艦これアニメ1話よかったですね! よくなかった? 〜いくつかの批判(?)点に思うこと

全国1億5千万の提督諸兄が楽しみ半分ドキドキ半分で心待ちにしていた艦これのアニメがいよいよ始まったわけですが。
私は幸い水曜25時5分の全国最速が見られる京都在住なので、初回は生で見てました。
初回の感想としては、よかったな、と思います。素直に。
LV行ってた提督諸兄が「よかった」と言っていたのであんまり心配はしていなかったのですけれども、初回のシナリオはあれだけ色々な要素をうまく詰め込んだものだなあと感服いたしました。
まあその一方で色々な批判も出ているわけで(ぼく自身、おいおいと思う点はいくつかあった)、その辺ちょこっと書いていこうかなと思います。
1話ネタバレは含まれますので、気にする方は避けてくださいな。

世界観の説明をどこまでやるかという話

恐らく多くの方が気にしていたポイントのひとつがここなのではないでしょうか。
艦これの世界観がどの程度説明されるのか、そしてそれはどのようなものなのか。
艦これって、ノベライズやコミカライズが公式でいくつも出ているんですけれども、種々の設定の取り扱いは個々の作者ごと・作品ごとにてんでばらばらなんですよね。
例えば一航戦ノベライズではゲームでの開発(装備開発)についてを結構メタな描写してます(妖精さんに資材札を渡すとなんか出来る)。その一方で鶴翼の絆では兵器開発は工廠担当の艦娘が実地試験なんかもしながら行っていたりします。(打ち切られましたけど)side:金剛ではおやっさんが艤装の整備してるシーンがあったりもしましたね。
あるいは、深海棲艦とは何者なのか、艦娘とは何者なのか。この辺もみなさん気になってるポイントではあったのでは無いでしょうか。ゲーム公式ではカードから出てくる艦娘という設定もありましたし、鶴翼の絆では魂を降ろすみたいな描写がありましたね。止まり木の鎮守府では、普通の女の子が昔の船の魂を宿しちゃう系なのかなと、読んでいて思いました。あと二次創作系では「深海棲艦の強い奴を倒すと艦娘がサルベージ出来る」設定(特に13夏イベの大和)が大人気ですよね、逆に沈んだ艦娘の闇オチが深海棲艦なのとか。
とまあ、このような、あのシンプルなブラウザゲームでやっていることは実際描写するとどうなるのか、という世界設定の詰めを、アニメでは一体どうするのかというのは、恐らく多くの提督の注目の的だったのだと思います。
まあ、この辺、実際のアニメではアバンでちらっと語られたっきり殆ど説明無かったんですけどね。
なくていいんじゃない?ってぼくは思いますけど。
既にコミカライズで様々な設定が描かれている以上、今更一本化も出来ないし、アニメが何かを強く押すと最強の公式みたいになっちゃいかねないですし。
細かい設定はあんまり突っ込まずに、艦娘の戦ってるシーンや日常をなんとなく楽しめるアニメ、みたいなものを目指しているのかなあという風に見えましたし、それで正解なんじゃないのかなってぼくは思いました。

