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ヨムヨムエブリデイ

フーちゃん

秋仕様に替えた布団が気持ちよくて、毎晩、布団にもぐり込むのが楽しみになってきた。
知らぬ間に少し眠りぬ夜の秋  久保田万太郎
さて、この句の季節はいつでしょう? 堀本裕樹『俳句の図書室』(角川文庫)を読んでいたらこの問いが出てきて、まあこんな問題が出るくらいだから「秋」ではないことは確実なんだけど、俳句教室で初心者の受講生に尋ねると十中八九「秋の句」という答えが返ってくるとのこと。答えは夏、正確には晩夏。「プレバト!!」を見ていると、まったく興味のなかった俳句も面白そうだなと思えてきて、又吉×堀本の『芸人と俳人』とか入門書的なものに手を出している。スポーツを始める際、ウェアや道具を揃えるようにまず形から。何事も興味のないものがだんだん区別がつくようになる過程は楽しい。短歌は、穂村弘東直子の入門書から親しんでいったのだった。

よく眠れ過ぎて、朝、名残惜しく布団から出ると、今日も曇天。支度しながら「ZIP!」。「ZIP!deポン!」というゲームで桝アナが優勝したときに「大当たりは私です」ととても申し訳なさそうに言うのがよくて、今朝はそれを見られてラッキー(優勝する確率は1/4だがそれよりも少ない気がする)。「まんぷく」、今週は萬平さんが拷問されててつらい。

昼休み、うどん(ちくわ天のせ)を食べた後、『庄野潤三の本 山の上の家』(夏葉社)読む。長女夏子さんの近況報告に「フーちゃんが半年前に結婚した」とあり、マジか!と思った。先を越された。脳内出血の体験を綴った『世をへだてて』では、まだミサヲちゃんのお腹の中にいて、その後の著作で成長を追ってきたフーちゃんが結婚かぁ。しかも恵子ちゃんにはすでに子供が。なんだかなあ、あらゆる人から永遠に先を越され続ける人生。
帰り、こちらに異動してきたときに、絶品だよと教えてもらったアップルパイとモンブランを買う。もう4年目になるのか。今では秋の一番の楽しみ。
秋風やそのつもりなくまた眠り  久保田万太郎