とみいよむよむにっき

本のこと、ベランダのこと、おはなし会のこと、日常のあれこれ。

びんの

昨日、で終わったので、
から始まる…と
考えていて、思い出したのは、この絵本だった。
ぶどう酒びんのふしぎな旅
美しい藤城清治さんの絵で描かれるアンデルセン
しかし、これは、ぶどう酒びん。
ビで始まるなまえとか、あるにはあるなぁと思いつつ、
図書館にいくまえに、図書館の蔵書検索で「びんの」で検索したら、
30以上出てきたが、その中に、アンデルセン原田宗典の作品が!
アンデルセンは、「びんの首」というタイトルで、
童話集に作品が載っていて、恐らく
名前が違うだけで絵本と同じおはなしだろう。
原田宗典の方も、短編集の中の一つで、「瓶の中へ」。
どちらも文庫だったので、せっかくだから二冊とも借りてきた。
そして、早速、その「びんの…」をどちらも読んだ。

前者は一つのぶどう酒瓶の一生の物語。
初めて買ってくれた娘のところから、紆余曲折ありながら
びんの首だけではあるが、小鳥の水のみコップになって、
今は年を取ってしまった娘のところに結局戻っているという不思議な身の上話。
生きていると、いろんなことがあるもので、
不思議と、知らず知らずのうちにいいように物事は進んでいる。
幸せって、どんなものか…そういうことを考えてしまう。
その幸せに気付けるか?そこもポイント。

後者は、なんとも納まりの悪いというか…気持ち悪いというか。
世にも奇妙なおはなしで。
うっひぇ〜〜〜な4ページ。
この短編集、かなり昔に読んだような気がする。
この、ゾワゾワしてくるおはなしたちは、
原田宗典氏のエッセイからはちょっと考えられない
雰囲気を醸し出している。
カフカの短編集、寓話集に、どことなく似ている。
短編集のあちこちを読んで、違った奇妙な世界を楽しむ。
「瓶の中へ」も、体がなんだか縮こまった感じがして、
思わず背筋を伸ばしてみる。

昨日から、ようやく図書館戦争を読み始めた。
数巻あることがわかっているから、安心して読めると言ったら、
子どもに変な顔をされた。
みんな、そうじゃないのかな?気に入った小説とか、
終わり近くになったら寂しくならないのか?