四コマ物語で記す うわさのウルトラ 第3記

 第3記 うわさのウルトラ怪獣のぼやきシリーズ
 この四コマ物語はあくまでうわさであり、実際にウルトラ怪獣がぼやいたわけでは
ありません。

 三代目のぼやき
 (1) 大音響と共に目が覚める。宇宙船が爆発したのだ。命からがら脱出し、や
れやれと思ったその時、殺(星)人光線スペシウムが仲間を襲う。あれは、宇宙警備
隊所属のウルトラマンだ。やつがなぜここに、なぜおれたちを…。思えば、宇宙旅行
中、母なる星が、アホの科学者の核実験で消滅して、しょげていたのに…。おまけに
ウルトラマンに襲撃され、20億3千万いた仲間のほとんどが殺されるとは…。後で調
べてわかったのだが、宇宙船から地球に、移民調査に行ったバルタン(初代)が、悪
の侵略者と勘違いされたあげく、故郷に帰れなくなって、くさっていたウルトラマン
のストレス解消のえじきとなってしまったようだ。確かにやつには口下手のところが
あった。しかしだからといって、おれたちまでこんなひどい目にあわせなくってもい
いじゃないか。
 (2) ウルトラマンに復讐するため派遣されたバルタン(二代目)がやられてし
まった。胸にはスペシウム光線の反射板、それに光波バリアーも装備したのに。しか
しやつには、カッコつけと、調子に乗るという悪いくせがあった。わざわざウルトラ
マンに挑戦状をたたきつけ、母星となったアール星までおびき寄せ、みんなにカッコ
いいところを見せようとしやがった。また、分身するとパワーが落ちるのに、分身し
て地球も一緒に攻撃なんて欲張ったことをしやがった。それに、スペシウム光線も、
八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)もいったんは跳ね返したのに、有頂天になって
スキを見せるから、ウルトラマンにやられたのだ。とにかくウルトラマンは強い。こ
れはなにか対策を立てねばならない。次はおれの番だから。
 (3) 今、メフィラス星人が怪獣軍団の結成を呼びかけている。これはチャンス
と、おれ、三代目は、ザラブ星人とケムール人を誘い、子分になるからウルトラマン
をやっつけに行こうと申し出た。メフィラス星人は、自分は紳士で暴力はきらいなん
てことをモットーとしていたが、無碍に断ると、軍団結成に支障が出るかもしれない
と、しぶしぶ応じた。しめしめ、これでなんとかなる。そう思ったおれだが、思惑通
りにはいかなかった。メフィラス星人は、とりあえずおれたち3(星)人を登場させ
たが、ウルトラマンとは、1 対 1のフェアーの精神で戦って、途中で、「宇宙人
同士戦ってもしようがない」と紳士の理屈をこね、戦いをやめてしまった。これにて
、おれたちのメンツと紳士としての自分のメンツを保ったつもりで、共に地球を去っ
てしまうはめになった。
 (4) その後、四代目ジュニアが帰ってきたウルトラマンと、五代目、六代目が
ウルトラマン80(エイティ)と戦い、名誉の戦死を遂げた。そして、戦死した面々は
英雄として祭られた。おれ、三代目は、その墓石を守る墓守となっていた。そしてい
つもぼやくのだ。「戦わずして、生き恥さらしているおれっていったい…」。

            レッドキングのぼやき
 (1) おれの名はレッドキングウルトラ怪獣の中では超人気者の怪獣だ。みん
なもおれのことはよく知っているだろ。だが、レッドなのになぜ体がイエローなのか
はしらねーだろ。初公開だ。みんなに教えてやる。実はおれの前世は、「バニラ」と
いう怪獣だった。バニラというとホワイトをイメージするだろうが、こいつの色はレ
ッド。そしてまた、こいつは弱い怪獣で、アボラスという怪獣の、吐く溶解泡に溶か
されちまった。だが、こいつには再生能力があり、生まれ変わったのがこのおれだ。
火を吐くことはできなくなったが、代わりに怪力を得た。名前も怪獣の王という意味
で、レッドキングにかえたのだ。さて、なぜおれがイエローかと言うと、再生する時
に、地面の黄色い砂が混じっちまった。それでイエローになったわけだ。でも、気が
付いたのは新しく名前を付けた後で、いちいちイエローキングと名前を変えるのもめ
んどくさいし、それでレッドキングのままにしたわけだ。なに、バニラはレッドキン
グよりも後の登場だって。それに、おまえが死んで再生したのがアボラスじゃないか
って。うるせえ!そんな難しいこと、おれにわかるか!
 そして、チャンドラーとの戦いでは、怪力をいかして楽勝。ウルトラマンとの戦い
では、持ち上げた岩を、スペシウム光線で落とされ、それが足に当たっていてて。最
後は、首投げであえなくやられちまった。
 (2) おれの名はレッドキング二代目。再生した時、前の姿と変わらなかったの
で、単純に二代目をつけた。いや、色は金色になったからかわいいだろう。ところで
、みんな、おれのことを別名「どくろ怪獣」と言っているのを知ってるか。それだけ
いかつい顔をして強いから…。最初はそう思った。だが、本当の意味はどくろのよう
に脳みそすかすかだからだとさ。悪かったな、水爆を食い物と間違えて。け、バカに
しやがって。だが、今回は地球のために戦ったんだぜ。ギガスという怪獣と共に、地
球に侵入してきたドラコという怪獣をやっつけたんだぜ。だのになぜ、よそ者のウル
トラマンに、今度は八つ裂き光燐(ウルトラスラッシュ)で殺されなきゃならねえん
だ。
 (3) おれの名はレッドキング三代目。二代目以来、10年ぶりくらいの登場だ。
ところで、今回、おれの体がなぜ青いかわかるか。教えてやろう。そもそもおれは、
本当は地底でのんびり暮すつもりだった。地上に出るつもりはなかった。ところが、
アホの魔法使いが、おもちゃの怪獣と本物の怪獣とを間違えて、おれを地上に呼び寄
せやがった。それも空気の悪い都会ときてやがる。あまりの突然のことと、空気の悪
さに、おれは体中の血が引き、青ざめた。そして、体の色が青くなったんだ。なに!
そんなバカなことはないって!てめえドラえもんをしらねえのかよ。け、むしゃくし
ゃして、まわりにある建物を壊してたら、ウルトラマン80(エイティ)とかいうやつ
が現れて、サクシウム光線でおれはあえなくおだ仏だ。
 (4) おれたちもレッドキング。だがみんな、おれたちのことをしっているか。
おれたちは正当なレッドキングとはみなされてねえ。アニメだからって、アメリカ出
身だからって、おれたちをのけ者にするな。おれは、ザウルトラマンに出たレッドキ
ング。おれはウルトラマンパワードに出たレッドキング

 もうひとつのレッドキングのぼやき
 (1) おれの名はレッドキングウルトラ怪獣の中では超人気者の怪獣だ。みん
なもおれのことはよく知っているだろ。だが、レッドなのになぜ体がイエローなのか
はしらねーだろ。初公開だ。みんなに教えてやる。実はおれの前世は、「バニラ」と
いう怪獣だった。バニラというとホワイトをイメージするだろうが、こいつの色はレ
ッド。そしてまた、こいつは弱い怪獣で、アボラスという怪獣の、吐く溶解泡に溶か
されちまった。だが、こいつには再生能力があり、生まれ変わったのがこのおれだ。
火を吐くことはできなくなったが、代わりに怪力を得た。名前も怪獣の王という意味
で、レッドキングにかえたのだ。さて、なぜおれがイエローかと言うと、再生する時
に、地面の黄色い砂が混じっちまった。それでイエローになったわけだ。でも、気が
付いたのは新しく名前を付けた後で、いちいちイエローキングと名前を変えるのもめ
んどくさいし、それでレッドキングのままにしたわけだ。なに、バニラはレッドキン
グよりも後の登場だって。それに、おまえが死んで再生したのがアボラスじゃないか
って。うるせえ!そんな難しいこと、おれにわかるか!
 そして、チャンドラーとの戦いでは、怪力をいかして楽勝。ウルトラマンとの戦い
では、持ち上げた岩を、スペシウム光線で落とされ、それが足に当たっていてて。最
後は、首投げであえなくやられちまった。
 (2) おれの名はレッドキング二代目。再生した時、前の姿と変わらなかったの
で、単純に二代目をつけた。いや、色は金色になったからかわいいだろう。ところで
、みんな、おれのことを別名「どくろ怪獣」と言っているのを知ってるか。それだけ
いかつい顔をして強いから…。最初はそう思った。だが、本当の意味はどくろのよう
に脳みそすかすかだからだとさ。悪かったな、水爆を食い物と間違えて。け、バカに
しやがって。だが、今回は地球のために戦ったんだぜ。ギガスという怪獣と共に、地
球に侵入してきたドラコという怪獣をやっつけたんだぜ。だのになぜ、よそ者のウル
トラマンに、今度は八つ裂き光燐(ウルトラスラッシュ)で殺されなきゃならねえん
だ。
 (3) おれの名はレッドキング三代目。二代目以来、10年ぶりくらいの登場だ。
ところで、今回、おれの体がなぜ青いかわかるか。教えてやろう。そもそもおれは、
本当は地底でのんびり暮すつもりだった。地上に出るつもりはなかった。ところが、
アホの魔法使いが、おもちゃの怪獣と本物の怪獣とを間違えて、おれを地上に呼び寄
せやがった。それも空気の悪い都会ときてやがる。あまりの突然のことと、空気の悪
さに、おれは体中の血が引き、青ざめた。そして、体の色が青くなったんだ。なに!
そんなバカなことはないって!てめえドラえもんをしらねえのかよ。け、むしゃくし
ゃして、まわりにある建物を壊してたら、ウルトラマン80(エイティ)とかいうやつ
が現れて、サクシウム光線でおれはあえなくおだ仏だ。
 (4) おいみんな、おれの名前を知ってるか。おれはレッドキングの兄貴分と呼
ばれている。おれはレッドキングより強い。一度は、帰って来たウルトラマンに勝っ
たんだぜ。だのになぜ、おれは任期がねえんだ。おれの名は、体の色と同じく、ブラ
ックキング。

