体のメンテナンス


 仕事をしていないと、目がさめるのが早いのだ。普段は、程よく疲れているということだ。
 朝飯も食わずに、電車に乗り込んだ。田舎者の俺は、どこに行くかわからないバスより、軌道上しか動かない路面電車のほうが、安心して乗れる。終点まで乗り、ちょっと歩いてからタクシーに乗った。
 たどり着いた病院は、診察時間までかなりあるのに、超満員だった。座る場所も無く、看護士さんが開いているスペースに椅子を運んでくれた。待ち時間を潰すのに、椎名誠の『わしらは怪しい探検隊』を持っていった。20年ぶりに読むが、ちょっとした無人島キャンプを、椎名誠独特の擬音や増量剤的文章膨らまし作戦で、一冊の本にしてあるのだが、昔読んだ当時の思い出も混ざって、それなりに楽しめた。

 超満員の割には、俺の順番は早めに回ってきた。レントゲンを撮ったら、膝間接の骨と骨の間が、かなり狭くなっていた。痛みの原因は、軟骨が磨り減って、間接が変形し始めていた。処置として、間接内にヒアルロン酸を注射した。月に二回はしたいらしいが、離島ではかなわない事だ。もう一度、膝の筋肉を鍛えなおそう。
 もうひとつ、筋肉の痛みを相談した。半年ほど前からだろうか?筋肉が、まるで筋トレをし過ぎた時のように、痛むのだ。仕事がハードだからという意見もあるが、俺自身はそれほど柔なハズが無いと信じたい。何か、炎症を起こす原因があるのかもしれないので、血液検査をしてもらった。

 2トンユニックの車検を、工場と相談した。ブレーキやクラッチの油圧系統が、すべて交換しなければならず、タイヤも6本・・・総額33万円!ユニックは、離島で大規模経営をするには、無くてはならないものだ。直すしか無かろう!

 役場に行き、機械屋さんも交えて、哺乳ロボットを起動させるための準備を、さらに煮詰めた。