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よしだ日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005.10.30(Sun)

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28日の「Web2.0を必要とする人」に対してたくさんのアクセスをいただいた。ありがたいことです。さらには「圏外からのひとこと」(essa氏)の「「モノ作り」という概念と「WEB2.0」という概念」で言及していただいたし、大元の「My Life Between Silicon Valley and Japan」(梅田望夫氏)からも「Web 2.0、概念、経営的感覚」という記事でTrackBackをいただいている。正直こんなに反応をいただけるとは思っていなかったのでびっくりです。

それはともあれ、それぞれの記事を元にまた少し考えてみる。

[]成功体験の一般化

圏外からのひとこと「モノ作り」という概念と「WEB2.0」という概念

「モノ作り」が「概念」であることを認識してないと、日本はその時に後悔すると思う。

最後の一文がすんなり飲み込めない。なぜそうなるのだろう?

というわけでちょっと考える。

かつて日本が「モノ作り」で世界を席巻することができたのはなぜか、という問いには様々な回答があると思うが、概念とその実現手法とが見事に噛み合った結果である、と考えることも可能なのではないかと思う。その実現手法とは具体的には「匠の技」とでも言うべきものだったのだろう。いわばプロジェクトX的なやり方である。

では翻って「WEB2.0」という「概念」が主導権を握る際に求められる実現手法とは何か?それを今多くの人が考えているのだと思う。それを考えるためのヒントとしてよくまとまっているからこそ、「Web2.0要素MAP」が広く受け入れられているのだろう。

けれども「モノ作り」を「概念」として捉えられていないと、このような翻りをうまく行うことができないのかもしれない。「なんかよくわかんないけど「モノ作り」でウマくいったよね。じゃ今度もソレで」ということになってしまう。それで果たして時代の変化に対応できるのか?と言えば甚だ怪しいものだと思う。つーかそもそも「ソレ」ってなんなんだ。

かつての「モノ作り」における成功体験はそういう意味において「特殊解」だったのかもしれない。けれどもこれを「概念」と「実現手法」からなるものして一般化すると、次代の変化に応じてそれぞれの変数を入れ替えることができるようになる。「Web2.0」でも「資本所有」でも「データ所有」でも、どのような時代であっても慌てることなく対応できるようになる。それが成功から学ぶ、ということなのだろう。本当の知識ってのはそういうふうに一般化されたものなのかもしれないなあ、とも思う。

そう考えてみて、はじめて最初の文になるほどと頷くことができた。せっかくいい教科書があるのに、それをうまく使えずに失敗したなら、そりゃ後悔するに決まってる。

もちろん「概念」と結びつく「実現手法」はそう簡単には求められない。概念を徹底してかみ砕くことによってようやく見えてくるものだ。そして「Web2.0」においてはまさに今、それが行われている。今後、そこから様々な「実現手法」がまた生まれてくるだろう。それは今までにない新しいやり方かもしれないし、過去の手法の再評価かもしれない。けれどもそれらは決して闇雲に生み出されたものではないことをわかっていないと、時代が変わるごとにあたふたするハメに陥るだろう。それはあんまりウマくないよなあ、やっぱり。

[] 経営者は「一般解」を持つべきだ

My Life Between Silicon Valley and JapanWeb 2.0、概念、経営的感覚

それで思うのは、日本企業には、あるいは日本の技術の現場には、「概念」に全く価値を感ぜず「現場」にこそすべての価値があると考える人が圧倒的に多いということだ。そういうがちがちの現場主義の人が、歳をとって経営者になるケースもこれまではかなり多かった。「概念」に価値を見出さない人からは、「口先だけの話はいい、とにかく手を動かせ」的な言葉が出ることが多い。そういう経営者は、自分の勝ちパターンで勝ち続けられる時代にはいいが、大きな変化にとても弱い。

たしかにそういう人って多いような気がするなあ。

きちんとした「概念」のバックボーンを持った上で、現場に手を動かすように指示を出すことこそが経営者には必要とされるのだろうと思う。現場は指先であり、経営者は脳だ、というやつ。

これは経営者を筆頭とするマネジメントを生業にしているすべての人に言えることだと思う。日本では今まで現場→管理職が出世コースとされていたこともあって、現場感覚を引きずったままの管理職がとても多いような印象がある。係長的な仕事の仕方をする課長という例が、ちょっと思い浮かべただけでもたくさん出てきた。うーん。

最後の「そういう経営者は、自分の勝ちパターンで勝ち続けられる時代にはいいが、大きな変化にとても弱い。」という部分は、さきほど「成功体験の一般化」に書いたことともしかしたらつながってくるのかもしれない。「自分の勝ちパターン」というのがいわば特殊解。そして大きな変化に対応するべく抽出されたものが一般解。

そして「Web2.0」が単にWebにおける技術の変革だけを意味するのではなく、ビジネスのあり方そのものを変えようとしているのなら、これは間違いなく「大きな変化」と言えるはず。そんなときにこそ、個々の経営者が確固たる「一般解」を持っているのかどうかが試されるのではないか。加えて言えば自らの「一般解」を現実に合わせて修正できるだけの柔軟性を持っているかどうかもまた、試されるのだと思う。

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