 カプセル怪獣のぼやき 
 (1) おれの名はウインダム。メタル星出身のカプセル怪獣第1号だ。おれの親
分はウルトラセブン。いや、もろぼし だんと言った方がいいかな。

四コマ物語で記す うわさのウルトラ 第2記

 第2記(だい2き) うわさのウルトラファミリーのぼやきシリーズ
 この四コマ物語はあくまでうわさであり、実際にウルトラファミリーがぼやいたわ
けではありません。

うっかりゾフィー
 (1)地球に滞在していたウルトラマンが、ゼットンという怪獣にやられた。当時
宇宙警備隊長のウルトラの父から、ウルトラマンの救出命令が出た。うっかり言われ
るままに地球に向かったが、よく考えれば救出活動はウルトラの母の仕事で、私の仕
事はゼットンと戦うことではないのか?そして地球に到着した時には、すでにゼット
ンは地球人に倒されており、仮死状態のウルトラマンを救って母星へともどった。
 帰ってきたら、ウルトラの父から、「地球という、その体を3分間しか維持できな
い過酷な環境で、よくぞウルトラマンを救出した」と絶大な賞賛をいただいた。と、
ここまではよかったが、その功績をたたえるという名目で、自分の、宇宙警備隊長の
かたがきを、私に押しつけた。おかげで隊長としての事務の仕事が山ほど入り、元々
戦闘タイプの私は、苦手な事務の仕事に追われることとなる。そのために、セブンが
ガッツ星人に、十字架にかけられた時に、うっかり助けを出すことができなかった。
 (2) そうだった、うっかりしていた。私は宇宙警備隊の隊長だ。それならば、
事務処理を、部下に命じてやらせたり、自分自身に戦闘の命令をだすことだってでき
るのだった。それで、エースが地球に赴任する時に、ピンチになったらウルトラサイ
ンをだし、救出を求めるよう命令した。そして、やった!待望の、「SOS」のウル
トラサインが届いた。さっそうと地球に向かい、エースを救出、ギロン人とアリブン
タと言う超獣をタッグを組んでやっつけた。
 そして今度は、ブロッケンという超獣にエースはやられそうになる。しかし今度は
戦士としての維持を張ってか?ウルトラサインを贈ってこない。痺れを切らして、こ
ちらから、「たす けを 呼べ」というウルトラサインを出した…つもりが、うっか
り、「たて、うて、きれ」のウルトラギロチン使用OKのサインを出してしまった。
そしてエースはウルトラギロチンにてブロッケンをたおし、私の出番はなくなってし
まった。
 でもまたエースから、「ゴルゴダ星に集まれ」というウルトラサインが来た。初代
マンは不振に想っていたが、せっかくの出動のチャンス。うっかり、本物かどうか調
べもせず、隊長の権限を生かしてセブンも新マンもつれてゴルゴタ星に行く。だが、
これはヤプールの出したにせのウルトラサインだった。危ないところだったが、最後
は兄弟愛とエースの活躍で、九死に一生を得た。
 (3) その後しばらくして、また、エースから、「SOS」のウルトラサインが
届いた。今度は本物かどうか、実際エースがどういう状体になっているか、確認して
、他の兄弟と共に地球へ向かう。力を合わせて、ヒッポリト星人を倒さねば…。ブロ
ンズ像にされたエースを救わなければ…。と、勇んで行ったのはいいが、エースを救
出する方法について、うっかり、宇宙大学教授でもある初代マンに調べるよう、命令
するのを忘れていた。おっちょこちょいなところがある初代マンも、言われなかった
ので調べてこなかった。ブロンズ像になったエースを前に、おろおろしていると、う
っかり、初代マント共に、ヒッポリトカプセルに閉じ込められてしまった。結局加勢
に行ったつもりが、返り討ちにあって、兄弟全員がブロンズ像にされてしまう。でも
、後に、救出にきたウルトラの父のおかげで、最終的には、元にもどったエースがヒ
ッポリト星人を倒し、他の兄弟もエースに救出されることとなった。
 さすが前宇宙警備隊隊長。しかしなぜエースだけ助けたのか?後で父に聞いたら、
こう答えた。
 まず、全員助けると、戦う時にたがいをかばい合い、戦闘能力が落ちる。エースを
復活させたのは、一度ヒッポリト星人と戦っているし、ブロンズ像になりながらも、
セブン、そして私の戦う姿を見ている。それにエースは単純な性格だがら、みんなの
かたきと闘志を燃やす。さらにエースは、光線技にはたけているので、みんなを助け
る方法も、すぐまねできるだろう。まあ、1つうっかりしたのは、戦士の血が燃えて
、つい、ヒッポリト星人と戦ってしまったことかな?
 (4) 私のうっかりはまだまだ続く。あいかわらず事務処理に追われ、体がなま
っている。私の必殺技にして、ウルトラ兄弟最強の光線技とされる、M87光線も、パ
ワーダウンしている。また、M87光線は、エネルギーの消耗がはげしい。一度使うと
へとへとになる。でも、バードンタイラントと戦いでは、うっかり使ってしまい、
へとへとになったところでやられてしまった。アストラに化けたババウル星人が、ウ
ルトラきーを盗んだ時は、初代マンの「犯人はアストラだ」という言葉をうっかりう
のみにしてしまい、兄弟を連れて地球に、(にせ)アストラを追いかけ、合体光線を
放ったら、うっかり弟をかばったレオに当たってしまった。その後突然、自分の祖父
かもしれないウルトラマンキングが現れ、うっかり戦いを忘れて握手を求めてしまっ
た。そして結局この事件は、レオ兄弟の活躍にて幕を下ろす。
 こんな事が、宇宙警備隊の議事録に書けるか!後付けで、一連の事柄を正当化する
理屈を考えなければ。

ウルトラマンの言い訳
 (1) 私は、戦闘タイプのウルトラ族ではない。私は、研究者タイプのウルトラ
族である。それは、私の、宇宙大学教授という肩書きが証明している。それが、なぜ
ウルトラの父に弟子入りし、戦闘集団の宇宙警備隊に配属されることとなったのか
。これには、大きな勘違いがあった。
 私の友人ゾフィーは、戦闘タイプで、もともとかなり強かった。でも、もっと強く
なりたいと、あこがれのウルトラ戦士、ウルトラの父に弟子入りしたいと、強く思っ
ていた。しかし、腕っ節は強いものの、はっきり言って、頭は強くなかったゾフィー
ウルトラの父にどう頼んだらいいのかわからず、私に弁護を頼んだわけだ。ところ
が、ウルトラの父も、はっきり言って頭は強くない。なにを勘違いしたのか、弁護で
一緒にきた私まで、弟子入りを希望していると勘違いした。そうではないことを、懇
切丁寧に説明したが、思い込んだらもう、強くない頭は、それを理解できない。ゾフ
ィーも、私を弁護するだけの頭はない。結局私も、ゾフィーと共に、ウルトラの父
弟子入りするはめになってしまった。
 とはいえ、基本的には、私も超能力を持ったウルトラ族である。腕っ節の劣るとこ
ろは、頭でカバーする。運動力学、光エネルギー変換理論を駆使し、ゾフィーほどで
はないが強くなった。そして母国では、文武両独の光の国のスーパーマンと呼ばれる
ようになった。
 (2) 私は、地球人でいう、死刑廃止論者である。悪の存在でも、怪獣や宇宙人
をむやみに、その命を奪うのには反対である。それよりも、宇宙の墓場なる、地球で
いう、終身刑専門の刑務所のような空間を作り、そこに生かしたまま監禁する。そう
すれば、宇宙に害はなく、種の保存にもつながる。それで、私は、生け捕りにした凶
悪宇宙怪獣ベムラーを、宇宙の墓場に護送するという任務についた。
 だが、ここでも、思わぬ事態がおこった。これまでの学説から、ベムラーは、本能
的行動のみで活動する怪獣であるはずが、このベムラーには、例外的にすこし知能が
あった。監禁に使用していた青い引責型の宇宙船を、みずから操縦し、逃亡を図った
のだ。私は、赤い引責型の宇宙船で追ったが、悪いことは重なるもので、地球所属の
、ビートルという宇宙船に衝突。ハヤタという乗組員を死なせてしまった。仕方がな
いので、彼と一心同体となり、彼を復活さて、地球に逃げ込んだベムラーを追った。
 こうなればもう、動物愛護もなにもねえ!私に恥をかかせたベムラーを抹殺してや
る。また、生き恥さらして祖国に帰りたくなかったので、ベムラーは、青い宇宙船ご
と、すべしウム光線でこなごなにしてやった。
 その後、私は、地球に滞在し、怪獣退治を行ったが、ガバドンヒドラ、ウー、シ
ーボーズなど、人類に危害を与えない怪獣は別として、怪獣は処刑することにした。
 (3) 確かに、私は、ゾフィーほど強くないが、エリートの戦闘集団、宇宙警備
隊に所属している。けっして弱くない。だが、ウルトラ族が初めて経験する地球とい
う星の環境は、滞在するには、過酷な環境であった。もともと、データーがなく、し
かも突然の滞在だったので準備もなにもなく、体に大きな負担がかかってしまった。
それで、しだいにパワーダウンしていったのだ。私の必殺技、スペシウム光線も、八
つ裂き後輪(ウルトラスラッシュ)も、パワーダウンして、しだいに怪獣にきかなく
なってしまった。最後は、ゼットンという怪獣にたおされ、ゾフィーが迎えにきて祖
国に帰ることとなったのだが、本当は、生き恥さらして帰りたくなかった。それで、
自分が生命エネルギーをもらって分離したら、ハヤタが死ぬと理由づけ、帰途を拒否
したが、ゾフィーにしては用意周到で、ハヤタの分も生命エネルギーを持ってきたと
いうことで、しぶしふ祖国へ帰った。
 (4) 私は、宇宙大学教授である。けっして、まぬけでも、おっちょこちょいで
もない。ビートルと衝突したのも、ハヤタの前方不注意。怪獣ゴモラの時など、ベー
ターカプセルを落としたのも、ハヤタの管理不行き届き。怪獣スカイドンの時、スプ
ーンとベーターカプセルとを間違えたのも、科学特捜隊パリ本部の、あんぬ隊員の指
令を、だれが担当するか、そのくじ引きでインチキしたのも、ハヤタの性格だ。私で
はない。私は、宇宙大学の教授であり、清く、正しく、たくましい、正義の味方であ
る。

