退院&入院回顧録・・・

yoshi-blog2008-12-28

やっと戻って来れました。振り返ってみればあっという間に過ぎ去った数日間だけどまずは戻ってこれた。今まで懸案だった痛みとさよならできた。今年の悩みを今年のうちに解決することができた・・・本当に素直にほっとしているYoshiです。こんばんは(*^_^*)

おかげ様で無事に本日退院する事ができました。本当に貴重な体験をしたと思う。今日はここ数日間の出来事を回顧録じゃないけどまとめて記載しておこうと思います。本当は携帯から書いている記事を消して書き直しても良かったけど、あれはあれで面白いので残しておきたいなあと思いまして、ここ数日のダイジェスト版という事でつらつら書いてみましたので暇つぶしに読んでみてくださいませ。

【注意】
・手術的に人によってはリアルな表現やグロイ内容が含まれているかもしれません。気分が優れない方はお読みにならないでください
・この内容はYoshiの主観に基づいて構成されているので医学的な素人が書いている内容ですので間違った解釈も含まれている可能性もあります。
・この内容はYoshiが体験したケースですのですべての人に当てはまるものではありません。

と、書きましたが、こんな質問されたとします。

Q1.あなたは胆石とわかって今回手術したけど、切ってよかったですか?

A1.「うん、とっても!これで悩む必要がなくなった!」

そんな同じような胆石になっている人、なりそうな人にもどんな感じだったのかわかってもらいたくてホンの少し長編ですが入院&手術体験記です。


====ここから====

12/24【手術前夜】

世間はクリスマスイヴと浮かれているのに我が家にはそれがなくなってしまった。もともとしょうがないと覚悟はしつつも朝から忙しく、一旦はるくんを保育園に預け、病院に向かった。時間は10時。

受付で入院手続きを済ませて病棟に向かうと、なにやら一般の部屋に通される。

「あの、すいません。元々事前に電話で個室になっているはずなんですが・・・」

理由は詳しくは書けないけど個室にしなければならない正当な理由があって医者の許可ももらっているつまりゴネているわけじゃなくて今回の入院にあたりYoshiさんは個室でないと病院側が対応できないというのです。なのでわざわざ個室になっているのに普通の病室で相部屋。しばらくすると看護師長様がきてくれて

「Yoshiさん、すいません。昨夜急遽急患が入ってしまいその人は個室に入れないと対応できない患者さんで申し訳ありません。なので後で調整しますので本日は相部屋になってもよろしいですか?」

「そうですか・・・それじゃ無理言ってもしょうがないですね。でも、その代わり、例の件の対応はお願いしますね」

「分かりました。その代わり今日は6人部屋で同じ所にお一人しかいない所にしておきますので」

そういわれて通された部屋。どうやら奥におじさんがいるらしいけどわざわざ同じ病室で挨拶をするわけでもなくただ、しばし時間が過ぎる。

11時。担当の先生から今回の手術について説明があるという事でこれは家族も立ち会わなきゃいけなかったので嫁さんと一緒にカウンセリングルームへなんか時計の針の音が待っている間の時間を少し重苦しくする・・・担当の先生は女性の方。見るからにさばさばとしている感じで、嫁さんいわく「あの人はきっと女性にもモテてすんごい実力がある感じがする」とか言っていたけど、その先生がテキパキ話をしてくれました。30分色々話をしてくれて、先日の検査の結果2cmまでとはいかないけどそれなりの大きさの胆石がエコー、MRIともに確認できた事、この石はカルシウム結石の疑いがあること、それから同じ所に小さなポリープがあった事を丁寧に事前に書いた内臓の絵を元に丁寧に話をしてくれた。前半は手術内容の説明、後半は手術をする事でのリスクの説明。今回胆石と言う事もあって予め腹腔鏡での手術を希望していたんだけど、場合によっては開腹しての手術になること、この手術を受けた際の今後の生活にどのような影響を受けるのか?それから手術中、手術後の対応や使う薬のリスクについてかなり細かい説明をしてくれる度に同意書にサインをしながら話を進めてた。簡単にまとめると

