Hatena::ブログ(Diary)

月のひつじ

2015-09-17

サンダーバード博 in 千葉


50年ぶりの新シリーズがスタートした『サンダーバード』。

わりと感想を聞かれる。

ボクは旧シリーズで育った人間だから新シリーズを歓迎しつつも、視聴ターゲットも明白だし、やはり濃くはのめり込まない。

旧は、芝居を眼の前で体感しているような感触を、事実、人形達の汗を感じたもんだけど、新は、どこかガラスの向こうの、いわば綺麗な良く出来たアクアリウム水槽を眺めるような感じ。

どちらが優るとかいうのではなく、使用前・使用後でもなく、正統な血縁の現代の姿をゆるやかに微笑んで眺めてる。

トレーシー家の居間が、50年前を踏襲しつつも今風なテーストなのは、デザインのパワーというべきか、匠のリフォームというべきか。

ただ、ピアノがないね〜。旧作ではバージルが弾くシーンが印象深かっただけに、チョイと残念に思わないでもない。


f:id:yoshibey0219:20150917040852j:image


50年前の旧『サンダーバード』は個人がその責任において国際救助を行っているというのが物語の骨組だった。こたびの新は、そこが違っているようで、「国際救助隊」は国際的平和組織に属しての活動のようだ。とすれば、それはボランティアではなく職業か? 事情は放映会数が増さないとわからない。良い方向でそこが描かれるのを望んでる。


この19日より、千葉中山競馬場、その外接のセンタープラザにて『サンダーバード博 in 千葉(Nakayama)』が開催される。

9月19日〜9月27日 10:00〜16:00

旧シリーズを中心にした展示。関東方面の方は、どうぞお越しをば。

ここでやりまする。↓↓ とはいえレースもある巨大な複合施設、連休中はちょっと混み合うかもですな。


f:id:yoshibey0219:20150917040655j:image


50年前、1965年ではなく… そのチョイ前の1956年ソビエトの圧政に苦しんだ末でハンガリーの人達はいっせいに抵抗をはじめた。ハンガリー人が運営する公的機関もそれに呼応して改革蜂起した。

でも、ソビエト側はハンガリー新政府を創りだし、いっせい蜂起した人達は武力鎮圧され、殺害され… そして数10万単位の人達が難民となって国を出ざるをえなくなった。

その現代のハンガリーでは、昨日だか、シリア方面からの難民に向けてハンガリーに入らぬよう放水と催涙ガスを浴びせたらしい。

難民の多くはドイツをめざしている、いわば途中を通過したいだけだろう。

けども、それを認めない。

国境がもたらすものは必ずしも穏やかなものでない。

今日明日の内には強硬に採決されるであろう"違法"な法案で、ボクらは、あるいは次世代の日本は何を背負うのだろう?

澄明であったはずの水に墨が浸透してくる気配が、濃い。どういうワケか、

「飛んで火にいる夏の虫」

この句がアタマの中に浮いて沈まない。

2015-08-06

サンダーバード ARE GO


昨日、東北新社さんよりオフィシャルに新シリーズ『サンダーバード ARE GO』の日本語声優を紹介するアナウンス。

放映はかつての『サンダーバード』と同じく、NHK

ここ数年の同社主催の「サンダーバード展」に関わった者として、やっとこの日が、いや、もうこの日が来たかと… 感慨深い。


D


ただ、とても個人的な感想を素直に申せば… 嬉しく、めでたい事と思いつつ、一方でそこそこな寂しさみたいな感覚も湧かせている。

とどのつまり、いわば第一次大戦に参戦した者が、はるか歳月を経てフイに近代戦の現場をマノアタリにするような、これは経年と変化へのとまどいだろう。

こたびの新シリーズ『サンダーバード ARE GO』は当然ながら、そんな古参兵を目当てにした作品じゃなく、新たな世代に向けてのもの。

そりゃ当然だ。

人形でなく、CG。(ただし背景ディオラマにはミニチュア使用)

40数年の歳月を経て、サンダーバードはいわば孫の代に新生したわけだ。

そこを喜ばねばいけません。

したがって古参兵としては昔を懐かしみつつ、それはそれ、これはこれとして…

放映を楽しむつもりなり。


リ-メィク・リ-モデル


f:id:yoshibey0219:20150806055849j:image


上は、新作のCGによるトレーシーハウス。

いや〜、プールはオリンピック選手の強化合宿も出来そうな規模になったなぁ。


f:id:yoshibey0219:20150806055850j:image

f:id:yoshibey0219:20150806055851j:image


こちら、現在、東北新社さんの所にあるうちの模型。

ま〜、好みを申せば、ガラス張りも悪くないけど、このアメリカン・バンガロースタイルなカントリーライフっぽい建物やプールが、"個人のお宅"をより濃く前面に出している感があって、好き。♡


さてと新シリーズ放送は、8月15日の土曜日。午後6時10分から。

第1話「インターナショナルレスキュー出動!」の前編。

翌日の同時間で後編だよ。

次いで8月22日の土曜に第3話「スペース・レース」だ。

ちなみに英国では4月から放映がはじまっていて、当地の良い子たちも喜んでるようだ。

f:id:yoshibey0219:20150806055848j:image

詳細情報はコチラ

2014-09-15

サンダーバード博 in 北九州 本日終了


北九州イノベーションギャラリー。2ヶ月に渡っての『サンダーバード展』は本日、9月15日でおしまい。

ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。


"サンダーバード"というのは、メカの総称。

そのメカを駆使しているのが、"国際救助隊"なワケですね。

ご承知の通り、南海の孤島に住まってるジェフ・トレーシーが家族で運営しているボランティア組織が、"国際救助隊"です。

面白いですね〜。

膨大な経費を費やしてのボランティアとしての"国際救助隊"。

f:id:yoshibey0219:20140915221942j:image

たまさかこの期間中、広島での惨事もあって… 今、毎日、数百人のボランティアさん達が復興のために尽力されてますけど、TVのニュースで眺めると、実に理路整然、ちゃんと仕切り役の人もいるのは驚きです。

阪神淡路大地震の頃から、ボランティアさんをまとめる担当の人も生じて来たワケだけど、自然発生的にそうなってるのか、行政が指導役として関わっているのか、そこは判らないけど…、ともあれ大勢の人が加わって、感慨深いですな。

f:id:yoshibey0219:20140915222137j:image

そんなニュースを見つつ、『サンダーバード』を思い出します。

(上の写真は、小松崎茂画伯がイマイ模型に提供したパッケージアートの原画とそれをプリントした同社のプラモの数々の展示コーナー)

東京、大阪、福岡と大都市な3会場で催された企画展は、まだ続きますが… サンダーバード1号とか3号とか2号などなどカッチョいいメカの、その背景、その目的としたトコロに思いを馳せるのが、今は本当に必要なような気がします。