  ウルトラセブンのぼやき
 (1) ウルトラセブンは、二つの事で悩んでいた。他のウルトラ兄弟には、ウル
トラと名前の間に、「マン」が付く。だのになぜ、自分だけ「マン」が付かないのか
。これに対し、「わたしたちも、『マン』がつかない」と、ウルトラの父と母は言う
。でも、本名は、ウルトラマンケンに、ウルトラウーマンマリーじゃないか。「おれ
なんて、『ウルトラ』さえ付いていない」。ゾフィは言う。でも知っているぞ。密か
に別のところで、「ウルトラマン」を付けていることを。いや、今、私にも、本名と
して、「レッドマン」という名前があることになっているが、今度は「ウルトラ」が
ついていない。なぜ、「ウルトラマンレッド」にしてくれなかったのか。それに、こ
の、「レッドマン」という名前は、他のヒーローにも使い回されていて、レッド星に
は、同じ名前の、「赤い通り魔」とも言われている、やつもいるじゃないか。
 そして、もう一つの悩みが、カラータイマーが付いていないことだ。「君は、シル
バー族ではなくレッド族のウルトラ族で、ビームランプがその代わりをしている。だ
から気にすることはない」。ウルトラの、父も母もそう言うが、ではなぜ、同じレッ
ド族で、息子のタロウにはカラータイマーが付いているのだ。よし、それなら自分の
息子にもカラータイマーを…。とにかく、レッド族特有の、「ジュワッチ」というな
まりをなおさなければ。
  (2) ウルトラセブンは不満だった。ウルトラマンが、ゼットンと言う怪獣に
やられ、死にそうになった時には、ゾフィーが助けに行った。だのになぜ、自分が、
ガッツ星人という宇宙人に処刑されそうになった時、だれも助けに来てくれなかった
のか。そして、新マンが、ナックル星人に処刑されそうになった時、初代マンと共に
、ウルトラの星作戦で助け、エースが、エースキラーやヒッポリット星人と戦った時
には兄弟と共に助けに行った。さらに、タロウの時には、地球でバーベキューを楽し
むつもりが、テンペラー星人との戦いに巻き込まれてしまった。おかしい、なぜこう
なるのだ。
 いや、それだけではない。新マンには、ウルトラブレスレットを配達した。エース
の時には、バクタリという超獣を元のバクに戻したり、ファイヤー星人とファイヤー
モンスとの戦いで、重傷をおった時には、励ましに行き、オニデビルの時には、力が
抜ける赤い豆を除去する治療を行う。さらに、タロウの時には、怪獣、キングトータ
ス親子をウルトラの星まで運搬。これでは使い走りではないか。
 (3) ウルトラセブンはうれしかった。これまでの苦労が報われ、2回目の地球
赴任が決まったのだ。それも、地球人としての肩書きは、地球防衛軍MACの、隊員
ではなく隊長だ。ところが、なまりもなおしたしと、喜んだのもつかの間、最初の、
レッドギラス、ブラックギラスという怪獣との戦いで、右足を負傷。変身できなくな
ってしまった。たまたま、L77星から地球に来ていた、レオというやつを弟子にし、
怪獣退治の任務は遂行できた。だが、こいつ、光の国人じゃないのに、「ウルトラマ
ン」という姓、それに、カラータイマーが付いている。その後、ウルトラマンキング
に、こいつと弟のアストラを、ウルトラ兄弟にする仲介を頼まれる。もう、こんな役
、いや!あげくのはてには、女性隊員の気を引こうと、基地内で開いた誕生会。その
時、円盤生物シルバーブルーメに襲われて、基地は壊され、部下は死に、自分自信も
生死不明となってしまった。
 (4) 戦士としてやっと復活したのは、ウルトラマン80(エイティ)の時。でも
、それは、妄想ウルトラセブンという悪役。第1回目の赴任の時、にせウルトラセブ
ンというのと戦ったことはあるが、妄想とはなんだ妄想とは。しかし、これも戦士と
して出たのだからまだ許せる。だが、おとめ座出身の魔法使いの小娘、コメットさん
に、バトンで操られるのだけは納得できない。

郷秀樹のぼやき
 (1) おれの名は郷秀樹、カーレーサーだ。将来有望視されたおれだったが、た
っこんぐ、ザザーンという怪獣の戦いに巻き込まれて命を落としてしまった。ところ
がそこに、帰ってきたウルトラマンという、ちょっと変な名前の宇宙人が現れた。地
球で怪獣退治をしたいので体を貸してほしいというのだ。そうするとおれは生きかえ
られる。それに、意識はおれがベースとなるという条件だ。さすがは、正義を守るヒ
ーローだと、体を貸したのだが、これがそもそもの悲劇の始まりだった。住み込み先
の坂田さんと所へ帰ってきたら、おれのマシン、流星号がスクラップにされていた。
それでも夢は捨てきれず、流星2号を造ろうと申し出たら、すでに、怪獣攻撃隊MA
Tへの入隊が決まっていた。くそー、おれをはめやがったな。
 (2) やつと意志を共有したことで、いろいろなことがわかってきた。そして、
不満に思うことがふたつ出てきた。1つは、乗り移られ方。初代マンの時は、異次元
空間のような所で、幻想的に行われた。しかしおれの場合は、搬送された病院のベッ
ト。しかもその形が、バルタン星人が、科特隊の嵐隊員に乗り移るのとそっくり。こ
れはあまりにもカッコ悪い。もう1つは変身の仕方。初代マンはベーターカプセル、
セブンはウルトラアイという変身アイテムを持っていた。だのにおれには変身アイテ
ムはなく、ピンチになったら自然に変身するというこれもカッコ悪い形。それに、く
そー!てめーに体を貸したために、アニキとしたっていた坂田さんと恋人のあきちゃ
んがナックル星人に殺されてしまった。この責任どうとってくれる。
 (3) おい、どうなっているんだ。初代マンの時は、ハヤタ隊員と体を分離した
はず。だのになぜ、おれの場合は体を分離せず、そのままウルトラの星に帰る。おい
こら、話が違うぞ。ウルトラの星に帰ったとたん、なんでおまえの意志と体がベース
になる。おーい、なんてことだ。後から地球に赴任したやつらは、リングだのバッチ
など変身アイテムを持っているではないか。エースやタロウが乗り移る時は、兄弟そ
ろいぶみでお祭りさわぎかよ。こいつら二人はウルトラの父の息子で、特別扱いかよ
。いいかげんにしろ!そんなおれの声が届いたのか、やつが地球に用事がある時には
、郷秀樹の姿で登場する。といっても、エースの時はアンチラ星人が化けた姿だった
が。もう、おれはギッチョだ。化けるならちゃんと化けろ。また、タロウの時に地球
に行った時は、ドロボンという怪獣と戦うため、人間の時に東光太郎とうちあわせ。
この時は、やつがカラータイマーを取られぺしゃんこになり、いいきみだった。テン
ペラー星人にじゃまはされたが、バーベキュウを食べにモ行ったぞ。2度目のセブン
の赴任の時には、怪獣ボールを届けに行く。この時セブンは変身機能を壊されずっと
人間の姿でいたのだが、うらやましいと思った。
 (4) ウルトラの星では、よく北斗星司と話をする。彼もおれと同じく、エース
に連れ去られた人物だ。ただし、彼の恋人は月人。年をとらないし、時々デイトをし
ているようだ。だが、おれの第2の恋人は地球人。もういいおばあさんだ。最後に断
っておくが、郷ひろみのデビューが1972年1月、大河ドラマノ俳優として。西城秀樹
のデビューが同年3月、歌手として。そしておれのデビューは、1年早い1971年4月
、特撮ヒーローとして。けっしてアイドルの名前をパクったわけではない。

 ウルトラタッチ
 (1) ちょっとみんなひどいんじゃないの。私は月の女王よ。その私がなぜ地球
に追放されなきゃならないのよ。そりゃ、ルナチクスという超獣に、国をめちゃくち
ゃにされたのには責任を感じているわ。でも、私になにができたっていうのよ。それ
を対策がノータッチだからって追放しなくったっていいじゃないのよ。みてらっしゃ
い、ウルトラマンA(エース)と協力して、ルナチクスをやっつけ、必ず月の女王に
返り咲いてやる!
 (2) ちょっと星司さん、タッチは指先で、エースに変身する時に使うものよ。
それを、エースが超獣と戦っている時に、中でどさくさに紛れて私の体にタッチしな
いでよ。エースもエースよ。それを裏目で除かないでよ。そんなことだから、ちょく
ちょく超獣に負けるのよ。もう、他のウルトラ兄弟もエースを助けにきたんでしょ。
だったらあなたたちも、透視してそれを除かないでよ。いいわよもう、ルナチクスを
倒したら、ウルトラ戦士なんてやめて、とっとと月に帰ってやる。
 (3) ウルトラの父、あなたはウルトラ兄弟の父親代わりなんでしょ。だったら
その立場をもっと自覚しなさいよ。月の国の再建を援助してやる。さすがわウルトラ
の父と思っていたのに、私の体にタッチさせろなんてひどいじゃないの。エースがス
ノーギランという超獣に負けそうだ、いっしょに励ましにいこう。そしてその帰りに
私の体にタッチしないでよ。モチロンの時もそうよ。援助したからって人の弱みにつ
けこんで、このスケベじじい!もういいわよ。援助なんていらないわ。ウルトラの母
に言いつけてやる!
 (4) ちょっと、いいかげんにしなさいよ。月の女王、やよいって誰なのよ。怪
獣キララってなんなのよ。「月に人はいない」ってどういうことなのよ。ウルトラ族
と手を切ったからって、手のひらを返したように、なによこの設定は。じょうだんじ
ゃないわよ!月の女王は、私南夕子よ!責任者は全員出てらっしゃい。みんなまとめ
て、あなたたちのほっぺたに、往復ウルトラタッチよ!

