明日、世界が滅ぶと判っていても、今日、リンゴの木を植える
高名な作家が残した一語で、かねてより好きなフレーズだ。
かといって、これを痛切なものとしてボクは実は受け止めていなかった… ようだ。
良く晴れた先日、小さな庭にトウモロコシの苗を買ってきて植えた。
ミサイルのパーツが落ちてくるやもと大騒ぎして、そのあげく、ブラックな冗談みたいな、日本のドタバタが浮き彫られた日、にだ。
今そこにある危機、に関しての対応の稚拙を見るに、ホント、暗澹とさせられて、そんなアンバイながら平然と大飯原発は安全だから再稼動すると云われて、もう、呆れるやら煮やされるやらで… 肩がこっちゃうのだったけど、いざ、トウモロコシの苗を土に埋めてみると、悪しきな汚染でほぼ永久的に自分の土地に種も苗も植えられない人達がいるんだ！ と気づかされて、あらためて愕然とさせられた。
まるでもう地方の小さなニュースのようにしか、そのコトは扱われていないけども、現実は、同じ陽光を浴びつつも、マチガイなく、そういった被害にあって暗澹を呑まされた方々が多々いると感じさせられて、上記した作家の一語ですらグラつくような辛酸をおぼえさせられた。
だからこそ、このトウモロコシは大事に育てたい。
２株、植えた。
２年前のこのシーズンにはゴーヤを植えたっけな。
これは大成功というか、どんどこ育ってアチャラコチャラにツルを伸ばして、散髪に数ヶ月出向いてない学生の頭髪みたいにメチャに茂り、実って実って実って… 出来たゴーヤの処置に困ったもんだ。
なので、何10本ものゴーヤを水にかし、腐らせ、皮を溶ろけさせ、繊維のみにさせて乾かして… 天然タワシとしてジャズフェスのアートバザールで売ったもんだ。
なんだか全部売れちゃって、一晩の飲み代が稼げてしまって、チョット笑いもしたけれども、今回のトウモロコシ… もし、実ったら全部、食べちゃう。
手ひどい地震が来ちゃって、庭の実りどころじゃなくなっても、それは仕方ない。
でも、原子力発電所が、
「安全なつもりでしたが、やはり壊れてしまいまして… お宅の庭も汚染しました」
は、ダンコ許せないからね。
今、たぶんに日本は、経済最優先な状況から抜けてドド〜ンと変われる大きなチャンスを眼の前にしているのだけども… なぁ。
ぅううむ。不安だな。