・事前の手術に関する説明について納得していること
・術後起こりえる合併症について理解したこと
・腹腔鏡でやるけど石の場所、状況によっては回復手術になること
・ほとんど出血はない手術だが場合によっては輸血をすることになること
・仮に輸血になった場合は検査はしているけど、万が一の可能性として輸血した血液に問題がある可能性があること
・手術後肺塞栓症を避けるためにリスクレベルを判定しそれについて対応すること。
 (yoshiの場合は全身麻酔になるためのリスク中とのことで術後足にマッサージ機を装着する事なりました)

等々について個別に説明があって全部に同意書にサインをしました。その後嫁さんは帰宅してベットの一人。なんだか斜め前のおじさんが調子悪そうになんどもトイレとベットを繰り返し歩いて落ち着かないけど漫画10冊、雑誌5冊、本2冊を持ってきたのでマンガを読んで時間をやり過ごす予定だったけど、以外と忙しく、次に現れたのが麻酔科の先生

簡単な説明を受けて確認作業。今日色んな先生や看護師の説明や確認作業があったけど、基本的に聞かれるのが

・名前(フルネーム)、生年月日
・過去の手術歴(Yoshiはない)
・今投与している薬の名前(Yoshiは偏頭痛の薬と、副鼻腔炎の薬)
・過去の薬でアレルギーが出たか?(Yoshiはない)
・今回何か気をつけることはあるか?(Yoshiは今回の手術に○○○を用意し、対応しなければならないリスクを伴っている)

等の説明をし、麻酔科医さんからも簡単な説明があって

「後でもう一度きます」

って、だったら1回でやってくれればいいのに・・・そう思ったけど、そういうシステムなんだろうなあと思った。そして担当の看護婦さんも1日3交代制らしくめまぐるしく変わるんだけど、その時間の担当の方が左手に手錠・・・もといネームタグをつけながら

「麻酔科の先生来ました?」

「今きましたけど」

「あーあの人研修医なんですよ・・・じゃーもう一回きますね」

なんだ・・・研修医さんだったんだ。納得。左腕のネームタグは患者取り違え防止用のタグで防水仕様。患者IDと名前、生年月日が記載されていてバーコード付き。この後点滴される場合もタグのバーコードを読み取ることを確認作業としているみたいです。それから、その後に薬剤師さんが来て今回使う薬、点滴の説明をしてくれました。特に特殊なものは使わず抗生剤と栄養補給の点滴程度になりそうです。

そして、胆のう手術になるので事前に下剤を飲んで腸内すっきりしないといけないという事で15時から下剤を飲まされるYoshi。すんごくおいしくない下剤用の飲み物を飲んだ後に、麻酔科の先生がようやく到着し、一通りの説明をしてくれました。今回は全身麻酔と、胸部の硬膜外麻酔をするという事で手術前に背中から脊髄にカテーテルを刺してから全身麻酔をしますよ〜その時に使う器具がこんなものです。過去に麻酔を使いましたか?みたいなヒアリング。そして

「一応明日朝一の手術なので今晩は9時くらいまで食べ物OKになるように手配しておきます。飲み物も12時くらいまでは大丈夫ですよ」

と言われたんです。一通り説明が終わったり事務的手続きをしていたらもうご飯の時間。実はお昼も出ててそれはちゃんと配られたんだけど、夕飯が来ない。

「あの、夕飯こないんですけど・・・」

そう言うと看護師さんが一言

「Yoshiさん15時から下剤飲んでいる所にご飯を食べると意味がなくなっちゃうので今日はもう何も食べちゃだめですよ。」

なんてガッカリな台詞。だったら手術前に最後の晩餐じゃないけど食べたいもの食べておくべきだった・・・小さな後悔だったけどもうしょうがない。でも体は元気なので仕方なくベットでマンガを読むことに・・・同室のおじさんはさっきから少しうなっている。大丈夫かな?

