鍵となる質問点「なぜ、話が通じないのか?」(5)

自分の性格をひと言で表現するとどうなるか? ひとつ特徴をあげるとすれば、「ニセ科学的なもの」への嫌悪があるだろう。BAZOOKA討論への参加動機もそこにある。それが4月末の第1回討論では、 無駄にエキサイトするというわるい面がでてしまった。

その反省もあり、2回目の討論までのあいだに、プレゼン講座とディベート講座に参加した。ディベートは相手の主張の組み立てを知り、それを崩していくゲームである。番組出演が終わった後も、ディベートの勉強会には継続的に参加し、全国大会を見学したこともある。

このディベートの勉強会は、ぼくが今取り組んでいる2つの活動のきっかけとなった。ひとつはスピーチ、もうひとつは傾聴である。

ディベート勉強会の参加者のひとりがスピーチのサークルに参加しているという。きくと、それはToast Mastersという世界的なスピーチクラブで、東京だけでも数十のクラブがある。いまはそのメンバーとして、人前で話しメッセージを伝える練習をしている。

もう一つの傾聴について。ディベートの勉強会に参加するうちに、「聴くこと」の大切さが身にしみてわかってきた。相手の主張をよく聴かなければ、適切な反論もできない。そんな関心から、人の話を聴く技術だという「傾聴」の講座を受けてみた。そしてここでは、いい意味で期待を裏切られた。

ひとの話を聴くといっても、大きく2種類ある。

  • 意見の内容を知る
  • その人の気持ちを知る

ディベートは前者で、傾聴は後者に属する。

傾聴の起源はアメリカの心理学者カール・ロジャーズの「クライアント中心療法」である。ここでぼくは論理だけではなく、心理を知ることの大切さに気づかされた。

なぜ、話が通じないのか?

その人にとってその話題が重要なものであればあるほど、論理だけで相手を説得することは困難になる。むしろ、相手の気持ちにフォーカスをあて、相手を理解するところからはじめる方がうまくいくことが多い。

「この人は何が気になっているのだろう?」
「この人はけっきょく何が言いたいのだろう?」

今は、こういう好奇心こそが、相互理解を深めるうえで大切なのだと感じている。

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