夜盗虫の朝寝坊

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2004年11月18日 (木)

[][]『夕凪の街 桜の国』

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

漫画なのでさっそく読了こうの史代『夕凪の街 桜の国』。収録作品は夕凪の街」「桜の国(1)」「桜の国(2)」の3作品。どうつながっているのかわからずに読んでいたが、とちゅうで気づいた。同じ家族の、時代を超えて繋がっている物語なのだと。

ヒロシマか……。夕凪の街」では、戦後10年経ってもまだ放射能による身体の変調をまぬかれないことが、恋愛物語にからめて描かれる。「桜の国」は、時代は2004年である。絵柄からはわからなかったが。このあたりは、線画である漫画での表現がむつかしいところかもしれない。絵の線がシャープではないので(素朴系?)、よけいそう思う。

なんでこの物語が評判がよいのか、さっぱりわからん。ちょっと泣いたけど。掲載誌は夕凪の街」『WEEKLY漫画アクションだったそうで、それはいきなりこういうのを出されたら衝撃だったかも知らんな、とは思う。わたしがこの漫画を読み込めていないだけなのだろうか。

ああ、昭和は遠くなりにけり、だ。あの戦争も。この現代日本ののっぺりした世界が、どれほどの屍の上に立っていることか。それを忘れている。知らないでいいことなのか。知ろうとしなければ見えてもこない。忘れたいのだ、たぶん。そしてヒロシマは描けてもナガサキは描けないだろう、と意地悪く思った。ナガサキは、もっと禁忌だ。

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