9時。病院的には消灯時間。でも、こんな時間にねれるわけもないので睡眠導入剤をもらう。でも、全然寝れない・・・結局12時ちょっと前まで寝れなかったけど、携帯のワンセグが珍しく電波がバリ3(今これ死語?)だったのでマナーモードでみてました。テレビのサンタガールのにぎやかさと今自分の置かれている状況のギャップがすごすぎて・・・「オレ、イヴに何をしているんだろう・・・」少し凹む。ちょっと喉が渇いてきたので絶飲みもの時間まで残り30分、じゃー最後に飲みたいジュースでも飲むか・・・そう思って病棟内をうろうろしたけど自販機がなく看護師さんに

「すいません。あの、飲み物って下のコンビニ行かないと買えませんか?」

「そうですね・・・」

「あーそうなんですか・・・ありがとうございます」

しょうがない・・・地下まで行けば24時間のコンビニがあるし、そこまで行くか・・・エレベータのボタンを押したら

【休止中】

さすがだよ。さすがセキュリティ高いよ・・・こんなYoshiみたいな脱走者対策も素敵(実際は階段でいけたんだけどね)。ここ5階だしジュース飲むために階段往復までして飲みたいものじゃないなや・・・結局この日は食べたいものも、飲みたいものの何も希望通りにはいかなかった・・・

ようやく寝れそうかなあ・・・と思った頃。なんか斜め前のおじさんがベットで嘔吐したらしい音が数回。大丈夫かな?と思ったけど、看護師さん来て、その後先生来て、ざわざわし始めてきた。うーん、これじゃ寝れない。でもさすがにそろそろ寝ないとやばいだろうと思って、徐に持ってきたMP3プレーヤーとノイズキャンセリングヘッドホンのスイッチを入れて眠りについた。

「明日本当の手術か・・・どうか、うまくいきますように・・・」

12/25【手術当日】

朝6時起床。早く起こされても別に何か食べれるわけでもないし、何もすることがない。あるのは今日朝一番で手術だっていうこと。さすがにちょっと緊張してきた。たかが胆石の手術なのに失敗したらどうしよう?とか、やっぱりやめようかな?とか無駄な時間が無駄なカロリーを消費させる。でも、ベットでぼけっとしているしかやることがない。

8:30
「それじゃ、そろそろこれに着替えてください」

そう言われて渡された手術用の服。服と言っても背中がぽっかり空いているようなもので下は普通に持参して着ているSweat。なんだかへんちくりんなカッコだ。でも、ほんのちょっと自分でも「よし、やるか!」と思えるようになったのはコスプレ効果なんだろうか?

元々手術当日は8時30分にはご家族も病院に来てくださいと言われていたけどはるくんを預ける事で間に合わない事が分かっていたんで今日は一人ぽっちで手術の予定だったけど、なんとか嫁さんも移動するギリギリの時間に間に合った。ほんの少しだけホッとした気がする。

「Yoshiさん、時間なので移動しましょう」

そういわれて看護師さんと自分そして嫁さんで移動。本当であればストレッチャーとかで行くみたいだけど、Yoshiさん歩けるから歩きましょうと言われ気分は悲壮感漂う手術室までの道と言うより、プロレスの花道から選手入場のような気分?エレベータに乗って看護師さんが一言だけ

