2015/2/22 第13回読書会(テーマ:時代)の感想

今日は「時代」というテーマでの読書会を開催しました。
今回のテーマは本選びが難しかったようですが、
面白そうな本をたくさん教えて貰い、会話も盛り上がりました。

特に一番面白そうだったのは日露戦争前後にシベリヤや満州で、
諜報活動家を行っていた石光真清少佐の1000ページに及ぶ詳細な手記。
少し内容を教えて貰っただけでも、映画や小説でしか
起こらないと思えるような出来事の連続であったようだ。
例えば、ロシア兵に捕まって牢に入れられて衰弱死させられ
ようとしている時に、昔助けた女性が偶然通りかかって、
難を逃れることができたなど。。。

今、忙しい時期だけど、これはちょっと
ハマって読んでしまいそうな気がします。
そして皆さんと次のテーマを考えながら食事をしたときにも分厚い
ブリの塩焼きに出会いました。縦においてある切り身は初めてでした。
分厚い本と分厚いブリ。どちらもワクワクさせてくれました。

ちなみに次回は3月29日(日)で、テーマは、
「これまでに本屋大賞にノミネートされた本」です。
2004年から始まった賞で毎年10作品がノミネートされています。
なので、今年の分を合わせると120作品が次回の読書会の対象です。
改めてそのリストを眺めてみると、これまで気になって読めていなかった
本ばかりですので、この機会に何冊か読んでみたいです。

ぜひお気軽にご参加下さいませ。
品川港南口のルノアールで9:30からです。
ご参加をお待ちしています。

12/7第11回読書会(テーマ: 今年最も印象に残った本)の感想

【R.M】
 今年最も印象に残った本がテーマだったのですが、前半に読んでいた本はあまり覚えておらず(笑)、結局10月頃買った「街場の戦争論内田樹)」を紹介しました。
この本で印象に残ったのは、自称リアリストは現在の状態を絶対的な物と認識しているが、実際には少しばかり条件が変わったらこうはならなかったはずという「弱い現実」と、条件が大きく変わっても揺らぐ事のない必然である「強い現実」があるという論で、これが自然淘汰のような強力な現状肯定の理屈に反論できる可能性がある考え方だと感じられた事、人や社会の「デフォルト戦略」も弱い現実を形成する非常に大きな入力の一つだろうと思っている事なんかを話しました。
皆さんからは「ローマ亡き後の地中海世界」、「一神教と国家」、「休みたくても休めない人の疲労回復法」、「風邪の効用」、「乱反射」、「楽園のカンヴァス」を紹介していただきました。
 一神教と国家、ローマ亡き後の地中海世界については、イスラム教に関連する本で、イスラム教独特の倫理観や世界史におけるイスラムの隆盛について、かなり興味深く話を聞き、一度この辺をもっと詳しくやってみたいという意識を新たにしました。
 「休みたくても休めない疲労回復法」は、一週間に15時間(?)しか休めなかった人の話を聞きながらだったので、非常に切実な話で、「目をつぶる」「鼻呼吸」などの地味な対応で疲労回復できるという事が驚きでした。
 「風邪の効用」は、神がかり的な整体師の本で、うまく風邪をひくと逆に体の調子が整うという不思議な理論を紹介してもらいました。
 「乱反射」は街路樹が倒れる事故で子供を失った親が原因となったモラル上の問題を追求をしていく話で、犯罪ではないけども許されないモラル違反はどれくらいなのかといった話を興味深く聞きました。
「楽園のカンヴァス」はアンリ・ルソーの絵の真贋や芸術家とキュレーターの軋轢を描いた史実を元にしたフィクションとの事でした。この読書会では2度目(しかも別の人の紹介)の登場だったので、きっと面白いに違いないと思いました。
 今回もおいしい紅茶を飲みながらとても有意義な日曜の午前を過ごせました。

【R.T】
 普段自分が読まないタイプの本を読み、読書の幅が広がるのが楽しいです。
今回一番読みたくなったのは、「街場の戦争論」です。
「日本は主権国家ではないという自覚を失った」という言葉は、
なんとなく感じていたことをズバリ指摘されたような感じがしてハッとしました。
そうなんだよね。首都のごく近くに、他国の軍の司令部があるっていうのは、
やはりどう考えても、普通は主権国家とは表現しないよね。
文庫本になるのを待たずに読んでみたい気がしてきました。
今年は冬休みが長いので、読んでみますかね。

