映画のなかで、印象に残っている場面をひとつ教えてください

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』において、司直の手が入ることを回避するために主人公が社長退任を社員の前で発表するも、話しているうちにどうにも興奮が止まらなくなり前言撤回する場面が、映画ならではの価値観の転倒をなしえており楽しかったです。

今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか

普通に考えれば、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『ダラス・バイヤーズクラブ』、そして『インターステラー』のマシュー・マコノヘイになるはずですが、ここは一つ『誰よりも狙われた男』フィリップ・シーモア・ホフマンでお願いします。理由は、今年彼を選ばないと、おそらくもう二度と彼を選べないからです(涙)。

今年映画を見ていて感じたこと、たのしかったことなどについて自由に書いてください

今年は25本の新作映画を映画館で観ることができ、そうした意味では充実した映画生活と言えると思いますが、日ごろの寝不足や疲労が災いして、映画を観ながら睡魔を感じることが何度かあり、そのたびにいろいろな意味で情けなった年でもありました。

[] 英国版人気女性ユーチューバーの処女小説は大ヒットしたものの苦い展開に  英国版人気女性ユーチューバーの処女小説は大ヒットしたものの苦い展開にを含むブックマーク

こないだの THE MANZAI における博多華丸・大吉の一本目のネタがユーチューバーでちょっと驚いたが、もうこれは人口に膾炙した言葉ということだろうか。

もちろん人気ユーチューバーは海外にもおり(ただ「ユーチューバー」という言葉自体は日本でしか使われていないのではないか)、イギリスで絶大な人気を誇る ZoellaYouTube チャンネル)の名前で知られる Zoe Sugg が小説家デビューを果たし、『ハリー・ポッター』を超える新人作家としては最速の出版販売記録を達成した。そこまではよかったが、その後ゴーストライター騒動が持ち上がり、出版元も一部それを認める苦い展開になったそうな。

人気ユーチューバーの成功に佐村河内事件を絡めたような面白い話である。来年あたり日本でも似た感じの騒動が起きそうな気がする。

Girl Online: The First Novel by Zoella (Girl Online Book)

Girl Online: The First Novel by Zoella (Girl Online Book)

Girl Online

Girl Online

遂にKindleのX-Ray技術が日本語に対応か 遂にKindleのX-Ray技術が日本語に対応かを含むブックマーク

書籍中の登場人物や地名などをリンク表示、Amazon の表現を借りるなら「書籍の骨格」をレントゲンのように映し出す Kindle 独自の「X-Ray」機能が日本語にも対応したとのこと。

  • 「人物」としてピックアップされた単語には、別名やニックネームなどもまとめて表示されます。
  • 「トピック」としてピックアップされた単語には、Wikipediaによる簡単な解説が表示されます。読書中に気になる単語がある場合でも、個別に辞書やネットで検索する必要はありません。
  • 書籍内に画像が含まれている場合、「画像」メニューをタップすれば画像のみを表示することもできます。画像は各ページにリンクされており、画像をタップすれば直接そのページに飛ぶことができます。
Amazon.co.jp、新機能「X-Ray」を日本語Kindle書籍で提供開始|アマゾンジャパン合同会社のプレスリリース

思えばワタシは、発表されてまもなくこの X-Ray 機能を取り上げた「Kindleは「本らしさ」を殺すのか?」という文章を書いている……って、今から3年以上前じゃん!

  • X-Rayシステムや追加テキストは著作権や契約を侵害しないか?
  • Amazonは本をX-Rayする前に著者の許可を取る必要があるべきか?(オプトインであるべきか?)
  • もしオプトインでないなら、著者(や出版社)はオプトアウトできるべきか?
  • 著者は本に含める補助情報を厳しく吟味(さらには追加も)できるべきか?
  • いずれ商品レコメンドや広告がX-Rayによる補助テキストに含まれる場合、それから得られる収入は著者と共有すべきか?
Kindleは「本らしさ」を殺すのか? « マガジン航[k??]

