y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

目を閉じると、風の匂いがした

原監督、ありがとう

連日残業つづきで、ようやく休日にたどり着く。小春日和の陽気。久しぶりにふとんを干し部屋の掃除。昨年の冬に買ったキリンジのベスト盤を聴きながら軽快に本の整理もした。処分する本を思い切ってどんどん選り分ける。読む気満々で買った本も、積んでいるうちにこれはもう絶対に読まんだろうという本に変化している。これも積読の効用か。単行本は処分してまた読みたくなれば文庫を買えばいい。本棚まわりが幾分すっきりし、探していた虫明亜呂無『女の足指と電話機―回想の女優たち』(清流出版)がでてきた。一人称の「僕」が似合うね。裏表紙に載っている著者の禿頭のかたちは青豆さんの好みだろうか。
肩がガチガチに凝っているのでまだ明るいうちからスーパー銭湯に行く。いつもは55番のロッカーを選ぶが、原監督日本一ありがとう記念ということで88番に。ふにゃふにゃに茹でられて更衣室で放心状態。湯上りのコーラがうまい。読みさしの藤原新也『コスモスの影にはいつも誰かが隠れている』(東京書籍)を一篇一篇余韻にひたりながら読み終える。よかった。
給料日だったので帰りにATMで出金。帽子に眼鏡にストールぐるぐる巻きだったから、もし防犯カメラをチェックしている警備員がいたらマークされていたに違いない。本屋に寄り、『めくらやなぎと眠る女』を買ってしまった。『冬の夢』より断然こちらに惹かれた。パン屋で焼きたてホヤホヤのパンを買って帰宅。春の陽だまりのような一日。