11/30の読書会(テーマ:女性)の感想

先日の日曜日(11/30)に「女性」というテーマで読書会を開催しました。
僕は長岡藩の家老の娘がアメリカで出版した「武士の娘」という本を紹介しました。江戸から明治に移行する時代の人々の暮らしや考え方が身近に感じられる本です。江戸時代の保守的な人は牛肉を食することを忌み嫌い、武士をやめて牛肉を売る商売を始めた息子を諫めるために、自害した女性がいたことなど、今では信じられないエピソードが淡々と綴られていて、わずか4、5世代ほど前の日本人の価値観がこんなにも違うのかということに驚かされます。

BoysLoveが好きな腐女子という言葉を初めて知り、またそのBoysLoveが、一種の反米ナショナリズムの表れだという内田樹のマンガ論の一節に結びついてちょっと面白かったです。

また、Mさんお勧めの「紙の月」はごく普通の真面目な女性が大学生と不倫の関係になり、さらには1億円を横領してしまう心理がよく描かれていて面白そうだと思いました。NHKのドラマや宮沢りえが出演した映画が作られているようなので、間違いなく面白い本だと思います。早く読んでみたいです。

10/26 読書会感想。

10/26の読書会の感想です。

今回のテーマは「マンガ」。皆さんが紹介されたマンガは、以前より私の中で気になっていたもの達でした。
醸すぞーの可愛らしい「もやしもん」、女性同士の恋愛モノ「青い花」、近未来の公安を描いた「攻殻機動隊」、芸術的な絵の「バカボンド」、ジョジョの8シリーズ目「ジョジョリオン」、レシピ付き超長寿作品「クッキングパパ」。
今すぐ漫画喫茶に籠り、全部読破したくなりました。 中でも個人的には、攻殻機動隊の「笑い男事件」が興味有りです。(笑い男マークがレンタカーのロゴと似通ってるのに驚き)

私が紹介した「いけちゃんとぼく」。昔、本屋のポップにつられて立ち読みしたところ、その場で涙が出てきた思い出の本です。
この物語の核は「いけちゃん」の正体。子供の「ぼく」とずっと一緒にいた「いけちゃん」。でも、「ぼく」が大人になるにつれて、見えなくなってくる。 子供だけが見える特有の妖精さんかと思いきや、なんとなんと。。。いけちゃんの最後のたった3文の独白。これだけで一つの大人のドラマが仕上がっているのです。 西原理恵子さんは天才です。。。

それから、階層の話はとても面白かったですね。漫画に対して階層という概念は考えたこともなく、昔から自然に読んでいた少女漫画にそんな秘密?が隠されていたとは。。少年漫画と少女漫画の明確な違い。言われてみれば納得です。
7つの階層を持つという例のアノ少女漫画は是非読んでみないと!! 

以上、M.Sでした。 

10/26 第9回東京支部会(テーマ: マンガ)

本日、10月26日(日)に、「マンガ」というテーマで読書会を開催しました。
今回は5名の方に朝の9:30より品川のカフェに集まって頂き、
持ち寄ってもらったお勧めの本をネタに楽しい会話をさせて貰いました。

紹介して貰った本は、気になっていた「もやしもん」から、
懐かしいドラえもん。絶対に泣けるという、まるで絵本のような
「いけちゃんとぼく」や奇妙な絵と奇妙な話の「ジョジョ」や、
少女マンガを描く男子高校生の4コマ漫画、さらに、
なぜ日本でマンガという文化がこれほど盛んなのかなどを説いた、
マンガ論など、多岐にわたり、盛り上がりました。

次回は「女性」というテーマで11/30(日)の9:20より、
品川のカフェにてに開催します。

お気に入りの女性作家や、歴史上の有名な女性の話、
「女性」が活躍する小説など、何かが「女性」というキーワードに
関係するお勧めの本を紹介して貰えればと思います。

参加して頂いた皆様と次回のテーマについてワイワイと話していた時は、
江戸時代に生まれて、明治時代に生きた女性の書いた本は面白いよね!
とか、女性のドロドロした心理描写がすごい女性作家を知っている!
という話が出ました。個人的には、向田邦子の本や、武士の娘、
という本が思い浮かびました。