TV人形劇『サンダーバード』が放映されて早や50年……。

50年前よりも今の方がデンジャラスな事が多いのかどうかは判らないけど、人が人のために手を差し伸べることの大事さを、つくづく感じる今日この頃であります。


ちなみにですな… 多くの方はたぶんご覧になったコトはないでしょうけど、『サンダーバード』はTVシリーズとは別に劇場版が2本あります。

サンダーバード 劇場版』

サンダーバード6号 劇場版』

この2本が映画館で公開されたのですよ。

で…、2作目となる『サンダーバード6号 劇場版』では、救助メカをアレコレと考案するブレインズ博士が描写されるんだけど… その提案がトレーシー一家にことごとく断られるというシーンがあります。

せっかく救助のための新たなメカを考え出したのに、それを、

「いや〜、それはどうかな〜、不要だろ〜」

と却下され続けて、とうそうヤケをおこすブレインズ博士がとても抱腹大笑いなんですけど、ま〜、それが最終的に、TVシリーズには登場しなかった"サンダーバード6号"の開発につながって、劇場タイトルの意味する所がヒトキワ際立つという仕掛け。

傑作なのであります。

f:id:yoshibey0219:20140915222305j:image

ま〜、ともあれホントは、サンダーバードなんぞが活躍することのない災害なき平安が1番に良いのでしょうがね…。

そう都合よくいかないのがご時世。

広島で、服を泥まみれにし、土砂をせっせと袋に詰めては運び出してる若い人達(よく見ると中学生くらいな子供もいる)は、カッコいいメカこそ持ってないけど、光明輝く"サンダーバード"、"トレーシー一家の一員"でしょう、ダンコに。

2014-08-10

夏休み サンダーバード博 in 北九州


台風一過で夏休み。その上、スペースワールドのすぐそばという好立地。九州方面の方はすでにお越しになった方も多かろうと思います。

というワケで、展示品の解説をば、少し。

f:id:yoshibey0219:20140810190039j:image

今回ご紹介するのは、ブレインズ博士。

会場の北九州イノベーションギャラリーのHPでは、"移動指令室"を前にして背中が映っておりますね。

このブレインズ博士は全高は40cmくらい。腕と足と腰が可動します。ポーズをつけられるワケ。

顔と手の造形はモデルグラフィックス誌をご覧の方ならご承知の、丸屋くん。古い仲間内のボクらはデミアン君と呼んでますけど、人物を粘度で再現する力量において、この人は天才。モデラーじゃなく、アーチスト。

近頃はまったく方向の違う作品も手がけて、これも素晴らしい。詳細はここ


でもって、ブルーのメガネは某T模型社で活躍中のH君の造形。あえて意識的にメガネをワンサイズ大きく作っております。

ブレインズというキャラクターの一見の特性ポイントがそのメガネにあることを加味した上での、ワンサイズアップ。真の意味でのディフォルメ。

はい。そんなワケで新幹線チケットと一緒に記念撮影(笑)。

f:id:yoshibey0219:20140810190440j:image


細身のパンツが実にイマドキっぽいけど、1960年代前半から中盤にかけては細身パンツが流行った時代。

流行が今また60年代に逆行してるので、なのでチッとも不自然や滑稽感がないのが、イイでしょ。

ブレインズ博士、オシャレです。

ジャケットもたいへんモダン。生地はツイード、英国カーナビー仕立て。

ポケットチーフ代わりのニッパーのシルバー光沢。この研究開発者的かつ技術者的演出が心憎いのです。

f:id:yoshibey0219:20140810190659j:image

腕時計も、劇中に登場したデザインをしっかり模型表現しておりますので、会場でよ〜くご覧ください。

といっても、袖に隠れて見えないんで、今回はアップでご紹介。

これ、iWatchならぬテレビ電話機能つき。

f:id:yoshibey0219:20140810190700j:image

エピソード『火星ロケットの危機』では、人前ながらこれに向かって喋らねばならずな状況となり、それで救出現場にサンダーバードを誘導出来たものの、御本人は… アタマが変な人に間違われ病院に収容されてしまうという抱腹の1話。

しかもオマケに強制入院されてたブレインズ博士を引き取りに出向いたペネロープが院長の前で、こちらはコンパクトに向かって話し始めるもんだから、院長… 我が眼を疑うという2重の大抱腹。

カメラ組み込みの携帯電話が当たり前の今となっては、実に懐かしく微笑ましい名シーン。その描写はもう古い、とかいうのではなくって根源的な人間(人形が演じてるけど)の面白さが良く出てるのが『サンダーバード』なのです、な。

日本のテレビに登場して早や50年の歳月が経つ英国番組「サンダーバード」。来年には新シリーズも登場予定ですが、褪せることのない名作でありますゆえ、機会あれば是非、このお盆、この夏休み、北九州イノベーションギャラリーへ。

>^_^<

2014-07-06

サンダーバード博 in 北九州

f:id:yoshibey0219:20140706052455j:image

東京、大阪についでの『サンダーバード博』第3弾は、九州です。

こたびの会場は「北九州イノベーションギャラリー」。

下関からほど近い福岡県北九州市。

遡ること明治の時代、そこには住友金属や八幡製鐵など基幹産業の担い手が林立。種々の工場から黒煙たちあがり、夥しい量の金属品が日本中に届けられたのでした。

鎖国して営々と土と木の文化であった江戸時代から"鉄の時代"に入ったわけですね。

ですので北九州市は日本の産業革命発祥の地。

「北九州イノベーションギャラリー」はその背景を踏まえて、産業と文化をクロスさせる展示施設。国際救助隊のメカの数々をお見せするには最適な会場。

半円筒な大型ドーム。八幡製鉄所の巨大高炉(史跡)が目印です。

期間はまさに夏休み。九州方面中四国方面の方はぜひ、お越しくださいね。


f:id:yoshibey0219:20140706052604j:image


ついでと云っちゃ〜何だが、スペースワールドもすぐそば。ほとんど道路を挟んでアッチとコッチって〜な近さです。(^_^;

電車の場合、新幹線小倉駅で鹿児島本線に乗り換え、スペースワールド駅下車(10分くらいね)で歩いて5分かからない。イノベーションギャラリーは駅のすぐ前ですよん。

f:id:yoshibey0219:20140706052704j:image


下写真は今回展示の当方の模型の1つ。

トレーシー家の居間の背後に隠されたサンダーバード1号格納庫。

以前にも同様なのを掲載してますが… 意外と狭い奥行きの中、パースを極端につけてのこの模型は、60年代前半頃の英国での撮影の雰囲気を知る手がかりとなる"資料"では、ありましょうや。

f:id:yoshibey0219:20140706052859j:image

撮影を前提に構築された模型というのが、どういったものであるか、とくとご覧下されば幸いです。

会期中は撮影オッケ〜となる予定(のはず)ですので、お手持ちのカメラや携帯でパチリ撮ってみてくださいね。ローアングルが狙い。

ここに記したことが、

「あ、なるほどね〜」

と、御納得いただけると思います。

1号の背面にはお馴染みのスコットが、これはわずか1cmくらいな大きさだけどもチャンといますからね。

f:id:yoshibey0219:20140706053008j:image


ちなみに、この格納ベース壁面の諸々は、実際の「サンダーバード格納基地」の撮影にも使われたパーツと同じモノを1部では使ってます。

60年代当時、英国にDAPOLという鉄道模型のストラクチャー(ディオラマ用の小物)を作っているメーカーがありまして、そこから鉄橋の組み立てキットが出ていたのです。

むき出しの鉄骨の表現とかで、「サンダーバード」ではこれをけっこう多用していました。

↑ もちろんこれは後年、研究家でモデラーのT.Y氏などが時間かけて精緻に調べあげてやっと判った"成果"なのですが、そこでガンバッてY氏たちとそれを探し出し、想定したより高額だった(その時点でもう絶版品だったこともあって)ので、ギャッ! と悲鳴をあげながらも、焦眉の急、何とか入手。今回の展示品で使っているのでありますよ。

模型とは、模したカタチと書きますけど、こういったマテリアルな部分においても、

"模する"

ワケです。

ちなみ次いでですから言及しておきますが、この赤い通路右側の曲がった筒は、サンダーバード2号のコクピットに直結した"滑り台"ですよ。おわかりですか?

