どんな世界にも通じる「勝利の方程式」

2013年10月14日(月)更新:3
【名字の言】
 史上初めて時速100マイル(約161キロ)の壁を破った野球の剛速球投手といえば、元大リーグのノーラン・ライアン氏。奪三振5714、ノーヒットノーラン7度という記録は、今も世界一である▼彼は、足を胸の高さまで上げる独特の投球法で球威を上げた。このフォームを継ぎ、本年、小柄な体格ながらセ・リーグ最多勝を記録したのが、プロ野球東京ヤクルトの小川泰弘投手。人呼んで「和製ライアン」だ▼彼がこの投球法を身につけたのは、創価大学時代。負けが続き、スランプに直面していた時のことだった。「小さい体を最大限に生かすしかない」と、フォーム改造に挑戦。躍動的な半面、足腰に負担がかかる困難な投球法を、過酷な練習で自らのものとした▼創価大学創立者の池田名誉会長は、野球部が試合に敗れた際、「負けるが勝ちだよ」と伝言を贈る。ある時は「負けても朗らかに次の勝利につなげる。この方程式を忘れてはいけない」とも。「負け」の中に次の「勝ち」の因を見いだす。前より強くなって、次は必ず勝つ――この不屈の生き方が創価の伝統だ▼最多勝は、負ける悔しさを知り、苦難と正面から向き合ってきた証しにちがいない。どんな世界にも通じる「勝利の方程式」である。(鉄)
   (聖教新聞 2013-10-14)