月日の経つのは速いものだが、この文章でニコラス・カーが書いていた懸念はそれほど問題になっていないように見える。電子書籍を許可する著者であれば、本の中に Wikipedia 情報などへのリンクが入るのを拒絶する著者は小説分野でもいなかったということか。日本でも同様なんだろうな。

【悲報】左利きの人間がクリエイティブというのは俗説で、右利きの人間よりも収入が少ない 【悲報】左利きの人間がクリエイティブというのは俗説で、右利きの人間よりも収入が少ないを含むブックマーク

『ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝』のあとがきを著者のブレイディみかこさんは、右利き/左利きという利き手の話から始めており、その中で左利きのほうがクリエイティブという説などを披露しているが、ちょっと左利きの皆さんに悲しいお知らせ。

左利きの人間がクリエイティブというのに根拠はなく、何より右利きの人間よりも収入が有意に少ない(男性より女性が顕著)、というのが近年の調査から導き出される結論らしい。

最近のアメリカの大統領7人中4人が左利きとか、英語の sinister(邪悪な、不吉な)という単語はラテン語の「左」からきているとか、同様の「左」を由来とするネガティブな単語がフランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、中国語にあるとかいろいろ面白い話を含むので、詳しくは上でリンクした文章を読んでいただきたい。

ただこの文章、「左利きの稼ぎが少ない理由」というタイトルなのに、その理由をはっきり明示しているわけではない。やはり世の中基本的に右利き向けにできているのを中心に複合的なものなのだろう。

実はワタシ自身左利きである。ただ子供の頃に母親か祖母に矯正されたらしく、文字を書いたり箸を持つのは右手、ボールを投げたりオナニーは左手である。

ワタシは、自分が日常生活の何かにつけどんくさいことをずっと気に病んでいたのだが、あるとき自分が左利きで、世の中の多くが右利き向けにできていることが原因の一部ではないかと思い当たり、少し慰められたことがある。まぁ、ワタシがどんくさいことに変わりはないのですが……

左うでの夢

左うでの夢

[] ジョン・クリーズ先生がエリック・アイドルと語り合うトークライブ映像が公開されている  ジョン・クリーズ先生がエリック・アイドルと語り合うトークライブ映像が公開されているを含むブックマーク

モンティ・パイソン再結成公演後、テリー・ギリアム呪われた『ドン・キホーテを殺した男』に、テリー・ジョーンズはパイソンズ全員が声の出演する来年公開の新作映画に、マイケル・パイリンは日記本第三段の宣伝にとそれぞれの活動に移っていた。

ジョン・クリーズ先生は回顧録『So, Anyway...』を刊行し、精力的なプロモーション活動をやっている。ずっとそれを紹介したいと思ったのだが、ロサンゼルスでなんとエリック・アイドルと一時間以上に及ぶトークライブを行っている動画を偶然知ったので、紹介させてもらう。

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もう登場からしてモンティ・パイソン的なのである。もう既に爺さんのジョンの声が最初聞きにくいが、徐々に気にならなくなる。

かつて仲違いし、「何の愛も残ってない」状態とまで報じられた二人が、パイソン再結成後とはいえ、これだけ楽しげに昔話を興じ、最後には二人抱き合う姿を見れて、ファンとして素直に嬉しかった。テリー・ジョーンズの新作映画(もしかして、ロビン・ウィリアムズの遺作?)にも結局エリックも参加したようで、やはりそうした雪解けあっての再結成だったのだろう。

『So, Anyway...』のプロモーションでは、Google で講演やってたのには驚いたな。

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So, Anyway...: The Autobiography

So, Anyway...: The Autobiography

So, Anyway...

So, Anyway...

