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月のひつじ

2008-11-22

大好きな写真-2

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この写真も大好きだ。

これは1969年の11月24日。太平洋サモア諸島の近海。

帰還したアポロ12号のクルー達だ。

空母ホーネットの回収隊のヘルプによって、3飛行士がゴムボードに乗った直後だ。

ご覧のように、3人が握手してる。

写真は帰還後の瞬間をとらえた秀逸なものというコトになるんだけど、この雰囲気はちょっと類例がない。握手というよりも手をつなぎあっているのが、とてもイイのだ。

マスクで顔を覆っているから表情までは判らないにしろ、まずマチガイなく3人は眼を見合わせて満面の笑みでもって握手した筈だ。そしてそのまま手を取り合っているんだと思う。

ピート・コンラッド船長とディック・ゴードン(この2人はジェミニ時代からのつきあいだ)とアラン・ビーンの3人の仲の良さは、TV映画「フロム・ジ・アース・トゥ・ザ・ムーン」にも描かれているし、その原作たる「人類、月に立つ」にも描かれているけれど、こうして写真を眺めると、

「ホントにそうだったんだ〜」

と、あらためて、なんだかポカポカした感じで嬉しくなる。

ボクの場合、アポロ12号の月着陸は高校生の時で、TV中継のさい、コンラッド船長の高笑いがメチャに鼻について、

「なんじゃ、こいつは… アホちゃうか!」

なんだかとっても嫌いになってしまっていたのだけども… 後年になってコンラッドさんのカタチが判ってからは、ガラリ変って大好きな人になった。

数ヶ月前にTVで見たアポロ11号のアームストロングとオルドリンの、いわば紳士的な振る舞いに較べて、コンラッドさんとビーンさんの、びっくらコクほどに軽〜いお調子者めくノリに、高校生のボクはまったくノレなかったんだね。

が、それは誤り。嫌いになったのは誤り。

比喩として申せば、それはアクの浮いたコテコテの関西人のノリだったんだ。

そのノリの下にはアームストロングさん同様に、あるいはアームストロングさんを上回る、精緻で精妙な飛行士の顔があるんだね。事実、12号は打ち上げ直後に落雷に見舞われて、数秒で大きな判断を迫られたものの、それを見事に克服してる。

で、俯瞰的に見聞するに、当時の宇宙飛行士達は飛行士同士で苛烈な競走もやってたワケで、互い互いが"お友達"という感覚じゃなかったようだ。

だから、洋上に帰還しても握手してる構図はない。

それが、この3人に限っては違ってて、この3人は全面的にもう"お友達"感覚満開なのだ。

その"お友達"関係はこの12号のミッションで紡がれたのだと思う。

(写真:一番左がコンラッドさん。手前がアラン・ビーンさんで後ろがゴードンさん)

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NASAを離れた後も3人は濃く親交し、コンラッドさんが1999年の7月にバイクの事故でなくなった時には、ビーンさんは悲嘆にくれたという。その事はアンドリュー・スミスの著「月の記憶」にも書かれてる。

そんな仲ゆえにの、洋上の握手なんだろうか。

ともかく、この3人の構図がいい。雰囲気がいい。

コンラッドさんは両手で2人の手を握ってる。

人間の"友愛"と”喜び"がよく映されている。

"仲間"、"絆"、そういった言葉が言葉としてでなく素直な気分として伝わってくるから、この写真が好きなのだ。

ちなみに、すでにご存知でしょうけど、アラン・ビーンさんはNASAを辞めてから画家になった。

月での物語を描く画家にだ。

そこも大好きだね。

ちなみ次いでに申せば、故コンラッドさんの言葉として、

「If you can't be good, be colorful.」

というのがある。

「うまくいかなきゃハデにやっちゃえ」

と、訳そう。