タロウのつぶやき
 (1) ぼく、ウルトラマンタロウ。パパは、ウルトラノ父。初代宇宙警備隊の隊
長。ママはウルトラノ母。今も現役で、銀十字軍の隊長をしている。そして、パパも
ママも、体が銀色のシルバー族。だのになぜ、ぼくは体の赤いレッド族なの?確かに
、死んだおばさんも、勇士指令部長のおじさんも、いとこのウルトラセブンもそのお
姉さんもレッド族だけど。だったらなぜママはシルバー族なの?
 それに、ぼくがレッド族なら、なぜカラータイマーが付いているの?セブンや息子
のゼロのように、なぜ頭のスラッガーが使えない設定なの?おでこのビールランプか
ら出る光線は、セブンはエメリウム光線なのに、ぼくのはなぜヒーロー光線なの?な
ぜぼくのは、まだ未使用なの?なぜ使わせてくれないの?シルバー族のエースだって
、ビームランプのウルトラスターからパンチレーザーを使ったことがあるのに、なぜ
ぼくだけ使わせてくれないの?
 (2) パパもママもシルバー族だけど、戦闘能力はすぐれている。そしてぼくは
、戦闘タイプのレッド族。デモ、本当は、戦うことは好きじゃないんだ。みんなと交
流して、ワイワイ楽しむのが好きなんだ。でも、パパとママに言われて、ウルトラ兄
弟の6番目にさせられて、地球に行くことになっちゃった。でも、やっぱり、戦いは
好きじゃない。だから、怪獣との戦いも気合いが入らない。それで、怪獣ライブキン
グには腕を折られるは、再生デッパラスには、キバで串刺しされるは、エンマーゴに
は首をすっ飛ばされるは、散々な目にあっちゃった。でも、だいじょうぶ。ぼくの心
臓はウルトラ心臓と言って、とても再生能力が強いんだ。でも、その心臓を、バード
ンという怪獣に食いちぎられた時には、ままに助けてもらったけどね。ああ、でも、
「もっと気合いを入れて戦いなさい」とママにしかられちゃった。
(3) でも、やっぱり、楽しくやるのが好き。断末魔に子ガニを排出したカニ怪獣
ガンザ。これは駆除せずに、成長停止光線で、食用のカニと同じ大きさに抑えて、カ
ニ料理。ムルロアという怪獣が、地球を闇に覆った時には、ウルトラベルをとりに里
帰り。ペット怪獣のラビドッグも出迎えてくれた。そしてお兄さんたちと一緒にウル
トラベルを運搬して、
 「地球は今、暗闇の中、ウルトラベルを、鳴らすのはぼくたち」
 で、地球を救う。
手伝ってくれたお兄さんたちには、後でお礼に、地球でバーベキューパーティーを催
した。
 地球のおもちを食べたいからと、わざわざ月からやってきた怪獣モチロン。おしお
きを口実に、モチロンをうすにして、パパともちつきをしたのは、勿論楽しかった。
 ああ、やっぱり戦士なんてやってられない。それでぼくは、ママにお願いして、戦
士をやめて地球人として生きることにした。ZATもやめて、ボクサーに専念するぞ
ババルウ星人が、ウルトラノ星、地球を危機に陥れても、ぼく、しーらない。
 (4) でも、やっぱりぼくは、パパとママに弱い。お兄さんたちが仕事で、長期
の出張に出た。それで、ウルトラノ星にもどってこいと言われた。いやだったけど、
仕事は戦士として戦うことではなく、その戦士を育成する教官職だともいわれたので
、帰ることにした。デモ、まあ、教え子で、地球に赴任したウルトラマンメビウス
危なくなった時には、戦士として戦ったけどね。そしてやっと一段落…と想ったら、
ぼくはいつのまにやら人形にされていた。でも、人形だから、みんなぼくと遊んでね

 ウルトラマン80(エイティ)のぼやき
 (1) ウルトラマンエイティは不満だった。そもそも地球への赴任は、ウルトラ
兄弟の称号を受けた者が、その栄誉として与えられる名誉ある職務のはずだった。と
ころが、怪獣が強いのか、先輩たちがだらしなかったのか、たびかさなる、命を落と
しかけた戦い、二回目に赴任したセブンの大事故。それに、ウルトラ一族でないレオ
ウルトラ兄弟に加盟してから状況が変わった。今、地球への赴任は、ウルトラ兄弟
候補生の一つの修行の場にすぎなかった。   
 (2) エイティは納得できなかった。先輩たちは人間体の時、正規採用で、時の
地球防衛軍に所属していた。だのになぜ自分は、本職が学校の先生で、防衛軍隊員は
非常勤なのか。先輩の中には、風来坊とか、パン屋のにいちゃんとか、そんな立場の
人もいた。だのに、自分は学校の先生という社会的地位も高い職種ナノニ、なぜ正規
採用されなかったのか。マタ、学校の先生とイッテモ中学校だ。思春期の学生は対応
がムズカシク、悪いことをしたからって、怪獣のように、コテンパンにやっつけるわ
けにもいかない。ある意味で、怪獣よりやっかいな相手だ。だからもう、学校は休職
して、非常勤でも隊員に専念することにした。
 (3) エイティは愕然とした。せっかく、学校に長期休暇をもらい、これで地球
防衛軍、UGMの隊員に専念し、一生懸命がんばろうと思っていたのに、いったいこ
の組織はなんなのだ!大山隊長、以東チーフは、職務中におおぼけをかます。それに
いやけがさしたのか?原田、田島両隊員が転勤願いを出し、突然オーストラリアに赴
任。怪獣にしても、ジヒビキランとか、イダテンランとか、ふざけた怪獣が出てくる
。そこに、方補正として派遣された自分っていったい…。



 (4) エイティはたまらなかった。ウルトラの星の姫様、ユリアンが地球にやっ
てきたのだ。その目的は自分を連れ戻すこと。だが、本当は、親とケンカして家出し
て、幼なじみの自分を頼ってきたのだ。それで、ちゃっかりUGMの見習隊員として
地球にいすわりやがった。それに、こいつ、とんだお嬢様で、地球人の前で平気でウ
ルトラの超能力を使いやがる。おかげで、ごまかすのに必死になるは、ユリアンに指
導をしなければならないは、おれは、お嬢様の守をするために地球に来たんじゃない
ぞ!あげくのはてには、自分がエイティだということが隊長にバレてしまう。最後は
、カッコよく怪獣を倒して、ウルトラの星に帰りたかったのに、隊長がへんな気をき
かせて、「地球は地球人が守る」と言って、UGMだけで怪獣を倒してしまった。最
後、戦わずして、ユリアンを守しながら、帰る自分。ウルトラ兄弟への昇格はどうな
るんだ?

  この、トラ息子が
 (1) 突然、ウルトラマンからウルトラの父に、しばらく、地球という星に滞在
するとのメッセージが届いた。この時、ウルトラマンは、怪獣ベムラーを、宇宙の墓
場に護送するという任務についていた。だが、そのベムラーに逃げられ、追跡中に地
球所属の宇宙船に衝突。自分が乗っていた赤い隕石形の宇宙船が壊れ、帰れなくなっ
たと言うのだ。地球は、ウルトラ族が住むには、過酷な環境であり、その体を維持で
きるのはせいぜい3分だ。それに、ウルトラマンは宇宙大学の教授の肩書きも持って
おり、修理ができるはず。しかし、ウルトラマンの言うことには、壊れた宇宙船は、
偶然近くにあった時空の切れ目に入り込み、行方がわからなくなったとのこと。「そ
れならば、ベムラーが奪った宇宙船を奪い返し、帰ってくればいい」と父が言うと、
今度は、それは、ベムラーを退治する時、スペシウム光線で一緒にこなごなに壊して
しまったと言う。「だったら、ゾふぃを迎えに出す」と、また父が言うと、この衝突
事故で、ハヤタという地球人を死なせてしまった。たまたま、新開発のベーターカプ
セルという機器を持っていたので、これにより、ハヤタと一心同体となり彼を生き返
らせる。あわせて、地球に滞在することも可能になり、罪滅ぼしとして、地球人をを
襲う、怪獣や侵略宇宙人を退治したいと、頑としてもどることを拒否した。父は、も
う説得するのがバカバカしくなり、それ以上言うのをやめた。
 実は、ウルトラマンの本意はそうではなかった。戦いに明け暮れる日々から逃れ、
地球でバカンスを楽しみたかったのだ。しかし、ウルトラ族としては初めての試みで
あり、その過酷な環境から、ウルトラマンは徐々にパワーダウンしていった。そして
ゼットンという怪獣にやられて、ウルトラマンは、ゾフィーに連れ戻された。
 (2) 突然ウルトラセフンから、しばらく、地球という星に滞在するとのメッセ
ージが届いた。この時、ウルトラセブンは、恒点観測員という任務についていた。だ
が、地球に来た時、その地球が、多くの侵略宇宙人に狙われていることを知り、助け
ると言うのだ。地球は、ウルトラ族が住むには、過酷な環境であり、しかも、カラー
タイマーを装着していないセブンにとっては、パワーダウンして命も危なくなりかね
ない。「バカなことを言わずに、仕事を続けろ」と父が言うと、ウルトラマンに、ウ
ルトラアイという変身アイテムを造ってもらった。これを使えば、地球人の姿になれ
る。かつ、セブンにももどることができる。そう言って話をセブンの方から切った。
 実は、ウルトラセブンの本意はそうではなかった。戦いに明け暮れる日々から逃れ
、地球でバカンスを楽しみたかったのだ。しかし、ウルトラマンの場合は、まだ理屈
があった。でも、セブンの場合は、あまりにも身勝手だ。激怒した父は、セブンがガ
ッツ星人に十字架にかけられた時も助けを出さなかった。また、ウルトラマン同様、
パワーダウンして、命の危険にさらされた時も、恒点観測員の上司を通じて、迎えを
出さず、セブン自信のワープ能力で帰ってくるようにしむけた。
 (3) 突然、宇宙警備隊に入ったばかりの、実の息子、ウルトラマンタロウから
、地球に滞在し、怪獣や侵略宇宙人から、人類を守りたいとの話が出た。胸には、ワ
ープを可能にする新型のカラータイマーが付いていた。それでも、地球上で、その体
を維持できるのはせいぜい3分である。「バカなことを言うな」と、ウルトラの父
、タロウをしかった。と、そこへ、先輩の帰ってきたウルトラマンと、ウルトラマン
A(エース)が、これまた新型のカラータイマーを付けてやってきた。そして、確か
に地球に滞在するには、まだデーターが足りない。そこで、自分たちが、データーを
集めるという目的で、先に滞在すると言い出した。
 実は、3戦士の本意はそうではなかった。初代マン、セブン同様、戦いに明け暮れ
る日々から逃れ、地球でバカンスを楽しみたかったのだ。
 結局、新マンは、アイテム無しで変身すること、エースは、体を二つに分離して、
2人の人間に乗り移り、変身するという実験も行い、しばらく地球に滞在することと
なった。また、父も、いったい地球がどんな所かと、2回訪れる。
 そして、満を持して、実の息子のタロウが地球に滞在することとなった。期間は、
先輩たちと同じ1年間。ところが、間際になって、地球人として永住したいと言いだ
した。これにたいし、息子にあまいウルトラの母は、承諾して、変身アイテムのウル
トラバッチを回収した。一方父は、義理の息子だけでなく、実の息子の、この身勝手
な態度に激怒した。そして、この後は、地球にウウトラ兄弟を派遣しないことを決め
た。
 (4) ところが、それを決めたばかりなのに、セブンがまた、恒点観測員の仕事
をほっぽらかして、地球に滞在した。また、セブンになると、体にダメージがくるの
で、今度は、たまたま地球に住んでいた、ウルトラマンレオを弟子にして、戦いの方
はそっちに任せた。その後には、実習生のウルトラマン80が、幼なじみのウルトラノ
星の姫様、優里案を使って、実習地を地球に仕向ける。またまたその後には、平の宇
宙警備隊員、ウルトラマンパワードウルトラマンマックス地球へ…。「このドラ
、いやトラ息子どもが!」。ウルトラの父は怒りまくった。

