痛み無きコミュニケーションは虚無であり
「さよなら渓谷」(116/144)
切ないね
一瞬、読まなきゃ良かったと思ったけど
そんなことはないよ
人と人が会うと何かが起こる
それは得てしてネガティブな事が多かったりする
じゃ、それを避けて孤独になれるのか?
それは生きている限り不可能だろう
主人公、というよりは物語の主軸となる女性の絶望は
何に対する絶望がメインだったのか
やっぱり、わからない
自分というものに対する漠然としているが圧倒的な絶望を
すこしでも軽減したのは
その絶望の根源だったわけであり
もし、この根源が無かったとしても
この女性は
やはり自分に絶望していたかもしれなくて
そんな絶望を
つかのま忘れさせてくれた
男と女の繋がりが
あまりにも切なすぎて、切なすぎて……
痛みの中にのみ存在する
何かを求め
コミュニケーションを続ける二人
読み応え、十分
是非
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 吉田修一
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