2014-12-14

[] YAMDAS更新(ブレイディみかこ『ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝』)  YAMDAS更新(ブレイディみかこ『ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝』)を含むブックマーク

yomoyomoの読書記録ブレイディみかこ『ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝』を追加。

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

最初に書いた通り、面白くて一気読みした。

みかこさんはあとがきで左利き、右利きという利き手の話から始めているが、これについてはちょっと面白い話をウェブで読んだので、いずれ紹介するかもしれない。

FinTechサービスが日本にまだ無いわけではないが、難しいのは確かかも FinTechサービスが日本にまだ無いわけではないが、難しいのは確かかもを含むブックマーク

「日本にまだ無い」というのは、記事を実際に読めば偽りありという気がするが、ありがたいまとめ記事なのは間違いない。

このエントリでも紹介されている P2P レンディング最大手 Lending Club がちょうど上場しており、この分野は注目すべきでしょうな。

FinTech サービスは10以上の分野に分類されているが、今年は仮想通貨、要は Bitcoin 周りが特に注目を集めた。その観点からいくと、以下の点が気になるのである。

仮に(自分が投資する)テクノロジー産業が金融サービス産業を変えようと思っても、既存の金融サービス企業の上では新しいサービスを作るというのはありえない。例えて言うなら、Google や Apple のプラットフォーム上でサービスを作ることで Google や Apple を打倒しようとするようなものだ。本当にインパクトを与え、大きなビジネスを生み出すには、既存の金融産業を完全に迂回して出し抜くサービスを作る必要がある。

no title

Lending Club は既存の金融業界との繋がりもしっかり作ってきたようだが、FinTech サービスも分野によっては、この金玉を握られた状態で既存の金融産業と競争することになるものもあるのではないか(もしくはバイアウトしか未来がないとか)。またこの分野は法規制も堅いイメージがあり、そのあたり日本ではどうなのだろうとも思う。

[] ジョニ・ミッチェルの自伝が出版されていた  ジョニ・ミッチェルの自伝が出版されていたを含むブックマーク

ジョニ・ミッチェルについては、その名盤の数々について書いたことがあるが、しばらくニュースがないなと思ったら、自伝を書いていたようだ。この記事を読むとこれから出るようだが、とっくに出ていた。

Joni Mitchell: In Her Own Words

Joni Mitchell: In Her Own Words

Joni Mitchell

Joni Mitchell

しかし、モルジェロンズ病の症状のひとつである“寄生虫が皮膚の下をはい回る感覚”のために洋服を着ていることが不快で夜も不安で眠れないとか、最近では記憶障害が悪化し、集中することや思い出すことが困難になっているとか、彼女の病状はシリアスそうで、もはや音楽活動は望めないのかもしれない。

なお、彼女の70年代までのアルバム全部が新譜1枚の値段で買える10枚組ボックスセットが出ている。

Joni Mitchell the Studio Albums 1968-1979

Joni Mitchell the Studio Albums 1968-1979

[] 『戦場のメリークリスマス』誕生までを追ったドキュメンタリーの書籍版が来月出る  『戦場のメリークリスマス』誕生までを追ったドキュメンタリーの書籍版が来月出るを含むブックマーク

今年1月に WOWOW で放映された『戦場のメリークリスマス』誕生までを追ったドキュメンタリー「戦場のメリークリスマス30年目の真実」の書籍化ということで、恥ずかしながらそういうドキュメンタリーが作られていたこと自体知らなかった。

ワタシ自身は『戦場のメリークリスマス』を映画としてそこまで評価していないのだが、キャスティングだけでケミストリーを予感させるところに大島渚の真骨頂があるように思う。

しかし、大島渚がこの世を去ってもうすぐ二年になるんだな……。

戦場のメリークリスマス Blu-ray

戦場のメリークリスマス Blu-ray

[] ゴーン・ガール  ゴーン・ガールを含むブックマーク

映画館で観る映画は今年はこれが多分最後になると思う。以下、ストーリーにも触れるので、未見の方はご注意いただきたい。

5回目の結婚記念日に姿を消した妻、報道と警察によりどんどん追い詰められる夫、果たして夫は妻を殺したのか――という話で、妻の失踪の種明かしが思ったよりも早く始まり、えっ、もう収束に入るの? と思ったが、ここからある意味本番で、本作も2時間半のトイレが近いワタシには厳しい映画だが、例によって膀胱的プレッシャーが気にならない、さすがデヴィッド・フィンチャーだった。