ここでも上記DAPOL製の鉄橋のパーツが使われております。

f:id:yoshibey0219:20140704030820j:image

2013-12-27

うどんとサンダーバードにカレー・ルウ

f:id:yoshibey0219:20131227040201j:image

「大阪といえば、やはりうどんですな〜」

と、この前、落語の桂紅雀氏がボクの眼の前真ん前でそ〜云った。

なるほど確かに… 阪急線とかじゃ、駅に"阪急そば"が出張っていて、きつねうどんは300円だ。

麺ツルリンと腰はないけどアゲ大きく、うん? おにぎりとのセットの方が得なのか、梅田店。

ちゃちゃっ、と食べる。

そのうどんの大阪で、さてさて『サンダーバード博 in 阪神』の開催だよ。

1月の7日までね。


で、今回はうどんでもサンダーバードでもなく、それらは阪神百貨店に出向いて賞味いただくとして… カレーのルウの話だ。

岡山じゃあんまり見慣れないもんだったんで、買ったんだ。

f:id:yoshibey0219:20131225201634j:image


ビーフじゃなくポークで作ってみるに、昨今の固形タイプのルウには醸せないトロリとした粘りがあって、買ったのが甘口でもあったんで、品名に相応しい、子供時代に馴染んだ感ある美味しい食感じゃあったんだけど… 1つ、わからない。

パッケージの上側付近、『東京』の文字の下にある『BLOND』だ。

これは何だろう? と、訝しんだわけだよ。

f:id:yoshibey0219:20131225201737j:image

よもや、『BRAND』、”東京 ブランド"と書こうとして綴りを間違えたか?

いやいや、そのようなハズはあるまい… ちょっとオシャレな"水牛印"をトレードマークにした、創業が昭和の5年という、いわばカレー粉の老舗じゃないか。短絡な過ちをしでかすワケはなかろう。それに下地の色も変えているじゃないか。

水牛という、あんまり和的じゃないギュ〜を社のマークにするようなシャレてハイカラな会社なのだから、これはたぶんに、カレーの黄金色からの連想として"ブロンド"と記しているに違いない。

でも、しかし、はたしてそうか。

それならそれで、何かその"ブロンド"をより暗示させる仕掛け、示唆する絵なりテキストがあってもいいのだが、それはどこにも置かれない。

そもそも、やや狭義に解するに、日本でブロントといえば金髪が1等に想起されるわけだから、いきおい、カレーのルウにこの単語を持ってくるであろうか?

通常は、持ってこないであろう。

でもね… パッケージそのものは全体が黄色というか、ガンバッて解釈するに"金色"のテーストがないわけでもない…。カレー→ゴールド→ブロンド、の連想がないわけでもない。

という次第で、惑わされ、解釈が二分されるんだよ。

いや、たとえばですよ… 下の写真。

f:id:yoshibey0219:20131227040205j:image


これは我が住まいの近くの踏切にある看板なんだけど、JRはこの看板でもってズ〜ッと恥をかき続けてらっしゃるんだけど誰も指摘してあげないから、さらに恥は継続するんだけど… 当然、これはマチガイなのであって、深い含蓄なんぞはない。いっそ、これが"衝撃"でなくって"笑撃"となってりゃ、なんだかJRにアヴァンギャルドの斬新をみたり出来るんだけど… そうでない。技術秀いでたJRの思わぬ弱点は国語なりなのだ。


その点でこたびのカレー・ルウのパッケージは、ひと味違うのだ。

ただの綴りマチガイか、非常に奥の深い含蓄ありな意識された単語なのか。

あるいはひょっとしてこれは、『東京・ブロンド・懐かしの昭和カレー』が正式な呼称なのか…。そうであるなら、な〜かなか華麗じゃないか…。 

2013年終了直後にフイに突きつけられた、これは思わぬ難問だ。

なので、お味と共にこのパッケージも、気に入った。

我が輩としては、これは綴りマチガイなんかじゃなくって、あくまでも輝きある"ブロンド"と解釈したい。

いかにも昭和な感じで、カレーがご馳走だったサンダーバード世代によくマッチするよ〜な。

あなたはどう思う?

厚生町(岡山)のプロフーズという店で売ってるぞ。

2013-12-20

サンダーバード博 in 阪神

夏のお台場から今度は冬の大阪。

この27日より年明けの7日まで、大阪阪神百貨本店にて『サンダーバード博 in 阪神』の開催だ。

いささか期間が短いけれど、大阪での大規模なサンダーバード展覧会は、92年の梅田ロフトでの展示以来だから、お久しぶり。きっと、はじめて数々の模型を直に眼にする人も多いでしょうな。むろん、こたびの方がはるかに規模が大きい。

界隈にお住まいでお時間がある方は、どうぞ、お越しを。

詳細はこちらへ。

※ 元旦はお休みです。

f:id:yoshibey0219:20131220182427j:image


サンダーバード』が放映された1966年の頃、ロケットでの人の飛行というのはマーキュリー計画からジェミニ計画へと以降した時期で、超大なサターンロケットはまだ開発途上で、当然に月は未踏の地だった。

サンダーバード』にはそんな時代の背景が色濃く浸透していて、なのでジェフ・トレーシーは"月に最初に出向いたアメリカ人"であり、その5人の息子は、スコット、ヴァージル、ジョン、ゴードン、アラン、いずれもマーキュリー計画のホンモノの飛行士の名があてられて、1つの連想形をなすというアンバイだった。

顧みるに、この時代… テレビの中で毎週、ロケットが、それも人が乗ったのが、打ち上がっていくのを見せてくれた極点が、この『サンダーバード』じゃなかったろうか。

当時の日本では、カラーテレビは100軒に3台あるかないかの普及率(0.3%)だった。

ボクも白黒で見た。

f:id:yoshibey0219:20131220182938j:image


以前にも書いたけど、だから"色"は雑誌のカラーページで知った。

少年サンデーとか少年キングなどの巻頭特集だかで、はじめてサンダーバード2号の緑色をみて、リアルな、それでいて美しい、と思える色合いに、しばし、陶酔めくな境地に運ばれたもんだ。

