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2016-10-30

[] 永い言い訳  永い言い訳を含むブックマーク

永い言い訳 [Blu-ray]

永い言い訳 [Blu-ray]

西川美和という人は、ワタシの中の「新作が出たら映画館で観る人リスト」に入っているのだが、公開直後私事により時間がとれなかった。まだ公開から半月程度しか経っていないと思うが、ワタシの住んでるところのシネコンでは日1回上映になっていて、動員は思わしくないのだろうか、と余計なお世話ながら不安になった。なお、彼女による原作小説(asin:4167906708)は未読である。

これも個人的な事情になるが、この映画を観に行くまでに家族の問題で大変不愉快な目にあっており、せっかく久しぶりに映画館に行くのに、それまでの精神状態のために本作が楽しめなかったらどうしよう心配したほどだったが、さすがは西川美和というべきよい映画だった。もっとも映画館を出てから読まされたメールにより、元の精神状態に引き戻されてしまったが……。

バス事故死によって20年連れ添った妻を喪った夫である小説家が、同じく事故死した妻の友人の夫を介してその二人の子供たちとの世話をするようになる話なのだが、本作でも西川美和の演出は見事で、冒頭の髪を切る場面、本木雅弘演じる主人公が不愉快の色を増していく様(そして主人公のキャラクター)を不必要な台詞なしに描いていて、映画を通して妻を事故で亡くしながら本当の意味で悲しむことのできない主人公のみっともなさ、ずるさをよくえぐっていた。主人公と属性はほとんど重ならないものの、そうした男のずるさには自覚がある当方にも静かにグッとくるところがあった。

その男にとっての免罪符としての子育てを指摘する主人公のマネージャ役を池松壮亮をやっていたが、役柄的に少し『海よりもまだ深く』と被っていた感がある。そして、途中出てくる吃音の女性を演じていたのが山田真歩だと後から指摘されて、「花子とアン」で気が強い女流作家役だったあの人? とビックリした。こう書くと間抜けだが、役者ってすごいな。

そして、何より二人の子供を演じる子役がそれぞれうまかった! この二人が、主人公が逃げてきた本名を「幸夫くん」と呼び続ける声に叱咤され、主人公は他者と向かい合っていくわけである。

このように本作はとても満足度の高い映画だったが、(前二作より上映時間が短いものの)個人的には少し長かったように思う。それは本作が彼女の旧作と異なり、ハッピーエンドにもっとも近いからかもしれない。本作のタイトルの意味が分かるパーティの場面以降はいらず、主人公が帰途の電車の中で「人生は、他者だ。」とノートに書きつけるところで終わってよかったよかったと思う。

[][] 我々は「モノのインターネット」からインターネットを守る必要がある、ところまで来てしまったのか  我々は「モノのインターネット」からインターネットを守る必要がある、ところまで来てしまったのかを含むブックマーク

おなじみブルース・シュナイアー先生のエッセイだが、「我々はモノのインターネットからインターネットを守る必要がある」というタイトルからして苦いものがある。

ここで取り上げられているのは、著名なセキュリティ分野のジャーナリストであるブライアン・クレブスが被害を受けた史上最大級の DDoS 攻撃の話なのだが、ちょうどありがたいことに江添佳代子さんがこの話題について書かれているので、未読の方にはご一読をお勧めする。

IoT というバズワードに踊らされている人は未だ多いが、今や IoT ボットネットが史上最大級の DDoS 攻撃を実行してしまっている現実があるわけだ。まさに「野良IoT」の脅威である。

「他人事でないIoTのセキュリティ問題、そして追悼」という文章を書いたワタシからすれば、ほらね、こうなるでしょう、と言いたいところだが、そういえばブルース・シュナイアー先生自体がとっくに今回のような問題を指摘してたっけと思ったら、「モノのインターネットはすさまじく危険だ - そして多くはパッチ不可能である」を2014年はじめに発表してたんですね。事態はその危惧の通りに進んでいるようである。