「Yoshiさん、麻酔するので記憶ないと思いますけどがんばってくださいね」

「はい。ありがとうございます。記憶なさそうですけど、人並みにがんばります」

ちょっとでも、そういわれると気分も救われるよね。そして、エレベータを降りると

【ここからはご家族はご遠慮ください】

そう書かれたプレートがあった。嫁さんの頭をくしゃくしゃかき混ぜながら・・・

「それじゃ、いってくるな」

「うん。いってらっしゃい・・・」

特にたいした事ない手術。でも、この瞬間ってちょっと色々考えた。なんか不安そうな顔嫁さんがしていたけど

「大丈夫だよ〜たかが胆石の手術なんだからさ。大げさに心配するなよ」

「うん・・・」

「あいちゃん。パパ行ってくるね。」

背中におんぶされているあいちゃんがニコって笑ってくれた。あの子の笑顔を見てちょっとだけがんばろうと思った。

本当に意識はプロレスの選手入場のような気分だったのでよしやってやるか!と思う気分。ちょっとアドレナリンが出ているような出ないないような・・・その先の自動ドアの入り口を踏みしめた。静かにその扉はすうっと開く。扉が空いたらびっくり。

「・・・・」

そう、朝一番の手術で一番最初にきたみたい。この病院はそれなりに大きい病院で手術室が結構あるようで朝からその手術のスタッフ全員がその場に集結していた。およそ40名くらい・・・たぶん看護学生さんも含まれているんだろうけど昨日の麻酔科医の研修生くんもいて

「Yoshiさんおはようございます。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

そんな軽い挨拶をした後、最終確認。名前と生年月日を言って左腕にはめているネームタグのバーコードから本人と最終確認。これで本当に手術です。

「それでは、こちらへどうぞ」

そう通された時、目の前の大勢の助手さん達がモーゼの十戒のような間が開き、一人でその列の間を歩く。なんか不思議な気分。30mくらい大勢の視線を浴びながら一番奥の手術室へ。

「こちらへどうぞ」

奥の手術台付近ではあわただしく準備がすでに始まっていた。すでに病室は理解しがたい専門用語が飛び交っている。

「ここに寝てくださいね。」

寝かされる僕。天井にはよくある手術台のライトが見える。ついにここまできたか・・・

「それは洋服の腕をはがしますね」

なんか着させられた手術着は安田大サーカスみたいな洋服仕様になっていてあっという間に腕部分の洋服がなくなった。色々ケーブルまいたり邪魔なんでしょうね・・・

「それでは、背中に麻酔のケーブル通しますね」

手術台で半身になりさくさくと説明とか動作がものすごくシステマチック。もうここまできたらまな板の上の鯉。背中の麻酔用のケーブルは刺したのが分からないくらいあっという間についた。そして、顔に大きな呼吸の器具が乗せられ

「はい、すぐに眠くなっていきますよ・・・」

そんな、簡単にすぐに眠くなるわけないじゃん・・・そう思っていた。

でも・・・






目が覚めたらベットの上だった。






「・・・・??」

さっきまでふわふわしていたのに急に体が重くなった感じがした。

「Yoshiさん、手術終わりましたよ・・・無事に終わりましたよ。今ね、病棟に戻ってきたんです。わかりますか?」

そう看護師さんが言ったようだけど、正直覚えてない。嫁さんが着ていたらしいけどよく覚えてない。その後も自分の母親が着ていたらしいけど覚えてない。

「奥様、ご主人様意識が回復したようです」

そんな事を言ったような言わないような・・・覗き込む嫁さん、何を言っているのか分からない。

ただ、体が全くいう事聞かずに動かなかったこと。それもそのはず。

足 →肺塞栓防止用のマッサージ機を装着
下半身 →電気毛布をかけられる
背中 →麻酔用のケーブルが入っている
鼻 →胃液逆流用防止?のケーブルが鼻から入っている
口 →酸素マスクを装着
おなか全体 →いわゆる腹帯を装着
胸 →胆のう付近にケーブルを装着(しばし出血とかないか確認用
胸 →モニター確認用の心電図とかそのへんのセット装着
胸 →蕁麻疹が出たので体温下げる為に冷えたタオルを巻かれる
背中 →蕁麻疹が出たので体温下げる為に冷えたタオルを巻かれる
○○ →○○用の○○を装着
右中指 →酸素飽和度を図るセンサーが装着
左手の甲 →点滴用のケーブルが入っている
頭 →高熱(40度近く)で氷枕設置