 ** トラ息子とは、どら息子と、ウルトラの息子の略を、引っかけた造語。

四コマ物語で記す うわさのウルトラ 第1記

四コマ物語で記し、うわさのウルトラ
                                 如月 文実

 前書き

四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポーツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。そしてここでは、ウルトラでま
とめてみました。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして四コマ物語ワールドを作ってみま
せんか。

 第1記(だい1き) うわさのウルトラファミリーシリーズ
 この四コマ物語は、あくまでうわさであり、実際のウルトラファミリーとは関係あ
りません。

 うわさのゾフィー
 (1) ウルトラマンが破れた。当時、宇宙警備隊員だったゾフィーは、上司の命
令で急遽、地球に向かうことになった。地球は青く、とても美しい星だった。「ウル
トラマンのやつ、こんな美しい星に滞在してやがったのか」。初めて見る地球に、ゾ
フィーはウルトラマンが少し羨ましくなった。ゾフィーが地球に降りたった時、ウル
トラマンを倒した、ゼットンという怪獣は、すでに地球人の手で始末されていた。ゾ
フィーは、瀕死のウルトラマンを介抱し、無事ウルトラの星に連れ帰った。
 (2) ウルトラマンを入院させた後、ゾフィーは、上司のウルトラの父に、地球
に滞在させてくれと頼んだ。しかし、ゾフィーは、宇宙警備隊の隊長に昇格すること
が決まっており、長期の出張は困ると、父に問い質された。この後、地球には、ウル
トラセブン、帰ってきたウルトラマンが出張し、地球に長期滞在をするのだが、引き
継ぎの間も、長期がだめなら、せめて短期でも出張させてくれと父に嘆願した。
 (3) そして、引き継ぎが終わり、宇宙警備隊の隊長としての権限を得て、ウル
トラマンA(エース)が地球に赴任した時から、ゾフィーは、自分自身に、短期出張
の許可を出した。最初の、アリブンタとギロン人との戦いの時は、エースとタッグを
組み、
カッコよく仕事ができた。ヤプールの操る、エースキラーの時は、不覚にも、十字架
に張り付けにされたが、エースと巨大ヤプールとの決戦の時にはリメンジしてやった
。だが、ヒッポリット星人の時には、ブロンズ像にされ、さんざんなめにあったので
、ドリームギラスの時にはちょっと顔を出すだけにしておいた。また、ウルトラマン
タロウが赴任した時には、タロウの敵討ちと、カッコよく、バードンにいどんだが、
返り打ちにあい、海王星でのタイラントの戦いでも負けてしまいさんざん。いやけが
さしたゾフィーは、その後は、隊長職に専念し、セブン(2回目)やエイティが地球
に滞在した時には、単独で助けに行くのをやめた。
 (4) このうわさをききつけたゾフィーは、急遽、円谷プロと共に記者会見を行
った。そして、このうわさは、怪獣軍団の作ったデッチあげであり、事実無根である
ことを強調した。

 うわさのウルトラマン
 (1) ウルトラマンは喜んだ。ベムラーと言う怪獣を、宇宙の墓場へ護送中、宇
宙大学教授の就任通知が届いたのである。ウルトラマンは、自分にコンプレックスを
持っていた。強いヒーローになろうと、友達のゾフィーと共に、ウルトラの父に弟子
入りしたのだが、ドンドン実力を上げていくゾフィーに比べ、のびなやんでいた。ゾ
フィーには、次の宇宙警備隊の隊長の席が約束されている。これにたいしウルトラマ
ンは、後輩のセブンやエースにも、戦闘能力では、追い越されてしまった。力で張り
合ったのでは自分に勝ち目はない。そう悟ったウルトラマンは、宇宙大学享受という
肩書きを得ることで、他の頭はよろしくない同僚と張り合おうとしたのだ。
(2) と、その時、警報が鳴った。なんとベムラーが、青い引責型の宇宙船を乗
っ取り逃げ出したのだ。そう、電報が届いたのは、ちょうどベムラーをオリに閉じこ
めようとした時だった。ウルトラマンはあまりのうれしさに、うっかり鍵を閉めるの
を忘れていたのだった。ベムラーは、怪獣とはいえ、小学校6年生くらいの知能はあ
った。適当にスイッチを押して、みごと宇宙へ脱出した。ウルトラマンは、赤い宇宙
船でベムラーを追いかけた。
 (3) しかし、銀河系内、太陽系第3惑星付近で、やっとベムラーに追いつきか
けた時、ウルトラマンはまたドジをしてしまった。地球所属のジェットビートルとい
う宇宙船に謝って激突し、自分の宇宙船を壊しただけでなく、ジェットビートル乗組
員のハヤタ隊員の命をあやめてしまったのであった。結局ウルトラマンは、地球にて
ベムラーを宇宙船ともども葬ったのだが、罰として、ハヤタ退院に命を預け、1年
間(実際には、ぜっとんという怪獣に負けて9ヶ月間だったが)地球にとどまり、怪
獣退治をすることを命じられた。
 (4) このうわさを聞きつけたウルトラマンは、急遽、円谷プロと共に記者会見
を行った。そして、このうわさは、怪獣軍団の作ったデッチあげであり、事実無根で
あることを強調した。

うわさのウルトラセブン
 (1) ウルトラマンの家に、突然、ウルトラセブンが押し掛けてきた。最近、ウ
ルトラマンが開発した新兵器、ウルトラブレスレットをわたせと言うのだ。聞くと、
今、地球に赴任している帰ってきたウルトラマンが、ベムスターと言う怪獣と戦って
いる。ベムスターは、とても強い怪獣で、とうてい、帰ってきたウルトラマンには勝
ち目はない。そこで、ウルトラブレスレットをわたし、援護したいと言うのだ。この
申し出に、ウルトラマンは最初、難色を示した。ウルトラブレスレットは、自分の弱
さを補うために、自らが開発した新兵器だ。それを、ウルトラの兄弟とは言え、他の
者のために使いたくはなかった。それに、だったらなぜ、ゼットンと言う怪獣に負け
そうになったところで、なぜ自分を助けてくれなかったのだと言う不満もあった。し
かし、その心理を逆手に取ったセブンの、「自分が強くなりたいがために、弟を見殺
しにするのか。」「もしかして、自分がゼットンと戦った時、援護をしてもらえなか
ったことをひがんでいるのでは…。」と言う言葉に、なにも反論できなくなり、ウル
トラマンはしぶしぶ、ウルトラブレスレットをセブンにわたした。
 (2) セブンが地球に向かっている時、ちょうど、ベムスターにコテンパンにや
られた帰ってきたウルトラマンが、パワーを得ようと、太陽に向かっているところだ
った。セブンは、「これを使えば、いかなる宇宙怪獣とも互角に戦える」と、ウルト
ラブレスレットを帰ってきたウルトラマンにわたした。そしてそれは、ウルトラマン
が作り、託したことを伝えた。帰ってきたウルトラマンは、ウルトラマンに感謝した
。その後セブンは、ぼそごそ耳打ちし、ウルトラの星へ帰った。この後、帰ってきた
ウルトラマンが、ウルトラブレスレットを使い、ベムスターを倒したことは言うまで
もない。
 (3) 1年間の任期を終え、帰ってきたウルトラマンは、無事ウルトラの星に帰
ってきた。帰ってきたウルトラマンは、ウルトラマンとセブンに感謝し、セブンは、
ブレスレットを託したウルトラマンを、おもいっきりよいしょした。このため、ウル
トラマンもセブンをよいしょせざるを得なくなった。また、次に赴任したウルトラマ
ンA(エース)については、単独で3回助けに行く。こおして、両ウルトラマンとエ
ースの信任を受けたウルトラセブンは、ウルトラの父と隊長のゾフィにひとつの提案
をした。それは、もう1度、地球に赴任することだった。セブンには、ひとつの思い
があった。それは、地球でわかれた女、アンヌと再会することだった。セブンは、地
球に赴任するとすぐ、ケガを理由に、怪獣退治をさぼり、たまたま、地球に移住して
いた、ウルトラマンレオにその代役を勤めさせた。そして、その間、マックの隊長を
片手間に、わかれた女を捜し、もう、子持ちになっていたが、望みどおり、女と再会
することができた。
 (4) このうわさを聞きつけたウルトラセブンは、急遽、円谷プロと共に記者会
見を行った。そして、このうわさは、怪獣軍団の作ったデッチあげであり、事実無根
であることを強調した。