IoT専用のネットワークが必要とされるのもなんか分かるというか。

[] ウィキペディア内の100万個をこえるリンク切れをインターネット・アーカイブが救う  ウィキペディア内の100万個をこえるリンク切れをインターネット・アーカイブが救うを含むブックマーク

もはや我々のネットライブに欠かせないインフラとなっているうぃきっぺだが、英語版 Wikipedia 内からはられたリンクにはそのリンク先の消滅によるリンク切れが大量にあることが問題になっている。

そこで Wayback Machine でおなじみ Internet Archive が協力し、アーカイブしたウェブページにリンク先を差し替えることで、リンク切れを100万個以上救ったぜ、ということのようだ。

ワタシも長年ウェブページをやっていて、またワタシは他のウェブページにリンクを多くはるタイプの文章を書くことが多いのだが、古い文章を見直すと、外部リンクの多くがリンク先がなくなっていて、なんとも悲しい思いをするのである。

これは WWW の欠点の一つでもあるのだが、この二団体の協力は妥当なものだと思う。

しかし、英語圏でもこれが必要なのだから、新聞・テレビに関係なくニュースページのリンクが一定期間で大方全滅してしまう日本語圏のネットを対象とする Wikipedia 日本語版にこそ必要なものに思えるのだが。

デジタル・アーカイブとは何か 理論と実践

デジタル・アーカイブとは何か 理論と実践

[] 橘川幸夫の「ロッキング・オンの時代」が遂に書籍化される  橘川幸夫の「ロッキング・オンの時代」が遂に書籍化されるを含むブックマーク

橘川幸夫が note に連載していた「ロッキング・オンの時代」は、かつて渋谷陽一信者だった人間として気づいたときに読ませてもらっていたが、遂に書籍化される。

ロッキング・オンの時代

ロッキング・オンの時代

ワタシは以前から、もっと本格的な渋谷陽一論が書かれるべきだと思っているのだが、それをやりたがる人間なんていないのかな。それでも、ワタシが読者ではなかった70年代の rockin' on 初期の頃について当事者によって書かれたこの本は買いますよ。そういえば渋谷陽一というと、最近も「カマシ・ワシントン来日記念 rockin'on 渋谷陽一インタビュー」で喋り倒していて、この人は元気だなと笑ってしまったものである。

そういえば今年は増井修の『ロッキング・オン天国』なんて本もあったが、そういう時期なんだろうか。この本は既に読了済だが、ワタシがもっともマジメにロキノンを読んでいた時期の編集長の本だから楽しく読んだが、基本的にはどうでもいい本だった。

そういえば増井体制時にやはりロキノン社員だった市川哲史のプログレ本も今月出るようで、フリップ真理教信者を自認するワタシ的にはやはり気になる本である。

どうしてプログレを好きになってしまったんだろう

どうしてプログレを好きになってしまったんだろう

2016-10-18

[] CotEditorの不具合対応に貢献できたようだ  CotEditorの不具合対応に貢献できたようだを含むブックマーク

サブマシンとして使っている Mac Book Air の OS を macOS Sierra にバージョンアップしたところ、エディタの CotEditor が起動時にクラッシュするようになった。ワタシの場合、エディタが立ち上がらないのでは、何も作業ができないことを意味する。

OS を macOS Sierra に上げなければよかったと Twitter で嘆いていたところ、CotEditor の公式アカウントから問い合わせがあり、クラッシュログを送ったところ、さくっと対応してもらった。

最新版の 3.0.2 では起動時のクラッシュがなくなっている。このバージョンアップはこのクラッシュだけに対応したものではないが、ともかくこのオープンソースソフトウェアのバグフィックスに微力ながら貢献できたことを嬉しく思う。

CotEditor で同じ現象に悩まれている方は、最新版に上げてみてはいかがだろうか。

[][] ROSで始めるロボティクス  ROSで始めるロボティクスを含むブックマーク

少し前に ROS(Robot Operating System)のことを知り、ちょっと勉強したいなと思っていたところに、そのうってつけと思えるシリーズが公開されているのに気づいた。

