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2016-04-16

命を削る

友人の写真展にいってきました。
かれの写真にはテーマがあって、その分野でメディアに登場することもあります。
今回は念願の商業出版が実現し、個展を開いたというわけです。

平日の昼間。ほかに来客はいません。
ぼくの顔を見てすぐ、かれはこんなふうに言いました。
「はじまったばかりで人はまだ来ないんですよ。週末には来るはずですけど」
…静かな会場で、ぼくはかれの話を聞くことができました。

今回の出版はゼロからのスタートでした。
出版社のメールフォームに企画書を送るところからはじまりました。
幸運にも企画は採用されました。
でも諸事情あって、これまで撮りためた作品を
そのまま写真集に載せることはできません。
ほとんどの作品は新しく撮りなおすことになりました。

2か月間、日本各地を移動しながら撮りつづけました。
移動距離は10,000キロにもなりました。
体力的にハードなうえに、2か月の撮影旅行とその後1か月の執筆期間は収入ゼロ。
機材費なども含めると、そうとうな出費になりました。
「出版は実現したけれど、これでは大赤字じゃ...?」
ぼくは思いました。

「大げさかもしれないけど、命を削って撮影した、というところもあるかもね」
陳腐な表現を使ってしまったかなあと思いつつ、そんな風に聞いてみました。
かれはとくに否定するでもなく答えました。
「いや〜、命削ってますよ。寿命何年か縮まったかも…」

本当に寿命が縮まったかどうかは別として、
これは彼の実感そのものだったのだなあと感じました。

静かな会場をはなれて、
ぼくは自分にこう問いかけました。

「自分はいま命を削って何かにとりくんでいるだろうか?」と。


命を削ってでもやり遂げる価値があることがあるとしたら、
あなたにとってのそれは何ですか?

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