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月のひつじ

2011-02-02

ハッチはなぜ開いたか-02

近頃では、宇宙モノの新作SF映画のシーンを見ても、

「オホ〜!」

てなビックリ感がない。

見にでむいたもの、自宅でDVDで観たもの… どれもこれもハッとしてグッな感じがない。

これは寂しい。

CGで巧みに描かれれば描かれるほど、

「それ、CGだろ…」

な、醒めた感覚が増す。

70年代の頃や80年代の頃にワクワクとさせられて、これがボクちゃんの嗜好なのねと嬉々としたSF的映像のはずなのに… 近頃の映像はあんまり… ノレないのだ。

むしろ、たとえばディスカバリーチャンネルが放映するドキュメンタリー番組の古い映像に、

「オッ!」

な、鮮烈をおぼえたりする。

かのNASAが産声をあげ、新たなロケットや人材が集結しはじめた頃の映像に、"新しさ"をおぼえたりするのだ。

当時はVTRではないから、あくまでもフィルム撮りゆえに、断片をジックリと見せてくれるというワケではなくって、あくまでもその断片の集積としてのドキュメンタリーなのだけども、その断片に、なにか夢で紡がれていくような、"新規"な鮮烈をおぼえさせられるのだ。

NASAの開発史を扱った番組中に、マーキュリー計画でのハッチの緊急開閉試験のシーンが入っていて、このシーンは数秒しかないのだけども、ハッチがどのように吹っ飛ぶかを目の当たりにさせられて、本なりで知っていた知識とは別種の『生』な感触を知覚させられたりもする。

その実験というか実証試験がどういった文脈の中でのものかは皆目わからないけれど、マーキュリーのあのカプセル状な船体からすごい勢いで鉄のハッチが前方に吹っ飛んでいくのを見せつけられると、かのリバティベルセブンでの予想外のハッチオープンも少し想像が追いついて、

「なんか、ハッチはホンマにぶっ飛んだんだろな…」

と、ちょっと呆然とさせられるもする。

ハッチは前方に、3mか4m、すごい勢いで飛ぶ。

たぶん、ものすごい音もしたろうと推測できるし、煙もあがるから火薬の匂いも濃かったろう。

ブルーレイ的なクリアでシャープな映像でなく、白黒のフィルムゆえなんだか細部も不鮮明だし音もないのだけども、リアリティという部分でこの映像は近頃に見たSF系なビジュアルを圧倒するのだ。

この圧倒される感覚が近頃のCGな映画にホントは欲しいのだけどもさ。

チッとも圧倒してくれない。

いっそ、ベッドに入って眠りにおち、そこでみる夢の方がよっぽどに面白い。

いや、ホントに。

目覚めて、それを反芻しようとするとバターが溶けるみたいに細部も筋も輪郭もが溶け出して、

「あれれ〜」

な、悔しいような気になるところも何だかイイ。

J.G.バラードじゃないけれど、内宇宙的な、夢という名のビジュアルの方が今のボクにはなんだか面白いよう感じられる…。

誰とも共有できないというのが哀しいけど。

D

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