妻エイミー役を演じているロザムンド・パイクのことを認知したのは『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』だが、正直そのときは大した女優とは思わなかった。しかし、この映画ではカノジョ怖い、怖いですね(淀川長治調)。

冷静に考えると、彼女の×に××が残存していたことを調べたなら、そもそも彼女が××その後××していないことくらい分かるんじゃないかとか後になって気になる点もあるのだが、まぁ、その頃にはロザムンド・パイクの熱演でどうでもよくなっているのである。

本作もトレント・レズナーが音楽を担当しているが、前二作のようにエンディングに既成曲を使うことはなく、映画全体を観る側を不安にさせる音で映画を満たしている。本作の最後あたり、何のことはない夫と猫が一緒になる場面で一番音がうるさくなり緊張感が高まるところが受けた。

本作はベン・アフレック演じる夫の妻に対する「君は何を考えている」「お互いどうしたいんだ」という問いかけのモノローグで始まり、同じモノローグで終わる。が、エンディングではそのごく当たり前の問いかけの意味が最初とはまったく違っており、エンドロールが始まると同時に客が息を飲む音を感じた。そして、そそくさと立ち去った客が多かった。事前情報なしに(特に結婚を考えている)カップルが本作をデートムービーに選んだら、と考えるだけでほっこりする映画であった。

2014-12-08

糸谷哲郎新竜王誕生に寄せて 糸谷哲郎新竜王誕生に寄せてを含むブックマーク

Twitter などで既に書いたが、折角なのでブログにも書き残しておく。

結果として今回の竜王戦は、4勝1敗で糸谷哲郎七段が森内俊之から竜王位を奪取したわけだが、正直第三戦の時点でワタシは糸谷勝ちだと見ていた。

今回の竜王戦を見ていて思い出したのは、昭和60年前後に「花の55年組」と呼ばれた人たちが登場した一連のタイトル戦で、ワタシのようなロートル将棋ファンは河口俊彦老師の文章でよく読んだものである。具体的には内藤×高橋の王位戦、中原×中村の王将戦、米長×島の竜王戦である。

いずれも当時将棋界の中心にいた指し盛りの中年棋士たちが、どうも人間的に噛み合わない若い世代に対して苛立ち負けたわけだが、今回の森内が当時の中原や米長に重なって見えた。

ワタシが第三戦の時点で糸谷勝ちと思ったのは、糸谷七段が昼食休憩5分前に離席し、そのまま昼食休憩に入った際の森内の不愉快そうな表情を見たからである。

今回の竜王戦で糸谷七段が対局中頻繁に席を外したことが一部で話題になったが、森内は耳栓を着用して対局していたそうで、これはダメだと思った。

将棋の場合、片方がイライラし、もう片方は知らん顔の場合、腹を立てたほうが大抵負けるのである。逆に言うと、好きなように振舞った人間が勝つのだ。今回の糸谷はまさにこれに当てはまる。これは大物になる大変な資質である。

森内は糸谷の(一部マナー違反に見える)対局態度に不満があったのに、相手にそれを言えずに鬱憤を内に溜め込んでいたのが容易に想像できる。

いや、そういうのは普通言えないだろう、というのは必ずしも正しくない。かつて名人戦で森内は、挑戦者の郷田九段の扇子の音に抗議したことがあった。それが言えたから、だけではないが、そのときの名人戦は森内が勝ち、永世名人位の資格者となれたのだ。今回の竜王戦は、それが言えなかった時点で気持ちの上で負けていた、とは言いすぎだろうか。

ロートルな将棋ファンとして感慨深いのは、上で挙げた55年組のさらに後輩にあたる羽生世代の森内さんが、相手に苛立ち負ける中年側になっていたことである。

しかし、かつてチャイルドブランドと言われた羽生世代も四十代半ば、思えば同じく上で挙げた内藤や米長の当時の年齢とほぼ変わらないわけで、別におかしなことではない。誰もが等しく歳をとるのである。

