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ヨムヨムエブリデイ

病院へ行こう

夕べの雲

風邪かなと思っていたら昨日から声がほとんど出なくなってしまった。内科のドクターに耳鼻咽喉科で検査を受けるように言われ(ガンかも?)怯えつつ耳鼻科へ。せっかくの休日が台無し。かるく麻酔をしたあと鼻から稲庭うどんぐらいの太さのファイバースコープをつっこまれる。痛えしオエオエなるし涙と鼻水で顔がどろどろ。結局ただの炎症ということで、ジスロマックダーゼンムコソルバンをもらって帰る。
来る時の暗く重い気分はすっかり晴れて外に出ると、日差しはキラキラとまぶしく、風はさわやか。世界はα波とマイナスイオンに満ちあふれている。怖いものなんて何ひとつない。ドトールで一服しながら庄野潤三夕べの雲』を読む。再読。診察券をしおりにしてやった。
「ブ」で庄野潤三プールサイド小景静物』(新潮文庫 改版は持ってなかったから)、山田稔『シネマのある風景』(みすず書房)、高峰秀子編『おいしいおはなし』(知恵の森文庫)各105円。『シネマのある風景』は須賀敦子の書評を読んで気になっていたからうれしい。「身辺雑記のなかにちょっと映画が出てくる程度」と山田稔は書いている。この身辺雑記のなかに本や映画や音楽が溶け込んでいる話というのが大好きで、だから人の日記ってたのしいのかなと思う。
ここのところ寒くてコタツをしまわないでいてよかった。コタツに寝ころんで庄野潤三をぱらぱら、山田稔をぱらぱら。たぶん今冬最後になるであろうコタツを堪能する。うとうとしていると母から電話。今日病院に行った話をすると、「あなたは昔から今頃の季節の変わり目に必ず風邪をひいてたよね」と言われる。