リアルとは、新品ピカピカじゃない使い古された、あるいは使い慣らされた気配のこと。そこに眼をはった。

外装のパネルごとに絶妙に色が違うという表現に眼が点になる。くわえ、泥がはねた痕跡有り有りな部分表現の精緻にオドロキ桃の木参照サレタシであった。

汚れているのがカッコ良かった…。

f:id:yoshibey0219:20131220182800j:image

なので、イマイのプラモデルのサンダーバード2号を買ったものの、その緑の成形色には、子供ながらズイブンと失望した。

緑色とて色々あるわけだ。ブリティッシュ・グリーンといったカラーがあるなんて知らない時代。

イマイのプラモデルを組み立て、眺め、遊んだものの、その緑にテカッたボディがテレビの中の緑とは違うという抜き差しならない距離の甚大さに、大いに悩んだもんだ。

汚れていなんだ…。

プラモデルなんだから塗ればイイじゃん、というワケにはいかない。

まだ、スプレー式な塗料なんて売ってない。

艶を落とすというワザも、汚し塗装というスベも、素材を含め、まだ日本には浸透していない。

ボディのグリーンを違うグリーンに置き換える方法も論も、小中学生にはなかった…。


はるか後年になって自分も模型の仕事をする中、そのイマイの勝沢会長と銀座だかでご一緒したコトがあるけれど、むろん、「ミドリ色が気にいらなかった」とはボクは云わない。そんな愚痴はもうはるか昔のこと。かのプラモデルでボクが得たものは多い。いっそ、感謝の念が濃い。

プラモデルの黄金時代の話を伺えたのがひたすらに幸いだった。

f:id:yoshibey0219:20131220182937j:image


闊達な人柄とそれゆえに付随した豪語が、時にホラ吹き男爵のそれのようでもあり、当時、彼の側近だった部長だか秘書長だかが同席で心配げに耳をそばだてているのが、可笑しくもあった。

体格同様に、話がどんどん大きくなっていくワケゆえに。

「ブラジルでも放映がはじまってね、それで毎日、3000ヶを出荷だよ」

「ちゃいますチャイマス… 300ケです…」

てな感じで。

けどもその豪快さん豪語録に、かつての60年代、イマイのプラモデルが日本はおろか全世界に向けて、まさに飛ぶがごとくに売れていたことは充分に了解できて、その中心にハデなスタイルの勝沢さんがいたのだな〜と、妙に嬉しくもあった。

いわばこの人が、子供の中の『サンダーバード』の夢のカタチに方向性をあたえてくれたワケで、時にボクのアタマの中じゃ、ジェリー・アンダーソンとこの人の顔がモーフィングして一緒になる。直かにお会いしたのはその1日限りだけども、意外や… この方にボクは影響を受けている。オモチャを仕事にする醍醐味という辺りで濃厚に… というよりも平たくいえば、その精力的な活動エネルギーの発露に。あるいはいささか大袈裟におしゃべりするという辺りに。

やがてイマイは倒産してしまうのだけども、そんなことはどうでもいい。

1人の男として勝沢さんには大きな魅力があった、という次第を申しあげているわけだ。

この人がかつての昔にサンダーバードのプラモデル化を押し進めていなかったら、今、50年も経って、こうして、"サンダーバード博"なんてイベントは成立しえなかったろう… 思う。

いわば彼は、サンダーバードという畑の緑の多樹に水を与え続けた"育ての親"であったと、思ってる。

2013-09-23

東京会場へのお越し・ありがとうでした

お台場での『サンダーバード博』は本日で終了です。

暑かったですな〜、この夏は。

お越し下さった皆さん、ありがとう。

さ〜〜てと、ひとまず終われば、おかたづけ。

次なる展示をお楽しみに、であります。 


おかたづけといえば… ボクはデスク廻りを片付けられないタイプ。

むろん、正月前とかで年に1度は劇的に片付けてすっかりクリーンな状態になるコトもあるんだけど… あくまで年にただの1度。

そこから先の360日ほどは、ホコリがたまってくようなアンバイの、ひたすらなモノの堆積。

大切な書類がどこかに潜り込んだり沈んでしまったり、もはや不要以外な何モノでもないハズのサンプルとして工作した模型パーツの小片がいつまでもテーブルの端っこの本と本の合間に鎮座してたりして… 混沌としています、な。

だから映画の中なんぞで綺麗に整頓されてる主人公の部屋なんぞが出てくると、

「ふ〜〜ん」

てな、本筋とは関係のないところで妙に感心してたりします、な。

なんか羨ましいな〜、とストレートに思ってしまうワケです。

さ。

出かけましょ。

戻ったら、少しは片付けようと念じつつ。

2013-09-06

サンダーバード博の模型たち

お台場での『サンダーバード博』。期間は今月の23日まで。

スタートは7月10日でしたけど、3ヶ月というのは長いようで短いですな。

今回は、現在展示しているものと併せ、展示していないものも少しご紹介しましょう。

f:id:yoshibey0219:20130906051407j:image

上はただいま展示中の『移動指令部』。

『移動指令室』といったりもします。

災害現場とトレーシー島を結ぶ、いわば中継基地となる装置がこれです。

サンダーバード1号に搭載されて運ばれ、使われるという次第。

いわば脇役としてのメカですが、こういった存在がドラマに深みのあるリアリティを加味させてます。

f:id:yoshibey0219:20130906051408j:image

着色前の様子。

60年代の雰囲気をそのまま醸すべく、豆電球と点滅電球を大量に使ってます。

でも、LEDではないので球切れの心配があって… なにしろ長期展示ゆえ… よって会場では電源はオフ。効果をお見せ出来ずなんですが、仕方ない。

フィギュアの衣装が違うのは、これは試作ゆえ。いわばサイズ合わせとしての仮衣装です。


塗装後の移動司令部。

f:id:yoshibey0219:20130906051410j:image

f:id:yoshibey0219:20130906051409j:image


ご存知サンダーバード2号のヴァージル。

当初はこのように隊員服を着ていたのだけど、よりプライベートなカタチもいいのではないかと… 夜会服に。

劇場版『サンダーバード6号』の最終シーンでチラリと、このような衣装の彼が出てまいりますゆえオシャレモードに変身させた次第。

でも、結局、展示しておりません。

救助活動をメインテーマにした今回の展覧会にはそぐわない感もありまして。

素晴らしい仕上がりのヘッドは、7月号のモデルグラフィック誌紙上でちょっとした特集記事になってる徹屋君が担当。

縫製にNさんやHさん。

他にもY君やH君など、フィギュア及び移動司令部は、意外や大勢の方が参加して出来上がってます。

芯となるボディは「サンダーバード」が造られた60年代前半での造形を踏襲。

なので可動する関節は、あえて針金で連結していたりします。いまどきのポリキャップを埋めたフィギュアではござんせん。

右側の上半身像はこれも展示していないんだけど、パーカーの胸像。そう、ペネロープの執事。


f:id:yoshibey0219:20130906051851j:image


これは展示中のスコットとブレインズ博士。これに加えて会場ではアラン(3号のパイロットだよ)も展示してます。

ヘッド部分の造形と塗装は徹屋氏。

Nさん達縫製担当は、生地を探してくるのがチョ〜大変だったようで…。でもおかげで良いオーダーメイド衣装に。

ブレインズのブレザーは生地のチョイスといい、縫製といい、最高の仕上がり。

60年代中期を代表する英国プレタポルテ♡、襟のないカントリーライフ的スタイルの優雅。そのリメーク、見事に着こなしたブレインズ博士って〜〜な感じですな。

製作上の1番の御苦労は両者のパンツ。その細さですな。ホンモノな人間なら何とか無理しちゃって穿けたりもするけど、1/6の小さき、それも硬い足(ポリウレタン樹脂で作ってます)ゆえ… 穿かせてフィットさせるまでが大変。

