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月のひつじ

2018-05-03

夕日あかく ~チキチキバンバン~

プロジェクターを使いだして早や3ヶ月。

マルとペケをまさぐりつつじゃあるけど、2重マルとして…、見馴染んだ映画に新鮮を吹き込む効用あり。


たとえば、『チキチキバンバン』。

小学6年か中学1年時、今はなき岡山グランド劇場で観た、我が映画体感ベスト3の1本。

小学5年で岡山市に越して来て、初めて観た70ミリ・フィルムのスクリーンのデカサとハクリョクに、子供ながら腰を抜かした…、です。

津山にそのような大きなフイルムを上映出来る館はなかったんで、ま〜、カルチャーショック…。

ちなみに最大のショックは天満屋の大食堂とソフトクリーム。

当時は6階だかが1フロアまるごと食堂だったような…。デパートという存在もまばゆかった上に、そんな大きな食堂にビビった上に、食券というシステムに眼が丸くなった上に、家族ぐるみで席の争奪戦っぽい繁華な状況の上で…、津山になかったソフトクリームなる存在のアット〜的重厚な甘味の上っぷり。ウワ〜、どえらい大都会に越して来たな〜! 正直そう思い…、突然に劣等感めく妙な感触もおぼえてしまって、以後いまに至るも、ソフトクリームは甘味の王様と決めてひざまずいてルンダ。


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で、『チキチキバンバン』。

2人の子供たちを寝かしつけてから夕刻の屋外に出た発明家ポッツが、カーニバルの馬車の移動に気づき、そこから思わぬ小遣い稼ぎへとシーンが続いてボロボロのチキチキバンバン号を手に入れるきっかけとなるシークエンス

その夕刻が…、実に明るいのに、はじめて映像投影で気がついた。

今まで何でこれに気づかなかったんかしら? と訝しむほどに、子供たちのベッドの向こうの窓は明るく、ポッツが屋外に出たさいもしっかり明るい。


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※ 1968年作品ゆえ云うまでもないがCG映像じゃなく、いずれも実写映像…。

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一見して、Blu-ray仕様はダメだな〜、明る過ぎるじゃん…、てな嫌な感じをおぼえ、でも妙にも思って、英国の昼夜の長さを調べてみた。

合点がいった。

夏至冬至では、日照時間が極端に違うんだねイギリスは。

冬は16時頃になると真っ暗になる。夏は逆に、日没は21時を過ぎるんだ。

『チキチキバンバン』は夏の物語。

だから、幼い子供たちが寝かされる20時とか21時という時間はまだ存分に明るいのだった。

Blu-ray仕様に問題はなく、日没イコール19時頃という日本でのイメージは捨てなきゃいけないと諭された。

(位置環境として緯度は北海道より上なのだし、気温もかなり違い、夏の夜でも時に暖炉に火をいれる。この映画でも暖炉の火がでてくるし、主人公もサマーセーター羽織ってる)


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この日照時間のことに今までTVモニターでは気づかなかったけど、大きなスクリーンへの投影だと眼が画面のアチャコチャを移動するんで、それでやっと…、英国風土の時間的味わいを知らされた。

画面サイズが大きくなれば情報量も大きくなるとは限らないけど、従来気づかなかったところに視線が泳いで思わぬものと遭遇という次第。何度も観た映画なのに新鮮をおぼえ、子供時代の思い出が補正されもして、嬉しかった。


だから見方を拡大し、作品を変えて、ホームズワトソンが夜の9時を過ぎてゴソゴソ活動しているシーンなんぞを顧みると、ベーカー街221Bから出動のその刻限もまた、夏ならば明るいのだ…、というようなコトとも連結できる。

いや実際、この前読んだジューン・トムソン描く所のパスティージュでも、

「8時を過ぎて日没が近づいている。わたしとホームズは」

といった描写があった…。

こういう時間的光景を、ボクらはたいがい見逃しているはず、だ。


過日にここで昂奮ぎみに紹介した『日の名残り』には、アンソニー・ホプキンズ演じる主人公が旅するシーンがあって、とても印象的な夕焼けが出てくる。

途中、ガス欠で車が停まってしまうのだけど、さ〜さ〜、これは何時だ?

季節は冬になりかけという頃。


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※ このシーンもCGにあらず、実写。監督のコメントを聴くに、「驚くほど美しい夕焼けに出会えた」と喜んでる。


ありがたいことにこの映画は時間をチャンと説明してくれていた。

他の車に救出されて近くの街のパブで一服のシーン。その背後に時計があって、5時50分頃を示してる。(きっとこれもTVモニターじゃ気づかなかったかも…、です)

移動時間を考慮すれば、夕焼けシーン、すなわち日没は4時から5時にかけてのものと思え、田舎町のパブは6時前の時点で既に大いに賑わって、早や酔っぱらってるヤカラもいるという次第がそこで描写されているのだった。


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英国の冬は夜が早く、そして夏は、昼がながく夜がとても短いのだった。

したがって、さらに別作品に、これは映画ではないけど眼を転じれば、『真夏の夜の夢』の妖精パックの活躍時間もまた短い…、という次第になろう。


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もっともこの喜劇は五月祭の頃を舞台としているから、タイトルの「A Midsummer Night's Dream」のミッドサマー(七月の夏至)との整合性について、

「5月と7月のこのズレをどう解釈するか」

今もって文学畑では繰り替えし論争のタネのようであるから…、日没時間の特定に至らないようにとの、罠としてのタイトルだったような気がしないでもない。英文学研究の徒はいわば悟空釈迦に翻弄されたように、シェークスピアの手の中で踊らされてるような…。


と、ま〜、このようにプロジェクター導入で一文が書けるというコトに悦んでるというワケだし、映像というメディアをボクの性質(タチ)はとても好んでるという嗜好の再確認ともなって…、いずれそのあたりのコトはまた触れたい。

…と、なに気取ってるんだ? ヤダなぁ。


ちなみにプロジェクター導入のきっかけは1つに映画館画質を部屋で味わいというのがあったけど、同時に、ジャズフェス映像担当のKaoruちゃんことK君の影響が大きい。


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※ 昨年の「中銀前ジャズナイト」のためのスクリーン・テスト。背後から投影という次第でイチバン効率がいいのを探すため、農業用ハウスのビニールなんぞも買ってきて試してるという図。彼の事務所にて。

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このヒトはもう数年前からプロジェクター映像の利点を体感しつつも決して厚かましく広言せずの奥ゆかしい人なので、即行でマネる次第もなかったけれど、いざやこちらが導入したとなるや、いま設置のスクリーンよりグッと良いスクリーン・システムがあるコトを伝授してくれた。

さんきゅ〜♡

比較的廉価な上、巻き上げ収納を前提に作られているんだけど、輸入モノ…、ボクの希望する80インチ・サイズは入荷待ち。(100インチは在庫があるようだけど…、我が部屋にはデカすぎだ)

なので内心クビをなが〜くしてShopからの連絡を待ってるNOWだけど、連休だしな〜、当分は指をくわえてるだけかなぁ。ソフトクリーム舐めたいなぁ。


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