「科学的な喧嘩」
一昨日のエントリーで紹介した国立がん研究センターの発表は、ネットでも話題になっているようだ。がんセンターとJTの一連のやりとりは、2020年東京オリンピックに向けて、屋内完全禁煙化の議論を加速させることだろう。
「受動喫煙と肺がんに関するJTの反論」を国立がん研究センターが完全論破
国立がん研究センターが2016年8月30日付けで出した「受動喫煙による日本人の肺がんリスク約1.3倍−肺がんリスク評価『ほぼ確実』から『確実』へ」という発表に対して、日本たばこ産業(JT)が「本研究結果だけをもって、受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論づけることは、困難である」と発表しました。このJTの声明に対して国立がん研究センターはあらゆる論点で緻密に反論し、「完全論破」と呼ぶにふさわしい状態になっています。
(Gigazine)
受動喫煙による日本人の肺がんリスクを「確実」とする評価を疑問視するコメントを出した日本たばこ産業(JT)に対し、国立がん研究センターが「リスクは科学的に明確な結論」と反論する見解をウェブサイトに掲載した。国の研究機関が企業のコメントに公式に反論するのは異例だ。
(中略)
がんセンターとJTとの一連のやりとりは、「JT、がんセンターをガチギレさせた」「科学的な『喧嘩(けんか)』ってこうやるんだ」など、ネット上でも話題になっている。(朝日新聞)
「受動喫煙って肺がんの原因になるの?」
ひとつの問いをめぐって、さまざまな判断がわかれることがある。そのとき、私たちは何を信用すればいいのか。
- いつ(when):JTがプレスリリースを出した翌月に
- 誰が(who):専門機関である国立がん研究センターが
- どこに(where):ウェブサイトに
- 何のために(why):「科学全体に悪い影響が及ばないようにするために」
- 何について(what):いくつかの論点、判断について
- どのように(how):原論文、国際基準などの論拠を示して
正しいことを言えば、それが勝手に広がっていくわけではない。
情報がきちんと伝わるためには、実にさまざまな要素が関係してくるのだと思う。