 うわさの帰ってきたウルトラマン
 (1) ウルトラマンのユニフォームに、赤い線を1本付け加え、ズボンの模様も
、ださいバミューダーから、トランクスにして、帰ってきたウルトラマンは、地球に
赴任することとなった。地球に赴任中、彼が体を借りた男の名は、「郷 秀樹」。彼
の体を借りた理由は、表向きには、この男が、勇敢な青年だからとなっているが、実
はそうではない。本当の理由はふたつある。ひとつは、アイドルデビューまじかい、
「郷 ひろみ」、「西城 秀樹」を合わせたような名前だったから。もうひとつは、
彼にはすでに、女がいたからである。 
 (2) こうして、帰ってきたウルトラマンは、正義の味方として、怪獣退治をす
るかたわら、人間である時、職場においては、職場の女と、私生活の場においては、
私生活の場の女と、イチャイチャして楽しい時を過ごした。キングザウルス三世と言
う怪獣が出た時は、あやうく、私生活の場での女の弟に、ふたまたをかけていること
がバレそうになったが、なんとかごまかした。
 (3) しかし、正義の味方が女にうつつをぬかしていたのでは、そこに必ずすき
ができる。案の定、ナックル星人という宇宙人は、そのすきをつき、私生活の場での
女を暗殺し、心の動揺を誘った。そして、ブラックキングと言う怪獣と共に、一度は
帰ってきたウルトラマンを倒した。この後、ウルトラマンと、ウルトラセブンに助け
られ、ナックル星人とブラックキングを倒したのはいいが、帰ってきたウルトラマン
の悪いくせはなおらなかった。その後すぐ、私生活の場で新しい女を見付け、また、
ふたまたかけて、楽しい時を過ごした。そして、帰還直前に、新しい私生活の場の女
の夢の中に侵入し、そこで、とりあえず、結婚式をあげてから、ウルトラの星に帰っ
て行った。
 (4) このうわさを聞きつけた帰ってきたウルトラマンは、急遽、円谷プロと共
に記者会見の席をもうけた。そして、このうわさは、怪獣軍団が作りあげたデッチあ
げであり、事実無根であることを強調した。

 うわさのウルトラマンA(エース)
 (1) 帰ってきたウルトラマンが、ウルトラの星に帰還するやいなや、宇宙警備
隊本部は、おおもめにもめた。次に地球に赴任することになっていたウルトラマン
ースが、体を借りる人間に、女を選んだのだ。「体を借りるのに、男女差別をしては
いけない。」と言うのが、エースの理屈であったが、その魂胆はみえみえである。こ
れにたいし、やろうに体を借りて地球で生活していた、ウルトラマンと帰ってきたウ
ルトラマンは、「か弱い女性の体を借りたのでは、パワーがでない」と言う理屈で猛
反発した。これにたいしエースは、「体を借りる女性は、実は月星人で強く、問題は
ない」と反論した。結局この議論は、ウルトラの父が中に入り、エースの体をふたつ
に分離し、もう一方は、ださいパン屋のにいちゃんの体を借りると言うことで決着し
た。
 (2) しかし、1人の人間の中に入るのならともかく、体を分離して、2人の体
の中に入るとなると、本当にパワーが落ちてしまう。実際、ドラゴリーと言う超獣と
戦った時は、一時仮死状態となり、ブロッケンと言う超獣と戦った時は、兄弟たちに
、ウルトラサインを送ってもらい、かろうじて勝った。また、ギロン人とアリブンタ
と戦った時は、ゾフィーの援助を受け、エースキラーと戦った時は、他の4兄弟の援
助を受けた。そして、当面の敵、巨大ヤプールとの決戦では、またゾフィーの助けを
受ける。特に、ヒッポリト星人という宇宙人と戦った時には、他の兄弟だけでなく、
ウルトラの父まで、一時仮死状態にさせてしまったので、非難囂々となる。これにた
いしエースは、「自分が戦っているのは、怪獣よりも強い超獣だから」と言う理屈で
反論した。しかし、それは認められず、体を借りた月星人のかたきである、ルナチク
スと言う超獣を倒したのをきっかけに、月の女を月に帰し、ださい、元、パン屋のに
いちゃんの体だけを借りることとなってしまった。
 (3) 住みごこちのよい女の体から出たことで、エースは、完全にやる気をなく
してしまった。バクタリ、ファイアー星人と、ファイアーモンス、オニデビルと戦っ
た時には、セブンが援助し、ドリームギラスと戦った時は、ゾフィーが援助し、スノ
ーギランと戦った時は、ウルトラの父が、分かれた月の女までつれて励ましたが、や
る気はでない。あげくのはてには、人間の子供たちに、自分がウルトラマンエース
あることを、自らばくろして、さっさとウルトラの星に帰った。
 (4) このうわさを聞きつけたウルトラマンエースは、急遽、円谷プロと共に記
者会見の席をもうけた。そして、このうわさは、異次元人ヤプールが作りあげたデッ
チあげであり、事実無根であることを強調した。

 えんまとウルトラ兄弟
 (1) えんま大王が、いつものように実務を行っていると、そこに、ひょっこり
ウルトラマンがやってきた。「どうしたんだい。強い正義の味方のきみが、こんな
ところに…」。えんま大王が聞くと、「いやあ、地球で、ゼットンと言う怪獣にやら
れちゃって…」。と、ウルトラマンはてれくさそうに答えた。正義の味方とは言え、
あれだけたくさんの怪獣と戦っていれば、たまには負けることもあるか。えんま大王
も納得して、天国へ行く手続きを進めた。と、その時、現世から、ウルトラマンを呼
ぶ声が聞こえてきた。それは、ゾフィーであった。ゾフィーは、ウルトラマンに、「
いきかえらせてやるから帰ってこい」と、ウルトラマンを誘った。喜んだウルトラマ
ンは、あの世からこの世へともどっていった。
 (2) それから数年後、えんま大王が、いつものように実務を行っていると、そ
こに、ひょっこり、帰ってきたウルトラマンがやってきた。「どうしたんだい。強い
正義の味方のきみが、こんなところに…」。えんま大王が聞くと、「いやあ、地球で
、ナックル星人という宇宙人と、ブラックキングと言う怪獣にやられちゃって…」。
と、帰ってきたウルトラマンはてれくさそうに答えた。この時、えんま大王は、ちょ
っといやな予感がしたが、「ゾフィーには、あの時、きつくしかっておいたので、そ
んなことはないだろう」と、天国へ行く手続きを進めた。と、その時、現世から、帰
ってきたウルトラマンを呼ぶ声が聞こえてきた。「おーい、帰ってきたウルトラマン
、いきかえらせてやるからもどってこい」。「いやあ、えんま大王様、おひさしぶり
」。それは、ゾフィーではなく、ウルトラセブンウルトラマンであった。喜んだ帰
ってきたウルトラマンは、文字どおり、あの世からこの世へと帰っていった。
 (3) 次の年、今度は、えんま大王の所に、「いやあ、ヒッポリト星人にやられ
ちゃって…」。と、ウルトラマンA(エース)がやってきた。そして、そのすぐ後に
、霊界をさわがせた、あの兄弟たちが、ぞろぞろやってきた。「その節はどうも」。
「また、きちゃいました」。兄弟たちは、それぞれ挨拶をした。「今度は兄弟そろっ
てきたのだから、だいじょうぶだろう」。と、思いつつも、えんま大王は、やはり、
いやな予感がしながら、天国行きへの手続きを進めた。そして、その予感は、しばら
くしてから的中してしまった。現世から、ウルトラの父の声が聞こえてきたのである
。「おーい、エース、私の命をやるから、ヒッポリト星人をやっつけてこい」と、ウ
ルトラの父は、エースを呼んだ。喜んだエースは、父と交代で現世にもどった。しか
し、この処置に、他の兄弟たちは、「なぜ、エースだけをいきかえらせたのだ」と、
父に、激しく抗議をした。しかし、そこはさすがに父であるウルトラ、エースにこっ
そり、他の兄弟たちをいきかえらせる方法を教えていた。そしてすぐ、兄弟たちも、
あの世からこの世へともどっていった。
 (4) この一連の騒動に、えんま大王は怒った。いくら正義の味方だからと言っ
て、簡単にいきかえらすなと父を怒鳴りつけた。しかし そこはさすがに父のウルト
ラ、「その代わり、とうぶん私がここに残りますから」と、えんま大王をなだめた。
その言葉どおり、ウルトラの父は、しばらくの間えんま大王の所に居座り、クリスマ
スのころに、いきかえって行った。かんかんになったえんま大王は、ちょうど、地獄
で映画をとっていた円谷プロに文句を言った。