後から聞いた話なんだけど、なんでも無意識に手術後病棟に戻って来たときに「寒い!寒い!」と叫んでいたらしく病棟についたら電気毛布でくるまれたらしいのです。病棟から戻ってきたけど一晩はナースステーションに近い部屋でリカバリールームという所で一晩2時間おきに体温と色々チェックされるらしくこの部屋で過ごす事になっているとは聞いていたけど、麻酔が切れたけど、まだ完全に切れていないらしく、体が重くて、何もしゃべれない。ここからはすべてうるおぼえの記憶

「Yoshiさん、先生きましたよ」

看護師さんがそういわれた後に先生が

「Yoshiさん。手術は成功しましたよ。お疲れ様でした。でもね、Yoshiさん使った抗生剤が原因なのか分からないんだけど蕁麻疹が出てしまったの。もしかしたら体がかゆいかもしれないけど、今だけだし、その後薬の投与はやめたので今は湿疹とか消えているからね。とにかくお疲れ様」

そう言われたみたいです。その後、嫁さんが摘出した石を見せてくれたけどあんまり覚えてない。とりあえず薄れ行く意識の中で

「そ・・・れ・・・と・・・って・・・・」

予め看護師さんに手術後会社に連絡しなきゃいけないので枕元に携帯を置いておいてとお願いして、すでに簡単な上司宛にメール定型文を登録しておいたので薄れて消えそうな意識の中ボタンを「送信」だけ押して気絶。今日連絡しないとたしか最終日休むって言ってたからな・・・

これが僕の手術全てです。ようは麻酔でよく覚えてないのとしばらく使い物にならなかったということ・・・


16:00頃

「今、何時ですか?」

「もうすぐ16時ですよ・・・」

「そうですか・・・」

ようやく意識が戻ってきたのはそれから数時間後。13時前には手術は終わっていたらしいけど3時間くらい落ちていたみたいです。嫁さんも母親も帰ってリカバリールームで一人

「ああ、オレ手術終わったんだ・・・」

でも、動けるわけでもなく、その後も意識が薄れてきたり、戻ってきたりの繰り返し。周りには無機質なモニター音だけが響く部屋。つい最近ドラマのコードブルーってやっていたでしょ?あれで患者さんモニターする機械ついていたけどさ、同じものついてたよ。時たま自分も依然として、一生つきまとう「呪い」がかけられているのでその度にモニターが患者さん大変ですよアラームを出してしまい、その度に

「いけない、いけない。深呼吸、深呼吸・・・」

と言い聞かせながら時間が過ぎる。この日は2時間おきに体温とか各種チェックが入っていたので寝たような寝てないような・・・最初は40度近い発熱状態もだんだん下がってきたようです。

これが手術当日の記憶

12/26【手術後1日目】

「Yoshiさんおはようございます。体調はどうですか?」

「ええ、なんとか、とにかく痒いです」

「そうですか・・・もう蕁麻疹はひいているんですけどね・・・」

朝の回診時間で目が覚めたけど、一通りの診断後、色々装置が外れていきました。鼻のケーブル抜いたとき

「ちょっと変な感じしますよ〜」

って言われたけど、まさに本当に当たってるの。にゅるって感じ。鼻からうなぎが出てきたような感じ?とにかく気持ち悪い。それから背中の麻酔用ケーブルとか色々取り外された。