次回、「女性」がテーマの読書会の参加に興味のある方は、
ryohjit@yahoo.co.jp までご連絡下さい。
会話を楽しむ雰囲気の会ですので、
お気軽ご参加頂ければと思います。


以下、10/26の「マンガ」がテーマの読書会の感想です。 ----------

【R.T.】
今回、紹介して貰った本の中で一番読んでみたかったのは、
「いけちゃんとぼく」という本でした。
まるで絵本のような装丁の本で、簡単に読めそうな内容でしたが、
「泣ける本」であるとのこと。そんなに絵もうまくなさそうだし、
長い話でもないのに、泣けるというは興味が湧きました。
しかも、「いけちゃん」という立場で最初から読み直しても
また別の話として楽しめるとのこと。
その場で借りたかったのですが、図書館の本でしたので、
買って読みたいと思います。
また、これまでなんとなく避けていた、ジョジョの中に、
あいだみつをの詩を使ったシュールなギャクが
挟まれていることなどを知り、読みたくなってしまいました。
マンガ喫茶デビューして読んでみようかなと思っているところです。

【R.M】
 10/26ヨムヨムズ読書会に参加しました。今回のテーマは「マンガ」。
 発酵学の研究室の1年間を描いていて、学問的にも菌や発酵に関する記述が正確だという「もやしもん」、アートとしても世界的に高く評価されている「ジョジョの奇妙な冒険」と、そのライト版とも言える「ジョジョリオン」、謎の幽霊「いけちゃん」と悪ガキの「ぼく」の日常を描き、ラストでいけちゃんの正体がわかると違う視点でもう一度読めて泣けるという「いけちゃんとぼく」、等々、たくさんの本が紹介されました。
 私からはSFとしての緻密な設定を面白がれる「攻殻機動隊」、聖地巡礼と百合モノという視点で「青い花」を紹介しました。
 さらにマンガに関するエッセイ・対談集の「街場のマンガ論」からは、人気作品では「ん」の字が多いという謎の理論(進撃の巨人、ワンピース、バガボンドアンパンマン、…確かに!)や、マンガを読む時の日本人と外国人の脳の使い方の違いに関する話、少女マンガは発話モードが非常に多層に亘っている(声に出した言葉、内心で思った言葉、擬態語、以外にも発話されるモードがある)ために読むのに高度なリテラシーが求められるという話などが紹介されました。
 少女マンガの発話モードの話はものすごく納得で、例えば「NANA」の「ねえ ナナ あの川べりで肩を並べて 水面を彩る光を見たよね あの頃 口ずさんでいたメロディーを もう一度 聴かせてよ」とかのモノローグは未来のある時点から「(まさに作品で描かれているところの)あの頃の事」を思い出して発話されていて、しかも当のナナは発話者の前にはいないらしい事が読者に伝わるという相当複雑な構成ですもんね。ちょっと少年マンガでは考えにくい表現です。
 今回もとても楽しかったです。


以上 東京ヨムヨム

9/24 第8回東京支部会(テーマ: 食)

本日、9月28日(日)の午前中に、
「食」というテーマで読書会を開催しました。
今回も話題が予想以上に多岐にわたり面白かったです。

そして次回は「漫画」というテーマで10/26(日)に開催予定です。
お勧めのマンガを片手に、品川までぶらりと来て頂ければと思います。
9:30からになります。気軽にご参加下さいませ!

【感想1】 (by R.M.)
朝の読書会に参加。今月のテーマは「食」。
食堂を舞台にした小説や有機農法に関する本等が紹介されました。
何故水田に水を張るのか、他の生き物の命をいただくという感覚、
作物の出来を左右する土壌細菌等の話等が出ました。
でも今回も何故か宗教史の話に(笑)。
支配地の土着宗教に寛容だったローマ帝国
何故キリスト教を迫害したのか、逆に後年キリスト教
国教にしたのは何故か、何故ザビエルはたった2年で
多数の日本人をキリスト教徒にできたのか、
何故日本には圧倒的な宗教指導者が現れなかったのか、
イエズス会とは何か、等、今回も勉強してみたい
取っ掛かりをたくさん知りました。
次回10/26のテーマは漫画。これも楽しみだなー☆

【感想2】 (by R.T.)
読書会で紹介して貰った「キレイゴトぬきの農業論」、
早速、夕食までに半分ほど読みました。大変面白かったです。
筆者が有機農法を単なる一つの手段とする合理でドライな考え方や、
自分のやっている農業を「変態」と例えているところが素晴らしい。
ロジカルなたんぼを書いた松下さんと驚くほど考え方が本当に似ている。
目指しているところも方法もかなり近い。
だからこそ、両方読むと畑と田んぼでの耕作の違いがよくわかる。
また面白い本、紹介してくださいまし!