 うわさのウルトラ親子
 (1) 平和を愛するはずの、ウルトラの父と母が、この日は珍しく、夫婦ゲンカ
をしていた。ことの発端は、一人息子のウルトラマンタロウを、怪獣退治のため、地
球に赴任させるかどうかであった。父は、学校出たてのタロウには、まだ荷が重すぎ
ると言う理屈で反対した。これにたいし母は、かわいい子には旅をさせろと言う理屈
で、猛烈に賛成した。結局タロウは、地球に赴任することになったのだが、父は、あ
れだけ、一人息子のタロウのことを、大切にしていた母が、猛烈に地球に赴任させよ
うとしたのか。その理由がわからなかった。    
 (2) さすがにタロウは、ウルトラの父の実の息子であった。出てくる怪獣たち
を、ほとんどあぶなげなく、たった1人で退治した。また、どう言うわけか、出てく
る怪獣たちも、デッパラスとか、オカリヤンとか、ふざけたような怪獣も多かった。
そんなおり、月から、モチロンと言う、ウスに似た、これまたふざけた怪獣がやって
きた。こいつが月から地球に来た理由もふざけていて、地球侵略とか、人類の滅亡と
か、そう言う、カッコいい理由ではない。地球のおいしいモチを食べたかったからだ
った。そんな、わざわざ、地球までモチを食べにこなくても、月の世界にも、おいし
いモチはあるだろうと、タロウが言うと、地球には、月の世界よりも、何十倍もおい
しいモチがあると、ウルトラの母からキいたと言う。そのうちに、前回、地球に赴任
していたウルトラマンA(エース)に、一時、体を貸し手いた、月の女がモチロンを
月へもどすためにやってきた。そして、どう言うわけか、ウルトラの父まで現れた。
結局、モチロンは、バツとして、ウスとなり、ウルトラの父とタロウで、モチをつく
ことで、この事件は解決した。
 (3) 事件が解決し、父が、地球を離れるやいなや、突然、ウルトラの母が現れ
た。「あなた、宇宙をパトロールするって言ったくせに、あの、月の女と、いままで
なにをしていたの!」。父は、母の鋭いつっこみに、「いや、あの、タロウを助けに
行こうとしたら、たまたま、あっただけで…」と、たどたどしく答えた。「うそ!タ
ロウが、あんなふざけた怪獣に負けるわけがない。あなた、うわきしてたでしょ」。
「なっ、なにを言う。かりにも私は、ウルトラの父だぞ」。と、そこへ、息子のタロ
ウがやってきた。「おやじ、しらばっくれたってだめた。あの月の女が、すべて白状
した。ネタはあがってるんだぞ」。「この前、エースがスノーギランにやられそうに
なった時、助けに行ったわね。その時、あの女といっしょだったので、どうもおかし
いと思ったのよ」。 こうして、父のうわきは暴かれた。
 (4) このうわさを聞きつけたウルトラの父は、急遽、円谷フロと共に記者会見
の席をもうけた。しかし、母と息子の姿はなかった。

うわさのウルトラマンレオ
 (1) しし座、L77星の王子、ウルトラマンレオには、一つの大きな夢があっ
た。それは、宇宙戦士のあこがれのまと、ウルトラ兄弟に加盟することだった。その
一つの手段として、レオは、多額の運営資金を、宇宙警備隊に融資していた。しかし
、現実は厳しく、なかなかきっかけがつかめない。それにはっきりとした規定はない
が、ウルトラ兄弟は、ウルトラの星の出身者でなければならないと言う、暗黙の了解
があるようだ。今の構成メンバーが、それを物語っている。通常の手段ではとてもウ
ルトラ兄弟にはなれない。レオはそう悟った。
 (2) レオは、悪徳商(星)人である、マグマ星人にワイロを送り、たまたま地
球に赴任してきた、ウルトラセブンを襲わせ、その変身機能を失わせた。そしてそこ
に自分が現れ、セブンを師匠と崇め、代わりに怪獣退治を引き受けた。また、ウルト
ラ俗のドン、ウルトラマンキングにもワイロを送り、ウルトラマントをレンタルして
もらったりして、コネを作った。
 (3) そして、最後の仕上げとして、レオは、暗黒宇宙の支配者、ババルウ星人
にワイロを送り、ウルトラの星の惑星軌道を制御する、ウルトラキーを盗ませ、ウル
トラの星をパニックに陥れた。そして、そのババルウ星人を、(八百長で)やっつけ
、ウルトラの星を救った功労者の肩書きを獲た後、ウルトラマンキングにも圧力をか
けてもらい、レオはみごと、ウルトラ兄弟に加盟することができた。
 (4) このうわさをききつけたウルトラマンレオは、急遽、円谷プロと共に記者
会見を行った。そして、このうわさは、マグマ星人の作ったデッチあげであり、事実
無根であることを強調した。

うわさのウルトラマン80(エイティ)
 (1) ウルトラ兄弟になるために、一人のウルトラ戦士が地球にやってきた。そ
の名はウルトラマンエイティ。年齢8000歳の、青春している若者だ。地球人からすれ
ば、この年齢は、仙人もかなわない大年寄りかもしれない。しかし、あのウルトラマ
ンより、12000歳も若い。若い時は、なんにでも挑戦したいもの。通常なら、常勤で
入るはずの、地球防衛軍(UGM)も、非常勤にして、中学校の先生もすることにし
た。そして、お役目たる、防衛軍隊員として、あるいは、ウルトラ戦士として怪獣と
戦うかたわら、学校では、5時までは、ぴちぴちの女生徒や腕白の男生徒、5時から
は、同僚の女教師と青春の火を燃やした。
 (2) そんな不良生徒を見て、ウルトラの星から「もっとまじめにやれ」という
、ウルトラサインが届く。エイティはしぶしぶ、UGMの隊員に専念することにした
。しかし、そこは燃える若者、ウルトラマンエイティ。今度は、同僚の女隊員と青春
の日を燃やす。また、ボランティアという形で、小学生への指導にも燃え、実習では
、怪獣との戦いでも、なにか新しいことにチャレンジしたいと、ジヒビキランという
怪獣とは、すもうをし、イダテンランという怪獣とは、かけくらべなどをした。この
、あまりにも不真面目な態度に、見かねたウルトラの父は、水から出向いてアドバイ
スをする。
 (3) 突然、ウルトラの星から、王女のユリアンがやってきた。どうやら、ウル
トラの落ちこぼれ実習生を連れ戻しにきたらしい。だが、所詮こいつは、世間知らず
のお嬢様。エイティは、うまく言いくるめて、UGMの隊員にユリアンを引き込み、
地球に滞在させることに成功する。そして、世間知らずのお嬢様が、地球人とのかか
わりで、トンチンカンなふるまいをするのを注意しながらも、心の中で笑っていた。
だが、それが、きっかけで、UGMの隊長に正体がバレてしまう。そして、「地球は
、地球人が守るから…」と、いらぬ気を使った隊長のせいで、地球にいずらくなる。
最後は、カッコよく、怪獣と戦うこともできずに、ユリアンに連れられ、ウルトラの
星に帰ることになってしまった。
 (4) このうわさをききつけたユリアンは、急遽、いやがるエイティを引きずっ
て記者会見を行った。そして、このうわさは次のウルトラ兄弟をめざすライバルの作
ったデッチあげであり、事実無根であることを強調した。

うわさのウルトラマンキング、起承転落

            うわさのウルトラマンキング 起
(1) M78星雲にある、光の国、通称ウルトラの星に住むウルトラの一族は、宇宙
の平和を守る、正義の味方である。そして、清く、正しく、美しい存在として、宇宙
のみんなから信頼されている。だが、住民が、ウルトラ族として生まれ変わってから
25万年ほどたったある日、大きなスキャンダルが起こった。27万年ほど前、太陽の爆
発で一族の滅亡から、フラズマスパークという人工太陽を製造し、その危機から星を
救った、ウルトラ長老の一人が、夫、子供のある女性と不倫をしたあげく、駆け落ち
して、ウルトラの星を出ていってしまったのである。しかも、その女性の夫は、宇宙
警備隊勇士指令部の前部長であり、その妹は、銀十字軍(宇宙警備隊救護部隊)隊長
にして、エンペラ星人の侵略から、ウルトラの星を守った英雄、ウルトラの父の妻、
ウルトラの母であった。正に、これは、国家の、全宇宙に対する信頼を、佚する大事
件であった。また、こんなことが怪獣軍団に知られたら、笑いの種にされてしまう。
特に、ウルトラノ父と母は、このもみ消しにやっきとなった。
 まず、これ以上の出世の道はないだろうからと、父親から譲り受けた、指令部長の
地位を捨て、二人を追って出て行った長男については、もともといないこととし、父
親が、指令部長に返り咲いた。また、妻は病気で死んだことにした。そして、幼少の
次男、セブンについては、姉が母親代わりとなり育てることとなった。
 その一方で、ウルトラの父と母は、祖国の名を汚した張本人の居場所を、密かに探
した。
 (2) 一方、駆け落ちした二人と長男は、追っ手からその身を隠して生活できる
場を求め、宇宙をさまよった。そして、しし座流星群の中にある、無人の星に身をよ
せた。そこは、周囲を流星が飛び交い、中に入るには、とても危険な場所であり、隠
れ家としてはもってこいだった。また、そういう危なっかしい場所なので、星として
の価値はなく、侵略宇宙人が狙ってくることもない。ウルトラ長老は、この星をキン
グ星と名付け、自らをその王として、ウルトラマンキングと名乗ることにした。
 (3) やがて、二人の間に娘が生まれた。そして、その娘が成長し、成人になっ
た時、連れてきた長男と結婚させた。地球人だと、これはいろいろ問題があるが、ウ
ルトラノ民族には、まったく問題はない。そして、結婚した二人は、後から生まれた
弟、妹と共に、獅子座内にある、L77星に移住した。そこで、二人は、王、女王とな
り、弟、妹たちは、一族として、小規模ながら国家を作った。やがて、二人の間に双
子の息子が生まれ、レオ、アストラと名付けられた。それから、L77星では、約1万
年の間、平和な時が流れた。
 ところで、キング星に残ったウルトラマンキングだが、駆け落ちした妻と、二人で
仲良く暮らすはずだった。ところが、自由奔放な妻は、今度はウルトラマンキング
捨てて、いつの間にやら蒸発してしまった。キングは、宇宙の情報をキャッチする能
力を使い、妻の居所を探し、テレポートしたが、妻も逃げるのがうまく、捕まえられ
ない。また、偶然出くわした、宇宙の凶悪怪獣を、ついでにやっつけ、すぐテレポー
トで消えたので、いつしか伝説の超人と呼ばれるようになった。
 (4) 姉が、長老と駆け落ちしてから2万年近くたち、ウルトラノ父と母は、つ
いに、長老の居場所を見つけた。しかし、だからといって、正義と平和を愛するウル
トラ族が、他星を攻撃するわけにはいかない。それで、サーベル暴君とも言われる、
侵略宇宙人、マグマ星人と密約をかわした。

