まるはなのみのみ

日記です。ときどき意見や感想。

生産的日々

朝一でAEのお仕事。1つ1つは小さいのに溜め込むものだからいけない。でも1つつまずくと溜め込んでしまうのが私の悪い癖。今回も勉強になった。原稿を理解するために、斜め読みだけど関係論文を1つ読まされた。ちなみに今年はAEとして見た原稿以外にも査読として同誌から降ってきた原稿も多く、数えていないけど相当数を担当したと思う。中には専門から微妙に外れていてきちんと見れていないものもあるけど、印象に残ったり勉強になったりするものも多かった。適確な査読者に査読をお願いできると嬉しい気持ちも味わえた。反面、嫌な思いをすることもあった。そして相当時間を取られたのは事実。来年からは楽になる予定。
大御所2人から、別刷り請求とタイプの標本写真の請求が届く。前者は送ったところ褒められた。お世辞でも嬉しい。引用してくれそうな感じ。でもこの論文は某所でDLできるようにしているのに、やはり気付かれないのだな。この前の甲虫学会の幹事会でもサーキュレーションの話が出ていたが、引用されやすいかどうかはオープンアクセスにさえすればよいと言うものではない気がする。

右巻き左巻き

P.M. Richards, Y. Morii, K. Kimura, T. Hirano, S. Chiba and A. Davison (2017) Single-gene speciation: Mating and gene flow between mirror-image snails. Evolution Letters, early view doi:10.1002/evl3.31
最近いちばんショックだった論文。この前の授業で種の話をする際に、Ueshima & Asami (2003)を引用して右巻きと左巻きは絶対に交尾できないと言ってしまった。物事に絶対はないのだ、ということだな。個体数の割合や個体群や分布地の大きさ・規模に応じて左右異型交尾の頻度がどうなるのかが気になる。

ベトナムのハンミョウ

J. Wiesner, A. Bandinelli and A. Matalin (2017) Notes on the tiger beetles (Coleoptera: Carabidae: Cicindelinae) of Vietnam. 135. Contribution towards the knowledge of Cicindelinae. Insecta Mundi 0589: 1–131.
ベトナムのハンミョウ177種の分布を纏めた力作。写真もたくさん出ていて嬉しい。でも種数が多くて同定できる気がしない。