もう一つ付け加えておくと、糸谷新竜王は森信雄の弟子で、森信雄門下から遂にタイトル保持者が出たかとこれまた感慨深い。

森にとって最初の弟子だったのが、30歳前に夭折した天才棋士村山聖で、彼について書かれた大崎善生『聖の青春』を読むと、森も村山聖ほどではないが十分に変人で、しかも情愛に溢れた優れた師であったことがよく分かる。後に森門下は「平成の名門」と呼ばれるまでになった。

その森さんの糸谷新竜王誕生を受けたブログ投稿を読み、最後の「村山聖九段も微笑んでくれていると思う。」の一文に、胸が熱くなるものを感じた。

いつまでも羽生世代がタイトルを握っていては将棋界の未来は暗いわけで、糸谷新竜王の誕生は喜ばしいことである。森門下であれば山崎隆之さん、あと中村太地さんなどもっとタイトル戦に出てほしい人が何人もいる。しかし、(矛盾するようだが)同時に羽生世代の森内さんや佐藤康光さんの捲土重来も見たい気持ちがある。

聖の青春 (講談社文庫)

聖の青春 (講談社文庫)

[] 鈴木裕信さんの「UNIXオペレーティングシステム」テキスト  鈴木裕信さんの「UNIXオペレーティングシステム」テキストを含むブックマーク

このページをどこ経由で知ったかもう覚えていないのだが、ドメインを見て、これが鈴木裕信さんが書いたものであることに気付いた。

「GNU/Linuxを通してUNIXオペレーティングシステムを学ぶ授業で使うテキスト」とのことで、Unix OS について学ぶのにとても良い分量のオンラインリソースだと思う。

……とか偉そうに書いたが、このあたりワタシもボロボロ忘れていて、何かあったときのアンチョコに利用させてもらおうと思った次第である。

データサイエンティストの年収の中央値は1100万円を超える!(米国に限れば1700万円を超える!!) データサイエンティストの年収の中央値は1100万円を超える!(米国に限れば1700万円を超える!!)を含むブックマーク

データサイエンスという言葉がもてはやされる一方で、気の早い人はデータサイエンスは死んだなんて言っちゃう人もいるわけだが、そもそもデータサイエンスは金になるのだろうか。それに従事するデータサイエンティストは賞味の話、どれくらい稼いでいるのだろうか?

その誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくい話題について、オライリー2014 Data Science Salary Survey という直球なレポートを公開しており、無料でダウンロードできる。

実に53カ国、アメリカでは41の州に住む、合計800人を超える人からの回答から作られたレポートで、もうタイトルでネタバレをしてしまっているが、データサイエンティストの年収の中央値は98,000ドル、米国からの回答者に限れば144,000ドルとのことで、単純に1ドル120円で計算すると、それぞれ1176万円と1728万円やで! ワオ!

まぁ、もちろん楽な稼業であるわけではなく、求められるハードルは高いし、データ分析に関する技術もどんどん変化しているだろうからその対応も大変なのだとは思うが。

アメリカにおけるアクセス数トップ10ウェブサイトリストを見て思うこと アメリカにおけるアクセス数トップ10ウェブサイトリストを見て思うことを含むブックマーク

Quantcast におけるランキングによると、ウェブサイトのアクセス数トップ10は以下の通り。

  1. Google
  2. YouTube
  3. Facebook
  4. MSN
  5. eBay
  6. Microsoft
  7. Twitter
  8. Yahoo
  9. Buzzfeed
  10. Amazon

これについてはいろんな感想があるだろうが、このトップ10のうち4つ(YouTube、Facebook、Twitter、Buzzfeed)が10年前には存在しないサービスだったというのは確かにすごいな。

