出久根達郎さんの古書エッセイ3部作
今日はなんとなく雨(雪?)が降り続きました。こうしたはっきりしない天気の日には読書か映画か。今日は本にしました。読むべき本が隣りに積ん読状態になっています。さてどれから。選んだのは出久根達郎『古書法楽』(中公文庫)でした。
この文庫は『古本綺譚』『古書彷徨』『古書法楽』の古書エッセイ3部作の一冊です。その他にも数多くの古書エッセイを書いています。そのすべてが古本好きの人(古本屋も含む)の必読書だと思っています。いままでどれだけ多くのことを教えてもらったことか。
そんな本だけに、あとの2冊を探したのですが、不明? 古本市や棚に出した記憶なし。再度文庫の棚を探しても、影も形もなし。こだわりはじめると止めどなくなりそうなので、このくらいにして、出てくるのを待とうと思います。
久々に読んだ一冊でしたが、やはり面白かった! 古書についての蘊蓄はもとより、人物についての多識、こういう通人もいたのだと改めて知ることになります。これからもこういう通人が現れるのかどうか。
例えば、「色恋の洒落の世之介 田辺茂一」から「年の瀬や水の流れと身のゆくえ 大高源五」に至る 28名が取り上げられています。ここに紹介されている通人の何たる生き方、何たる個性。
その通人の「通」とは何かも、この本から学びました。<通とは、何の役にもたたぬことを楽しむ心>だと言います。なるほど。とはいえ、そこまでの心持ちで、冷静沈着、泰然自若に生きている人がどれほどいるのか・・・・・。
こう書いてくると、この3部作が無性に読みたくなりました。先程探して見つからないとはわかっていても、それでも本の山を崩しにかかる。それが何の役に立つのか。役に立たなくても、やりたいことをやる。これもまた通人の作法です。(何て言ってみたくなります)。