クドリャフカの順番
古典部シリーズ3作目。
前2作は、トリックやロジックに対する評価はともかくとして、一登場人物が名探偵と認識される過程が描かれていたり、素人探偵が無理なく殺人事件に関わる方法が示されていたりと、個人的には非常に有意義な内容だった。
さて今作はというと、シリーズ3作目な分、登場人物たちのキャラクター面では非常に、安定感がある。いわゆる「お馴染みの」ってやつだ。その反面、登場人物の描写に紙数が割かれ、肝心のミステリー的要素が薄くなっているという印象を受けた。もっともそれは第1作から散々煽っていた文化祭がメインテーマだからというのも関係しているだろう。
もっとも、このシリーズは基本、エンターテイメント小説で謎や解決は副菜なんだろう。だから、これでいいのだ。
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2008/05/24
- メディア: 文庫
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