また MSN やマイクロソフトがこのリストに入っているのは驚きだが、クリス・ディクソンが指摘するように Windows パソコンでデフォルトブラウザである IE の素の設定のままだとここらに飛ぶことになるのだろう。

Twitter では eBay のほうが Amazon より順位が上なのに驚いた人もいるようだが、Amazon は eBay よりもテッキーな層に好まれるというわけか。「eBay はお金より時間に余裕がある人、Amazon は時間よりお金に余裕がある人向け」というのは言いえて妙ですな。

[][] Netflixが伝説的ジャズ歌手ニーナ・シモンのドキュメンタリーを来年制作予定  Netflixが伝説的ジャズ歌手ニーナ・シモンのドキュメンタリーを来年制作予定を含むブックマーク

Netflix というと、ドラマ『ハウス・オブ・カード』の成功にとどまらず、『グリーン・デスティニー』の続編映画をてがけるなんて話もあったが、来年伝説的なジャズシンガーであるニーナ・シモンのドキュメンタリーを制作するそうな。

Netflix は他にもドラマなどいろいろ手がけているが、しかし、ニーナ・シモンのドキュメンタリーとはなかなか渋いところを突いてくるな。彼女の伝記映画とかまだ作られてなかったのかな。

彼女の場合、ジャズにとどまらず非常に幅広いジャンルをクロスオーバーした人なので、この一枚を勧めるのが難しいし、レーベルを横断した決定的なベスト盤が作られてない(だよね?)のはちょっと惜しい気がする。

THE ESSENTIAL NINA SIMONE

THE ESSENTIAL NINA SIMONE

2014-12-03

[] 紙の月  紙の月を含むブックマーク

角田光代の原作、並びに原田知世主演のテレビドラマ版は読んで/見ておらず、本作にしても元々は観に行くつもりはなかった。以下、ストーリーにも触れているので、未見の方はご注意ください。

若い愛人に貢ぐために勤め先の銀行から横領を重ねる中年女の話である。本作では「ありがち」という言葉が何度も使われる。この映画のあらすじ自体にしても「ありがち」なものかもしれない。

本作をドライブさせているのは、言うまでもなく主演の宮沢りえである。実は彼女が主演の映画を観るのはこれが初めてだったりするが、彼女の存在は同い年であるワタシの中で一種のアイコンなのは間違いない。彼女を知った頃のまばゆいばかりの美しさは、もはや失われている。しかし、今も彼女は十分に魅力的なのだ。彼女こそ年齢相応の美を獲得した人なのだと、ワタシは彼女の顔に浮かぶ皺を見て思う。

本作で彼女が演じるのは、「与える」ことに自分を見出す女性である。その彼女が大学生の男と深い仲になる、よりも男にお金を貢ぐために銀行のお金に手をつけるところから物語は回り始める。男との放蕩に目覚め派手になる生活、一方でその裏で荒み、綱渡りを強いられる生活、そして男の裏切り――いずれも「ありがち」な展開なのだろうが、そのあたりのホラーすら感じさせるサスペンスがよく描かれていたと思う。

正直、主人公と大学生の男の関係が始まるところは唐突でどうかと思ったが、そのかわり彼女が駅の階段をスローモーションで下りてくるところには確かに意表をつく映像的興奮があった。田辺誠一演じる主人公の夫の悪意なさげで、しかし確実に妻の気持ちを削ぐ行動も控えめながら印象的だった(多分、原作ではもっとねちっこく描かれていたのではないか)。

結果的に主人公の犯罪を暴くことになる小林聡美演じるハイミス(は死語ですね)との対峙もよかった。二人に会話から、主人公の放蕩が観客に対する挑発である構図が浮かび上がるが、主人公のことをずっと考えていたという小林聡美が本当にやりたいことは何か考えて得られた答えも微妙に身につまされるものがあった。

