『ピラニア3D』を観たよ

(一部で)話題騒然だった『ピラニア3D』。まさかの日本での劇場公開が決定!ということで初日に観に行ってきましたよ。クリップ型3Dメガネを持参してド真ん中のいい席で鑑賞です(何なんだこの気合いの入れようは、と我ながらちょっと思った)。客入りは予想以上でかなり席が埋まっていました。なかなかいい感じです。大勢で観たほうが楽しそうだよねぇ、と思っていたので。
湖底が割れてその下にあった太古の湖から太古の凶暴なピラニアがわーっと出てきて、人がかぷかぷ噛まれて、血が出まくって、肉食われまくって骨になったりしはじめる。だが、湖では濡れ透けTシャツコンテストが開催されるため、おっぱいやら尻やらを揺らしまくってるお姉ちゃんと、彼女らに群がる男どもがたまたま大量にいたのです。ピラニアさんたちの獲物はたんまりあるから、かぷかぷ噛み付きまくって、切り株につぐ切り株のさらなる大量生産がおこなわれ、湖も赤く染まるわけです。
アレ?あらすじを書いたつもりだけど、あらすじになってないな。でも本当にこれに尽きるんだよな。おっぱい、血、切り株などなど。水際なので特殊メイクなども大変だったろうに、これが素晴らしい仕事ぶりでしたね。大量にいるワカモノたちも、きちんとピラニアに恐れおののきパニックになる様子を演じてた。バカバカしい*1ことに、大人たちが本気で全力をそそいでいるところが見えました。そこがよかったな。クリストファー・ロイド(おじいちゃんになってた)、イーライ・ロスとかもさらりと登場し印象的でした。細部へのこだわりと、ジャンルムービーの大味なストーリーの中でいかにやりたい放題できるかの真剣な取り組み具合が見えました。ええ。エロ映画監督(ジェリー・オコンネル)絡みの悪趣味エピソードも、怪演でインパクト大でした(とくにエロへの執着具合と、いまわの際の一言はすばらしい、あれは笑うがな)。
切り株とか血とかの諸々は当然ながら…自分が印象的だったのは、年に一度だけ盛り上がる春のビクトリア湖*2に休暇中の大学生たちが集って、きゃっきゃうふふわいわいしてる様の楽しそうなことったらないな!ということです。スクリーンの中に入って一緒に騒ぎたかったですよ。何なんだろあの多幸感。何がとくにあるわけでもなく、ただ同年代の人間が集って、ちょっと音楽をかけてるだけなのに、あの盛り上がり!生きてるってサイコー、たのしい!って感じで迷いが見えません。だからこそ、後半の惨劇が際立つわけですね。…もしも今の自分があのきゃっきゃしている人たちの中に入ったとしても、隅っこで楽しそうな人たちを眺めるくらいしかできなさそうだけど、生のよろこびで空気までキラッキラしてそうなその雰囲気だけで満足かもしれない。あの多幸感ゆえ「ぱい」「おつ」のコール&レスポンス(アホです、アホの極みです)には、超もりあがるし、ちょっと針でつつけば楽しさが溢れ出るわけだ。あんなふうに我を忘れてきゃあきゃあ騒ぐしあわせな空気がうらやましかった。ちょっと種類は違うけど、プロムを思い出しましたね。もしも自分が今の性格と違う感じで生まれ変われるのなら、アメリカに生まれて、パジャマパーティだのハロウィンだの、プロムだの濡れ透けTシャツコンテスト(!)だの楽しんでみたいものですよ!まったくね。(今の自分は、日本に生まれてよかったと心底思ってます。)

『ピラニア3D』(2010/アメリカ)監督: アレクサンドル・アジャ 出演:エリザベス・シューアダム・スコットジェリー・オコンネル、スティーブン・R・マックイーン、ジェシカ・ゾア
http://www.piranha-3d.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD19224/

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*1:ほめてます

*2:完全なる田舎町