2人がかりでアッチを押さえコッチを支え、右側をちょっと上げさせておいて若干に左足を曲げさせて、その隙に反対側を持ち上げるといった七転八倒の衣装着け。

かいあって、見事にスリムフィットです。

60年代のファッションというのは今に通じますね。70年代に入ると例えばパンツはスリムなものからパンタロン的ゆったりな衣装へと変わってくけど… 今現在というのは時代がグル〜っと廻って先祖返りしてるだけみたいなアンバイですな。

ちなみにチョット前、展示中のこのブレインズのブルーのメガネが脱落(誰かが無理して触れてフレーム折れた)しちゃったという"事件"が発生して、慌てましたよ。

東京から連絡を受けても即座に移動できない場所に住まってますからね、トレーシー家にお願いしちゃって、

「よし、直ぐに出動だ。サンダーバード1号発射!」

というワケにもいかんので。


f:id:yoshibey0219:20130906051852j:image


いささか大きな1号のディオラマ。

これは未展示であります。

第7話「原子力機ファイアーフラッシュ号の危機」に登場のシーンを再現しております。

移動レーダーと移動司令部を設置するために、農家に協力を願い出てという情景。場所は海岸線に近い英国某所。

牛舎内に移動司令部を設置。その外にレーダー。

救助活動終了後、この第7話では、スコットが農家から搾り立ての牛乳をもらってくるという楽しいエピソードになってましたね。

1号はTVC-15自社製の1/100。噴煙は綿。

新品の繊維細かい真っ白いのと、使い古されたマクラか何かから取り出した、やや黄ばんでるようなアンバイなのを探し出し、この両者を手の中で織り込むように併せていって… 噴煙の色彩感触をもたせるという… ワザあり。ちょっと写真じゃ判りませんけど。

機体を宙づりに支えるバーをこれで隠しているのですが、実はやや安定に欠けるので、未展示になったコトでちょっと安堵していたりもします。

f:id:yoshibey0219:20130906051853j:image

牛舎とレーダー。

これと移動指令室とが、本来はセットとしてサンダーバード1号に搭載されているワケなのですな。

あんがいに大きくて、サンダーバード1号のどこに搭載され、どのように降ろされたかを想像すると… うむむ、ツジツマがあわんぞというコトにもなるんだけど、そんなコタ〜どうでもよいのです。

早や60年代に、このような"中継基地"もまた要するのだということを見せてくれた当時の製作者たちに、ただもう感服するのみなのであります。

電波は曲がらない。でも地球は曲がってる。

だからお届けの電波がはるか遠方の場合、中継ぎが必要なのだ… ということを当時の少年は、学校じゃなく、この番組でもってお勉強しちゃったのでした。

60年代前半はまだまだラジオの時代。鉱石ラジオを組み立てるといったコトやらが趣味として成立していた頃なので、劇中に登場の電波は曲がらないは… 幼き少年にはズ〜ンと重い新知識だったワケでありました。

よって、わたくしども"再現者一同"はこぞって、恩師たる"サンダーバード"に強い敬愛の情をもって、こたびは模型造りに挑みましたんですよ。

2013-08-17

平成極楽オタク談義

横浜の良き知人が、「サンダーバード」のコトに触れてたよ… と、懐かしい映像を送ってくれた。

何年前かしら?

10年か、9年か、あるいは11年前か… いささか心許ないんだけど… せっかくゆえ、ごく1部をユーチューブに載せたのでご笑覧をば。

内容は、映像の中にある通り…。

D

久しぶりに眺めると、

「あらら、髪の毛があるら〜!」

なので、自分の姿を見つつ、なさけないような、もう髪ンバックしない諦観というか悲哀というか、実際のところ、「サンダーバード」よりも「ブレードランナー」よりも、その1点に感慨深きな情が浮沈するんだけども。

Uさん、映像ありがとう。VHSに録画されたものはあるんだけどDVDは便利だね〜。

なるほど、ちょっとだけ「サンダーバード」にも触れていたね。

「ブレードランナー」については、なんせ概ね10年ホド前の番組収録、しゃべっている1部にはマチガイもあるんだけど、その辺りの、以後のより詳細情報は盟友たるブレランの新関君のページにて勉強されるのが宜しかろうと思いますが、番組中、「わたくしどもが調べた範囲…」という"わたくしども"とはその新関君を指していたりする。ポリススピナーの顛末を追った件りでボクがしゃべっている内、相当な部分はその新関君ワークの成果だ。(1番下の映像)

D

これは1時間番組だったのだけど、アレやコレやソレと話題ノビ放題で、けっこう愉しかったですな。

当日は朝から雨が降っていて、渋谷のJ-POP CAFEという収録場所へ出向くさい、雑踏の中、当然にカサをさしたのだけど、お題目でもあった「ブレードランナー」の、傘カサ傘… の街路シーン的雰囲気に、

「似てるな〜〜」

と思ったもんだ。ただし、繁華な渋谷は何せ人が多いから、すれ違う人のカサのシズクをいっぱい浴びて、随分に肩先が濡れちゃったコトも思い出した。

穿いてたパンツ(ズボンだよ)の裾もひどく濡れて、やむなく裾をたくし上げて放置のまま、収録時に、ディレクターのN氏の、

「ダイジョブ。下半身映さないから」

との言を信じたら、なんかけっこう全身のシーンもあったりして… ちょっと、今みるといただけない。

でもその時にゃ、こちら岡山では、過密なカサの大集団で歩行困難めく状況になったりしないから余計鮮烈に、"酸性雨降りしきる2019年の未来の大都"を感じたもんだ。しゃべるべき内容に外の雨が良い充填剤と化してくれた。

そういう仔細って、けっこう忘れるもんだな。

久しぶりに映像を観て、それで、かの日のコトを思い出した。


ボクは"オタク"という一語がホントはメチャに嫌いで、日常これを口にするコトはないし、この番組名も好むところではないし、定義されないままに拡大解釈されて、たとえば「日本アニメの少女キャラに萌えるの?」的云われ方をすると、カッツ〜ンときてブン殴るというようなアンバイゆえ、なかなか面倒な性格なのじゃあるけど… 興味をもてば粘性が高いという点では、たぶんに"少女キャラ萌え〜"な方々と血筋同じくするんではあろうな。

