an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

老いの荷風

老いの荷風

おもしろかった。
荷風の、どちらかというとあまり高く評価されない戦後の小品を丁寧に鑑賞する。東京の下町にノスタルジーを感じる方にはたまらないだろう。
戦中戦後の混乱期に荷風にかかわった人々が、歴史小説家の永井路子や、ジャズピアニストの南博、詩人の飯島耕一など私でも知っている人たちにつながっていくのが驚きだった。
人のつながりの不思議さよ。

私にとっては、永井荷風ってよくわからない不思議な人であり、またそこが魅力的である。