オオミズアオ成虫の誕生

とうとうオオミズアオの成虫が誕生しました。畑の常緑ヤマボウシで幼虫を見つけたのが7月12日。蛹になる様子を見るため幼虫が暮らしている小枝に防虫ネットを7月19日にかけた。ここにありますが、翌日にはネットの中で茶色の繭をつくったので、蛹になって羽化するまでに1月あまりの時間がかかったということになります。
下の写真はネットを開けて撮影しましたが、緑の葉っぱの隙間からのぞいている茶色のものが繭。ここまで巧妙に葉の中に隠れるように繭をつくられたら、なかなか探し出せない。ひょっとしたら昨年9月から10月にかけて幼虫が大発生したときは絹糸ができるほど、たくさんの繭がつくられたのかも知れない???何しろヤママユガ科の蛾の繭は貴重品なんです。天蚕として…。ただ、オオミズアオの繭がどうか…。

キアゲハの場合は、ここの末尾にありますが、7月末だと蛹になって羽化するまでわずか4日間という短さでした。一昨年の経験だと秋にはもっと時間がかかったので猛暑の影響がありそうです。そんなこともあって、うかうかしているとオオミズアオの羽化を確認できないのではと直感したScientific Farmerは、小枝を切り取り小さな飼育箱に入れて自宅で観察することにしました。

ひと月が過ぎる頃には、ヤマボウシの葉はすっかり乾燥してしまいました。時折ガサガサという音が聞こえることがあるという、(*^_^*)の報告。見た目の変化がないので半信半疑でいたら、確かにガサガサと枯葉が音をたてるのを数回聞ききました。そんなことがあったので、そろそろ羽化脱出するのかと心待ちにしていたらなんと昨夜誕生したのです。これが夜9時頃の写真。地元の花火大会に出かけていたため脱出の瞬間を見落としてしまった。

そっと、ふたをあけて見ました。頭の触角が小さい上に、羽先の尻尾が短いことなどメスの特徴を備えています。4月末に畑で1頭のオオミズアオ成虫を確認していますが、こちらの頭の触角はこれよりも大きく、羽の尻尾がもっと長く伸びていた。

さて問題はこれからです。オオミズアオの成虫の寿命は1週間程度。口が退化しているため餌を食べずメスは交尾して産卵するだけとされています。できれば産卵、そして幼虫の孵化を確認したいが、ここにはオスがいないので飼育箱から外に出すことにしました。うまい具合にオスに巡りあえればいいのですが。

口が退化しているのに、どんな方法で繭を破いたのか。中にいる成虫の振動で簡単に出口が開くような構造なのか。それとも繭をとかす特殊な成分でも体内に備えているのか。そのあたりは謎です。あらためて口の開いた繭を見ると、やはり破いたような雰囲気です。

ということで、オオミズアオの終齢幼虫は土にもぐり、蛹になるのではないか、などと大変な思い込みをしていた菜園家ですが、今回の繭や脱出の様子から、それが間違いであることがわかりました。しかし、ひとつわかれば、また次の謎が…と、なかなか生き物の世界は奥が深いようです。

  • きょうの一枚 アオイラガ

実の重さで頭を垂れるフユウガキにアオイラガが1頭だけいました。ビジュアル系のロックスターも顔負けしそうなデザインですが、仲間はどうしたのか。
」」

  • もう一枚  月と花火

恒例の地元の花火大会。月が出ていて、南東から適度の風があってとても涼しい夜でした。


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