相撲界の3人兄弟

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3月の大相撲春場所で、珍しい「3兄弟同時力士」が誕生する。昨秋の全国学生選手権個人で準優勝した東洋大の大波渥(あつし・22)が荒汐部屋初土俵を踏む。3兄弟はいずれも荒汐部屋に所属し、目下の出世頭は、十両入り目前の次男・剛士(23)で、けがを克服した長男・大波(25)も春場所は幕下復帰が濃厚。三男の渥も三段目付け出し初土俵と実力差は近接。元三役の祖父・若葉山を目標に、誰が最初に関取になるか、注目される。

 先月末に東洋大で記者会見した大波渥は「不安もあるが、楽しみな気持ちが大きい」と抱負を話した。全国学生選手権個人では鋭い出足で強豪を連破。錦戸部屋入りする日大のトゥルボルドに決勝で敗れたが、三段目100枚目(最下位)格付け出し資格を得た。

 身長180センチ、体重115キロ。筋肉質だが角界では細身。「プロでは小兵。大きな力士を倒してお客さんに喜んでもらいたい」と特長を生かす姿を思い描く。師匠・荒汐親方(元小結・大豊)も「体は大きくないが、懐に入って左前みつを取り、相手を崩して攻めてほしい」と期待する。

 「力士一家・大波」の祖父は、幕内1位69連勝の記録を持つ横綱双葉山の道場で鍛えた時津風部屋の元小結・若葉山。昭和20〜30年代に活躍し、照国や東富士の両横綱から金星を挙げ、1951年夏場所には殊勲賞も獲得した。父は元幕下・若信夫(わかしのぶ)で、3兄弟は3代目。剛士は幕下8枚目だった1月の初場所を、7場所連続となる勝ち越し。春場所は勝ち越せば十両入りの可能性が膨らむ幕下上位につける。大波も昨年9月の秋場所で、自己最高の幕下11枚目に。けがで2場所続けて休場したが、先場所は三段目10枚目で5勝し、幕下復帰が濃厚だ。

 3兄弟は学法福島高相撲部出身。同高の土俵は2011年3月の東日本大震災で壊れ、荒汐部屋は渥にとって約1カ月間避難生活した、思い出のところ。荒汐親方は「3人で力を合わせ、いい意味でライバル意識を持ってほしい」と話し、渥は「大相撲の世界に慣れ、3兄弟で関取になりたい」。3月4日の新弟子検査を経て、新しいしこ名を付けて迎える春場所の舞台に向け、夢を膨らませている。



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