しかし、邦画でエンディングにヴェルヴェット・アンダーグラウンド(とニコ)の曲が聴けるとは思わなかったな。

[] ウィキペディアとネット中立性の微妙な関係  ウィキペディアとネット中立性の微妙な関係を含むブックマーク

ネット中立性問題については、「オバマ大統領のネット中立性ルール保護要請の倒錯性と意義」という文章を少し前に書いたばかりだが、フリーカルチャー文化圏(←重言)に属する Wikipedia は当然ネット中立性支持側だよねと思いきや、実は話はそんな単純ではないらしい。

それは Wikipedia が、Wikipedia Zero(ありゃ、日本語版ページがない)という、発展途上国のユーザに安価に情報を広める手段として「中立的でない」インターネットをみなす活動をやってるからだという。

そして、これは Wikipedia だけの話ではなく、"zero rating" と呼ばれる同様の手法は他でも採用されている話が続く。なるほどねぇ。

ネタ元は Slashdot

インターネットのカタチ―もろさが織り成す粘り強い世界―

インターネットのカタチ―もろさが織り成す粘り強い世界―

憎まれっ子世にはばかる――アンドリュー・キーンの3冊目の反インターネット本が来年刊行 憎まれっ子世にはばかる――アンドリュー・キーンの3冊目の反インターネット本が来年刊行を含むブックマーク

アンドリュー・キーンの登場時にはワタシも「Web 2.0は我々の文化を殺すのか?(その1)(その2)」とか取り上げたりしたが、その彼も前作の反ソーシャル革命本に続き三冊目を来年刊行する。

The Internet is Not the Answer

The Internet is Not the Answer

The Internet is Not the Answer (English Edition)

The Internet is Not the Answer (English Edition)

「インターネットは答えではない:インターネットは経済的、政治的、文化的災厄である理由――そしてインターネットをいかに変化できるか」という書名を見る限り、相変わらずな内容の本であることが分かる。憎まれっ子世にはばかるという言葉がぴったりな感じである。

TechCrunch でやってたインタビュー動画シリーズ Keen On は終わったのかな。

[] ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』元映像4時間強がYouTubeで観れる  ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』元映像4時間強がYouTubeで観れるを含むブックマーク

YouTube で有名ミュージシャンのライブ映像をフルセットで公開する Music Vault についてはルー・リードのチャンネルを以前紹介しているが、いやー、これは貴重だよ。

ザ・バンドといって大半は80年代以降であり、重要なのはマーティン・スコセッシが監督したザ・バンドのラストライブ『ラスト・ワルツ』公演の完全版映像である。

これもスコセッシが撮影した映像だと思うのだが、なぜか全編白黒なのは残念なり。まぁ、これは純粋に音を聴くべきでしょう。『ラスト・ワルツ』はパンク勃発以前のアメリカンロックの総括とも言える内容で、これの編集前の元映像が観れるのはありがたい。

『ラスト・ワルツ』はエリック・クラプトンニール・ヤングヴァン・モリソンボブ・ディランなど超豪華ゲストが参加したことで知られるが、逆にそのためリハ不足で演奏は問題もあったと言われる。ワタシも『ラスト・ワルツ』の DVD を持ってるが、ここで聴ける音は多分オリジナルのものだろう。

[][] ニック・ケイヴの異色ドキュメンタリー映画が日本でも公開される!  ニック・ケイヴの異色ドキュメンタリー映画が日本でも公開される!を含むブックマーク

少し前に紹介したニック・ケイヴのドキュメンタリー映画『20,000 Days On Earth』が日本でも公開されるとのことでこれはめでたい。できればワタシの住む田舎でもやってほしいところだが……。

カイリー・ミノーグが出ることは知っていたが、以下のくだりにおおっ! と盛り上がった。

ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ」の創設メンバーでありながら、脱退以来わだかまりが残っていたブリクサ・バーゲルトも登場し、ケイブとともに互いの思いを率直にぶつけ合う。

ニック・ケイブの世界とは?異色の音楽ドキュメンタリー、来年2月公開 : 映画ニュース - 映画.com

これは観ないわけにいかない。

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PUSH THE SKY AWAY

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