ROS はロボット・アプリケーション作成を支援するライブラリとツールを提供するオープンソースソフトウェアだが、かの Pepper もこれを採用しているのね。

これを読んだだけでゴリゴリ使えるようになるわけもないのだが、ともかくありがたいことである。これを公開しているのは株式会社ブリリアントサービスという会社なのね。覚えておこう。

ROSプログラミング

ROSプログラミング

[] ルー・リードのRCA〜アリスタ時代のアルバムのリマスターボックスセットが出るのだが……  ルー・リードのRCA〜アリスタ時代のアルバムのリマスターボックスセットが出るのだが……を含むブックマーク

プロデューサーのハル・ウィルナーが「このボックスセットはルーのラスト・プロジェクトです」と語る、RCA〜アリスタ時代のアルバムのリマスターボックスセットで、確かにありがたいのだが、ルー・リードって作品ごとの出来不出来が大きい人だった。よほどのファン以外、駄作など聴く必要はないわけで、こうした企画は微妙なところがある。

『Transformer』、『Berlin』、そして『Blue Mask』の3枚は文句なしにロックの歴史に残るアルバムである。『Coney Island Baby』や『Street Hassle』あたりも聴き所の多い好作である。しかし、それ以外は……あと本来ならこのボックスセットに入るべき、彼のライブ作の最高傑作『Live in Italy』が入っていないのもポイントが下がる。『Metal Machine Music』は入っているのに……。

やはり、ルー・リードが過去の遺物にならずに死ぬまでリスペクトを保ったのは、この RCA を離れ、Sire と契約した後の『New York』以降の作品が大きいわけで、彼の作品の現代的意義を考えるなら、この Sire 時代のアルバム集のほうが個人的にはお勧めだったりする。

The Sire Years: Complete Album

The Sire Years: Complete Album

とはいえ、彼が死んでから、もうすぐ3年になるんだな……。

[] 異色ホラー映画『ファンタズム』シリーズの完結編『Phantasm: Ravager』がアメリカでVoDリリースされ、「トールマン」は死んでいた  異色ホラー映画『ファンタズム』シリーズの完結編『Phantasm: Ravager』がアメリカでVoDリリースされ、「トールマン」は死んでいたを含むブックマーク

10年前「異色ホラー映画『ファンタズム』のDVDは出ないのだろうか」という文章を書いたことがある。その後、無事に DVD はリリースされたのだが、このシリーズの完結編はどうなったか。早くしないと、このシリーズの悪役(というか実質主役)の「トールマン」を演じるアンガス・スクリムが死んでしまうぞ、と勝手にヤキモキしていた。

で、こないだ調べ物をしていて、そのシリーズの完結編 Phantasm: Ravager がまさに今月公開されているのを知った。しかし、劇場公開ではなく、はじめから Video on Demand リリースというのが、『ファンタズム』をホラー映画ベストテンの3位に選んだワタシ的には悲しいところである。

このシリーズの生みの親ドン・コスカレリは、近年では『プレスリーVSミイラ男』という珍作も撮っているが、本作では製作と脚本に回っている。

そして、その「トールマン」アンガス・スクリムだが、今年のはじめに亡くなっていたのね。リリースには間に合わなかったが、なにはともあれ「トールマン」を演じきったわけである。お疲れ様でした。

D

うーん、正直面白くなさそう(笑)。

2016-10-10

人工知能は人間を人間でなくすのか? 人工知能は人間を人間でなくすのか?を含むブックマーク

皆様は、人工知能に職を奪われることを心配するより先に、自分の感情が外部からスケスケに読み取られてしまうことを心配する方がよいと思う【生きておられぬおれカネゴン】。

