新田原基地カレー


半年ほど前にY子さんから頂戴していたレトルトカレーをやっと食べる。
宮崎の航空自衛隊基地のカレー。
なんせ貧乏性というかモッタイナイデ症というか、こういう日常でないモノを即座に消費できないタチ…。後生大事に貰ったのをありがたがり、DVDの棚にタテ置いてサモDVDがごとくに、「いつか味わうぞ」的なお宝秘蔵状態を… 勇気をふるって棚から取りだし、お湯でグツグツ5分煮る。

で。
パッケージを眺め、ファントムの機影とビーフカレー写真とその横の"絆"の一文字の、この組み合わせをどう結んでやろうかと考える。コウモリ傘とミシンといった類の典型的超現実な関連なき羅列。どうとるか… 大きな質問を投げかけてくれるパッケージだな… と苦笑する。
安全保障法政の見直しが国会で議論されるさなか、色々な色彩を放射してくれ、食べつつ弱いアタマが発熱する。


食事のさいに政治の話はするな、というのが高名な中国の格言らしいから、戦闘機とカレーの取り合わせはさておき… 中身は今まで食べた同類の中でダントツ1位の辛さ。
これは特筆に価いする。
最初のヒトクチからすんごくスパイシー。たちまちアタマのテッペンがスパークス。汗噴出。
「か、辛レ〜!」
なのでビールとの相性はバツグンであった。というか、ビールがいっそう辛みを尖らせる。
こういう場合のビール(ホントは発泡酒だけど)は辛みをけっして薄めてくれない。が、これが旨味に貢献する。むしろ辛みに加担して辛さの城壁をいっそう高め、それが苦悶めくな辛み王国の昂悦にいざなう。
はは〜ん、なるほど。
この烈火の感覚… アフターバーナーかもと… F4J-ファントムのお尻のあたり、蒼い炎のエンジン・ノズルを想像した。
パッケージの"絆"の一語は、ビールとレトルトカレーの交友関係なのだと解すりゃイイわけだ。

戦争行為に加担するのは反対だし、自衛隊の出動にとどまらず、上記の法制には"国家総動員"として、放送局や病院や輸送機関、JRはおろかバスの運行にまで関わる、"国民の協力"が明記されているようで、とてものことヤッカイなカラクチに思うけど、このカレーの辛口は歓迎だ。