2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

メトロポリタンとナポリタン

NHK「みんなのうた」で人気になった「メトロポリタン・ミュージアム」という、ちょっと不思議な歌がある。 ♪大理石の 台の上で 天使の像 ささやいた 夜になると ここは冷える 君の服を 貸してくれる? タイムトラベルは 楽し メトロポリタン ミュージアム …

ダ・ヴィンチにはなれないけれど

絵が上手に描ける人が羨ましい。「お前だって描いてるじゃん」とツッコまれそうだが、羨ましいものは、やっぱり羨ましい。 ぼくが羨ましいのは、美大や専門学校で絵を集中的に訓練して基礎的な技術がある人だ。そういう人はサラサラと落書きしても、現れる線…

きつねとぶどう

「狐と葡萄」 腹をすかせた狐君、支柱から垂れ下がる葡萄の房を見て、取ってやろうと思ったが、うまく届かない。立ち去りぎわに、独り言、 「まだ熟れてない」 このように人間の場合でも、力不足で出来ないのに、時のせいにする人がいるものだ。『イソップ寓…

くちびると胸の秘密

女優の上戸彩は帽子やサングラスで変装して街を歩いても、唇が見えているだけで、本人だとバレてしまうそうだ。 その話をどこかで聞いてから、上戸彩を見るたびに、ぷるんとして口角のあがった唇を気にするようになった。粘膜でできた唇、また、女性の胸がふ…

樹海と山手線

高田純次です。あれはおれが彼女と富士の樹海に迷い込んだときの話。 「おおつか=疲」れた。 すでにおれの「いけぶくろ=胃袋」は空っぽだ。 「はらじゅく=腹減った」。 彼女も… あたし、もう「しんじゅく=死んじゃう」。そのとき、何かが「うえの」方を…

かんガエルー

眼は、いつでも思った時にすぐ閉じることができるようにできている。 しかし、耳のほうは、自分では自分を閉じることができないようにできている。 なぜだろう。寺田寅彦『柿の種』(岩波文庫)より 「なぜ」の先に見えるのは、いままで気づかなかった世界だ…

白黒思考

※この記事は「きくこといいこと」ブログに引っ越しました。

「意味」からはなれて

ぼくたちは「意味」の世界で暮らしている。たとえば、音楽。 「君が代」のメロディーを耳にして厳粛な気持ちが湧いてくる人もいれば、嫌悪感が押さえられなくなる人もいる。それぞれがメロディーに歌詞の意味や歴史的背景を付着させながら反応するわけだ。 …

駐車禁止の看板

○○公園の周囲は 駐車禁止になっておりますので 駐車しないようお願いします。 これは近所の公園の看板。「駐車禁止になっておりますので」「駐車しないようお願いします」が重複している。 ○○公園の周囲は駐車禁止です。 ○○公園の周囲では駐車しないようお願…

なぜ水はぬれているか?

親を困らせる子どもの質問トップ10 なぜ昼間でも月が見える時があるのか。 なぜ空は青いのか。 宇宙人を見つけられるか。 地球の重さはどのくらいか。 飛行機が空を飛ぶ仕組みは。 なぜ水はぬれているのか。 割り算のひっ算のやり方は。 鳥やハチは冬にど…

目に見えないもの

仏は常にいませども 現(うつつ)ならぬぞあはれなる 人の音せぬ暁に ほのかに夢に見えたまふ(梁塵秘抄) ぼくたちの喜怒哀楽を揺さぶるのは、たいてい目に見えないものである。目に見えないものをめぐって、争い、罵り、殺し合う。

もしもみんなが翼をもって 空をとべたとしたら 翼のないぼくは やるせない気持ちになって死んだほうがましだ と呟くだろう

国民性

ある船に火災が発生した。船長は、乗客をスムーズに海へ飛び込ませるために、 イギリス人には 「紳士はこういうときに飛び込むものです」 ドイツ人には 「規則では海に飛び込むことになっています」 イタリア人には 「さっき美女が飛び込みました」 アメリカ…

百年後の予言

「百年後に人類は月面に降り立つ」。もし1869年に誰かがそう書き残したとしたら、後の世の人は「なんでそんな予言ができたんだろう」と驚くに違いない。 一方、「百年後に人類は月面に降り立つか、降り立たないかのどちらかだ」と書き記したノートが見つかっ…

にじのくぎり目

あの日ぼくらはにじを見た。 数えられない色の中で、 ムリに7色のくぎり目をさがしたボク。 見つかるわけがないとにじが言った。 そうだよねにじさん。 にじにくぎり目なんてないんだよね。 わかったよ。にじさん。 前とちがう見方でボクはもう1度 上を見…

主観と客観

日本語の「主観」「客観」は、明治初期に西周がつくった訳語です。「主観ー客観」はドイツ語で Subject, Objectですが、この概念はアリストテレスのhipokeimenon, antikeimenonまで、一応、遡ることができます。 でも「主観ー客観」の概念が現在使われている…

シャボン玉

シャボン玉は この世でいちばん 美しいもの そしていちばん 優しいもの…… いくら出したら 買えるのだろう 世界に一つしか なかったならば マーク・トウェイン(大久保博訳) 頭のスイッチをきりかえるだけで、気づかなかった価値がリアルに現れる。その究極…

論理か、メタファーか。

論理か、メタファーか。それが問題だ。論理は、地面にレンガを1個1個積み上げていくような思考法だ。対するメタファー(隠喩)には、鳥が空を飛ぶように、一瞬で目的地にたどりつく力がある。(ちなみにメタファー(metaphor)の語源は、古代ギリシャ語の …