わが人生最高の10冊(「週刊現代11/03号」より)

高橋伴明(映画監督)
 狂気をはらんだ芸術家の「業」に憧れる
高橋伴明さんのベスト10冊
1位 『こころ』

こころ (岩波文庫)

こころ (岩波文庫)

親友の自殺に苦しむ「先生」と、彼に師事する「私」。「高等遊民」と呼ばれた明治知識人の自我の苦悩を描いた夏目漱石の代表作
2位 『地獄変
地獄変・偸盗 (新潮文庫)

地獄変・偸盗 (新潮文庫)

天下一といわれた絵師が、絵に対する欲望のために、溺愛していた娘を失ってしまう。芸術とエゴイズムを極めた短編小説
3位 『カウントダウン・ヒロシマ
カウントダウン・ヒロシマ

カウントダウン・ヒロシマ

原爆投下に異議を申し立てた米軍人、何も知らずにいた広島の市井の人・・・。日米の膨大な証言をもとに「あの日」を再現する
4位 『走れメロス
走れメロス (新潮文庫)

走れメロス (新潮文庫)

「言葉にすると恥ずかしいんだけれども、友情について考えるときに読み返したくなる」
5位 『高野聖
高野聖 (集英社文庫)

高野聖 (集英社文庫)

「作家の名前が気になったのと、エロティックなものを期待して親父の本棚で詠んだ本です」
6位 『永遠の0』
永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

「映画のイメージを頭につくりながら読みました。百田さんの本は見つけたら読んでいます」
7位 『彼女がその名を知らない鳥たち
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

「非現実的に見えながら読者にリアリティーを与えてしまう。独自の世界を持つ作家だと思う」
8位 『妻たちの二・二六事件
妻たちの二・二六事件 (中公文庫)

妻たちの二・二六事件 (中公文庫)

「何度読んでも、泣いてしまう。事件そのものと人に対する澤地さんの目に信頼が置けました」
9位 『悩む力』
悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)

「続編も読みましたが、『悩んでいていいんだ』という風に思えるのがいいですね」
10位 『沈黙の艦隊』全16巻
沈黙の艦隊(1) (講談社漫画文庫)

沈黙の艦隊(1) (講談社漫画文庫)

「グローバルな中でのニッポンはどうあるべきか、真剣に考えながら読んでいました」
最近読んだ1冊:『赤猫異聞』
赤猫異聞

赤猫異聞

「明治へ時代が変わろうとする頃、江戸の大火災で牢屋の罪人を解き放つことに。重罪の3人に出した条件が、3人とも戻れば無罪放免。一人でも欠ければ全員死罪。詰め腹を覚悟、独断で逃がした牢役人の心情を描いてみせるところが絶妙です」