それがまた歯がゆいんじゃあるけど。

D

ま〜、ともあれ10年くらいの歳月で、我がことながら、けっこう面変(おもが)わりがするもんだな〜、と感心しきり。

岡田氏はこの後1〜2年ほどで激変。これはご承知の通り、かのベストセラーな本にある通り意識的に変身。

ボクも、ま〜、髪をふくめ、ゆるやかに… こちゃらはナチュラルに老いてく〜ってなアンベ〜。

で、老いて哀しき… かと思いきや… 実はそうでもない。年齢を増すという足し算はアンガイと良いアンベ〜だよ。

ただ、辛かったハズの戦争体験が、経年して、痛みより甘味さばかりを思いかえして、あの頃は良かったみたいな気分になるようじゃ…、それはイカン。

なので、"過去の自分"に執着しない、自分の存在証明をただ追想してるようなノスタル爺ィになっちゃいかん、という自身への戒めとしての枷(かせ)も外しちゃイカンけど、逆にまた、"過去の自分"を忘れてしまうのもイカンのだな、たぶん。


その意味でこの映像は、自分にとってちょっと久々にフレッシュでしたな。

サンダーバード」も「ブレードランナー」もボクの中では並列に置かれた"光点"だし、頭髪やら体型が変化しても一向に変わらない部分もまた眼に映えたという次第。

2013-08-05

サンダーバードと秘密基地

秘密基地というのは文字通りにシークレットなものであるから、それには遠方という感覚がついてくる。すぐそばに有るというんじゃ何だか頼りない。

なので山中深くとか孤島というシチュエーションが好もしい。しかも、そこには常態としての物騒な感触がからまる。

サンダーバード』以前の種々の物語は、たぶんにそういう条件によって描かれていた、と思う。

けども1966年に登場したこの番組は南洋の孤島という点のみが従来の踏襲で、そこから先が違ってた。

秘密の基地が家庭内にあって、会社でも軍でもないという飛躍が、従来と一線をかしていた。

秘密基地イコール我が家であるという衝撃は大きい。(むろん、この場合、衝撃を受けたのはこの番組を観た子供だよ)

その上、ロビンソン・クルーソーの孤軍奮闘いっさい手作りじゃなくって、便利でオシャレな器機に囲まれての快適生活。

孤島につきまとう不便な感触を払拭させ、リゾート感あふるるものにした。

(当時、リゾートという単語は日本じゃ一般化してないけど)

このシークレット感とホーム感とラクチン感が、当時に子供だった者を最高に酔わせてくれた。

ま〜、子供と書くより、このさいはボク自身のコトとして書くけど…、これはカルチャーショックだった、ね。

しかも家族総出で、なんとおばあちゃんまでが加わって秘密な基地を維持してるんで余計にビックリするやら、だった。

トレーシー家とペネロープ家が富豪であるという前提ながら、住まう家族全員が定職につかず、救助のボランティア活動にあたってるというのも、すごい。そこのトコロも子供のボクは大いに気にいった。

子供にとって労働の対価というのはあんまり意味ナイというか、うまく判らないもんだから、ジェフ・トレーシーとその家族の孤島での生活にズイブンと憧れたもんだ。

f:id:yoshibey0219:20130805192904j:image

ちなみに1966年当時のカラーテレビの普及率はわずか3%なのだから、当然に我が家にもカラーはない。白黒だ。

よって、番組の"カラー情報"は少年サンデーとか少年キングの表紙や巻頭の特集でもって補っていた…。

それで初めて、サンダーバード2号が緑色だという事を知って、

「あっ!」

てな感嘆をこぼしてたんだよ。

このコトはまた別の機会に書くけど。


歳月が流れて、ボクが仕事として『サンダーバード』に接したのは、24年後の1989年だ。

モデル・グラフィックス(正式にはモデルカステン)と共同でサンダーバード1号と3号のソフトビニール・キットを販売したワケだ。(1990年発売)

f:id:yoshibey0219:20130805174333j:image

スケールは1/100。

大きい。

数量限定で販売したのでアンガイとこの存在を知らない人が多い。サンダーバードのグッズ系な本でもこれはあんまり紹介されていない。なにより、当時としてはとても高いキットだった。

f:id:yoshibey0219:20130805174648j:image

f:id:yoshibey0219:20130805174649j:image

実はこれ、模型業界で最初にマックでの、いわばデスクトップパブリッシングにチャレンジした作品でもあった。

岡田斗司夫氏は何かのおり自分の方が早いと云ってたけど… 取り説版下もデカール版下も、すべて当時のマッキントッシュ・プラスで作ったのが、懐かしい。

(作業途上でマッキントッシュIIciが出て速効で買ったと記憶する。今では信じがたいが本体のみで120万を超えてたんで、ロ、ロ、ローンを組んだわよ)

ともあれ採算を筆頭におかず、いわば、徹底してマニアックに、造り手本意な"思い入れ"で作ったのが本作たちだった。

1号は左右の翼が連動で可動するというギミックもあって、そのために金型をおこしてプラスチック・パーツも多用している。ま〜、なので高いキットになったんだけど。

f:id:yoshibey0219:20130805174334j:image

この2つのキットを柱にモデル・グラフィックス誌掲載のために、次いで、1号格納庫と3号発射台を製作。

サンダーバード』に接して24年後にやっと… その秘密基地の1部をカタチとして構築するチャンスを得た。

資料が潤沢にはない時代で、たまさか発売されたばかりのレーザーディスクのボックス全集がほぼ唯一の"参考書"だった。

そのテレビ画面にカメラを向け、何十枚も写真に撮って模型作りの資料とする、手間ヒマ経費をかけての作業スタートだった。

製作のスタッフは6〜7名。時に合宿もした。

f:id:yoshibey0219:20130805174650j:image

当初はモデル・グラフィックス誌の表紙を飾る予定で進行していたけど、ドタンバで当時の社主だったM氏のツルの一声でタミヤの新製品が表紙になった。

ま〜、これは仕方ない。後にそのタミヤにスタッフの1人が入っていく1つの契機にもなったよう思ってる。

f:id:yoshibey0219:20130805174651j:image

これら秘密基地のディオラマは、『イッツ・サンダーバード・センチェリー』(大日本絵画社刊)にまとめられて刊行。

『イッツ・サンダーバード・センチェリー』は4つほどバージョンがあって、ボクらが関与しているのはその最初のものと、2004年に刊行した「改訂版」。

f:id:yoshibey0219:20130805175449j:image

90年代には後楽園遊園地での大掛かりな「サンダーバード博」もやった。

次いで、梅田ロフトでも同様な展覧会をやったし、比較的近年になっては兵庫の有馬玩具博物館でも展覧会をおこなった。

この時はサンダーバードのフィギュアと日本の文楽人形の共通点をテーマの中心にそえたチョット面白みの深いものだったから、2005年に『スーパーマリオネーション スペシャル』(大日本絵画刊)として刊行され、ボクも拙文を書いている。

f:id:yoshibey0219:20130805175618j:image

で、またまた歳月が流れて、今回のお台場の『サンダーバード博』だよ。

ここで上記のソフトビニール製のを中心に置いた発射基地だの格納庫だのを展示しているワケだ。

ちなみにwikipediaのモデルグラフィックスの項目で、"メカニカル系"とTVC-15は紹介されているけど… ううむ。実際にはモスラやゴジラや… 過去にはフィギュアもあるんだけどね。

f:id:yoshibey0219:20130805193638j:image

上写真:92年の後楽園遊園地でのサンダーバード


ともあれ、孤島の秘密基地。

まずは1号の格納庫。ジェフ・トレーシーの邸宅内、居間(実は司令部)の真後ろにこれがあるんだから素晴らしい。

今回の展示にあたり、床部分を大幅に修正。新たな資料に基づいて本来あるべきな構造物を追加している。

サンダーバードは人形を含め、使われた"ホンモノ"の90パーセント以上が撮影後に破棄されてるんで、後年、ボクらのようなモデラーがゴソゴソやるワケだ。もし、現存していたらボクらに仕事はない。