ちなみにどれだけの常態かと言うと

おなか全体 →いわゆる腹帯を装着
胸 →胆のう付近にケーブルを装着(しばし出血とかないか確認用
左手の甲 →点滴用のケーブルが入っている

「Yoshiさん、お部屋の準備が出来たのでお部屋まで歩いていきましょうね」

「え?無理。だってなんか足痙攣してるもん」

「大丈夫ですよ。慣れます。早く歩かないと直りも悪くなりますし、

点滴をぶら下げているよくみかけるアレをお供に部屋まで歩いて移動。ほんとね、たった1日歩いてないけど肺塞栓防止用のマッサージ機が素敵でひざ下全部もみ返しって言うの?あれが酷くて痛くて・・・歩くたびに激痛&痙攣。たった50mもない距離をオレはどんだけ時間かかってるのよ・・・って感じで部屋に到着。お部屋は予定していた個室になりました。午前中には点滴のチューブも取れたけど胸に入っているケーブルが原因らしく動くたびに激痛が走る。戻ってきて今日の午後からお昼ご飯が出たけど、なんていうの?お粥の汁だけ?あとはペースト状のもの。でも丸々1日以上何も飲まず食わずでいたしリカバリールームでも絶飲食だったのでうがいしかさせてもらえず久々に口の中に入れたものはなんでも良かったんです。

そして午後からあいちゃんとかはるくんがお見舞いに来てくれたけど、ケーブルが入って痛くてあまり起きていられなかったけどここ数日のあいちゃんとはるくんの様子を聞いて一安心と、なんか悪い事したなあ・・・って感じ。はるくんは家族以外と初めて離れて過ごす時間は楽しかったけど寂しかった・・・そんな感じだったようです。パパのあらぬ状態を見てちょっと心配そうな顔していたので

「はるくんごめんね。パパの病気治ったら一緒に遊ぼうね」

と約束して今日は終了。あまり動けず、足も痛く、この日はずっとベットで大人しく残ったマンガと雑誌を読みまくりました。そして夜はテレビを見て過ごしていたんだけど、久しぶりにドリフがやっていて見ちゃったものだから、本当に面白くて笑ったらおなかに響いて悶絶。見なきゃ良かったけどやめられない。痛み止めなんて飲んでいるけど意味がない。

12/27【手術後2日目】

6時起床。相変わらず胸は痛かったけど、朝の回診で胸のケーブルを抜いてもらった。これまたニュルッと胸の中から出てくるケーブルが違和感あったけど取れてみたら痛みも引いてとりあえず最低限の動きは行えるようになったみたい。

「Yoshiさん、状態もいいですし明日退院しましょうか」

「そうですか。ありがとうございます」

先生にお礼を言ってから冷蔵庫に入っているスポーツドリンクのDAKARAをゴクゴク一気飲み。が、3秒で、ものすごく味が濃くて飲めないことに気がつく。

「ああ、オレの舌が完全に病人仕様になっているわ・・・」

たった3日でもここまで味覚が変わっていることに愕然。

今日も一日数回看護師さんの体温とか傷の具合とかガーゼの交換があるんですけどね。今日の看護師さんはものすごくフレンドリーな事。ガーゼ交換の時の話。

「Yoshiさん知ってました?Yoshiさんの誕生日と私の誕生日って同じなんですよ」

「え?そうなんですか?」

「そうなんです。さっきカルテ見たら同じだったのでびっくりしちゃいました」

「あら〜そうなんですか、それは奇遇ですね」

「本当にびっくりデス。私もう数年ここで働いていますけど初めてです」

「あはは。でも、さすがに年は同じじゃないでしょ?」

「いくつに見えます?」

(Yoshi心の叫び:なんかオレ、変なキャバクラのおっさんみたいになっているじゃん・・・)

「うーん。(本当は26-28くらいだと思ったけど・・・)24?もしくは23?」

「えー私ってそんなに若く見えます?」

「そうね。自分そういうの苦手だけど、もっと下でした?ずれていたらごめんなさいね」

「いえいえ、私○○才です。」

「えー全然みえない〜!(Yoshi心の叫び:ほらーオレの予想通りwww)」

「本当ですか?(明らかにうれしそう。」

「うん。本当に・・・でも、この誕生日ってとっても覚えやすいでしょ?」

「ですよね・・・○月○○日で○○○ですものね」

やっぱり同じ誕生日の人はわかってくれたよ。(笑)