       2 うわさのウルトラマンキング 承
 (1) ウルトラの父と母の命を受け、まぐま星人は、ブラックギラス、レッドギ
ラスという怪獣を引き連れ、L77星を襲った。ウルトラ族とはいえ、国ができてから
1万年、戦士としての活動を行ってこなかった人々は、王、女王を含め、次々と倒さ
れていった。ちょうどそのころ、ウルトラマンキングは、逃げられた妻を捜すべく、
遠い宇宙を旅していた。しかし、宇宙の全てのできごとを知ることができる、頭の球
体でそれにきづき、テレポートした時には、すでに遅く、L77星は、廃墟と化してい
た。孫である、二人の王子、レオとアストラを吸湿するのが精一杯だった。
 さて、吸湿された二人の王子だが、兄のレオは、地球人に姿を変え移住させ、アス
トラはキング星にかくまわれた。
 (2) キングは強い。それで、マグマ星人も契約に反して、キング星を攻撃しよ
うとはしない。また、地球は、ウルトラ族にとっては、第2のふるさとのような星で
ある。そこを、悪の宇宙人に、密約でも、侵略せよとは言えない。そこで、ウルトラ
ノ父と母は、わなを仕掛けることにした。
 まず、セブンを地球に派遣し、その後、まぐま星人に地球を襲わせ、セブンと戦わ
せる。しかし、これは、レオをおびき出すための芝居で、憎いかたきを見たレオは、
必ず現れるだろう。そこで、レオと共に、侵略宇宙人と戦うと見せかけ、レオを暗殺
するという計画を立てた。
 (3) だが、マグマ星人は、ヤハリ悪の侵略宇宙人であった。地球を見るなり、
この星がほしくなった。それで、契約に違反し、セブンを倒し、地球を侵略する方向
にハシッタ。そうとは気づかず、油断したセブンは、足の骨を折られ、痛めつけられ
てしまった。セブン危うし。と、そこに現れたのがウルトラマンレオであり、結局セ
ブンは、レオに助けられるという展開になってしまった。
 こうなれば、まず、侵略者を倒さねばならない。返信機能を失ったセブンは、レオ
の復讐心を利用し、レオ、いや、人間体のゲンを鍛えた。そして、きりもみキックと
いう必殺技を編み出させ、ブラックギラス、レッドギラスを倒し、マグマ星人を追っ
払った。
 (4) この後、レオ暗殺計画は変更される。セブンか、レオに、怪獣、および、
侵略者からの地球防衛を依頼し、強くなるためにコーチすることを約束した。しかし
、これは名目で、こいつは、いくら特訓しても、これまで、戦士としての経験のない
、星の王子様。レオでいられる時間も、ウルトラ戦士より20秒少ない、2分40秒だ。
そのうち、怪獣にやられるだろう。
 と、思いきや、レオはウルトラの遺伝子、特に、キングの遺伝子を持つウルトラ族
であった。訓練するごとにレオはどんどん強くなってゆき、次々と敵を倒していった
。また、セブンも、最初は、母を奪った憎きやつの孫ということで、きらっていたが
、その反面、兄の甥っ子でもある。また、訓練をしているうちに師弟愛にも目覚めて
いった。
 この、思わぬ良き展開に、キングは喜んだ。そして、調子に乗って、地球に姿を現
し、かわいい孫にウルトラマントという万能平気を与えた。
 こうして、計画は、ことごとく失敗して行き、激怒したウルトラの母は、計画を立
てたウルトラノ父を攻めた。攻められた父は、そのストレスを解消する手段として、
母が銀十
字軍の仕事で出張している時に、暗黒宇宙に身をよせた。そこには、ババルウ星人
いう、父のうわき相手がいた。ババルウ星人は、変身能力にすぐれ、父の好みの女性
に変身して、父を慰めた。そして、今回の話をきいて、それなら私が、レオ、アスト
ラ兄弟を暗殺してあげると、計画を持ちかけたのであった。父は、うっかり、それに
乗ってしまった。

        うわさのウルトラマンキング 転
 (1) ババルウ星人の立てた計画はこうだった。得意の変身能力を生かし、まず
、レオに化けてアストラをおびき出す。アストラが油断しているところで暗殺する。
レオも同じ手で暗殺するというものだった。
計画は、アストラを暗殺するというところまでは行かなかったが、なんとか、氷付け
にし、暗黒宇宙に監禁することができた。
 (2) だが、ババルウ星人も、悪の宇宙人であった。この後、アストラに化けた
ババルウ星人は、地球に向かうのではなく、ウルトラの星に向かった。そして、ウル
トラキーを盗み、地球に持ち去っていったのであった。
 このルルトラキーとは、ウルトラの星の軌道を制御する物で、これにより、ウルト
ラの星は、ウルトラキーに引かれ、地球に向かって、その軌道を変えた。ところで、
なぜ、ババルウ星人が、ウルトラキーを盗めたのか。それは、父が、うっかり、ウル
トラキーの保管場所をしゃべってしまったからであった。
 そうとは知らぬ、ウルトラ4戦士(ぞふぃー、ウルトラマン、帰ってきたウルトラ
マン、ウルトラマンA[エース])は、ウルトラの星の危機を救うべく、にせアスト
ラを追った。また、事情を知っている父は、出るに出られずお留守番。
 そして、地球では、ウルトラ戦士と、レオ、にせアストラとの戦いが始まった。4
戦士の放った合体光線が、にせアストラめがけて放たれる。レオは、にせ者とはしら
ず、アストラをかばい、合体光線を浴び倒れる。この時ばかりは、父も母も、「しめ
た」と思った。だが、この後すぐ、にせアストラは、ウルトラキーで地球を破壊しよ
るとする。ウルトラキーは、銃としての能力も備えており、小惑星を一発で破壊する
威力があるのだ。
 (3) 地球、危うし…。だが、その時、大きなエネルギー線が、ウルトラキーを
直撃し、キーは真っ二つに折れた。それは、ウルトラマンキングの放った光線技、キ
ングスパークであった。4人のウルトラ戦士にとっては、ウルトラキーは神聖な物で
、折るなんてこほはできない。しかし、すでにウルトラの星を捨てたキングにとって
は、そんなのどうでもいい。
 この後、地球に降り立ったキングは、先例光線を放ち、にせアストラの正体をあば
いた。そして、事態は一変する。
 4人のウルトラ戦士は、万が一、地球人から、ミサイルで攻撃された時の防御のた
め、ウルトラの星に帰り、レオは、アストラを救助した後、地球に戻り、こっそりキ
ングから教わった光線技、ウルトラダブルスパークで、ウルトラキーを修復。直った
キーは、アストラがウルトラの星にもどし、レオはババルウ星人をたおした。
 (4) これは、ウルトラの星にたいし、大きな貢献であった。これにより、キン
グは、かわいい孫たちを、ウルトラ兄弟に加えることを、ゾフィーウルトラの父
申し出た。これにたいし、キングが、もしかしたら、自分の祖父かもしれない、宇宙
警備隊隊長のゾフィーは、快く承諾した。父は、心の中ではいやだったが、反対する
ことができなかった。また、ウルトラの母においては、その怒りが頂点にたっしてい
た。姉には、不倫で恥をかかされる。甥は、ケガして、変身機能を失っただけではな
く、憎っき男の孫と仲良くなる。そして、その孫は、ウルトラの星の栄誉、ウルトラ
兄弟の仲間入りをするとは。「このままほおっておいたら、なにかまずいことがおこ
るのでは…」。そう考えた、母に負い目のあるキングと父は、和解し、母の怒りをど
う静めるか相談をした。

       うわさのウルトラマンキング 落
 (1) ウルトラマンキングウルトラの父は、テレポートで、だれにも気づかれ
ないよう、ブラックスターという星にやってきた。ここで、飼育、販売されている円
盤生物と言う怪獣を購入するためである。当初は、2匹だけ買う予定だった。が、担
当した者が、かなりのやり手で、正義の味方が、悪の怪獣を買うという弱みにつけこ
み、10数匹の円盤生物を売りさばいた。また、それだけでなく、ブラック司令官とし
て、地球に赴任し、その取り扱いをも承諾させた。
 (2) ウルトラの母の怒りを静める計画は二つあった。その一つは、セブンとレ
オを引き離し、セブンをウルトラの星に帰還させること。
 具体的には、シルバールルーメという円盤生物を使い、マック宇宙ステイション基
地を破壊する。その際、ウルトラの母がセブンを救い、ウルトラの星に連れて行く。
レオは、地球に行ってもらうという計画だった。
 また、そんなことをすれば、マックの隊員が犠牲になるが、セブンもレオも、隊員
には嫌気がさしていたので、これを承諾した。

 セブン → おれが、ウルトラ警備隊のヤマオカ長官から隊員に推薦された時、他
の隊員たちは好意的に迎えてくれた。また、ガッツ星人に十字架にかけられた時、俺
の贈ったSOS電波を受信、解読し、おれを助けてくれた。
 だが、マックの隊員たちはなんだ。隊長のおれが推薦したのに、特別扱いだのなん
だのって、ひがみやがって。アストラのSOS信号は、職務怠慢で無視しやがって。
 レオ → 入隊した時から、おれをいじめやがって。アストラのSOS信号を、無
視したのは絶対許せない。

 そして今回は、初めて、計画どおり事が運んだ。
 (3) もう一つの計画は、レオの殺害である。とは言っても、一時的なことだが
。まず、その前に、購入した円盤生物を、10匹ほどレオに処分させた後、派遣した
のがブニョと言う円盤生物。まあ、本能でしか動かない種類よりはましかもしれない
が、こいつは、自分を知恵者と思い込んでいる、大バカ者の円盤生物であった。こい
つの考えた殺害計画は、レオを、たった零下100度の部屋におびきだし、凍らせて
、のこぎりで切り刻むという、残虐ではあるが、子供だましなものであった。一瞬、
レオ前身発光と言う光線技で、焼き殺してやろうかなとも思ったが、キングとの約束
なので仕方がない。そして、ばらばらに殺害された後、予定通りキングの再生光線で
復活し、ブニョを簡単にたおした。
 レオに対して、ここまでやったのだから、優しい母をイメージとするウルトラの母
も、もう、おれるしかなかった。この後、レオが、残りの円盤生物を退治した後、証
拠隠滅のため、ブラックスターを粉砕。一連の騒動は幕引きとなった。
 (4) このうわさを聞きつけたウルトラの父、母、そしてウルトラマンキング
、急遽、円谷プロと共に記者会見を行った。そして、このうわさは、怪獣軍団の作っ
たデッチあげであり、事実無根であることを強調した。