今ぐらい機械学習が順調に発展を遂げていれば、もう数年しないうちに人間が抱く感情というものが表情と目線と仕草と声色から完璧に判定できるようになると思う。

2016/10/01|おれカネゴン|note

特に相手と直に対面し、何らかの質問をすることさえできれば、昔の嘘発見器など屁でもないほど、高い精度でそれが嘘かどうかが判定できてしまう。

2016/10/01|おれカネゴン|note

はてなダイアリーを捨て、note に引っ越したおれカネゴン先生の見立て、そしてそれが実現したら人間はどうなるかを今から60年以上前にズバリ思い描いた人がいる。

小林秀雄である。

以下、『考えるヒント』に収録された「良心」から引用する。

...もし、嘘発見機に止まらず、これが、人間観察装置として、例えば、閻魔の持っている閻魔鏡のような性能を備えるに至ったらどうなるだろうか。この威力に屈服しない人間はいなくなるだろう。誰にも悪い事は出来なくなるだろうが、その理由はただ為ようにも出来ないからに過ぎず、良心を持つ事は、誰にも無意味な事になろう。人間の外部からの観察が、それほど完璧な機械ならば、その性能は、理論上、人間の性質を外部から変え得る性能でなければならない筈である。それなら、人間を威圧する手間を省いて、人間を皆善人に変えればよい。そうすれば彼等が、もはや人間でない事だけは、はっきりわかるだろう。

これは以前ちらと書いたのだが、「ユートピアのキモさと人工知能がもたらす不気味の谷」を書いたときに、小林秀雄のこの「良心」からの引用を最初にいれようと思ったのだが、威圧的になるかと思って止めたことがあった。

しかし、今となっては、やはりそれを入れるべきだったと後悔している。

...この機械の利用者は、機械の性能の向上を願って止まないであろう。だが、この事は、機械がよく働けば、自分は馬鹿でも済む以上、自分の馬鹿を願って止まない事になりはしないか。「飛んでもない。私はいつも利口でいたい。ただ、手間が省きたいだけだ」。尤もな返答だ。でも、何故、君は、人間の良心の問題に関して、手間が省きたいのか。

ワタシが最近の人工知能ブームに感じる漠然とした不快感は、AI が人間の職を奪うとか、ましてや AI が反乱を起こし人間を滅ぼすといったレベルではなく、こうした人間を人間でなくすような不快感を覚えるからである。

将棋の棋士たちも、今棋士としての存在理由が脅かされる不安を覚えているだろうが、それは経済的基盤だけの話だけでなく、もっと形而上的な意味での不快さがあるのではないか。

新装版 考えるヒント (文春文庫)

新装版 考えるヒント (文春文庫)

[] 『バンド臨終図鑑』でなく『バンド臨終図巻』が文庫化するぞ  『バンド臨終図鑑』でなく『バンド臨終図巻』が文庫化するぞを含むブックマーク

6年前に刊行され、ワタシもとても楽しく読ませてもらった『バンド臨終図巻』がまさかの文庫化である……って、おい、版元が「図巻」を「図鑑」と書名間違ってるやんか(笑)。

しかも単なる文庫化ではなく、「SMAPなどの最新情報を加えた増補版」とのことなので、未読に方には是非、今回の文庫版をお勧めしたい。

ふと思えば、本書の著者5名のうち、大山くまおさんを除く全員とワタシはお会いしたことがあるのだが、それはどうでもよいとして彼らにとって、著書の「文庫化」は初めてなのではないだろうか?

[] ロック・ギタリストには2種類しかいない。ジェフ・ベックとそれ以外だ  ロック・ギタリストには2種類しかいない。ジェフ・ベックとそれ以外だを含むブックマーク

ジェフ・ベックが語るキース・ムーンの話も、期待通りに非現実的で面白いのだが、個人的に驚いたのは以下のくだり。

話は違うけど、日本じゃポール・ロジャースまたはジョン・ポール・ジョーンズが言ったことになってる「ロック・ギタリストには2種類しかいない。ジェフ・ベックとそれ以外だ」って言葉、近頃は「けいおん!」の秋山 澪の言葉として、「There are only two kinds of rock guitarists: Jeff Beck and everyone else.」って英訳されて、イギリスも含めた海外に逆輸出されてるらしい。

ジェフ・ベック、キース・ムーンを語る (3/17) | Rocqt

マジかよ!