でも、正直なところ、現存して欲しかった。

映画で使ったプロップを残すというのは、ジョージ・ルーカスの『スターウォーズ』からだ。それまでの映画は、残すべきはフイルムのみであって、大道具小道具は撮影終了と共に捨てるのが"常識"なのだったし、多くの映画作りの現場は今もそうだ…。

『ゴジラ対ビオランテ』を取材のために東宝撮影所に出向いたさいには、撮影が済んだばかりの『ガンヘッド』の大道具小道具が大量にゴミ箱(部屋くらいな大きさの)に投げ捨てられていて、「あら〜、もったいない」とも思ったけど… 実際はそういった嵩張るものを保管するスペースなんて撮影所にはないんだから仕方ない。

f:id:yoshibey0219:20130805175619j:image

写真上:2つのサンダーバード1号は、1つがソフトビニール製。もう1つはいわばその原型にあたるポリウレタン樹脂成形の完成品。原型は当時スタッフだったT.M君(今は台湾で仕事してる)の手になる。今回の展示では、その樹脂成形の方を使ってる。


f:id:yoshibey0219:20130805175620j:image

写真:両国某所で最終作業中の3号発射台。


3号へのアクセスは、トレーシー家邸宅の居間のソファに座ったまま垂直降下。次いでレールが敷かれた通路を今度は横に移動。3号の真下中央でソファごとリフトで持ち上げられて3号内に入るという… まっこと壮大な仕掛け。

f:id:yoshibey0219:20130805193325j:image:left

会社でも軍でもなく、1個人の敷地内深くにこういう装置があるという設定の妙。一歩も歩まずとも居間から3号に向かえるシステムがとてもヨロシイね。

またこの、撮影用のセットの出来具合が素晴らしく良い。

第31話の「すばらしいクリスマス・プレゼント」に登場する3号のランチベイ(発射基地ね)は今もって信じがたい程の完成度。

例としてあげるには申し訳ないけど… 『サンダーバード』の数年後に作られた『ウルトラセブン』の基地のセットを見比べると、差の乖離に愕然とさせられる。

当方のこの模型も、TVの中に登場する映像から諸々な配置を精査し、その"ホンモノ"を再現すべく模したものの、遠くはるかに及ばない。作り込めば作り込むホドに掌の中から"ホンモノ"が遠のくような… 贋作者の悲哀をおぼえる。

だからこそ、上記した通り、"ホンモノ"が現存しないのが惜しいんだ。

サンダーバード3号は、この発射基地のそれと、宙づりになって5号に向かってる情景の2つを展示しているので、お台場に出向かれた方は、

「あ、これだね」

と、密かに思ってください。

発射基地に使ってるものはソフトビニールながら、形状変化を防ぐべく内部にポリウレタン樹脂を流し込んでいるので実はズッシリ重い。

ご来場の皆様にはそれを手にして重みを感じてもらうワケにはいかないけれど、"存在"としての模型をば見ていただいて、『サンダーバード』をあらためて愉しんでいただければ、幸い。

f:id:yoshibey0219:20130805200157j:image

2013-07-25

サンダーバードと原子力

日曜の夕刻に選挙に出向いたんだけど、フタをあけると、岡山県の投票率は全国最低2番めの48.88%だったそうな。

半数以上が投票に行かず、他者の選択に身を委ねたということになる。

その48.88%とて、20、30、40代の票よりも、概ねは65歳以上の方々の票が多数をしめているというから… ええっ!? となる。

32歳のAさんと68歳のBさんとでは、思う国の形は違っているはず。

Aさんら若い世代の棄権でもってBさんら高齢な方々が支持の誰かさんが国政を担う。

それでいいのかな?

いい、ワケもない。

揺らぐ憲法。

強まる原発依存。

それは直接に岡山に関係ないという方がいたけど… そうかな?


※ 昭和22年に文部省が発行した「新しい憲法のはなし」が、良い。青空文庫で読める。ここに書かれている高らかな理念こそが、現首相がかつて常々に口にしていた"美しいニッポン"じゃなかろうかとボクは思う。これを肯定し誇りにして世界に発信出来ない現首相らの中には"逆説的な自虐史観"が逆巻いているんだろう…。


さてと。

人形劇『サンダーバード』は、実は原発というか、原子力の世界だ。

第1話の「SOS原子力旅客機」を持ち出すまでもなく、飛行機だって原子力が動力源。

主人公たちが住まう孤島(トレーシー島)の邸宅もだ。

f:id:yoshibey0219:20130725004118j:image

なんせ、厨房には電子レンジならぬ原子レンジだって有るんだから…。

よって、ボクの脱原発の気分には似つかわしくないカタチじゃあるんだけど、これは… 仕方ない。

サンダーバード』は1963年(製作時期)頃の、原子力がまだバラ色のコロモを纏っていた時代の作品なのだから、それがもたらす災禍へは焦点が結ばれない。

事故あらば大変なことになるという認識が淡くって、基礎となる知識がまだまだ稀薄だったもんだから、これは仕方ない。

残念なことではあるけれど、なんせ50年前の作品なのだから、そこは寛容な精神でもって接するしか、ない。


f:id:yoshibey0219:20130725003936j:image:leftそのあたりを踏まえての事かどうかは知らないけれど、『サンダーバード博』の"企業ブース"では、例えば某社が、大きなトレーシー島のディオラマを造って、諸々のサンダーバード施設の電力を、太陽光やら風力やらのエコ・エネルギーで運用するという新規なヴィジョンを見せてくれていたり、する。

原子力じゃ〜ないわけだ。

一方でこの大きな企業は、その原子力事業部が海外へ原発を売り込んでインドやらチェコやらから既に受注を受けたり、地震大国トルコに首相共々に営業に出向くむということをやってるんでボクはこの2枚舌の企業活動に誠意を感じる事が出来ず、ましてや我が愛する「サンダーバード」をそういった"営業戦略"に巻き込んでいるカタチを示しみせているワケゆえに… いささかの不穏をおぼえたりも、する。