インターネット弓道部の人たちとか

予定通り弓道系の人が突っ込んでる……のかなあ? よくわかんないっす。
キービジュアル発表時に加賀さんの走り引きに関して、「そんな姿勢ねーよ」という意見が出てたのは、まあ事実っすね。
実際に放送されたら、赤城さんたちが抜錨するときに執り弓の姿勢(手を腰?に)のまま出発してるシーンがあって、それについて色々な意見が出ているもよう。
なんか確かに執り弓の姿勢で水上滑走してるシーンはシュールだったなあと思ったのが、ぼくの初見感想。
シュールな絵面ではあったのでそれなりに意見が出るのもわかるかなあとか、あたりまえ体操だと言われたらちょっと頷いてしまうなにか、みたいなものはあったのだと思う。
もし、本当に弓道関係者が「いややっぱり艦これの弓のひとたちおかしいんじゃない?」って言ってるんなら、それはもう放って置いて良いと思う。
なんせ水上スキーしながらしながらやるのとかもはや弓道じゃないし。そんな「弓」の姿勢の正解とか間違いとか、定義から始めないといけないレベルじゃないですか。
ネット上の意見みてると、実際は「非実在インターネット弓道警察」の人たちを批判してるツイートの方が多いんじゃ無いのって思いましたし。
初回出し叩けるうちに叩いておけ、とか、話題に乗ってるだけ、とか、どうせその辺なんだし、来週になったらいなくなってるでしょ、変な批判は。というのが正直なところです。
ただね、ぼくはやっぱり執り弓の姿勢で水上滑走してるシーンはシュールだったなあと思ったしその事実は消せないんですよ。
もし、この設定(執り弓疾走)がキービジュアルにカンする批判に由来するような事実があるなら、そして、もし当初案がこれよりもすっとアニメとして決まるかっこいいものだったとかいう事実があるのなら、ぼくは加賀さんキービジュアルを猛烈に批判した人たちを強く恨むのです。


あと奇妙に感じたのは、何故か水中に保管されてる艤装が鎖で牽引されてくる装着シーン。
これについては「火薬類とかも含まれるんだから水中で保管するメリットないよね」という素直な思いがあってですね。
例えばコレが、艤装は海に由来するものなので普段は海に保管しておかなければならない、みたいな妙な設定があればそれでもいいかなって思うんですけど、その辺は今後設定が語られるかどうかなのかなと。

結局何が言いたいかっていうと?空想世界の設定とぼくらの常識のつなぎ方

弓道の常識……はちょっとこだわりはじめてもキリが無いんだけれども、例えば上述の「火薬扱ってるはずの艤装が何故か水中保管」みたいな点で大切なのは、それを合理的とする設定があることだと思います。
設定がないのに僕らの常識と大きく乖離する話を描かれても、視聴者は「え?」ってなるんですよね。
逆に言えば設定があるのなら、納得も出来る。
(だってそもそも女の子が艤装つけて水上スキーして海戦してるんやで? そんな設定受け入れてる以上あとはどんな設定でもどーんとこいって感じでしょう。設定があるのならね)
そこを上手くつないでくれる描写なりなんなりがあるか、でこのあと見ててどれだけ「もやもやするか」が変わるのかなあとは思います。
なんにしても1話は顔見せ要素がすごくおおくて、ただでさえ扱ってるポイントが多いのにこの期に及んで設定説明を細々やってたら絶対破綻したと思うので、この点は1話では別にいる要素じゃないと思います。今後、期待して見守りたいところですね。

?思ってることはみんな違う中でどう描くか

鎮守府の日常、艦娘による水上スキーの取り扱い、弓の扱いをはじめとして、色々な設定に関してひとそれぞれ思い描いていたものは違うでしょう。
なんせノベライズ個々で違うくらいなんだから。
それをどう描くか、に関していちいち色々言っても仕方が無いということ。
アニメで描かれていることが、艦これ世界観をアニメとして描く一つの解であることは間違いない事実なんだし、「ぼくはこう思う」という「ぼくの考えた最強の艦これアニメ」論を展開し始めたらキリないんですよね。
実際、艦これアニメは「色々揉めそうな設定」はあんまり触れずに最大公約数的なところを描こうとしているのではないかと思います。
言い換えると、誰が見ても70点以上楽しめる作品を作っているのではなかろうかと。

こんなツイートを見て、ちょっと笑ってしまいました。なるほど。
スタッフ側は相手がモンスターペアレントであることを認識した上で、もっとも不幸を生まない方法を選んできた。ならばぼくらは肩の力を抜いて、楽しくアニメをみるのが筋なのではないでしょうかね。


だから、ぼくは今改めて問いたいんですよ。
色々細かい点、言いたいことはあるかもしれない。けれど、艦これアニメよかったよね? と。