8/31 第7回東京支部会(テーマ: こわい)

夏休みの最後の日曜(8/31)に「こわい」というテーマで読書会を開催しました。

ちょっと変わったテーマだったので、
どのような本が集まるか不安で、まさしくこわかったのですが、
今回も珍本と呼べるような本も含めて、面白そうな本が集まりました。

最初は私が紹介した、ヨーロッパの暗黒の時代の話しの本。
ローマ帝国の時代が終わってからルネッサンスが始まるまでの約1000年間、
ヨーロッパは北方の民族に浸食され、南はアフリカからのイスラムの海賊に
いいようにやれていた時代の話。
ヨーロッパ人が奴隷として連れていかれていた時代があったということなど、
知らないことばかりで面白い本でした。
ローマ亡き後の地中海世界1: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)

図書館戦争
ストーリ的には恋愛の話として進んでいくが、
国が国民から本を取り上げるという状況で、図書を守るために、
図書館が武装するという設定のストーリ。
その設定がこわかったとのこと。映画にもなったそうです。
DVDで見てみたいと思いました。
図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

はじめての宗教論
外務省のラスプーチンと呼ばれ、鈴木宗夫と一緒に捕まったひとが書いた本。
確かに顔写真が印象的で、最近いくつかの本が平積みにされていた帯の写真で見てはいた人でした。
シュライエルマッハーは教会の権威が低下しつつあった時に、
神は心の中にいると説いて、兵士を支える理論になったのだとか。
「プネウマ」は初めて耳にした言葉でした。

はじめての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲 (生活人新書)

最後はかなり変わった本でしたが、古本屋で見つけたという「霊界通信 小櫻姫物語」という本。
なんと、発行所が「心霊科学研究会」となってました。怪しいーー!。
内容は三浦半島を舞台とした不思議な物語のようでしたが、紹介した人によると、
昔、霊などを科学的に扱おうとすることが流行った時代があったとのこと。
あとで背表紙を見ると、この本の初版は大正12年で、
最後に、霊魂の科学的研究に関する月刊誌の宣伝がありました。
不思議な本があるものです。


そして今回は、参加できなかった2名の方から、
実はこんな本を紹介したかったというメールを頂きました!!
とても面白そうな本なのでここに紹介します。
ぜひ、次の機会に紹介して貰えればと思います。

モダンタイムス(上) (講談社文庫)
【内容】
恐妻家のシステムエンジニア渡辺拓海が請け負った仕事は、
ある出会い系サイトの仕様変更だった。
けれどもそのプログラムには不明な点が多く、発注元すら分からない。
そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に不幸が襲う。
彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。
【お勧めの理由】
主人公がSEということで親近感を持って読み進めました。
検索をすると・・・の後の描写がなかなかリアリティがあり怖さを感じました。
その読了後しばらく経ってから、現実世界でGoogleの情報は監視されている!
なんていう報道もあり、あながちフィクションでもないんだなという怖さも
このお話に関連して感じています。

百代の過客 日記にみる日本人 (講談社学術文庫)
「百代の過客」は日本固有の文学形態である日記文学
の古典的代表作を、「土佐日記」から「奥の細道」まで
紹介した文学各論です。奥の細道を最高の到達点と結論しています。
著者ドナルド・キーンの大作、万葉集から昭和の作家まで
網羅した「日本文学史」も含めて、とある日本文学の大家が
「日本人には書けない」と嘆いたというその仕事に触れる心算でした。

おかゆネコ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
もしくは、吉田戦車の「おかゆネコ」(おかゆと猫の漫画)辺りを考えていました。
次回を楽しみにしています。

こちらこそ、次回楽しみにしています。
次回のテーマは「食」で9月28日の予定です。
お気に入りの本を片手に気軽にご参加下さい。
よろしくお願いします。                 by R.T.