私たちも、誰かを励まし、たたえる気持ちを文字や声に乗せたい

2013年12月26日(木)更新:8
【名字の言】
 病気と告げられた母を元気づけようと、小学4年生の息子が御書を読んで聞かせた。「南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病さはりをなすべきや」(1124ページ)▼母は鼓笛隊で薫陶を受け、小学生のころから御書に触れた。その金言の一つ一つを、今度は幼いわが子と学んできた。覚えたての一節を暗唱する、息子の優しさと成長を頼もしく思った。真心込めて「ありがとう」と伝えた。今後も検査は必要だが、病の進行はみられない。家庭に戻った母の明るい声が、きょうも一家を包む▼日蓮大聖人は、門下に何度も慈愛の御手紙をつづられた。私たちも、誰かを励まし、たたえる気持ちを文字や声に乗せたい。言葉巧みでなくても、深い祈りから生まれる言動は、相手の心に必ず届く▼一年を振り返り、明年の目標を考える年の瀬。心理学の知見では、高い目標を目指すためには、小さな目標への達成感を抱くことが大切という。自分一人だと、反省や後悔に目が向きがち。今年頑張れたこと、達成できたことを、家族や仲間で認め合い、たたえ合うひとときを持ちたい▼今年も全国、全世界で宿命転換への挑戦があり、ドラマが生まれた。一言でもいい。「ありがとう」「頑張ったね」との思いを、言葉に。(蹴)
   (聖教新聞 2013-12-26)