ワタシは「けいおん!」のことをまったく知らないので、この逸話自体も知らなかったのだが、これって面白いな。

思えば、日本でもロキノン(渋谷陽一)周辺で、こうした日本だけで流通するロック名言って結構ありそうな気がする(笑)。

関係ないが、小林弘人さんが昔、「椅子には2種類しかいない。スケベ椅子とそれ以外だ」みたいなことを書いていたのを唐突に思い出した。

Loud Hailer

Loud Hailer

tanakakentatanakakenta 2016/10/14 23:03 文藝春秋のWebページ(http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167907594)、いつの間にか「図巻」に修正されていますね。

yomoyomoyomoyomo 2016/10/15 01:06 Amazonの方は相変わらずですが(笑)、これもじきに修正されるのでしょうね

2016-10-06

[] WirelessWire Newsブログ第50回公開  WirelessWire Newsブログ第50回公開を含むブックマーク

WirelessWire Newsブログに「我々は信頼に足るアルゴリズムを見極められるのか?」 を公開。

今回で実に連載50回目である。前回が連載自体のハイライトとなる総括的な回で、今回はその補稿のような短いものを書くつもりが、書き出すとやはり以前書いた文章をいろいろ思い出し、当初の意図より長くなった。

もっと早くに書けた文章だが、今ワタシ自身相当バタバタしており、疲労が蓄積された状態なため、時間がかかって仕方がないのである。

Stack Overflowが衰退してるとな? Stack Overflowが衰退してるとな?を含むブックマーク

取り上げるのが遅れたが、ここでもこれまで何度も取り上げてきたプログラマ向け Q&A サイトとしておなじみ Stack Overflow が衰退してるんじゃないかというエントリである。

ワタシもプログラムを書く上で何か疑問が出るとすぐググっちゃうようなこらえ性のない人間なのだが、すると大抵ひっかかるのが Stack Overflow で……というのはウソですね。ワタシの疑問でひっかかるのは、大抵 Yahoo! 知恵袋で、そのたびに自分の疑問のレベルの低さにうちひしがれるのである。

それはともかく、Stack Overflow には2015年7月時点で400万をこえる登録ユーザがおり、1000万をこえる質問があるのだが、2013年の調査によると、ユーザの77%は一個しか質問をしてないそうな。5個以上質問しているのはユーザの8%しかいないとのこと。

ワタシはかつて Stack Overflow の共同創業者である Joel Spolsky の「ロングテールなプログラミングの質問のWikipedia」という文章を訳したことがあるが、ちょっとこの傾向はロングテール過ぎるんじゃないか。

そんな現状の理由として、Stack Overflow の新参ユーザを歓迎しない雰囲気があり、さらには新参じゃなくても居心地が良いわけではなく、コミュニティサービスにありがちな荒しっぽいユーザの問題もあるとのこと。

それなら Stack Overflow に替わる選択肢はあるのかというと、Quora が真っ先に浮かぶが、ここはここで問題があるようだ。

Stack Overflow は日本語版もあるが、こちらはどうなんでしょうね。競合は……やはり Yahoo! 知恵袋なの?

[] 「ランサムウェア」についての本がオライリーから出る  「ランサムウェア」についての本がオライリーから出るを含むブックマーク

2016年のセキュリティ問題を語るのに、ランサムウェアは避けて通れない。が、オライリーからそのものズバリ Ransomware というタイトルの本が出るとは思わなかったぞ。

Ransomware: Defending Against Digital Extortion

Ransomware: Defending Against Digital Extortion

オライリーから出るのだから、これがランサムウェア対策に関する書籍の決定版になるのだろうが、他のマルウェアと感染しないための対策に違いはあるのだろうか?

