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月のひつじ

2018-01-15

天体嗜好症

年始がらみのパーティなどなど、いわゆる宴会のコース料理。4000円から6000円といった価格帯が多いと思うが、集う人数が多くなるに連れて店の選択も狭まり、さてそうすると、若干の味の違い、カタチの違いはあれど、どの店も概ねで新年っぽいメニュー、同じパターン。宴会がかさむと、

「またかぁ〜」

食滞気分が濃くなっちまう。

集いはそれぞれが違う性質、違う方々との合流だから、そこはま〜ヨロシイけど、テーブル上のそそられる華やぎという点では、内心、飽・き・ま・す・な。


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※ 13日夜の某新年会でのお料理…。けっして悪くないし、市内中心でない沿線の店ながら若い店主がガンバッて良い印象、好感だけど…、え〜、まぁその…、申し訳ないが舌はあんまり動かない。


それで、やたら呑んでばっかぁ…、というコトになって、さらにイケない。

ま〜、これもお付き合いという気分まで捨てはしないけど、いっそ…、会費7000円も支払ったのに、各種サバ缶食べ較べ・2時間呑み放題・ド〜ンといってみよう…、というようなバカなメに遭遇したいとも密かに願望する。

最後に出たのが、

「シメサバ

というようなメに遭えば、それはそれで語り草になろう。


そんなパーティ系列なハナシではなく、ごくプライベートでのささやかシンプルな茶話会。

茶菓子にコーヒーティー。

毎年1月恒例な、K夫妻との我が部屋でのティー・パーティ


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K氏ときたら、ちかごろ休日となると夜毎に外出し、朝帰り頻繁のヒンシュクもの…、と云ったらウソになる。

行動はその通りながら、実は、星覗き。ヒンシュクなし。

天体望遠鏡を車に積み込み、暗さが確保できる場所、例えば備前市の八塔寺とかとかへ、イソイソ出向いちゃ、夜空にレンズを向けてらっしゃる。

で、下のような写真を撮る。


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※ K氏ことkuyama殿下撮影のM45星雲(プレアデス星団)。和名でいえばすばる座だ。


これを最初に見て…、正直、麺喰らったじゃなくって、ガツ〜ンな衝撃に近いメンくらいをおぼえた。

よもや、このような写真が撮れていようとは思ってなかったんで、

「うっそ〜!」

ビックリ・シャックリ・クリリンめだま。

「近年は廉価でも精度の良い望遠鏡やら装置があるんです」

とのこと。

そこでこたびの茶話会では、その辺りの消息をば聴き出すべく、根堀り葉堀りでアレコレ尋ねぬいちゃ〜、頭上に、

「!!」

ビックリマークを描いてた。

(廉価とはいえ、K氏も結局は装置一式に100万を超える大枚を費やしてるようで、やはり、!、ビックリマークですが)

夫妻の方は、こちとらのでっかいミレニアム・ファルコンにおったまげ〜ション、やはり、

「!!」

ビックリマークなのだったから、お相子だ。

かたやナチュラルなユニバース、かたやSF系ユニバースな模型、

「宇宙つながりでござんすなァ…」

などと北叟笑んで茶をすする。


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※ 8割方完成のM・ファルコン。残り2割は数ヶ月後にまた作業する…。熟成が進むのを待つワケだ。(むろん模型が熟成するわけはない。ボクの頭の中での模型との距離の熟れ頃合いという意味)


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※ K氏撮影のM33星雲。地球からの距離はおよそ300万光年


ワオッ! 300万光年の彼方…。

ということはこの写真は、300万年前の姿を今直視しているということなんだから…、星覗きというのは奇妙な時間旅行そのものだ、よね。

その300万光年の間には、写真に映ってる光点の1つか2つが消滅してたり大変化を起こしてたりもしてるワケで、でもそれが判るのは…、2018年の300万年先なんだから…、実にまったく言語道断な奇妙さだ。

写真に映る赤や青の光点はいわば1つ1つが太陽なのであって、その周辺には多数の惑星が周回していようから、光点の1つが消滅ということは当然それに付随の惑星たちにも大きなドラマがあるということだから、フ〜〜〜。溜息出ちゃうね。


いったい星の魅力というのは、何なのだろう?

その瞬きやら運行を思うと、地表上のアレコレな紛争やら闘争やらの政治的動きがまことにバカっぽく卑小に見えるのも自明だけど…、夜空の星々と空間には悠久の時間が潜んでいて、そこの消息に近寄りたいがためにヒトはついつい見上げちゃうのかしら…、などと若い頃に思ったこともあるけど、いまだよく判らない。

稲垣足穂はそこを「天体嗜好症」という造語で埋め合わせ、感覚言語の嚆矢とした。

うまいね、見事だ、素晴らしい。

けどもこれはあくまで感覚を文学的に表現したもの、感覚そのものを説明したものじゃない。


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だけども…、そもそも感覚は説明しなきゃ〜いけないか?

とある女の子を好きになったとして、その感覚を解説しなきゃ〜いけないとなると大問題。理論や論理で女の子を好きになったワケじゃないはずで。

それと同様、星を見上げる行為に解説やら註解は不要なり、だろう。

などと書きつつ、それでも何か、星を見上げるその行為の意味はまさぐってみたい。

『はるかな昔、遠い銀河系の彼方で…』

と、前置かれてスタートするスターウォーズ・シリーズを観ちゃうのも、その線上の、ボクなりの"星覗き"なのだろう。


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※ NGC4565と番号がふられている銀河。K氏撮影。

こういう写真たちを眺めると、どんな想像空想だって出来ちゃうね。


天体望遠鏡・追尾装置(赤道儀)・カメラ・モニター・パソコン…、次いでPhotoshop

今、天体観測ではPhotoshopはかかせないアプリケーションであるらしい。

骨まで凍える夜空の下で数分の露光を経て像が結ばれ、輝度や色調をPhotoshopで補正する。

ボクのような結論をいそぐ面倒がりには、ちょっと出来ないし、先夜ちょうどボクがとある夜会でチャカポコ呑んでるさいにも、彼は八塔寺のマイナス8度の低温の中、足先やら指先が凍えるのを堪えて写真を撮ってるんだから…、恐れ入る。

けども、手持ちの機材の中に天体画像が結ばれる刹那の気分は、

「やった〜!」

熱い歓喜そのものなんだろう、な。

Photoshopで補正するというのは、撮影者の意志というか主観を挿入するということでもあろうから、ただ撮影したというより、そこでアートに昇華させる力が強くはたらく…。

写真を完成させることで想像主になるワケだから、満足の度合いはたぶんに深そうだ。

が、それでいてやはり、被写体たる天体そのものは手が届かない遠方にある次第で、常にある種の物足りなさというかもどかしさというか…、もあろうかと思う。

ま〜、だから…、ミレニアム・ファルコンみたいな宇宙船が想像されて自在に天体間を行き来してみたい、みたいな願望もまた産まれるんだろな。

…などなど、なかなか形而上的優雅なおハナシをば進め、およそ3時間越えの茶話会を閉じる。


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※ 輝度が高すぎで明る過ぎの船体下部のLED照明…。

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※ 上2枚、内装の1部。


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※ NGC4565ノートリミング版。K氏撮影。


K夫妻はいつも良い刺激をボクにくれる。ところどころで脱線ぎみに政治情勢などな形而下的オカズをいれつつ、あっという間の数時間。毎年思うけどこのティーパーティの時間の進みは尋常でない。異様に早い。

時間は一定不変じゃ〜ないぞと毎回勘ぐるけど今回は、夫妻帰宅後、「宇宙時間の官能」というフレーズが点灯。

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