an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

ロスト・ケア (光文社文庫)

ロスト・ケア (光文社文庫)

ラスト近くのどんでん返しには思わず息を飲んだ。・・・そうでしたか。
謎めいたオープニングといい、巧いなと思う。

著者が人気ブロガーだった頃から知っていて(将棋ネタが好きだったな)、フツーの人にしてはえらく文章うまいなあ、何物だこの人と思っていたらプロだったというね。
罪とか罰とかいう彼が当時使っていたハンドルネームからも窺い知れるが、人間の持っている根源的な善悪について普段から考えている人のようです。善と偽善。本物と偽物。そういったところに敏感にセンサーが働く。
それが介護という現代的な素材を得て、具体的で日常的な形で表現される。

やりきれない物語ではありますが、ナイフを突きつけられるような衝撃もまた。