ワタシ自身はランサムウェアにやられたことはなく、周りでもいないので(公表してないだけかもしれないが)ちょっとピンとこないところがあるんだな。

しかし、今ではランサムウェアは一種の立派なビジネスでもあるらしいからね。まったく、インターネットも世知辛いところになったものだ。

[] スティーブ・ジョブズ  スティーブ・ジョブズを含むブックマーク

映画館で観るつもりだった映画だが、公開当時バタバタな状況だったため観に行けなかったので、レンタルしてみた。

いや、これいいじゃないの。スティーブ・ジョブズを演じるマイケル・ファスベンダーはまったくジョブズに見えないが、別に映画はモノマネショーじゃないんだからそれは問題ではない。『それでも夜は明ける』でも思ったが、ファスベンダーってすごい役者だね。

話には聞いていたが、ウォルター・アイザックソンの伝記を映画化するにあたり、アーロン・ソーキンは、初代 Macintosh、NeXTcube、そして iMac という三つの製品のお披露目プレゼンの開始直前のみにフォーカスを絞る形を採っている。

アーロン・ソーキンが脚本を書いた『ソーシャル・ネットワーク』について、マーク・ザッカーバーグを悪役視しているところに、ソーキンは IT 業界におけるクリエイティヴィティについて理解していないという批判があった。

本作は、プログラマーではなくデザイナーでもないスティーブ・ジョブズが主役のため、そのあたりが微妙なねじれを起こし、またジョブズに対する文句なしに辛辣な視線もあいまり、良いほうに転がっていると感じた。

史実的には、ジョン・スカリーが NeXT 発表の舞台裏にやってきたのかとか、スティーブ・ウォズニアックが iMac の発表の段まで Apple II への謝辞にこだわったのはおかしいだろうといった批判はあると思う。何より、この映画だけ見たのでは、NeXT はともかく初代 Mac までも製品としては純然たる失敗にしか見えないのは、ジョブズを信奉する皆さんには耐え難い描き方だろうが、ジョブズの最初の娘にして、認知をひたすら拒んだリサ・ブレナンの存在を軸にすることで映画として筋を通している。

2016-10-02

[] ハドソン川の奇跡  ハドソン川の奇跡を含むブックマーク

還暦を過ぎて撮る映画がよくなっている異様な存在であるクリント・イーストウッドの作品はできるだけ映画館で見届けようと思っている。

ワタシも2009年のUSエアウェイズ1549便不時着水事故については、サレンバーガー機長の果敢な操縦により乗客乗員に一人の死亡者も出さなかった「ハドソン川の奇跡」として記憶に残っているが、機長が国家運輸安全委員会(NTSB)の厳しい追及を受けていた話は恥ずかしながら知らなかった。

考えてみれば、機長にしてみれば、ハドソン川に着水するという判断は不可避なものであり、あの事件が「ハドソン川の奇跡」であっては逆に困るわけだ。本当にあのときの自分の判断は正しかったのか? 40年以上のキャリアを誇る機長の存在意義は、意図せずあの日のフライト208秒に凝縮されてしまう。

それを踏まえた上で本作の「Sully」という、機長の名前を愛称だけのそっけもない原題があるわけで、邦題はどうかと思うのだが、でも『サリー』では日本人の客には何の映画か分からんわけで、本作に関しては邦題を難じても意味はなかろう。

トム・ハンクス演じるサレンバーガー機長は、業務に忠実な堂々とした人物でありながら、同時にどこかステージフライトな状態を連想させる困惑、不安感を表情に湛えており、それが本作の基調をなしている。

本作は紛れもないアメリカ映画であり、だからこそ現在のアメリカの不安感も反映している。言うまでもなく9.11の後遺症もある。本作では、事件を再現するのにその関係者を何人も本人役で出演しており、エンドロールに Himself/Herself の表記が目立ったが、ちょっと『ユナイテッド93』を連想してしまった(これは同じ監督が撮り、やはりハンクスが主演した『キャプテン・フィリップス』からの連想もあったかもしれない)。

そして、40年以上のキャリアを持つ機長は安全コンサルタントとしての副業に手を出さざるをえず(フライトの前、副機長から安全コンサルタントの副業の件でからかわれ、「ほらふき」とまで言われてしまう)、早く機長職に戻れないと投資物件や自宅を差し押さえられるかもしれないという経済的厳しさのエピソードも現在的である。

