『若き数学者のアメリカ』は、数学の本ではなかった

今年のエイプリルフールは、恋人から別れを告げられてスタートしました。もちろん、ウソなわけですけど。っていうか、恋人がいないんですけど。っていうのもウソで・・・。
と、子供みたいな遊びはさておき、エイプリルフールで一番驚いたのは、YouTubeのテキストモードでしょうか。エイプリルフールうんぬんではなく、単純に技術として面白いと思いましたねぇ。別に平日に公開しても注目を浴びたでしょうけども、普通のサービスとして出したら、力の注ぎ方を間違えてると言われかねないですね・・・。Yahoo!もこだわってましたね。御得意のSilverligntを使った3D版Yahoo!。みなさん、底力ありますねぇw

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

さて、先週の東京出張のために買ったノンフィクション作品、「若き数学者のアメリカ」を先程読み終えました。まず、これを買う動機は、以前車中のラジオで「博士の愛した数式」の作者で知られる小川洋子先生がこの本を勉強のために読んだというのを聞き、さらに以前何かのブログ記事でもこの本の名前を見ていたので、読んでみたいと思ったためです。調べてみると、30年近く前の作品ということで書店においてあるのか不安になったのですが、ちゃんと置いてありました。もしかしたら超有名作品なんですかね、これ。
この本は、作者で数学者の藤原正彦先生が若い時代のアメリカ生活について綴ったものです。僕は読む前は数学者らしさを存分に見せてくれるものと思っていたのですが、読んでみると一人の日本人のアメリカ生活について書かれていて、数学者らしいのは職場は大学であることぐらいでした。
数学者の本であることを期待して買った僕としては、まず一つ大きな期待を裏切られてるわけですが、それでも読み終えて非常に面白いと思いました。特に、この本の最後の章でも書かれ、本全体で言及しているわけですけれど、アメリカ人の悲しみ・寂しさの部分については共感出来る部分がありました。
僕は大学院進学で県外に行くつもりでいるわけですが、今現在、父は単身赴任で母と2人暮らしです。で、もし僕が家を出るとなると母が1人になってしまうわけで、父としては仕事を辞めて戻ってくるわけにもいかないので、母が父のところに引っ越すことになる予定です。そうなると、今住んでる場所には誰もいなくなるので、家を壊そうかという話になっている現在です。もちろん、それが合理的なわけですけれど、僕が一番嫌だと思っているのは、生まれ育った実家が無くなってしまうことです。戻る場所がなくなってしまうというのは、とても辛いことです。親が住んでる場所に行くことが帰省ではなく、自分が住んでいた場所に戻ることが帰省の本当の喜びな気がします。

今、こんなことを書いたのは、この本においても規模は違えど同じような意味での悲しさや寂しさがとても多く表現されているからです。まだ海外に行ったことのない僕ですが、アメリカの大学に行ってみたいと思っている自分としては、アメリカが非常に近く感じられるような作品でした。

そういえば、研究室の先輩がカナダに留学しています。カナダの学校の雰囲気や、日本と同じだった・違ったところなどを聞けたら面白いだろうなと思います。

なんか、小学生の読書感想文みたいになってませんかね、これw