「じゃー来年の誕生日一緒にお祝いしましょうか?」

「あはは。そうですね。是非是非。」

って適当に話をしておいたけどさ、この後何があったかは、また今度・・・でもそんな世の中うまい話はないので今は何もないことだけはここに記載させて頂きます。苦笑

そんな、出来事もありつつ、午後から自分の両親と嫁さん達がお見舞いに来てくれましたが、

今日はるくんがお見舞いに来てくれた時に

「パパ大丈夫?はるくんがとんでけ〜してあげる」

って言ってお腹をさすってくれました。後から聞いた話だけど一時保育に預けていたときやっぱりはるくんははるくんなりに不安だったようで途中泣いちゃったみたいでした。はるくん本当にごめんね、でもそんな自分だって不安で泣いているのに他のお友達が泣いてるとそばまで駆け寄り

「はるくんがいてあげるから大丈夫よ」

って慰めてあげていたんですって・・・なんかそんな話を聞くと自分はこんなやさしい子の胸を締め付けるような事をしてしまって申し訳ないな〜って思った。

それから、うちの母親もいたので

「おばあちゃんと一緒にプリンでも食べようか?」

とか言い出し、病室にはYoshi一人。

「あんたは病人なんだから大人しくしてなさい。どーせたいした事ないんだし・・・」

と言われて1時間30分くらい病院にいて1時間以上お茶している家族、両親ってどんだけ?ありえねーそして

「じゃ、帰るから」

そういってお見舞い集団は何をしにきたのか分からない状態のまま帰っていきました。

その後、晩御飯食べたりゆっくりしていたんですけどね、ここのご飯は食べたらトレーを配膳場所まで歩ける人は返しに行かなきゃいけなくて、自分もトレーを返してお風呂の予約をして部屋まで戻る時に初日いた病室の前を通ったんです。ふと、

「あ、あのおじさん大丈夫だったのかな?」

なんか変な感じで思い出し、ネームプレートを確認してみました。

「・・・プレートがない・・・」

あんな状態じゃ自分よりも先に退院する事は考えにくいし、おじさん大丈夫だったのかな?ICU?もしくは・・・戻って来れなかったのかな・・・

「ああ、もしかしたら、戻って来れなかったんだ・・・」

もしかしてなので別の部屋にいるかもしれないけど、ちょっと複雑な気持ちだった。

こんな感じだったんですけどね。何はともあれ明日は退院です。

12/28【退院日】

朝の回診でガーゼの交換をして特に何もなく無事退院許可が下りました。最後に色々書類の受け渡しがあって問題なく終わりました。お金の清算は年末年始なので後で年明けになるとの事で本当に荷造りして終了。看護士長さんに

「本当にお世話になりました。ありがとうございました」

そうお礼を言って病院を出た。短くて長いような入院生活。体の気になることもこれでクリアしたし、静かな時間の中で色々自分の中でたな卸しが出来たし、今年の事は今年のうちに・・・そういう形になってよかった。傷もだいぶ痛みが取れてます。さすが腹腔鏡での手術って感じですがタクシー乗って家まで帰ってきたけど、たった病院→タクシー乗り場、タクシー降りてから家まで歩いただけで下半身が痙攣している。苦笑

よわっちい自分。

何はともあれやっぱり我が家が一番です。

家について夜コンビニで買ったジントニックの小瓶を一気飲みしてみました。見事に今酩酊状態です。(笑)

====ここまで====

ま、こんなものですかね・・・
回顧録終わり。

そんなわけで今まではこんな感じ。
年末はのんびりと過ごしたいと思います。

っていうか、さすがに最後に刺さっていたケーブルの傷口が完全にふさがってないし、無理は禁物。

ではでは。

追伸
年明けはごくごく普通に生活できそうです。
なんの問題もなさそうです。