安心安全を謳うなら、トレーシー島ディオラマもまた原子力のそれでの"新規"を見せればイイではないか…。

サンダーバード博』はそのような2面性もまた垣間見せてくれるから、ある意味、2重に面白くはある。

1964年に放映されて大人気となった「サンダーバード」を基軸にして、今という進行形の時代の形を透かし見せてくれてもいる。


上記な現実は置き、さてさて人形劇の中のトレーシー家邸宅。小さな孤島に設けられた大規模な施設の中核となる屋敷。

巨大なプールのある60年代風味たっぷりのバンガロースタイルな家屋とその構造は、今もってチャーミング。

居間の後ろに実はサンダーバード1号が隠されていて、それに乗り込んで機体ごと降下移動。前庭に配置のプールから外部に飛び出せるというオートメーション構造は今もって抜きんでて素晴らしい。

お台場の『サンダーバード博』でこの模型をご覧になった方も多かろうけど、今回はちょっとメーキングも混ぜ合わせて、本模型の知られざる部分(苦笑)を紹介しようと思う。

f:id:yoshibey0219:20130725004640j:image

おかしな事にこの邸宅は今まで本格的には模型化されたことがなくって、今回が初めてのことらしい。

製作にあたっては、まずは家屋構造というか部屋割りレイアウトからスタートした。

全話を見直し、劇中に登場の室内シーンをチェックし、辻褄をあわせ、照合しない構造は想像で補って基礎図面を描いた。

もっとも特徴的な居間であり本部でもある部屋、格納庫、5人の兄弟の部屋、おばあちゃんの部屋、ミンミンの部屋、ゲストの部屋、ブレインズの部屋と研究室、娯楽室、厨房、食堂、バスルーム、トイレ、ランドリー、諸々…。

サンダーバード1号が移動するのだから、居間と格納庫とプールの中央は直線状に結ばれる。

プールの下には発射サイロが隠されてる…。

でっかい家なのだ、トレーシー家邸宅は。

f:id:yoshibey0219:20130725004823j:image

劇中に直に描かれているワケじゃないけれど、ジェフ・トレーシーとペネロープは大人の関係性でもって結ばれているようだから… ゲスト・ルームはペネロープが島に滞在するコトを念頭に置いてレイアウトし室内のデザインも決めた。

f:id:yoshibey0219:20130725005643j:image

上の写真は製作中の邸宅1階部分。手前がゲストルーム。その横がエントランスホール。

1階部分は平たくないの。玄関の所で変化あり。これがTVの中でも見られる正しいカタチ。

下の写真は1階部の別角度。

f:id:yoshibey0219:20130725010932j:image

模型として、本作は外装を見ることしか出来ないけれど、LED照明によって、部屋の一部は窓を通して見ることが出来る。

展示の配置上、このディオラマの背部はやや見にくいけど、そこにバスルームがあって、実はミンミンが入浴中だ。

窓を通して、ほのかに入浴中の同女が見えるのだけど、これは模型制作者の密かなオアソビ。

本作の納品時、関係者一同にライトを点灯してのプレゼンを行ったんだけど、弾けるような笑いと共に、かなりウケタ。


下の写真は2階部分。その製作中写真。

f:id:yoshibey0219:20130725011821j:image

f:id:yoshibey0219:20130725011822j:image

f:id:yoshibey0219:20130725012158j:image

格納庫の配置が判る、でしょ。

この部分は屋根を付けちゃうとまったく見えなくなる。なのでちょっと作業は手を抜いた…。というよりは、この部分にはLED照明の配線がゴチャゴチャ這い廻るコトになる。


f:id:yoshibey0219:20130725012159j:image

f:id:yoshibey0219:20130725012200j:image

内装の諸々。いずれもオール・ペーパー、すべて紙。イスは1cmくらいの高さしかない小さなもの。

紙ゆえ、何だか脆弱に思えるけど、実はけっこう頑丈。ここには載せてないけどビリヤード台といった大道具も窓を通して見える。


ジェフのプライベートな部屋は、これはまったく劇中に登場しなかったけど、それはほぼ絶対にあろう部屋だろうから、本作ではちょっとした遊びとして、とある映画の一室をそっくり模倣した。

f:id:yoshibey0219:20130725005001j:image

サンダーバード」も「2001年宇宙の旅」もボクの中では同じ場所にある敬愛する映画なのだし、"模型の愉しみ"として、こういったオマージュもまた結構じゃないか… と思ってる。

上記した通り、"想像で補う"以外に手段がない部分が多々あるわけで、その意味において、内装部は模型作者が濃く関与した"オリジナル"であって、忠実な再現模型じゃない。けれど、想像を膨らませることで、より『サンダーバード』の世界に密着出来たと自負する。


ギミックとしてはプールの開閉。

LEDによる電飾。

展示物としての効果を踏まえ、LEDは光量が高いものを内蔵。

ただし模型の主素材がペーパーなので、そのための放熱対策として照明はあくまでもスイッチを押している間のみ点灯するというスタイルをとった。

プールは手動で開閉する。発射サイロの一部を見せるというコトに主眼を置いて、内部はかなりディフォルメしてある。

f:id:yoshibey0219:20130725013656j:image

発射サイロを埋め込んだ台座部分の基礎工事。ここはペーパーじゃなくスチロール板。ハデな色合いは、切り出したパーツがゴチャゴチャにならないようにとの… 配慮ゆえのもの。

f:id:yoshibey0219:20130725013657j:image

基礎工事パート2。

f:id:yoshibey0219:20130725013658j:image

基礎工事パート3。

f:id:yoshibey0219:20130725012914j:image


サンダーバード』というTVシリージは上記のように、遊びを容認出来るような拡がりと深みがあるんだ。ま〜、その点のみにおいては、先に記述の某社の大型のエコロジカルなトレーシー島全域模型は、ある種の意義を持っている。それ自体はけっして悪しきじゃない。

f:id:yoshibey0219:20130725014734j:image

上写真:側面から見た邸宅。プールを見下ろすフロント部分が右側、だよ。



思えば、「サンダーバード」で描かれるのはボランティア活動だ。

大富豪らしきトレーシー家と英国貴族階級でやはり富豪のペネロープ家の少数な人と、その支援者若干による、極めて大規模な災害救助活動。

でもって、そのボランティア活動たるを徹底して秘密にしているという、いわば現在におけるプライバシーの有りよう… と、これは見事に今の時代に重なっていて、オモシロイ。

今と明確に違うのは、TV劇中では人の死が直接には1度も出てこないこと。

(映画館で公開の『サンダーバード6・劇場版』をのぞく)

そして何より明晰なのは、描かれている世界においてはその未来像が極めて明るいものだということ。

たぶん、その明るい将来の描き方に、ボクらは今もって魅了されているんだろうと、思う。

希望がたえず見えている世界といっても良いかしら。

今がそう思えないもんだから余計に頼もしくみえるのが「サンダーバード」のいいところ、だな。むろん、そこには原子力も含まれているんだけど… それを抜いても尚、良性の理想が垣間見えるんだ。

f:id:yoshibey0219:20130725015938j:image

邸宅内の格納庫。これは別の大型模型として『サンダーバード博』で展示中。

2階の居間というか指令室の背後にこんな施設があるワケ。乗り込むと、発射台共々に地階にゴトンゴトンと降りてって、プールの真下に運ばれてくという設定が、やはり、良いな〜♡

この模型の詳細はまた後日に記しましょう。