正直言うと、本作が良い映画かどうかワタシにはよく分からない。感動の物語を期待してみたらむしろ肩透かしだろう。しかし、ワタシがクリント・イーストウッドの映画に求める異物感は十分に堪能させてもらった。

本作は、前作に続き、近年の実在のアメリカ人に材をとっており、本作でもアーロン・エッカート演じる副機長の最後の台詞までこれぞアメリカ映画という作品になっており、またアメリカ的民主主義の一つの形である法廷劇でもあるのだが、同時にそこからはみ出てしまういびつさが確かにある。

バズフィードが有能で良い仕事をしているのが気に食わない バズフィードが有能で良い仕事をしているのが気に食わないを含むブックマーク

今年も4分の3が終わったが、2016年のネット界隈を振り返ると、確かに BuzzFeed は有能だった。Business Journal などネットメディアの特性への甘えが露呈したところがある一方で、BuzzFeed は何かネットde騒動があれば、関係者の証言などの裏取りをちゃんと行い、情報の整理に正しく貢献したことが何度もあった。ねとらぼもそうだが、BuzzFeed のほうがネットに留まらない拡がりのある仕事が多い印象がある。

正直、気に食わない。

だってさ、バズフィードだぜ? 「毎度10通りにムカつく、バズフィードです」でおなじみのいけすかないニュースメディアじゃなかったか? ネット情報に乗っかり、猫動画に乗っかり、「あなたが今すぐ○○○すべき××個の理由」みたいな紋切り型な記事に乗っかり、アクセスをかすめとる、日本にも腐るほどある「バイラルメディア」の親玉じゃなかったか?

少なくとも日本では、そうしたいけすかないイメージは、バズフィードにはあまりあたらないだろう。

ワタシのバズフィード観がはなから完全に間違っていたのか、それともワタシが知らないうちにバズフィードは有能なニュースメディアに生まれ変わったのか、あるいは BuzzFeed Japan だけが特例的に優れた仕事をしているのか、果たしてどれだろう。

最近も BuzzFeed Japan には小関悠さんやインターネットもぐもぐの人など優れた人材が加わっている。

ますます気に食わない。

[] テリー・ジョーンズ、最後の戦い  テリー・ジョーンズ、最後の戦いを含むブックマーク

今更だが、テリー・ジョーンズが痴呆症により「もうインタビューには応じることができない」状態であるというのは、最近特に気持ちがふさいだニュースだった。

エリック・アイドルによると、テリーJの病気については数年前から知っていたそうだが、2014年に実現したまさかのモンティ・パイソン再結成公演、そして遺作となるであろう監督作におけるパイソンズ全員再結集の意味が見えてくるところがある。

再結成公演を前にした記者会見で、金以外の再結成の理由を聞かれ、ジョン・クリーズは「(早くしないと)お迎えがくるからだよ!」と答えたが、それはある意味本当のことだったのだ。

モンティ・パイソン結成40周年記念番組で打ち止めだと思っていたが、まさかの再結成公演が実現したおかげで、2019年には50周年記念番組が作られるかもしれない。しかし、それにテリー・ジョーンズのインタビューは収録されないだろう。残念なことである。

また彼の監督作『ミラクル・ニール』はあまり良い評判がなく、結局忙しさのため映画館では観そびれたのだが、今になってみると、それで主演を務めたサイモン・ペッグの監督の演出に対する違和感を感じさせるコメントの意味も分かってくる。これはいずれ時間を作って観なければならない。

パイソン再結成公演前に書いた「英語が分からなくても(たぶん)楽しめるモンティ・パイソン入門」で動画をはったスケッチにもテリジョンは主におばさん役で出ているが、本当に彼はおばさん役がうまかったな。それ以外でも、最後にはってる「クレオソート氏」はすごいぞ!

ミラクル・ニール! [Blu-ray]

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